第2幕

第1場
城砦の中の階下の広間
ガラス戸が広間と大きな庭園を分けている。露台。


イヤーゴ
(露台の此方よりカッシオに向かって)
慌てるな、まあ聞け、まかせて
下されば、またすぐに
あのモンナビアンカの所へ帰れる
という訳だ。どうだな我副官殿。

カッシオ
(露台の向から)
からかう気か…

イヤーゴ
めっそうもない。
まあ、聞け、今では、あのデズデモーナは司令官
の司令官だ、それを忘れるな。
お願いするのだ、奥様にとりなしを、
お願いするのだ、君のお許しを。

カッシオ
だが、いつ頼む?

イヤーゴ
うちの家内と
奥方はやがてこのあたりに
やって来るはずだ、それを待つのだ。
うまくやれよ、俺も手を貸そう。
さあ!
(カッシオ去る)


第2場
イヤーゴひとり

イヤーゴ
(カッシオを見送りつつ)
さてこれで、まずよし、
鬼をかり出せ、
俺がその鬼さ、
お護り下され、わしの護り神よ、
さあ、たのむぞ。
(カッシオの方は見向きもせず露台から離れて)

我れ信ず、ただひとつの
悪魔の神、怒りの神を。
罪に汚れて、呪われて、
俺は生れた、
生れながらに
この胸は
汚れと罪のどろ沼。
そうだこれが俺だ。
我はただ信ず、いかに堅く
身を守るとても
邪悪の心は、生れ、
これ人の性、
我は信ず、正義等、おろかな
道化芝居、
馬鹿げた事だ
涙、愛、犠牲、
そして名誉、
我れ信ず、人の性は悪なり、
生れ出るより、
墓場に朽ちるまで
道化芝居の後に死神だ、
それで?それから?死は、ハハハ……無さ、
天国など夢さ。

(デズデモーナとエミリアが庭を散歩しているのが見える。イヤーゴ露台に近寄る。その向う側にカッシオが待ち伏せしている)

イヤーゴ
(カッシオに)
来たぞ、カッシオ、行け、このおりに
早くデズデモーナだ。
(カッシオがデズデモーナの方へ行き、おじぎをし、近寄る)
行ったぞ、近づいて
何か言うぞ。
オテロがここに! 助けてくれ
悪魔、今俺を!
話しているぞ、美しい顔を
ほころばせ。
(庭園にはカッシオとデズデモーナが再びこちらに歩いて来るのが見える)
笑顔さえ見えればそれで良し、
奴の破滅にはそれで充分、
(右手の戸の方にすばやく行きかけたが、急に立ち止まって)

行け、運が向いてきたぞ、
奴だ!すぐにかかれ。

(動かず露台にたたずんで、庭園の方を見つめている。そこにはカッシオとデズデモーナがいる。)


第3場
イヤーゴとオテロ

イヤーゴ
(オテロを見ない素振りで、あたかも独白の如く装い)

おや、あれは。

オテロ
何だと?

イヤーゴ
何も……別に? くだらぬ
ことがついお耳に…

オテロ
今、私の妻から
離れて行ったのはカッシオか?

イヤーゴ
カッシオ? いえ、罪人の様に
離れて行きましたが。

オテロ
わしはカッシオに見えたが。

イヤーゴ(困惑の様子で)
ア、司令官…

オテロ
どうしたのだ?

イヤーゴ
カッシオはその頃に、
奥様とは、もうすでに?

オテロ
そうだ、
そんな事を何故?

イヤーゴ
私の悪い癖で
思い過ごし。

オテロ
思い過ごしとは?

イヤーゴ
その頃、彼は?

オテロ
妻のもとへ
手紙の使いなど。

イヤーゴ
それは?

オテロ
そう、そうだ、
彼を信ぜぬか?

イヤーゴ
(オテロの真似をして)
彼を?

オテロ
何かかくし事を?

イヤーゴ
かくし事は?

オテロ(疑って)
かくし事とは?
お前は只、口真似ばかり、その心の底は何か恐しい事が、
そうだ、お前がつぶやくのを聞いたぞ、
おや、
(レチタティーボ)
あれはと、だが何があったのだ?
わしがカッシオの名を呼ぶと
まゆをひそめる、言え!かくさずに。

イヤーゴ
何もかくしは。

オテロ
それなら言え、
何もかくさずに、
吐き出してしまえ、
お前の罪深い心の底を!

イヤーゴ
我が心は閣下のお手の内に、
何時でも。

オテロ
あゝ!

