ファイアーエムブレム 新・暗黒竜と光の剣(序章 転)のオープニング

こうして、マルス王子は
ジェイガンたちと共に
アリティア城を
脱出することに成功した。
だが、さらに過酷な運命が
マルスたちを待っているのだった。



マルス「カイン、傷は大丈夫か?」
カイン「なんのこれしき。そんなことより、王子にお話があります。」
マルス「ぼくに?」
カイン「私は…私は、陛下の最期のお言葉を伝えるために戻りました。」
マルス「最期!?じゃあ、やっぱり父上は…」
カイン「…残念ながら、グラの地で壮烈な最期をとげられました。神剣ファルシオンも敵の手に落ち、そして…残った者たちも次々とグラの裏切り者たちに…」
マルス「そうか…父上も…他のみんなも…」
カイン「陛下の最期のお言葉です。『アリティアのそして、大陸の未来を汝に託す。ファルシオン継承者としてわが遺志を継ぎ必ず大事を成し遂げよ』と。」
マルス「未来を、ぼくに…」
カイン「…王子…む…無念です!陛下をお守りする事ができず、仲間と運命を共にすることもできず、主命とはいえ、一人おめおめと……このままでは……このままでは終われません!いつか奴らを…仲間の仇を…必ず…必ずこの手で…!!」
マルス「カイン、ぼくも思いは同じだ。いつの日か、共にドルーアやグラを倒そう!」


ジェイガン「王子!城外にはわれらに心を寄せる民家もあります。そこでは、いろいろと役立つ情報が手に入る知れませんぞ。」


ジェイガン「王子、ほとんどのグラ軍が城内に集中しているとはいえかなり外にも残っていますな。」
マルス「姉上たちが城から脱出してきた時、すぐに敵がいるのはまずい。敵の援軍をふせぐためにも、むこうの砦を制圧してしまおう。」


マルス「魔道士か・・・近くにいても少し離れていてもやっかいな敵がいるな。気をつけて戦わないと。」


マルス「このあたりの敵はもういないな。モロドフじゃないか!」
モロドフ「王子、ご無事でなによりです。」
マルス「姉上はどうした?モロドフが来たということは姉上も来られるのか?」
モロドフ「…エリス様はいらっしゃいません。」
マルス「なんだって!」
モロドフ「…お城に残られるとのことです…お待ちください。どこへ行かれます?」
マルス「姉上のところに決まっている!」
モロドフ「なりません。」
マルス「モロドフ!」
モロドフ「なぜ、嘘をついてまでエリス様が脱出させたかお考えください。エリス様は、王子にこの国の、いや、この大陸の未来を託されたからなのですぞ!」
マルス「!!」
カイン(回想)「陛下の最期のお言葉です。『アリティアの、そして大陸の未来を汝に託す』と。」
マルス「未来、か…」
モロドフ「王子、生きてください。血を吐き、泥をすすろうとも今は生きて生きて生き抜いて、死んだ者の無念を生き残った者の思いをわれらの手で果たすのです。」
マルス「・・・ぼくの命はもう、ぼくだけのものではないんだね。」
モロドフ「王子は、英雄アンリの血をひくアカネイア王家の男子。ドルーア帝国のメディウスを倒すことができる神剣ファルシオンの継承者なのです。ご本意ではないかもしれませんが、それが王子のさだめ・・・お受け入れください。」
マルス「・・・わかった、おまえの言うとおりだ。」
モロドフ「臣下として言葉が過ぎた点はお許しください。」
マルス「いや、あやまるのはぼくの方だ。本当は、目の前の姉上をお連れできなかったお前が一番つらいだろうに。」
モロドフ「王子……」

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最終更新:2020年05月19日 12:26