22世紀── その事件は、 私ドラミが卒業を明日に控えた ロボット養成学校で起こったのです。
20世紀から来てくれた お兄ちゃんまで巻き込んで。
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ロボット養成学校。
空に暗雲が立ち込め、鳥の群れが鳴きわめく。
ドラえもんや、養成学校の寺尾台校長が、その様子に驚いている。
ドラえもん「なんだ!? 急に空が暗くなったぞ」
寺尾台「ほぉ、珍しいのぉ。こんな天気は」
学校に雷が落ちる。
校内の照明が、激しく明滅する
ドラえもん「わ、わ、わ!? どうしちゃったんだぁ!?」
生徒たちがざわめく。
ドラえもん「わぁっ!? こ、校長先生! あれは!?」
寺尾台「はて、何じゃろう!?」
廊下の彼方に、2つの目が妖しく光る。
突如、校内のあらゆるものが激しい勢いで、そこへ吸い込まれてゆく。
ドラミ「吸い込まれちゃう~っ!」
ドラえもん「わぁ~っ! どうなっちゃってんの~っ!?」
ドラミがタケコプターで逃れようとするが、タケコプターが外れて吸い込まれてしまう。
ドラミ「あぁっ、タケコプター!?」
ドラミはとっさに、ドラえもんのひげにつかまる。
ドラえもん「痛、痛、痛痛痛!」
寺尾台「も、もう駄目じゃあ!」
ドラミのポケットの中から道具があふれ、次々に吸い込まれてゆく。
ドラミ「わぁっ!? ポケットの中身が、全部吸い込まれちゃう~っ!」
ドラえもん「もう駄目~っ!」
隔壁が閉じる。
ドラミを残し、ドラえもんや寺尾台校長たちは、隔壁の向こうへ消える。
ドラミ「痛痛痛…… お、お兄ちゃん!? 校長先生!」
校内のあちこちの照明が、でたらめに明滅している。
ドラミ「学校中がどうかしちゃったみたい……」
床に、1枚のカードが落ちている。
ドラミ「これは、お兄ちゃんの道具『親友テレカ』!」
そう、その親友テレカは、
お兄ちゃんと友情を誓い合った、
彼ら6人を呼ぶための道具だったのです!
親友テレカの光が世界を駆け巡り、各地の仲間たちに届く。
中国4千年、究極のカンフー。
王(ワン)ドラ。
ブラジルの若きスーパーストライカー。
ドラリーニョ。
古代アラビア砂漠、伝説の魔術師。
ドラメッド三世。
氷の大地ロシア、さすらいの星。
ドラニコフ。
スペインは、赤き情熱の闘牛士。
エル・マタドーラ。
西武の開拓地、ウェスタンランド。
ドラえもんズの一員、ドラ・ザ・キッドが、相棒の馬ロボット・エドと共に、食事にありついている。
店員「お待ちどう」
親友テレカの光が飛来し、キッドがひっくり返る。
エド「あんさん、どないしましたん?」
キッド「痛痛痛…… あっ、俺の親友テレカが!? いっけねぇ、ドラえもんが助けを求めてやがる!」
そして、ミスター・アメリカンドリーム。
西武のガンマン、ドラ・ザ・キッド!
キッド「行くぞ、エド! 日本だ!」
エド「え~っ!? もう、あんさん馬使いが荒いわぁ!」
キッドがエドに乗り、空へ飛び立つ。
キッド「ファイト──っ!!」
エド「一発──っ!!」
キッド「高いとこ怖~い!!」
最終更新:2024年10月12日 13:46