イヤーゴ
(オテロに近づき、囁く)
嫉妬にお気をつけなされませ、
それは青白く陰気で毒のある
盲の蛇、噛まれた傷が痛む。

オテロ
何とわしは、いや疑うだけでは何もならぬ、
よく調べなくては、まずは証拠だ、
その後で (独白)オテロ自から掟だ、
愛も妬みも全て消えていく!

イヤーゴ
お言葉にこの口もゆるみます。
(遠くから歌声が聞える)
証等は申し上げませぬ、
だが用心を、みめうるわしく、貞淑と
言われる人にでも。

御注意を、
奥様の語る言葉は愛の
印でもあり、また疑いも。

サイプライ人達
晴れて輝く
君が瞳、
愛の炎は
燃えさかる。
バラと百合の
香る所、
母も子も
来たりて歌う。

(デズデモーナが再び庭に入って来る。彼女は島の女や子供達、サイプライとアルバニアの水兵達に囲まれている。彼等は花や色々な贈り物を彼女に捧げる)





イヤーゴ
そこに……御注意を。

サイプライ人達(庭の中で)
晴れて輝く
君の瞳、
愛の炎は
燃えさかる。
バラと百合の
香る所、
母も子も
来たりて歌う。

<カット>







子供達、サイプライ人達
そよ風にのせ、
楽しい歌を、
そよ風にのせて
楽しい歌を、歌おう。
かろやかに奏でる
マンドーラの音が
歌と共に。

水兵達
(珊瑚や真珠の首飾をデズデモーナに捧げながら)
あなたに捧げるくれないの玉、
深い海の底の幸を。
うけよデズデモーナ、捧げもの(別訳:お姿を)、
汚れなくいつまでも。

子供と女達
そよ風に
のせて歌おう、
かろやかに
響くマンドーラ、歌
声と共に。

女達
(枝葉と花を撒きながら)
貴女に豊かな花束を
まき散らしましょう、雨の様に
まきましょう。
春がとりまくのは陽の光
にとりまかれて、ふるえる花嫁。

子供と水兵達
そよ風にのせ、
そよ風にのせて
楽しい歌を歌おう、
そよ風にのせ、
楽しい歌を、
そよ風にのせて
楽しい歌を歌おう。

子供達
かろやかに奏でる
マンドーラの音、
晴れて輝く
君が瞳、
愛の炎は
燃えさかる。
バラと百合の
香る所、
母も子も
来たりて歌う。

水兵達
かろやかに奏でる
マンドーラの音、
かろやかに奏でる
マンドーラの音、歌と
共に流れる。
晴れて輝く
君が瞳、
愛の炎は
燃える燃える。

女達
晴れて輝く
君が瞳、
愛の炎は
燃えさかる。
バラと百合の
香る所、
母も子も
来たりて歌う。

デズデモーナ(深く感動して優しく)
風は舞い
空は輝き。

オテロ
あの優しい歌を
あの声が、いつわりならば、神もいつわりだ。

イヤーゴ
美と優しさがとけ合って
だが、見ろ、今にそれを俺がぶちこわしてやるぞ。

デズデモーナ
喜びの、歌を歌う。
我が心の中に。

サイプライ人達
お幸せに、お幸せに、
さよなら。

オテロ
あの優しい歌を。


第4場
(合唱が終わって、デズデモーナは何人かの子供たちの頭に口づけする。女たちは彼女のドレスの端に口づけする。彼女は水夫たちに財布を与える。合唱は遠ざかる。デズデモーナは、エミリアに付き添われて、広間に入り、オテロの方に進む。)


デズデモーナ
(オテロに)
貴方の、お許しを、お願いに
まいりました。

オテロ
誰のために?

デズデモーナ
カッシオ。

オテロ
そこで
話していたのは彼だったのか?

デズデモーナ
悩み、苦しむ、あの方のために、
お許しを、お情け深い
お計らいを、私から、
お願いを。

オテロ
(荒々しく)
だめだ!

デズデモーナ
そんなに言わないで、
お許しを。

オテロ
だめだ。

デズデモーナ
何故その様においらだち?
何が貴方を?

