◇都内・徐所大学 PM2:40
とある私立大学の、一画。教授陣の研究室が並ぶ棟の廊下を、
一人の女子大生が歩く。じゃらじゃらと小物をぶら下げたリュックを背負い、教科書を脇にはさんだ彼女は、
目当ての研究室の扉に前に立つと、ゆるくエアウェーブのかかったミディアムヘアを少し指で整えてから、
扉をこんこんとノックした。
女子大生「失礼します」
教授「どうぞ」
扉をあけ、中に入る。奥の机でキーボードを打ちながら答えたのが、その研究室の主であった。
彫が深く、どこか日本人離れした端麗な顔立ちのその教授は、実際はそこそこの歳をいってるが、その見た目はずいぶんと
若々しい。知識の泉を思わせるその知性的な瞳に、ノックアウトされる女学生は多い。
いまたずねてきた彼女もその一人、というわけではなく、彼女はこの研究室のゼミ生だった。
彼女は毎週この時間になると、友達が取ってる講義が終わるまで、研究室で談笑や勉強をして時間を潰すのだ。
教授「今日は勉強するの?」
女子大生「来週、考古学の試験なんです。もう、すっごい難しくて」
教授「考古学は城嶋教授だね。あいつとは同期だけど、確かに生徒にやさしくないよ」
女子大生「単位稼ぎのために取ってる授業なんですけど、なんか心配・・・落とすかも」
教授「君は優秀だから大丈夫だよ。悪いけど、コーヒー淹れてもらえる?」
女子大生「もちろん」
荷物を机に置いて、コーヒーをカップに注ぐ彼女に、教授が「そういえば、彼とはうまくやってる?」と声をかける。
女子大生「アツアツですよ~。どうぞ」
教授「ありがとう。“葬儀屋”だったっけ。ずいぶんニッチな彼氏だな」
教授が受け取ったコーヒーを啜り、
教授「・・・苦い。砂糖3つくれ、那由多」
と彼女の名を呼んで頼むと、「那由多」と呼ばれた少女が頷いた。
那由多「柏先生、いつも好みが違うから。先週はブラックがいいって言ったのに」
柏「申し訳ないね、めんどくさい舌なんだよ」
柏教授の机に置かれた、『柏 龍太郎』教授と書かれたプレートが、蛍光灯の光を浴びてキラリと光った。
―A Part 2027―
車を走らせて一時間、車内には、鉛のように重々しい沈黙が立ち込めていた。
後部座席で、気を失ったコンビニ店員の少女が横たわっている。
ヒナちゃんと呼ばれていた、『藍川』という苗字の女性だ。丈二が仕方なく拉致した人だった。
彼女の顔を見、航平が重い口を開いた。
航平「・・・無計画すぎるぞ、彼女をどうする?」
丈二「わからない」
航平「他の客に見られてたかも。すぐに解放したほうがいい」
丈二「これから考えるさ・・・。それより、ロックは外れたか?」
航平は、電源の付いた三島 由佳里のケータイ電話をいじりながら、
航平「無理だ。パスコードなんてわからないよ、何万通りあると思ってんだ」
と呟いた。
由佳里のケータイに電源を入れることはできたが、肝心の中身を覗くことができなかった。
ケータイには利用を制限するパスコードロックがかけられていたのだ。彼女を死を見取った丈二だが、
パスコードの話は彼女の最期にはなかった。
航平「手帳には?」
丈二「なにも書いてない。予定表だけだ」
航平「これどうする? “テント”の手がかりはこのケータイだけなんだろ?」
丈二「・・・・・・」
ハンドルを握りながら、丈二は押し黙った。
やがて、なにかを思い出したように口を開く。
丈二「・・・そのロック、外せないこともない」
航平「え?」
丈二「アテがある・・・そういうの、外せるやつがいるんだ。知り合いに」
航平「どうやって?」
丈二「スタンドだ」
航平「なら、そいつに頼めば解決じゃないか。なのになんでそんな苦い表情をしてんだ?」
丈二「・・・あんまり、頼りたくないヤツでね・・・」
―B Part 2024―
・・・・・・・
・・・お願いだ、丈二
・・・・・・
・・・で、また会おう。
・・・・・・
――――――――――――――――――
――――――――――――
―――――
丈二「・・・ハッ!」バァッ
午前二時。さめざめと降りしきる雨に濡れた真夜中、城嶋 丈二は眠りから覚めた。
うなされるように飛び起きた彼のベッドは、汗で湿っている。
丈二「・・・うっ、ううう・・・」ポロポロ
不思議な夢から覚めた丈二は、突然大粒の涙を零して泣き始めた。
同室で眠るルームメイトの吉田 忍が起きる気配がしたが、嗚咽はとまらなかった。
理由のわからない涙。見ていた夢がなんだかとても悲しくて――なにが悲しいのかはわからないが――
