ソウルブレイダーのエンディング

ついに魔王デストールとの最後の戦いへと赴いたアレックス。

デストール「輪廻を繰り返し永遠に死ぬ事のできない哀れな人間共よ。この私がお前に深い眠りを与えてやろう。」

(デストールの仮の姿を倒す)

デストール「永遠に生きるとは、永遠の苦しみを背負う事。生きている事こそ生き物の最大の不幸なのだ。お前にその意味を分からせてやろう。」

デストールが真の姿を現す。
そして、最終決戦が始まった。
苦戦の末、ついにデストールを倒すアレックス。

ついにアレックスは魔王デストールを倒した!
その時ソウルがアレックスの心に語り掛けてきた。

魔導師のソウル「アレックスよ。わしらはここに残り、魔界を封印する…。魔界とは、生き物の心の奥に宿る暗闇の世界。この世に生命のあるかぎり、いつかまた、同じ事が起こるであろう。わしはそれをできるかぎりここで食い止めてゆこうと思う。そなたはまだ若い。これからも、様々な経験を積む事じゃ。そして、全ての生き物の気持ち、全ての生き物の繋がり、全ての生き物の存在の意味が分かった時、偉大な天空の神となるだろう。さあ。行くがよい…。」

魔界はやがて静寂と共に、その姿を消していった。
魔界の祠に戻ったアレックス。

神「アレックスよ。ついにやり遂げましたね。今、地上に息づいている命の一つ一つ全てが、アレックスの力で蘇ったのです。さあ、この生命力溢れる世界を、もう一度、その目で見てくるといいでしょう。」

命溢れる平和な世界を回っていくアレックス。

マグリッド王の城にて…

マグリッド王「ついにやってくれたな。まずは国王として礼を言わせてもらいたい。私は今度の事で随分と考えさせられた。我々人間界のルールはおかしなもので、人を一人殺せば犯罪者だが、100人の命を奪えば英雄となってしまう。私はこのやり方で今の地位を築いてきたが、心の奥はいつも孤独だった。どんなに多くの家来がいても、美しい女達が周りにいても、一人ぼっちであった。そして私はようやく気づいたのだ。人間は一人では生きてゆけない事に…。私はデストールとの取引で手に入れた黄金を使って、この城に大きな城下町を作ろうと思う。私の欲望のために死んでいった人々への償いの意味もあるが、国民が何に怯える事もなく、自分を信じて生活できる町を作りたいのだ。君には本当に世話になったな。君とレオの銅像を町の中央に建て、二人の事をずっと語り継いでいく事を約束しよう。」


レオの研究所の屋根裏部屋にて…

人形「アレックスさん、やりましたね。これでレオ博士も安心してこの世を去る事ができるでしょう。私達道具は人間に使われるために生きている生き物。人の役に立った時は本当に嬉しいし、誤った使い方をされた時は胸が張り裂けそうになります。その使い方は間違ってるよ。私をそんな風に使っちゃいけないって、言ってあげたい時、自分の気持ちを伝える事ができない辛さ…。でも、レオ博士だけは、いつだって私達の心を分かっていました。あの人に使われていた研究所の道具達は幸せだったと思いますよ。」

山の精霊の棲家にて…

王様「おおっ!よくぞ無事で戻って来たっ!!わしは全然心配しとらんかったんじゃが、このノームが心配性での。わしは宥めるのに一苦労じゃったわい。ほら、ノーム。お前も何か喋らんか。」

ノーム「………。」

呪い師1「まったくこの王様は調子良いんだからなぁ…。」

呪い師2「レオ博士が亡くなられたそうですね。本当に惜しい方でした…。しかし、山の精霊のように1年で年老いて死んでゆく種族もいるのです。生き物の一生の価値は生きている間に過ごした充実した日々の数。レオ博士は普通の人の3倍くらいの人生を送っている事になるのかもしれませんね。」

セントエルズの海底神殿にて…

女王様「アレックスさん。どうもありがとう。このセントエルズの海底にも平穏な日々が戻ってきました。イルカのルーは昔、レオ博士と一緒に住んでいたそうですね。不思議な話なんですが、彼からレオ博士と娘のリーサの昔話を聞くたび、なんだかとても懐かしくて涙が止めどなく溢れてくるんです。レオ博士がいなくなった今、リーサは一人ぼっちで本当に寂しいはず。グラスバレーの町へ立ち寄って、優しい言葉の一つもかけてあげてください。あらっ。ルーがあなたの声を聞きつけてきたようですよ。」

