雨の中、男が走っていた。
とある式場。
光彦「いつかこんな日がくると思ってましたけど……」
歩美「ついにやったね、高木刑事……」
元太「でもよ、えらい急に決まったよな……」
哀「うんうん……」
風見「本当に来ますかね?」
安室「匿名のタレコミだ。望み薄かな」
風見「この男なんですよね? 降谷さんの同期を、その……」
風見がタブレットでいたのは松田が爆死した事件のニュースだった。
風見「すいません、余計なことを……」
安室「どうも引っかかるんだ……」
風見「えっ?」
安室「爆弾の知識はともかく、脱走の計画を練り、実行するだけの力がその男にあるとは思えなくてね」
風見「それってつまり……」
安室「おっ」
歩美「あっ!」
ドレス姿の佐藤が入場しようとする。
光彦「佐藤刑事、とっても綺麗です……」
コナン(俺も、いつか蘭と……)
蘭「どうかした? コナンくん」
コナン「えっ? な、なんでもないよ……」
園子「このガキンチョ、蘭を嫁にしたいと思ってるんじゃないの?」
蘭「まさか……」
コナン(正解です)
神父「高木渉さん…… あなたは生涯美和子さんを守り続け、笑顔を絶やさず幸せにすることを誓いますか?」
高木「はい、誓います」
神父「美和子さん…… あなたはどのような時も渉さんの支えとなり、生涯愛し続けることを誓いますか?」
そこへ凶器を持った男たちがやってくる。
男たち「美和子‼︎」
男「そんな男と結婚するなら殺してやる‼︎」
神父は変装を解いて目暮の姿に戻る。
目暮「確保‼︎」
小五郎たちが前に出る。
コナン「おっちゃん?」
男「どけ‼︎」
小五郎は一本背負いを決めるが、千葉たちの下敷きになってしまう。
小五郎「いててて‼︎ おいバカ」
コナン「なんなんだよ一体?」
すると男が拳銃を構える。
コナンはいつものようにシューズを使おうとするが。
コナン「しまった。靴がちげぇ……」
安室と風見は車を降りて男を追跡。
そしてとうとう追い詰める。
男「助けてくれ!」
風見「なんだそれは?」
安室「風見、離れろ!」
風見「えっ?」
男「助けてくれ……」
男の首輪の液体が融合。
爆発してしまう。
安室「ぐっ、大丈夫か? 風見……」
風見が手すりから落ちそうになるが、安室は間一髪それを阻止。
安室「風見……」
そこに何者かが現れる。
そんな中、銃弾が高木の胸に当たってしまう。
佐藤「高木くん‼︎ ああ……」
目暮「訓練終了!」
コナン「えっ?」
男「やられた?」「マジかよ……」
目暮「何をやっとるんだ。新郎が撃たれたじゃないか、警備体制は見直しだ!」
高木「あーあ。ペイントの塗料って落ちないんですよね…… ん? どうしたんです? 佐藤さん……」
佐藤「な、なんでもないわ……」
光彦「一体どういうことですか?」
元太「訳わかんねぇよ」
歩美「高木刑事と佐藤刑事の結婚式じゃなかったの?」
目暮「いやあ、すまんすまん。本番さながらの訓練ということで君たちには何も知らせなかったんだよ……」
コナン(おいおい……)
目暮「実は今度、村中努元警視正が結婚することになってな、結婚式の警備を我々と毛利くんが担当することになったんだ……」
蘭「お父さん、知ってたの?」
コナン(それでとっさに前に出られたのか……)
小五郎「村中元警視正は確か警部殿の同期でしたな?」
目暮「ああ、出世頭だったよ。数年前に大怪我をして退職したんだが、入院中の病院で運命の出会いがあったらしい…… 退職後はれんらくもよこさずしんぱいしていたんだがな、正直驚いたよ」
コナン「でもどうして結婚式の警備を捜査1課がやるの?」
目暮「村中のところに脅迫状が来ているんだ。現役時代、彼は多くの犯罪者を逮捕した…… いまだに恨んでいるものも多い」
コナン「つまり、逆恨みってこと?」
目暮「そう、だから警備させてくれとこちらから上層部に願い出たんだよ…… 我々は村中が逮捕した連中の顔も知っている。もしもの時は対処できると思ったんだがな……」
由美「大丈夫? 美和子、お水持ってくるね」
安室「3年ぶりだな…… やはりあんただったか。やつを脱走させれば僕が出てくる…… そういう読みだったんだろ?」
コナン「どうしたの? 佐藤刑事……」
佐藤「コナンくん…… なんでもないわ。といっても、君はすぐ見抜いちゃうか…… さっき高木くんが倒れた時、またあれが見えちゃったんだよね」
コナン「あれ? あれって?」
佐藤「高木くんを連れて行こうとする死神よ……」
安室はようやく風見を引っ張り出した。
死神の面を被った人物はビルから去る。
最終更新:2023年11月23日 07:01