手裏剣戦隊ニンニンジャーの第1話

伊賀崎天晴(たかはる)が忍術道場に帰ってくる。

天晴「久しぶりだなぁ。忍術道場……」

すると忍術道場が爆発してしまう。

天晴「うわああっ! 何だ!?」

そこへ謎の戦闘員が現れ、道場を荒らし始める。

天晴「おい! 人んちの道場に何してくれたんだよ!」

戦闘員が天晴を突き飛ばす。

天晴「仕方ない…… ちょっくら使ってみるか」

天晴は忍者一番刀を取り出し、戦闘員に斬りかかり、手裏剣を投げる。

戦闘員「貴様、何者だ!?」
天晴「忍者だ……」

『アカニンジャーシュリケン』『ザ・変化』

天晴がアカニンジャーとなる。

アカ「俺こそラストニンジャ、伊賀崎好天(よしたか)の孫にて、その意志を継ぐ男。伊賀崎天晴だ!」

アカニンジャーがヒトカラゲたちに挑む。
そんな中、十六夜九衛門(いざよいきゅうえもん)が箱から小槌を取り出す。

『ザ・技』『なんじゃなんじゃ、なんじゃなんじゃ』『忍者一閃』

アカの剣技がヒトカラゲを一掃。

忍びの1 俺たちはニンジャだ!

アカ「しかし、一体何だったんだ? 今の奴ら……」
声「ああーっ!!」

振り向くと、そこに立っていたのは天晴の妹、風花(ふうか)だった。

風花「ちょっと、何これ!?」
アカ「よう風花。久しぶりだな……」

アカが変化を解除。天晴に戻る。

天晴「4年ぶりだっけか?」
風花「お兄ちゃん? 放浪してたんじゃなかったの!?」
天晴「放浪じゃない。修行だって…… ていうか、熱いだろう!?」
風花「熱いだろうじゃないでしょ。これ、忍者一番刀使っちゃってどういうつもり? しかも道場をこんなにしちゃって……」
天晴「いや、変な連中に襲われたんだって。あれは俺達伊賀崎家の敵だぞ。刀返して……」
風花「駄目。こんな時代に敵なんているわけないじゃん」
天晴「いたんだって、実際に……」

天晴が一番刀を取るが、ネギだった。

風花「天国のおじいちゃん。馬鹿な兄貴でごめんね……」
声「久しぶりだな、天晴」
天晴「親父!」

現れたのは伊賀崎兄妹の父、旋風(つむじ)だった。

旋風「天晴を呼び寄せ、そして忍者一番刀を送ったのは、お父さんだ。まぁ一応、まだ使うなとは言ったんだけどね……」
風花「お兄ちゃんに使うなって言っても、聞くわけないじゃん」
旋風「すいません……」
天晴「あいつらなんなんだよ!? 親父、知ってんのか!?」
旋風「そ事とを話す為に、お前達のいとこを呼んでるから。まぁ、少し待ちなさい」
声「待つ必要はないな、伯父さん」

木から加藤・クラウド・八雲が飛び降りる。

八雲「加藤・クラウド・八雲、ここに推参」
天晴「八雲! イギリスにいたんじゃないのか!?」
八雲「今、戻ってきたばかりだ。それに、俺だけじゃないぞ」

どこからか黄色い手裏剣が飛んでくる。
それを天晴と八雲が受け止める。

天晴「凪。いくつになっても悪戯心は変わらねぇな……」

手裏剣を飛ばしたのは松尾凪だった。

凪「久しぶり。天ちゃん、風ちゃん。さすがだねぇ、八君……」
八雲「隙が多いのも変わってない。イージーだな」
凪「えっ?」

背中には、「背後に注意」という紙が貼ってあった。

風花「『背後に注意』だって」
天晴「お前もな。風花……」

風花の背中にも紙が貼ってあった。

風花「えっ? えっ?」
凪「ついてる、ついてる!」
風花「取って。霞ちゃんだ!」

旋風も自分の背中を紙が貼ってあるんじゃないかと探る。
突如、百地霞が姿をあらわす。

霞「大当たりです!」
旋風「うわっ!」
霞「凪ちゃんも風ちゃんも大きくなりましたね」
凪「うるさいな!」
旋風「とにかく、これで全員揃ったな。よしみんな、忍シュリケンを出しなさい」