イルカのルーが登場する。

イルカのルー「はあ、はあ。アレックスさん。この神殿へ来て僕に声をかけてくれないなんて酷いじゃないですか。僕は仲間と故郷の珊瑚の森へ帰る事にしました。じつは僕。今度結婚するんです。おーい!ラーラ!入ってこいよっ!!」

イルカのラーラが登場する。

イルカのルー「えへへ。僕にそっくりで可愛い子でしょ。これからは彼女と一緒に頑張っていこうと思っています。アレックスさんもお元気で。」

グリーンウッドの森にて…

ターボのお墓はひっそりと佇んでいる…。
アレックスが目を閉じると、ターボの姿が静かに現れた。

ターボ「良く働いた日には心地良い眠りがあるように、一生懸命生きた人生の終わりには、安らいだ眠りが訪れるものです。私もレオ博士と共にゆっくりと眠る事にしますよ。」

ターボが足踏みをしながら尻尾を振り、消える。

鉱山の町グラスバレーにて…

リーサは眠っているようだ…。
アレックスはドリームロッドをリーサの額に当てた。

リーサの夢にて…

リーサ「アレックスさん…。この場所でならきっと会えると思ってた…。今は悲しみで胸がいっぱいだけど、それもきっと時の流れが癒してくれるはずよね。お父さんが言っていたように幸せって、ゆっくりとやってくるものだと思う…。あなたが人間の男の子なのか、天空の人なのかは分からないけれど、一つだけお願いがあるの。このまま、グラスバレーの町に残ってほしいとは言わない…。でも、いつかここへ戻ってきてくれるって約束してほしい。嘘でもいい。あなたの一言で、これから一人で頑張っていく勇気が沸いてくるから。ね。必ず戻ってくるって約束して?」

今ここで「いいえ」と断ったらリーサが悲しむだろう。アレックスは「はい」と答えて約束する。

リーサ「ありがとう。ああ。永遠にこの夢が覚めなければいいのに…。

リーサ、夢から覚める。そこには既にアレックスの姿は無い。

リーサ「アレックスさん…。いつかきっと、ここへ戻ってきてくれるわよね…。」

暮れなずむグラスバレーの町。
金色色に輝く海。
蘇った世界は本当に美しかった。
燃えるような夕暮れの景色に、全ての地上の生き物達が見惚れた。
あるものは子供と、あるものは恋人と共に、
その光景を心に焼き付けた。
その時、かすかな光の帯が天空へと走ったが、
誰一人として気付く者はなかった。
リーサは一人たたずんでいた。
以前は夕日を眺めるたびに、寂しさだけがこみ上げてきたが、
今はそれが、本当に美しいと感じられるようになっていた。
父親が不可能を可能にしてきたように信じていれば、いつか幸せが訪れると、リーサは思った。

─スタッフロール─

神「我が弟子よ。何か心に引っかかっている事があるようですね。あの人間の娘との出会いが、お前にどんな影響を与えたのか、私には分かりません。しかし、一人の人間に惹かれるとは、まだ天空の神としての心ができていない証拠。あれから1年の時が流れたというのに、お前の気持ちが変わらないのであれば、一度、人間として生活をし、彼らの全てを知っておくべきなのかもしれません。ただし、今度地上へ降りる時は、お前の記憶を全て消す事になりますが…。」

鉱山の町グラスバレーの牧場にて…

リーサ「ねえ。ターボ。今日はなんだか胸騒ぎがするのよ。あたし、どうしちゃったのかしら…。」

突然アレックスが現れる。

リーサ「アレックスさん…?アレックスさんなのねっ!おかえりなさい。きっと戻ってきてくれるって、あたし信じてた…。どうしたの…?あたしの事が、分からないの?」

アレックスは「はい」と答える。

リーサ「そんなことって…。あたしよ。リーサよ。発明家のレオの娘のリーサよっ。お願い。思い出してっ。」

アレックスは黙っていた。

リーサ「ごめんなさい…。あなたは嘘をつくような人じゃないものね…。でも、あなたの記憶がまったくないなんて…。わかった…。あたし、何も聞かない…。これもこれで、考え方を変えればいいじゃない。だって、素敵な出会いがもう一度できるんだもの。じゃ、まずは自己紹介。あたしはリーサ。それから後ろにいるのが山羊のターボ。ほらっ!あなたも挨拶しなさいっ!!」

山羊のターボ「メェーーーーーーーーーっ」

リーサ「この山羊はね、昔、あたしが飼っていた犬の面影があるの。それでおんなじターボっていう名前にしたのよ。さあ!行きましょ!!この町を案内してあげる。ほら、ターボもおいで。」

こうして、アレックスは新しい人間としての生活が始まる。

THE END

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最終更新:2016年04月30日 20:54