丈二の胸は刃物で一突きされたように痛かった。
夢でみた場所は、どこか遠いところだった。行ったことのない場所だが、
どこか見覚えがある気がした。知ってる場所だと思った。
そこで、誰かが丈二に何かを言っていた。顔は見えなかったし、声もきちんと聞き取れたわけじゃなかったが、
それでも、その声はやはり聞き覚えがある声だった。
誰かとても――親しい人だ。
そしてその悲哀に満ちた光景は、丈二には自分の魂が欠けてしまった場面であるかのように感じられた。
丈二「うぐ・・・ううっ、うっ・・・」ポロポロ
忍「おい、うっせーぞ! 起きちまったじゃねえか、バカヤロウ!」
丈二「ううう・・・」ポロポロ
忍「おい、なんだどうした?」
丈二「・・・わからない、わからないけど・・・」
丈二「胸が苦しい・・・苦しいんだ・・・」
忍「なんか飲むか? 下で買ってくるからちっと待ってろ。
ほら、毛布被っとけ。冷えんぞ」
投げられた毛布を受け取って、包まる。その暖かさが余計に切なくて、丈二は一晩中涙を流し続けた。
◇『組織』アジト 作戦会議室 PM1:00
呼び出しを受け、丈二が作戦会議室に向かうと、椅子に腰掛けたチームメイト、
桐本 琢磨が、机の上の電話機を軽く指差した。“保留中”を示す赤いランプが点滅している。
丈二は黙ってその受話器を受け取り、耳元に当てて声を出した。
丈二「・・・もしもし」
???<城嶋?>
丈二「城嶋 丈二だ。俺になにか用があるのか? ・・・須藤」
須藤<覚えててくれて嬉しいよ。別に君にだけってわけじゃないけど・・・
俺が君としか話さないと言ったから>
丈二「何故俺を指名した?」
須藤<この前病院で会ったろう? 君しか知り合いがいないんだよ、お宅の『組織』には>
受話器を持ったまま、丈二が無言の視線を琢磨に流す。二人の会話をそばで聞く琢磨も、無言を返事によこす。
会話を続けろという指示だった。
丈二「で、用件は」
須藤<君たちの『組織』は、『ナイフ』を集めてるだろう? この前俺が持っていったのを売りたい>
丈二「取引か。いくら欲しい」
須藤<今朝君のメールアカウントに詳細を送ったから、確認してくれ>
丈二「なんで俺のアドレスを知ってる?」
須藤<質問はあといくつあるのかな? 続くようなら、直接会ったときにしてくれないか>
丈二「いいだろう」
須藤<メールを読んでおいてくれ。じゃあ切るよ>
通話はそこで途切れた。丈二が「逆探知は」と聞くが、琢磨はダメだったと言いたげに肩をすくめただけだった。
琢磨「何考えてるかわからんな。どうする?」
丈二「メールを読んで、それから考える。俺らのチームはあとどれくらい金が使える?」
琢磨「わからないが・・・結構な額のハズだ。取引するなら、俺と君で行こう」
丈二「わかった」
琢磨「“リーダー”に伝えておくよ」
“リーダー”。その言葉で、丈二はこのチームのリーダーにまだ一度も会っていなかったことを思い出した。
―A Part 2027―
◇都内某所 PM1:02
とある自動車廃工場を訪れた二人は、道中、買ってきたフライドチキンの袋を抱え、
いまは無人となっているはずの、事務所だった小屋の扉に前に立った。
扉の上には監視カメラがついていて、そこはいまもまだ誰かが使っていることが、航平にはわかった。
二人は、インターホンを押して扉が開くのを待った。
ピンポーン
航平「このチキンはなんのために買ったんだ?」
丈二「おみやげだ。それがないと言う事を聞かない」
やがて、扉が小さく開かれ、中から病的に白く細い手が、にゅっと伸びた。
手は袋をよこせと合図すると、航平から半ば強引に土産の袋を奪い取り、それを部屋の中に引きずり込んだ。
困惑する航平を無視して、丈二は大人しく土産の袋の“確認”が終わるのを、扉の外で待った。
やがてそれが自分の好物だと確認すると、部屋の主が扉を開き、丈二と航平を正式に招きいれた。
???「入っていいよ」
ダボダボのシャツ一枚で二人を部屋に入れたのは、髪の長い女性だった。
丈二「久しぶりだな、マユ」
マユ「アタシ、チキン食べてるから。用済ませちゃっていいよ」
丈二「いや、君に用があるんだ」
マユ「?? アタシはないけど」
そう言って、マユと呼ばれた長髪の女性は丈二らを無視し、ソファーにごろんと寝転がった。
フライドチキンの袋をあけ、チキンを齧りながらテレビの電源を付け、バラエティ番組を見始めた。
丈二「マユ。ケータイの中に“潜ってほしい”んだ。そのために来た。
食べ終わってからでいいから、頼むよ」