オテロ
焼ける様だ……

デズデモーナ
(オテロの頭を縛ろうとしてハンカチを広げる)

すぐに直り
ますわ、これで
痛む額を、しばれば。

オテロ
(ハンカチを投げすてる、エミリアがそれを拾う)
こんな物はいらぬ。

デズデモーナ
まあ……何をそんなに。

オテロ
(とげとげしく)
離せ、離せ!
(エミリアが床からハンカチを拾い上げる)

デズデモーナ
もしも、何か、お気にさわったのなら、
優しい、お許しの言葉を、どうぞ。

(四重唱)

デズデモーナ
私は貴方の
小さい娘、
ため息がもれる、
お目をふせて
私の顔を、
愛の印を。
ただ貴方さえ
よろしければ、
私は幸せ。
この顔を見て、
愛を語る顔を、
この顔を!
見て下されば
何も言わずともお分りでしょう。

オテロ
(傍白)
いつわりない
愛の真心か。
これも年老いた
疲れのためか、
この顔の色が、
黒いためか、
いつわりの愛を
望まぬ為か、
老いさらばえ、
衰えたためか、
私の顔が
黒いためか、
見捨てられ、
あざけられ、心は
打ち砕かれて、
朽ち果てるか。
見捨てられ、
あざけられ、心は
打ち砕かれて、
朽ち果てるか。
打ち砕かれて、
朽ち果てるか、
朽ち果てるか。

イヤーゴ
(エミリアに小声で)
そのキレを
早くよこせ。

エミリア
(イヤーゴに小声で)
恐しい、
たくらみを。

イヤーゴ
言う事を
聞かぬ気か。

エミリア
そのいやらしい
心が、

イヤーゴ
馬鹿な事。

エミリア
私には、
よく分るわ。

イヤーゴ
さあよこせ。
(荒々しくエミリアの腕をつかんで)
この手で、殴られたいか。

エミリア
でも私は
奴隷じゃないわ。

イヤーゴ
汚れた俺の
奴隷さ。

エミリア
何か恐しい
事が。

イヤーゴ
恐くないか?

エミリア
ひどい人、

イヤーゴ
よこせ、

エミリア
何を
するつもり?

イヤーゴ
そのキレを!
(エミリアよりハンカチを奪い取る)


イヤーゴ
獲物は、
ものにしたぞ、
さて、いよいよ、
イヤーゴやるぞ!
さていよいよ
時が来た、
イヤーゴやるぞ、
さあ、見ておれ!

エミリア
そのいやらしい、
たくらみを
神様は
お見通し。

(四重唱終り)

デズデモーナ
優しい、お言葉ただ一言.

オテロ
出て行け!さあ、みな行け。

イヤーゴ
(エミリアに)
何も言うな、いいな。

(デズデモーナとエミリア退場)



第5場
オテロ、奥にイヤーゴ

オテロ
(打ちひしがれたように、椅子に座っている)
デズデモーナが、まさか。

イヤーゴ
(ハンカチを仕舞いながら傍白)

この布ぎれで不義の恋の
証拠を仕組むのだ、これを
カッシオの家に、隠してと。

オテロ
恐ろしい事だ!

イヤーゴ
(オテロを見守りながら)
毒がまわってきたな。

オテロ
裏切ったか、私を。

イヤーゴ
(傍白)
苦しみ、うなされ!

オテロ
ひどい、裏切り!

イヤーゴ
我等の事は。
(オテロに近づいて)

オテロ
(跳上り)
何! うるさい、さがれ、
この苦しみは、行け!
何より恐しい
苦しみは疑いだ。
そのうらぎりの時にも
何の不安もなく、
わしは明るく元気で
何も知らずにあの
素晴しい体に、
花の様な、
口びるの上に、
奴の口づけが…
だがもう今はもうさらば、
聖なる、さらば、気高き、歓喜よ、
さらば兵士よ、さらば勝利よ
飛びかう槍、はしるつるぎ、さらば。
さらば、ほこり高き旗よ、
つわものどもの歌声、
戦いのおたけびもさらば、
はえあるオテロの名誉も、
はやこれまで。

イヤーゴ
お静かに。

オテロ
ばかめが! 裏切りの
あかしを見つけてくるのだ。
逃るなよ、逃るな、
無駄なことだ、確かなあかしが、
ほしい、おお!
いかづちよ、お前の上に落ちよ、
目覚めたこの怒りのいかづちが!
(イヤーゴの喉をつかまえ、彼を引き倒す)

イヤーゴ
神よどうぞ、お助けを、
(立ち上りながら)
主よ守り給え、わたしはもはや、
あなたの旗手でもないし、
誰が身をあやぶみ。
(去ろうという身振りをする)

オテロ
待て、ゆくな、まことかもしれぬ。

イヤーゴ
(傍白)
嘘つきのほうが好都合。

オテロ
だがしかし!
デズデモーナを信じる、信じる、
そうだとも、ああ、お前を信じる、
だがしかしほしいのだ、
その証拠が。

イヤーゴ
(オテロの方に戻って来ながら)
お待ち下され、
していかなる証しを、
抱き合っている所でも?