5人は言われた通り、忍シュリケンを出す。

旋風「知っての通り、我々伊賀崎家は代々、忍びの一族。我々の先祖は戦国時代、天下を恐怖で統一しようとした戦国最強最悪の武将、牙鬼幻月との戦いを繰り広げ、奴を葬った…… だが、牙鬼は予言を残した。444年後、もう一度天下を恐怖で支配せんと……」
天晴「444年後経って予言通り妖怪になって復活した牙鬼を封印して、決戦を終わらせたってのが、俺たちのじいちゃん、伊賀崎好天なんだ。だからじいちゃんはラストニンジャって呼ばれてたんだよ! 熱いぜじいちゃん!」
旋風「その予言なんだが、あの…… どうやら数え間違えちゃってたらしくて。よくよく調べなおすと、444年後というのは今年 …… かもしれない」
風花「かもしれないって、仮定の話!?」
天晴「待て風花。俺と戦った相手も、ひょっとしたら牙鬼の手下。かもしれない……」
風花「親子揃って、馬鹿かもしれない……」
3人「そうかもしれない……」
天晴「とにかく、話は半分くらいわかった」
旋風「半分かよ!?」
天晴「俺たちは忍者の末裔として、牙鬼の復活を阻止しろってことだろ!? 俺、じいちゃんみたいな最強の忍者になるのが夢だったんだ。燃えてきたーーーっ!!」

すると旋風は、4本の忍者一番刀を取り出す。

旋風「忍者一番刀…… 牙鬼と戦うための力だ。お前達は、これで……」
霞「伯父様。 私、まだ大学生ですから……」
旋風「よし! え、ええっ!? 八雲」
八雲「突然言われても、俺もイングランドで魔法のレッスンが残っている」
凪「僕、基礎しか習ってないし…… 実戦なんてやったこと無いから無理だよ!」
天晴「おいおい。なんだお前ら、 ビビってんのか?」
風花「どっちが? そんな根拠もないおとぎ話みたいな予言を恐れてるのは、お兄ちゃんとお父さんじゃない。違う? お父さん」

旋風は、5人を墓の前に連れてくる。

凪「ここは?」
旋風「牙鬼幻月が葬られている墓だ。じいさんの使った、48ある封印の手裏剣が、牙鬼の妖気を封じこんでいる。おそらく何か異変が……」

鳥が鳴く。

凪「平和だね……」
風花「まったく、変なことに付き合わせて。帰るからね!」
旋風「ちょっと待てよ。風花ちゃん、風花ちゃん…… 凪、凪」

岩の陰に潜んでいた九衛門が小槌を振るう。
すると空が暗くなり、うなり声が響く。

天晴「なんだ!?」

墓が崩れ、妖気が放出される。

風花「手裏剣が!」

空に牙鬼幻月の幻が現れる。

牙鬼「時は満ちたり……」
旋風「牙鬼、幻月……」
風花「えっ?」
八雲「あれが……」
牙鬼「我が家臣たちよ…… 天下をこの牙鬼幻月の恐怖で統一するべし。我が復活を成し遂げよ!」
一同「うわあっ!」

手裏剣が飛び散っていく。
地上に牙鬼軍団の戦闘員、ヒトカラゲが現れ、人々に襲いかかる。
人々の恐怖が九衛門のひょうたんに集まっていく。
そんな中、天晴たちが街にやってくる。

天晴「俺と戦った奴らだ」
霞「あれを見てください!」

飛び散った封印の手裏剣の1枚がチェーンソーに装着。

風花「封印の手裏剣!」
牙鬼「意志持たぬ作られし物よ、我、牙鬼幻月のために意志を持て……」

チェーンソーが妖怪カマイタチへと変化。
カマイタチの斬撃がいろいろ襲う。
これにより凪の帽子と風花のマフラーが切れてしまう。

カマイタチ「恐れろ。刃に切られる恐怖をしっかり味わえ! はっはっは!」
天晴「行くぞ! 俺達で奴を倒す!」
風花「あれと戦うの?」
凪「無理だよあんなの……」
霞「実戦も経験していませんし、さすがに……」
八雲「……」
天晴「そうか…… なら俺は1人でやるぜ!」
風花「お兄ちゃん!」

天晴が1人で立ち向かっていく。

凪「天ちゃん、怖くないの?」
天晴「怖いだ!? 俺達はみんな、ラストニンジャの孫なんだぜ? うおおーーーっ!!」

カマイタチが天晴を突き飛ばす。

天晴「恐れる前に戦う。それが俺のできる事だ!」
一同「……」
八雲「グレート! 天兄にしては言うじゃないか。仕方ない、付き合ってやる」
霞「確かに…… 私たちもおじいさまの孫ですもんね」
凪「うん。僕も怖くなくなってきた!」
風花「みんな…… わかった。やろう! 忍者一番刀!」

