ここまでの粗筋
スカルに敗北した翔太郎。
刃野は鳴海探偵事務所を訪れ、翔太郎を引き止めた。しかし、翔太郎は事務所を飛び出した。
翔太郎は始まりの地へ赴くのであった。
花束を置く翔太郎
翔太郎「…。」
?「墓参りのつもりかい?」
振り向く翔太郎
フィリップ「鳴海壮吉の。」
翔太郎「お前、どうして…。」
フィリップ「死体も見つからないのに、気休めだな。ハーフボイルドの君らしい。」
翔太郎「何だと!」
フィリップ「ふっ、ここで初めて出会った時にも、こうやって胸倉を掴まれたっけ。」
翔太郎「そうだったな。」
フィリップ「思い出したまえよ、翔太郎。僕達が初めて仮面ライダーになった、あの始まりの夜"ビギンズナイト"にあった事を。」
翔太郎「そうだ、俺がちゃんと言われた通りにやっていたら、あの日、親っさんは死んでなかった。」
遡る事、1年
翔太郎「運命の子?」
壮吉「ああ、地球の全てを背負い込んじまった少年だ。敵はこの島で彼の力を引き出し、悪事に利用している。彼を救い出したい、それが俺の依頼人の願いだ。」
翔太郎「親っさん、俺も力になるぜ!」
壮吉「半人前の力だって事を忘れんなよ。いいか翔太郎、俺の命令は必ず守れ。」
翔太郎「はあ、ちぇっ、こんな所にまでいつもの説教かよ…」
その場を離れる翔太郎を止める壮吉
壮吉「こんな所だからだ。」
翔太郎「分かったよ、分かりました。約束するよ。」
警報が鳴る
隠れる二人
「探せ!」
?「出て来なさい、コソドロ。それとも産業スパイかしら?いずれにせよ、うっかり地獄に舞い込んだ愚かな小動物という所ね。」
翔太郎「化けもん!」
壮吉「翔太郎、早速命令だ。これを持って、じっとしていろ。この場を一歩も動くなよ。」
翔太郎「親っさん、正気かよ!」
突き放す壮吉
「いたぞ!」
戦闘員を倒す壮吉
『Masquerade』
マスカレードに変貌する戦闘員
壮吉を包囲するマスカレード
タブー「コソドロにしてはやるわね、好みのタイプの男よ。でも残念ね。」
壮吉「撃っていいのは、撃たれる覚悟がある奴だけだぜ、レディ。」
タブー「ん?」
壮吉「ガイアメモリを仕事に使わないのが俺のポリシーだったんだが、止むを得ん。」
ロストドライバーを装着する壮吉
タブー「ロストドライバー!?何故お前が…!」
『Skull』
スカルのガイアメモリを差す壮吉
『Skull』
壮吉「変身。」
翔太郎「あっ。」
スカル「さあ、お前の罪を…数えろ!」
マスカレードを倒すスカル
タブーの攻撃をかわすスカル
辺りを見る翔太郎
そこには少年の姿が
翔太郎「あいつか?」
壮吉(回想)「これを持って、じっとしていろ。この場を一歩も動くなよ。」
翔太郎「いや、ここであいつを助けときゃ、親っさんも俺の事を見直すぜ。」
跡を追う翔太郎
翔太郎「おい、お前が運命の子か?」
フィリップ「だれだい?君は、ここの人間じゃないねえ。組織に選ばれる知能があるように見えない。」
翔太郎「何だと!年上に向かって何て口を!ガイアメモリ。お前が…お前が作ったのか?」
フィリップ「…。」
翔太郎「おい!」
ケースを詮索する少年
翔太郎「おい!何してんだよ!」
フィリップ「これは凄い!誰が考案したんだい?このドライバーの使用者は僕と一体化できる!同時に2本のメモリが使え、僕の知識全てを備えた究極の超人が生まれる!あはは、あははははは!」
翔太郎「何がおかしい!この悪魔野郎!」
胸倉を掴む翔太郎
翔太郎「お前達が作ったメモリのせいで、この街がどんだけ泣いているのか、分かってんのか!」
フィリップ「拳銃を作っている工場の人間は犯罪者か?」
翔太郎「…。」
フィリップ「違うだろ。使って悪事をする人間が、悪い。僕はただ、より効果の強いメモリを見たいだけなんだ。」
翔太郎「黙れ!」
フィリップを吹き飛ばす翔太郎
転送されるフィリップ