オテロ
ああ!死んでしまえ!

イヤーゴ
それは、難しいようで、どんな
証拠がありましょうか、
もし、あなたの目を、逃れるとすれば、
ここは一番、分別が肝心、
今は推量でも、やがて確かな
証拠となりましょうぞ、と申すは、
(オテロのすぐ近くに来て、小声で)
夜も更けてカッシオはもう
深い眠り。
とぎれとぎれの声が
この耳に。
熱い夢に身をゆだね、
その唇は
動く、悲しげな
その響。
“デズデモーナいとし、この上共に
我等が喜び、
気付かれぬ様に。”
恐れと喜びの夢
去ぬ間に、
面影をいだく様に
言いました。
(小声で)
“彼と貴女とを
結んだ運命を呪う。”
それから、又
深い眠りの中に。

オテロ
恐しい罪だ!

イヤーゴ
それは唯の夢で。

オテロ
夢に真実が有る。

イヤーゴ
なる程、そうとしても
証拠が。

オテロ
それは?

イヤーゴ
時折
ご覧になりまするか、奥様のお手に
美しい縫い取りの薄い織物を?

オテロ
私らの愛のしるしに
与えた物。

イヤーゴ
そのきれを、きのう
確かに手にしていたのはカッシオ。

オテロ
あ!彼に、幾千の命を、
この怒りを受けるために!
イヤーゴ、胸は氷る。
酒よ、怒りよ遠く去れ!
愛はむなしく空に散る。
気をつけろ、はげたかよ、
とぐろまきつつ
蛇は我にからむ。
ああ!血だ!血だ!血だ!
(膝まづいて)
白い空にかけて
稲妻にかけ、
死の神にかけ、暗き海にかけて、
激しき怒りもて、
差し伸べし手の
輝く時、間近か!

(イヤーゴ、立ち上ろうとするオテロを止めて)


イヤーゴ
(その傍らに跪き)
いや、そのまま、
輝く太陽が
何よりの証し、
大地を満す、
空気も、
我が証人、この熱情、
心、またこの魂、
すべてをあなた様に
捧げまする。

(二重唱)

オテロ
(誓いをたてるかのように手を天に挙げて)
白い空にかけて、
稲妻にかけて、
死の神にかけ、暗き海にかけて。
激しい怒り持て、差し伸べし手の
輝く時、間近、間近、
その手の輝く時は間近、
復讐の神よ!

イヤーゴ
白い空にかけて、
稲妻にかけて
死のかげの稲妻にかけ、暗き海にかけて。
激しい怒り持て、さしのべし手の、
差し伸べし手の輝く時、間近、間近、時は間近、

復讐の神よ!
ATTO SECONDO

SCENA I
Una sala terrena nel Castello.
Una invetriata la divide da un grande giardino. Un verone.

JAGO
al di qua del verone, a Cassio
Non ti crucciar. Se credi a me, tra poco
farai ritorno ai folleggianti amori
di Monna Bianca, altiero capitano,
coll'elsa d'oro e col balteo fregiato.

CASSIO
al di là del verone
Non lusingarmi…

JAGO
Attendi a ciò ch'io dico.
Tu dêi saper che Desdemona è il Duce
del nostro Duce, sol per essa ei vive.
Pregala tu, quell'anima cortese
per te interceda e il tuo perdono è certo.

CASSIO
Ma come favellarle?

JAGO
è suo costume
girsene a meriggiar fra quelle fronde
colla consorte mia. Quivi l'aspetta.
Or t'è aperta la via di salvazione.
Vanne.
Cassio s'allontana


SCENA II
Jago solo

JAGO
seguendo coll'occhio Cassio
Vanne; la tua meta già vedo.
Ti spinge il tuo dimone,
e il tuo dimon son io.
E me trascina il mio, nel quale io credo,
inesorato Iddio.
allontanandosi dal verone seza più guardar Cassio che sarà scomparso fra gli alberi
Credo in un Dio crudel che m'ha creato
simile a sè e che nell'ira io nomo.
Dalla viltà d'un germe o d'un atòmo
vile son nato.
Son scellerato
perchè son uomo;
e sento il fango originario in me.
Sì! questa è la mia fe'!
Credo con fermo cuor, siccome crede
la vedovella al tempio,
che il mal ch'io penso e che da me procede,
per il mio destino adempio.
Credo che il guisto è un istrion beffardo,
e nel viso e nel cuor,
che tutto è in lui bugiardo:
lagrima, bacio, sguardo,
sacrificio ed onor.
E credo l'uom gioco d'iniqua sorte
dal germe della culla
al verme dell'avel.
Vien dopo tanta irrision la Morte.
E poi? E poi? La Morte è il Nulla.
è vecchia fola il Ciel.