しかし、手元になかった。

風花「ない! 置いて来ちゃった。ごめん、持ってくる……」

風花が取りに戻ろうとすると、旋風が刀を持ってやってくる。

旋風「胸を張って使え! お前たちこそ、忍者だ」

天晴が消える。

カマイタチ「あれ? どこだ!?」

天晴たちはタンクの一番上に立っていた。

天晴「行くぞ!」

『アカニンジャーシュリケン』『アオニンジャーシュリケン』『キニンジャーシュリケン』『シロニンジャーシュリケン』『モモニンジャーシュリケン』『ザ・変化』『ニンニンニン、ニンニニンニン』

一同「シュリケン変化!」

『アカじゃ』『アオじゃ』『キじゃ』『シロじゃ』『モモじゃ』『ニンジャ』

天晴たちがシュリケン変化を遂げ、ニンニンジャーとなる。

カマイタチ「何者だ貴様ら!?」
アカ「問われて名乗るもおこがましいが、問われなくても聞かせてやるぜ! 暴れて天晴れ。アカニンジャー!」
アオ「轟け八雲。アオニンジャー!」
キ「きらめきの凪。キニンジャー!」
シロ「ひとひら風花(かざはな)。シロニンジャー!」
モモ「揺らめく霞。モモニンジャー!」
アカ「偲びなれども忍ばない!」
一同「手裏剣戦隊ニンニンジャー!!」
カマイタチ「ニンニンジャー?」
ヒトカラゲ「ニンニンジャー?」
アカ「忍ぶどころか、暴れるぜ!」

ニンニンジャーがカマイタチとヒトカラゲに挑む。

アオ「ガマガマ銃!」
キ「イエーイ。はぁっ!」
アカ「でやあーっ!」
モモ「シュリケン忍法、落とし穴でした」
シロ「やあっ! とおっ!」

シロがバナナの皮に滑る。

シロ「そんなバナナ……」

アカがシロの助太刀に入る。

アカ「心配すんな。兄ちゃんが守ってやっから!」
シロ「ムカーッ!」
アオ「兄妹喧嘩はバトルの後でな……」
カマイタチ「この忍び風情が。恐れを抱かせてやる……」
アカ「こちとら生まれてこの方、恐れとは無縁だな……」
カマイタチ「なんだと!?」

アカがカマイタチの斬撃を受け止める。

アカ「まだまだ!」
シロ、モモ「カラクリ変化弓!」
アカ「えっ?」

2人の弓がカマイタチを怯ませる。
そこへキが現れる。

キ「ジャジャン! カラクリ変化刀!」
アオ「カラクリ変化爪!」

他の2人のカラクリ変化もカマイタチを襲う。

『ザ・技』

アカ「シュリケン忍法奥義、忍烈斬!!」

『アカじゃ、ニンジャ』『忍者一閃』

アカの必殺技が炸裂。

カマイタチ「忍びなのに…… 派手すぎる!!」

カマイタチが大爆発。

アカ「悪りぃな。忍んでなんかいらんねぇんだよ」
九衛門「伊賀崎の連中か……」

九衛門が小槌に手裏剣をセット。

キ「さすが天ちゃん!」
アカ「当たり前だろ」
シロ「帰ろう……」

すると先ほど倒されたカマイタチが巨大化を果たす。

カマイタチ「恐れを…… 巨大な恐れを生み出してやる……」
一同「うわああーっ!!」

ニンニンジャーが吹き飛ぶ。

すると5人の元に忍シュリケンが飛んでくる。

アオ「何だこれは!?」
モモ「見たことのないシュリケンですね……」
アカ「とりあえずやるっきゃない」
シロ「えっ? えっ!?」

『ザ・将軍』

アカ「お前たちもやれ!」

『誰じゃ、誰じゃ、誰じゃ。シノビマル』『誰じゃ、誰じゃ、誰じゃ。ドラゴマル』『誰じゃ、誰じゃ、誰じゃ。ダンプマル』『誰じゃ、誰じゃ、誰じゃ。ワンマル』『誰じゃ、誰じゃ、誰じゃ。ビュンマル』

オトモ忍が次々と現れる。

アカ「おおっ、なんかきた! 超熱いな」

アカがシノビマルの肩に乗る。

アカ「頼むぜ。相棒!」

他の4人もそれぞれのオトモ忍に乗る。

アオ「ドラゴンか。悪い趣味じゃないな」
モモ「科学の推移を集めたリニアですね?」
キ「僕、ダンプカー? 何で?」
シロ「白い犬? かわいい!」
アカ「よし、行き当たりばったりだ! このまま突っ込むぜ!」
カマイタチ「でやあっ!」
アカ「はぁっ!」

