主人公(?)・保登心愛(ココア)は、ある喫茶店の前にいた。
ココア「喫茶店・・・「ラビットハウス」・・・」
ココアは店内にうさぎがいる喫茶店だと想像する。
ココア「ちょっと休んでいこうかな」
ココア「うっさぎ~うっさぎ~♪」
チノ「いらっしゃいませ」
ココアを出迎えたのは、うさぎ(?)のティッピーを頭に乗せた少女、香風智乃(チノ)だ。
ココア「・・・・・・」
チノ「?」
ココア「ウサギがいない!?」
チノ(なんだ・・・この客)
ココア「・・・もじゃもじゃ」
チノ「・・・は?」
ココアはチノの頭に乗ったティッピーを見つめる。
チノ「これですか?これはティッピーです。一応うさぎです」
「ご注文は」
ココア「じゃあ、そのうさぎさん」
チノ「非売品です」
ココア「せめてモフモフさせて!」
チノ「コーヒー一杯で1回です」
ココアの席に3杯のコーヒーが来た。
ココア「コーヒー3杯頼んだから3回触る権利を手に入れたよ!」
「この上品な香り!これがブルーマウンテンか-」
チノ「いいえ、コロンビアです」
ココア「この酸味・・・キリマンジャロだね」
チノ「それがブルーマウンテンです」
ココア「安心する味!これインスタントの・・・」
チノ「うちのオリジナルブレンドです」
ココアはティッピーをもふもふする。
ココア「はぁ~もふもふ気持ちいい~、いけない、よだれが・・・」
ティッピー「のおおおおお!」
ココア「あれ、いまこのうさぎ叫ばなかった?」
チノ「気のせいです」
ココア「それにしてもこの感触癖になるなぁ」
ティッピー「ええぃ、早く放せ、小娘が!」
ココア「なんかこの子にダンディな声で拒絶されたんだけど」
チノ「私の腹話術です。早くコーヒー全部飲んでください」
ココア「私、春からこの町の高校に通うの」
チノ「はぁ」
ココア「でも下宿先探してたら迷子になっちゃって」
「道を聞くついでに休憩しようと思ったんだけど、香風さんちってこの近くのはずだけど知ってる?」
チノ「・・・・・うちです」
ココア「え!?」
「すごい!これは偶然を通り越して運命だよ!」
チノ「いきなり運命感じられた・・・」
チノ「私はチノです。ここのマスターの孫です」
ココア「私はココアだよ。よろしくね、チノちゃん」
「あと高校の方針でね、下宿させて頂く代わりにその家でご奉仕しろって言われてるんだよ」
チノ「うちで働くということですね」
「といっても家事は私一人で何とかなってますし、お店も十分人手が足りてますので」
「何もしなくて結構です」
ココア(いきなりいらない子宣言されちゃった・・・)
ココア「えっと、ここのマスターさんは留守?」
チノ「・・・・・祖父は去年・・・」
ココア(あっ、もしかしてお爺さん亡くなって・・・)
「そっか、今はチノちゃん一人で切り盛りしてるんだね・・・」
チノ「いえ、父もいますし、バイトの子がもう一人・・・」
不意に、ココアはチノを抱きしめた。
ココア「私を姉だと思って何でも言って!」
「だからお姉ちゃんって呼ん」チノ「じゃあ、ココアさん。早速働いてください」
ココアとチノは、更衣室に移った。
チノ「制服持ってきますね」
ココア「わ-い、制服着れるんだね♪」
(あれ・・・誰もいないはずなのに誰かに見られてるような)
「ロッカーから感じる!まさかドロボウ!?」
ココアが開けたロッカーには、もう一人のバイト、天々座理世(リゼ)がいた。
ココア「下着姿の・・・ドロボーさん?」
リゼ(完全に気配を殺してたつもりなのに)
「お前は誰だ?」
リゼは銃(モデルガン)を取り出す。
ココア「!?」
「わわ、私は今日からここでお世話になる事になったココアです!」
リゼ「そんなの聞いてないぞ」
「怪しいやつめ」
ココア(今のこの状況、怪しいのはどっちだろう)
チノ「何かあったんですか?」
ココア「チノちゃん、強盗が!」
リゼ「ち、違う!」
「知らない気配がして隠れるのは普通だろ!?」
ココア「じゃあその銃は何!?」
リゼ「私は父が軍人で、幼いころから護身術というか色々仕込まれてるだけで、
普通の女子高生だから信じろ」
ココア「説得力ないよ!?」
リゼは、ラビットハウスの制服に着替えた。
チノ「彼女はここのバイトのリゼさんです」
ココア(ほんとにバイトさんだった・・・)
チノ「リゼさん、先輩としてココアさんにいろいろと教えてあげてください」
リゼ「きょ、教官ということだな」
チノ「うれしそうですね」
リゼ「この顔のどこがそう見える!」
どう見ても、嬉しそうであった。
ココア「よろしくね、リゼちゃん」
リゼ「上司に口を利くときは言葉の最後にサーをつけろ!」
ココア「お、落ち着いてサー!」
ココアもラビットハウスの制服に着替えた。
リゼ「ふ-ん」
チノ「いいです、似合ってます」
「では、早速この荷物をキッチンまで運んでください」
ココア「りょうかい」
「お、重い・・・これは「普通の女の子」にはキツいよ」
リゼ「・・・・」
リゼは、軽々と荷物を持ち上げる。
ココア「ねぇ、リゼちゃん」
リゼ「えっ!・・・あぁた、確かに重いな!」
リゼ「メニュー覚えとけよ」
ココア「コーヒーの種類が多くて難しいね-」
リゼ「私は一目で暗記したぞ」
ココア「すごいっ!」
リゼ「訓練してるからな」
「チノなんて香りだけでコーヒーの銘柄当てられるし」
ココア「私より大人っぽい!」
リゼ「ただし砂糖とミルクは必須だ」
チノ(!)
ココア「あっ、なんか今日一番安心した!」
ココア「チノちゃん、何してるの?」
チノ「宿題です、空いた時間にこっそりやってます」
ココア「あ、その答えは128でその隣は367だよ-」
リゼ「・・・例えば430円のブレンドコーヒーを29杯頼んだらいくらになる?」
ココア「12470円だよ」
「私も何か特技あったらな-」
リゼ(こいつ・・・バカそうに見えて意外な特技を・・・)
(続く)
最終更新:2016年01月31日 05:01