Si vede passare nel giardino Desdemona con Emilia. Jago si slacia al verone, al di là del quale è appostato


JAGO
a Cassio
Eccola …Cassio… a te… Questo è il momento.
Ti scuoti… vien Desdemona.
Cassio va verso Desdemona, la saluta, le s'accosta
S'è mosso; la saluta
e s'avvicina.
Or qui si tragga Otello! …aiuta, aiuta
Sàtana il mio cimento!
Già conversano insieme … ed essa inclina,
sorridendo, il bel viso.
si vedono ripassare nel giardino Cassio e Desdemona

Mi basta un lampo sol di quel sorriso
per trascinare Otello alla ruina.
fa per avviarsi rapido all'uscio del lato destro, ma s'arresta subitamente
Andiam… Ma il caso in mio favor s'adopra.
Eccolo… al posto, all'opra.

Si colloca immoto al verone, guardando fissamente verso il giardino, dove stanno Cassio e Desdemona


SCENA III
Jago e Otello

JAGO
simulando di non aver visto Otello e fingendo di parlare fra sè
Ciò m'accora.

OTELLO
Che parli?

JAGO
Nulla … voi qui? una vana
voce m'uscì dal labbro …

OTELLO
Colui che s'allontana
dalla mia sposa, è Cassio?

JAGO
Cassio? No …quei si scosse
come un reo nel vedervi.

OTELLO
Credo che Cassio ei fosse.

JAGO
Mio signore…

OTELLO
Che brami?

JAGO
Cassio, nei primi dì del vostro amor,
Desdemona non conosceva?

OTELLO
Sì.
Perchè fai tale inchiesta?

JAGO
Il mio pensiero è vago d'ubbie,
non di malizia.

OTELLO
Di' il tuo pensiero, Jago.

JAGO
Vi confidaste a Cassio?

OTELLO
Spesso un mio dono o un cenno
portava alla mia sposa.

JAGO
Dassenno?

OTELLO
Si, dassenno.
Nol credi onesto?

JAGO
imitando Otello
Onesto?

OTELLO
Che ascondi nel tuo core?

JAGO
Che asondo in cor, signore?

OTELLO
"Che ascondo in cor, signore?"
Pel cielo, tu sei l'eco dei detti miei, nel chiostro
dell'anima ricetti qualche terribil mostro.
Sì,
declamato
ben t'udii poc'anzi mormorar: "Ciò m'accora."
Ma di che t'accoravi? Nomini Cassio e allora
tu corrughi la fronte. Suvvia, parla, se m'ami.

JAGO
Voi sapete ch'io v'amo.

OTELLO
Dunque senza velami
t'esprimi, e senza ambagi.
T'esca fuor dalla gola
il tuo più rio pensiero colla più ria parola.

JAGO
S'anco teneste in mano tutta l'anima mia
nol sapreste.

OTELLO
Ah!

JAGO
avvicinandosi molto ad Otello e sottovoce
Temete, signor, la gelosia!
è un'idra fosca, livida, cieca, col suo veleno
sè stessa attosca, vivida piaga le squarcia il seno.

OTELLO
Miseria mia! No! il vano sospettar nulla giova.
Pria del dubbio l'indagine, dopo il dubbio la prova,
dopo la prova (Otello ha sue leggi supreme),
amore e gelosia vadan dispersi insieme!

JAGO
Un tal proposto spezza di mie labbra il suggello.

Non parlo ancor di prova, pur, generoso Otello,
vigilate. . .soventi le oneste e ben create
coscienze non vedono la frode:
sottovoce
vigilate.
Scrutate le parole di Desdemona, un detto
può ricondur la fede, può affermare il sospetto.

VOCI LONTANO
Dove guardi splendono
raggi, avvampan cuori,
dove passi scendono
nuvole di fiori.
Qui fra gigli e rose,
come a un casto altare,
padri, bimbi, spose
vengono a cantar.