シノビマルが猛スピードでカマイタチに突き進む。

アカ「行くぜ!」
カマイタチ「これでも喰らえ!」

カマイタチは槍を投げるが、かわされる。

カマイタチ「なんと!」

そこにダンプマルが現れる。

キ「ジャジャーン!」
カマイタチ「えっ?  どうなってんだこれ?」
キ「凪、行きます!」

ダンプマルの巻菱がカマイタチを怯ませる。

キ「イエイ!」
シロ「次は私の番! えっ? ちょっと、あれ!?」

ワンマルが暴れる。

モモ「風ちゃん、お先に」

ビュンマルが手裏剣を投げる。

カマイタチ「やばい!」

ワンマルが飛び立ち、手裏剣を加える。

シロ「やった、取れた!」
カマイタチ「あ、ありがとう……」
シロ「霞ちゃん、できたよ!」
モモ「もう! 大人しく乗っててください!」
シロ「はい……」

ワンマルがビュンマルに乗り込む。

カマイタチ「ど、どこ行った?」
アカ「隙あり!」

シノビマルがビルから現れ、カマイタチを叩く。

カマイタチ「あいたっ!」
アカ「行くぜ!」

するとシノビマルがこける。

アカ「うわあっ!」
カマイタチ「お前が隙あり! 壁ドン」

地中からドラゴマルが現れ、火を噴く。

カマイタチ「俺が隙あった……」
アオ「天兄、調子に乗り過ぎだ」

すると手裏剣が光り出す。

アカ「もう1度回せっていうのか? よーし! シュリケン合体!」

5体のオトモ忍が合体。巨大ロボとなる。

アカ「今、名付けた。シュリケンジン!」

『シュリケンジン』

アカ「超熱いぞ、これ。神輿だわっしょい!」
キ「天ちゃん、すげぇよ」
アオ「喜ぶのはまだ早い!」
モモ「ですね……」

5人は一番刀をセット。

アカ「よーし、行くぞ!」

シュリケンジンがカシャに挑む。
するとシノビマルが分離、カマイタチを翻弄する。

カマイタチ「速い!」

アカ「これで決まりだ! よーし!!」
一同「シュリケンジン・天晴れ切り!! はぁっ!」

シュリケンジンの必殺技が炸裂。

カマイタチ「天晴れな奴らよ……」

カマイタチが大爆発。

アカ「よっしゃあ!」

爆炎から封印の手裏剣が飛び出す。

アカ「忍ばずわっしょい!」


凪が手裏剣を拾う。

凪「こうやって封印の手裏剣を回収して行けばいいんだね?」
天晴「なるほどね……」
風花「ねぇ…… 2人は覚えてる? 昔教わった忍者の心得」
八雲「もちろんだ。忍者たるもの、恐れるべからず。悩むべからず……」
霞「侮るべからず。ですね?」
風花「私たちはいずれ来る、忍者になるべき時を、恐れてたんだね…… それを気付かされたのかもしれないな。お兄ちゃんに」
霞「かもしれないって、やっぱり伯父様と天晴くんに似てますね。風花ちゃん」
風花「えっ? ええっ、やめてよ。霞ちゃん……」
天晴「なんだよ風花、まだ文句あんのか?」
風花「お兄ちゃんには文句しかないよ!」

天晴が手裏剣を取り出す。

天晴「じいちゃん…… 俺、絶対じいちゃんみたいなラストニンジャになってみせる。だから、天国で見ててくれよ!」
?「ひよっこどもが何を偉そうに言うておる!」

振り向くとそこにいたのは、ニンニンジャーの祖父、伊賀崎好天だった。

天晴「じ、じいちゃん?」
八雲「じいさん!」
凪「おじいちゃん!」
風花「おじいちゃん?」
霞「おじいさま!」
旋風「父さん!」

好天「ワシの作ったオトモ忍の使いっぷりも、まだまだじゃな……」
天晴「何で? 生きてたのか!?」
好天「勝手に死んだ事にするな!」

好天がジャンプ。

好天「よいか? 忍タリティーを磨き、お前たちがワシの意志を継ぎ、牙鬼を倒せ! そしてこの世に、ラブ&ピースをもたらせ!」
一同「……えっ?」



(続く)

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最終更新:2015年11月01日 15:15