調べる翔太郎
フィリップ「ガイアタワーに転送されたのか?」
壮吉「馬鹿野郎!」
平手打ちをする壮吉
壮吉「何で言われた通りにしなかった!あの子を押さえていれば、今頃…。」
翔太郎「俺のせいだ。俺が約束を破ったせいで、親っさんは凶弾に倒れた。」
翔太郎「親っさん!親っさん!」
壮吉「翔太郎、この依頼、お前が引き継いでくれ。」
翔太郎「…。」
壮吉「あの子を…あの子を頼んだぜ…。」
翔太郎「よしてくれ…俺に帽子は早い…まだ早えよ!」
壮吉「似合う男になれ…。」
息絶える壮吉
翔太郎「親っさあん!」
壮吉の亡骸が穴に落ちる
翔太郎「俺とフィリップはそこで…」
フィリップ「悪魔と相乗りする勇気、あるかな?」
翔太郎「初めて変身した…。」
ヘリが墜落する
W(翔太郎)「なんなんだこれ、俺どうなっちまったんだ!?」
W(フィリップ)「まだ勝手が分からないようだね?」
穴へ落下するW
落下するフィリップ
W(フィリップ)「なるほど。」
フィリップに接近するW
サイクロンのメモリを外し、変身を解除するW
翔太郎「えっ?俺、どうなってんだよ?」
フィリップ「代わろう、二人でここを脱出する!」
『Fang』
フィリップ「変身!」
翔太郎「えっ?」
失神する翔太郎
『Fang、Joker』
W(FJ)に変身するフィリップ
W(翔太郎)「うああああああああああっ!」
マスカレイドを蹴散らすW
『ArmFang』
斬撃を繰り出すW(FJ)
タブー「何!?あの力は。」
『SholderFang』
投擲するW(FJ)
ビルが爆発する
翔太郎「こうやって、俺はお前とWになった。あの日を償いたい一心で、ここまで戦って来た。」
フィリップ「まだ君の知らない"ビギンズナイト"が一つだけある。」
再度、1年前
フィリップに接近する壮吉
壮吉「お前は今まで、一つでも自分で決めて、何かをした事があるか?」
フィリップ「……。」
壮吉「じゃあ、今日が最初だ。自分自身の決断で、この暗闇の牢獄を出ろ。そして、自由になってから、お前の罪を数えろ。」
フィリップ「僕の罪?」
壮吉「お前さん、名前は?」
フィリップ「……。」
壮吉「じゃあ、こう呼ぼう。フィリップ。」
フィリップ「フィリップ?」
壮吉「フィリップ・マーロウ、俺の大好きな男の中の男の名前さ。奴は、自分の決断で全てを解決する。」
フィリップ「決断。」
翔太郎「親っさあん!」
フィリップ「僕の罪…」
場面は現在に戻る
フィリップ「君の罪は勝手な決断をした事、僕の罪は決断をせずに生きて来た事だ。」
翔太郎「フィリップ。」
フィリップ「僕達は一つになって、二人の罪を償い続ける義務がある。だからWになったんだろ?」
翔太郎「お前、俺にそれを思い出させる為にここへ?」
フィリップ「君がいなければ、続けられない。あの日と同じ事を、今もう一度聞くよ。翔太郎、これからも、悪魔と相乗りする勇気、あるかな?」
帽子を被る翔太郎
翔太郎「フィリップ、犯人の検索だ。探す項目は犯人の正体。キーワードは『死』、『蘇生』、そして『睦月恵理香』だ。」
フィリップ「そこまでは既に一度検索を終えている。だが、これ以上本が減らないんだ。」
翔太郎「情報屋とか警察の同じような事件の情報に、何かキーワードが潜んでねえもんかな。」
閃く翔太郎
安紗美(回想)「姉が五日前に。」
翔太郎「クリスマスイブの五日前、フィリップ、追加だ!キーワードは『19日』。」
フィリップ「絞れた。」
本を取り、開くフィリップ
フィリップ「『神父』という本だ。ある神父が開いている『闇と静寂の会』という著名人の親睦会が引っ掛かった。毎月19日に開かれている。」
翔太郎「神父?あいつか?よし、行くぜ、相棒!」
決意を固め、始まりの地を後にする二人。
二人は闇と静寂の会へ向かうのであった。
最終更新:2019年11月05日 12:36