Si vede ricomparire Desdemona nel giardino, dalla vasta apertura del fondo: esse è circondata da donne dell'isola, da fanciulle, da marinai cipriotti e albanesi che si avanzano e le offrono fiori e rami fioriti ed altri doni. Alcuni s'accompagnano, cantando, sulla guzla (una specie di Mandòla), altri hanno delle piccole arpe ad armascollo.

JAGO
Eccola… vigilate.

VOCI
Dove guardi splendono
raggi, avvampan cuori,
dove passi scendono
nuvole di fiori.
Qui fra gigli e rose,
come a un casto altare,
padri, bimbi, spose
vengono a cantar.

FANCIULLI
spargendo al suolo fiori di giglio
T'offriamo il giglio soave stel
che in man degl'angeli fu assunto in ciel,
che abbella il fulgido manto
e la gonna della Madonna
e il santo vel.

DONNE E MARINAI
Mentre all'aura vola
vola lieta la canzon,
mentre all'aura vola lieta,
vola lieta la canzon, la canzon,
l'agile mandòla, l'agile
mandòla ne accompagna il suon,
ne accompagna il suon.

MARINAI
offrendo a Desdemona dei monili di corallo e di perle
A te le porpore, le perle e gli ostri,
nella voragine còlti del mar.
Vogliam Desdemona coi doni nostri
come un'immagine sacra adornar.

DONNE E FANCIULLI
Mentre all'aura vola
lieta la canzon,
l'agile mandòla
ne accompagna il suon,
ne accompagna il suon.

LE DONNE
spargendo fronde e fiori
A te, a te la florida messe dai grembi
spargiam, spargiam al suolo, a nembi, a nembi.
spargiam al suol.
L'april, l'april circonda la sposa bionda
d'un etra rorida che vibra, che vibra al sol.

FANCIULLI E MARINAI
Mentre all'aura vola
mentre all'aura vola lieta,
vola lieta, vola lieta la canzon,
all'aura, all'aura vola lieta,
vola lieta la canzon,
l'agile mandòla,
ne accompagna, ne accompagna il suon.


l'agile mandòla ne accompagna,
ne accompagna il suon,
Dove guardi splendono
raggi, avvampan cuori,
dove passi scendono
nuvole di fiori.
Qui fra gigli e rose,
come a un casto altare,
padri, bimbi, spose
vengono a cantar.


l'agile mandòla ne accompagna,
ne accompagna il suon,
mentre all'aura vola lieta,
la canzon e ll'agile mandòla
ne accompagna il suon,
Dove guardi splendono
raggi, avvampan cuori,
dove passi scendono
nuvole di fiori.

TUTTI
Dove guardi splendono
raggi, avvampan cuori,
dove passi scendono
nuvole di fiori.
Qui fra gigli e rose,
come a un casto altare,
padri, bimbi, spose
vengono a cantar.

DESDEMONA
Splende il cielo, danza
l'aura, olezza il fior.

OTELLO
Quel canto mi conquide.
S'ella m'inganna, il ciel se stesso irride!

JAGO
Beltà ed amor in dolce inno concordi!
I vostri infrangerò soavi accordi.

DESDEMONA
Gioia, amor, speranza
cantan nel mio cor.

CIPRIOTI
Vivi felice! vivi felice! Addio.
Qui regna Amor.

OTELLO
Quel canto mi conquide.


SCENA IV
Finito il Coro, Desdemona bacia la testa d'alcuni tra i fanciulli, e alcune donne le baciano il lembo della veste, ed essa porge una borsa ai marinai. Il Coro s'allontana. Desdemona, seguita poi da Emilia, entra nella sala e s'avanza verso Otello.

DESDEMONA
a Otello
D'un uom che geme sotto il tuo disdegno
la preghiera ti porto.

OTELLO
Chi è costui?

DESDEMONA
Cassio.

OTELLO
Era lui
che ti parlava sotto quelle fronde?

DESDEMONA
Lui stesso, e il suo dolor che in me s'infonde
tanto è verace che di grazia è degno.
Intercedo per lui, per lui ti prego.
Tu gli perdona.

OTELLO
con asprezza
Non ora.

DESDEMONA
Non oppormi il tuo diniego.
Gli perdona.

OTELLO
Non ora.

DESDEMONA
Perchè torbida suona la voce tua?
Qual pena t'addolora?

OTELLO
M'ardon le tempie.

DESDEMONA
spiegando il suo fazzoletto come per fasciare la fronte d'Otello
Quell'ardor molesto
svanirà, se con questo
morbido lino la mia man ti fascia.

OTELLO
getta il fazzoletto a terra
Non ho d'uopo di ciò.

DESDEMONA
Tu sei crucciato, signor.

OTELLO
aspramente
Mi lascia! mi lascia!
Emilia raccoglie il fazzoletto dal suolo.

DESDEMONA
Se inconscia, contro te, sposo, ho peccato,
dammi la dolce e lieta parola del perdono.



DESDEMONA
La tua fanciulla io sono
umile e mansueta;
ma il labbro tuo sospira,
hai l'occhio fiso al suol.
Guardami in volto e mira
come favella amor.
Vien ch'io t'allieti il core,
ch'io ti lenisca il duol,
ch'io ti lenisca il duol,
Guardami in volto e mira
come favella amor,
Guardami in volto e mira
come favella amor,
dammi la dolce e lieta parola del perdono.

OTELLO
a parte
(Forse perchè gl'inganni
d'arguto amor non tendo. . )
(… forse perchè discendo
nella valle degli anni,
forse perchè ho sul viso
quest'atro tenebror,
forse perchè gl'inganni d'arguto
amor non tendo,
forse perchè discendo
nella valle degli anni,
forse perchè ho sul viso
quest'atro tenebror,
Ella è perduta è irriso
io sono e il core m'infrango
e ruinar nel fango
vedo il mio sogno d'or.
Ella è perduta e irriso,
io sono e il core m'infrango
e ruinar nel fango
vedo il mio sogno d'or.
e ruinar nel fango
vedo il mio sogno,
vedo il mio sogno d'or.

JAGO
a Emilia sottovoce
(Quel vel mi porgi
ch'or hai raccolto.)

EMILIA
sottovoce a Jago
(Qual frode scorgi?
Ti leggo in volto.)

JAGO
T'opponi a vôto
quand'io commando.

EMILIA
Il tuo nefando
livor m'è noto.

JAGO
Sospetto insano!

EMILIA
Guardia fedel
è questa mano.

JAGO
Dammi quel vel!
afferra violentemente il braccio di Emilia
Su te l'irosa mia man s'aggrava!

EMILIA
Son la tua sposa,
non la tua schiava.

JAGO
La schiava impura
tu sei di Jago.

EMILIA
Ho il cor presago
d'una sventura.

JAGO
Né mi paventi?

EMILIA
Uomo crudel!

JAGO
A me.

EMILIA
Che tenti?
Uomo crudel!

JAGO
A me quel vel!
con un colpo di mano Jago ha carpito il fazzoletto ad Emilia

JAGO
(Già la mia brama
conquido, ed ora
su questa trama
Jago lavora!
su questa trama
su questa trama
Jago lavora!
Jago lavora!)

EMILIA
(Vinser gli artigli
truci e codardi.
Dio dai perigli
sempre ci guardi.)



DESDEMONA
Dammi la dolce e lieta parola del perdon.

OTELLO
Escite! Solo vo' restar.

JAGO
sottovoce ad Emilia che sta per escire
Ti giova tacer. Intendi?

Desdemona ed Emilia escono. Jago finge d'escire dalla porta del fondo, ma giuntovi s'arresta.


SCENA V
Otello, Jago sul fondo

OTELLO
accasciato, su d'un sedile
Desdemona rea!

JAGO
nel fondo guardando di nascosto il fazzoletto, poi riponendolo con cura nel giustacuore
(Con questi fili tramerò la prova
del peccato d'amor. Nella dimora
di Cassio ciò s'asconda.)

OTELLO
Atroce idea!

JAGO
fissando Otello
(Il mio velen lavora.)

OTELLO
Rea contro me! contro me!

JAGO
cupo
(Soffri e ruggi!)

OTELLO
Atroce! atroce!

JAGO
Non pensateci più.
dopo essersi portato accanto ad Otello, bonariamente

OTELLO
balzando
Tu? Indietro! fuggi!
M'hai legato alla croce! Ahimè!
Più orrendo d'ogni orrenda ingiuria
dell'ingiuria è il sospetto.
Nell'ore arcane della sua lussuria
(e a me furate!) m'agitava il petto
forse un presagio! Ero baldo, giulivo.
Nulla sapevo ancora; io non sentivo
sul suo corpo divin che m'innamora
e sui labbri mendaci
gli ardenti baci
di Cassio! Ed ora! ed ora…
Ora e per sempre addio sante memorie,
addio, sublimi incanti del pensier!
Addio schiere fulgenti, addio vittorie,
dardi volanti e volanti corsier!
Addio, vessillo trionfale e pio,
e diane squillanti in sul mattin!
Clamori e canti di battaglia, addio!
Della gloria d'Otello è questo il fin,
è questo il fin, è questo il fin.

JAGO
Pace, signor.

OTELLO
Sciagurato! mi trova una prova secura
che Desdemona è impura. . .
Non sfuggir! nulla ti giova!
Vo' una secura, una visibil prova!
O sulla tua testa
s'accenda e precipiti il fulmine
del mio spaventoso furor che si desta!
Afferra Jago alla gola e lo atterra.

JAGO
Divina grazia difendimi!
Alzandosi
Il cielo vi protegga. Non son più vostro alfiere.
Voglio che il mondo testimon mi sia
che l'onestà è periglio.
fa per andarsene

OTELLO
No… rimani. Forse onesto tu sei.

JAGO
sulla soglia fingendo d'andarsene
Meglio varebbe ch'io fossi un ciurmador.

OTELLO
Per l'universo!
Credo leale Desdemona e credo
che non lo sia. Te credo onesto e credo
disleale. . .La prova io voglio!
Voglio la certezza!

JAGO
ritornando verso Otello
Signor, frenate l'ansie.
E qual certezza v'abbisogna?
Avvinti verderli forse?

OTELLO
Ah, morte e dannazione!

JAGO
Ardua impresa sarebbe; e qual certezza
sognate voi se quell'immondo fatto
sempre vi sfuggirà? Ma pur se guida
è la ragione al vero, una sì forte
congettura riserbo che per poco alla
certezza vi conduce. Udite.
avvicinandosi molto ad Otello e sottovoce
Era la notte, Cassio dormìa,
gli stavo accanto.
Con interrotte voci tradia
l'intimo incanto.
Le labbra lente, lente movea,
nell'abbandono
del sogno ardente, e allor dicea,
con flebil suono:
"Desdemona soave! Il nostro amor s'asconda.
Cauti vegliamo! L'estasi del ciel
tutto m'innonda."
Seguìa più vago l'incubo blando;
con molle angoscia
l'interna imago quasi baciando,
ei disse poscia:
sempre sottovoce
"Il rio destino impreco
che al Moro ti donò".
E allora il sogno
in cieco letargo si mutò.

OTELLO
Oh! mostuosa colpa!

JAGO
Io non narrai che un sogno.

OTELLO
Un sogno che rivela un fatto.

JAGO
Un sogno che può dar forma di prova
ad altro indizio.

OTELLO
E qual?

JAGO
Talor vedeste
in mano di Desdemona un tessuto trapunto
a fior e più sottil d'un velo?

OTELLO
È il fazzoletto ch'io le diedi,
pegno primo d'amor.

JAGO
Quel fazzoletto ieri
(certo ne son) lo vidi in man di Cassio.

OTELLO
Ah! Mille vite gli donasse Iddio!
Una è povera preda al furor mio!!
Jago, ho il cor di gelo.
Lungi da me le pietose larve!
Tutto il mio vano amor escalo al cielo;
Guardami, ei sparve.
Nelle suespire d'angue
L'idra m'avvince!
Ah! Sangue, sangue, sangue!
S'inginocchia
Si, pel ciel marmoreo giuro!
Per le attorte folgori!
Per la Morte e per l'oscuro mar sterminator!
D'ira e d'impeto tremendo
presto fia che sfolgori
Questa man ch'io levo e stendo!

Levando la mano al cielo. Otello fa per alzarsi; Jago lo trattiene inginocchiato

JAGO
s'inginocchia anch'esso
Non v'alzate ancor!
Testimon è il Sol ch'io miro,
che m'irradia e inanima
l'ampia terra e il vasto spiro
del Creato inter,
che ad Otello io sacro ardenti,
core, braccio ed anima
s'anco ad opere cruenti
s'armi il suo voler!



JAGO e OTELLO
alzando le mani al cielo come chi giura
Sì, pel ciel marmoreo giuro!
Per le attorte folgori!
Per la Morte e per l'oscuro mar sterminator!
D'ira e d'impeto tremendo presto fia
che sfolgori questa man ch'io levo e stendo!
presto fia che sfolgori questa man ch'io levo e stendo!
Dio vendicator!


Sì, pel ciel marmoreo giuro!
Per le attorte folgori!
Per la Morte e per l'oscuro, per l'oscuro mar sterminator!
D'ira e d'impeto tremendo presto fia
presto fia che sfolgori questa man, questa man ch'io levo e stendo!
Dio vendicator!


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© Asahina Takashi
最終更新:2022年07月08日 17:36