マユ「アタシ、この番組嫌い。お昼になるとね、いっつもやってるの。
嫌いなのに。なんで? 見たくないのに、ムカつくから」
丈二「知らないよ。チャンネル変えようか?」
マユ「ううん、いい」
丈二「なんで?」
マユ「見てるから」
不衛生なその部屋を見回すと、食べ散らかしたままのチキンの骨が、そこらのテーブルで山を作っている。
部屋の隅には乱雑にダンボールが詰まれていて、開けたやつをみると、中は大量の電子機器で詰まっていた。
ダンボールにはマジックで大きく日付が書かれている。おそらく、“依頼”で引き受けたものだろうと航平には想像できた。
航平「・・・知り合いか?」
丈二「昔、俺はあるでっかい組織に属してた。マユはそのときの知り合いだ」
航平「なんていうか・・・変わってるな」
丈二「だからこいつには頼みたくなかった。宇宙人と話してる気分になる」
舌打ちして、丈二は寝転がるマユのもとに近づき、手に持ったフライドチキンの袋を取り上げた。
丈二「やってくれるな?」
マユ「いいよ。そこ置いといて」
丈二「すぐにやって欲しいんだ」
マユ「・・・ハイ。チキン食べる?」
返事して、マユがかじりかけのチキンを差し出す。
丈二はその手首を掴んで彼女を起き上がらせ、「ほら、手を洗って」とマユを洗面所に向かわせた。
その様子を見、
航平「手馴れてるね」
と航平は一人肩をすくませた。
◇都内某所 航平の車内 同時刻
比奈乃「・・・ん」パチッ
丈二たちが廃工場の事務所で、マユと呼ばれる女性と会っているころ、先ほど拉致された
コンビニ店員の『藍川 比奈乃』は、置き去りにされた車中の後部座席で、目を覚ました。
座席に横たわった彼女の手首には、助手席のシートに括りつけられた、手錠がかけられている。
比奈乃「あれ、あれっなにこれ?」ジャラッ
比奈乃「手錠・・・? ってか、ここどこ!? なんだっけ、思い出せない・・・」
ガチャッ、ガチャッ
比奈乃「ダメだ、ドア開かないよ・・・」
比奈乃「なにこれどういうこと? これって、“監禁”・・・?」
比奈乃「・・・・・・」
比奈乃「う、うわぁぁぁぁぁーーーーーーん!! ちょっとぉおおおお!!!
いやあああああああ!!! 誰か助けてええええええええ!!!!」ジタバタジタバタ
不自由な手足を必死にばたつかせ、車体をガタガタと揺らす。半べそで必死に叫ぶが、周りは寂れた廃工場。
人などいるわけがない。しかし比奈乃は、それでも懸命に暴れていた。
比奈乃「誰かああああああ!! きてぇぇぇぇ!!」
そのとき。
女性「・・・・・・」コンコン
比奈乃「!?」
女性「・・・・・・」ジィーッ
車の外に、女性がいた。
静かな目をした、美しく若い女性だった。彼女は物珍しそうに中を覗き込んで、コンコンと窓をノックした。
なにかを言ってるように口が動いているが、比奈乃には聴こえない。
女性「・・△□×」パクパク
比奈乃「あ、あぁぁ・・・・・・」
比奈乃「ああっ! お願い助けて! 閉じ込められてるのッ、助けてぇ!」
手錠の付いた手を必死にガチャつかせて、外の女性に必死に助けを乞う比奈乃。
女性はそれに応じたのか、かばんから携帯電話を取り出し、どこかに電話をかけはじめた。
警察に通報してくれたのだと、比奈乃はほっと胸を撫で下ろしたい気分だった。
しかし。
女性「△□×・・・・・△□×」
比奈乃「・・・?」
女性「△□×、△□×・・・」クスクス
比奈乃「なんで、笑ってるの・・・?」
比奈乃はドン!と力強く、中からドアを蹴った。
すると物音に気付いた女性が、
女性「・・・・・・」シィーッ
比奈乃「!?」
人差し指を唇に当て柔らかな表情で、「黙れ」と無言の通告を比奈乃によこした。
―B Part 2024―
◇織星メモリーズ球場 PM9:30
ライトも付いていない、静まり返った夜の球場。
ゲートを抜け、グラウンドが見渡せる観客席にやってきた丈二は、席に座り、取引相手の到着を待った。
傍らにはキャッシュが詰まったアタッシュケース、左耳に無線機から伸びたイヤホンを装着している。
座ってドームを見渡す丈二に、別の場所で待機している琢磨から、無線の連絡が入った。
琢磨<丈二。いま見て回ったが、ドーム内に少なくとも四人、狙撃手がいる。
40、41番ゲートの角に一人ずつ。11、25番ゲートの裏にあと二人だ。君の位置はばっちり射程内だ>
丈二「やはりか。ウチの狙撃手は?」
琢磨<配置についた。大丈夫、やつらに君を撃たせたりしない>
丈二「ふぅ。頼むぜ・・・」
琢磨<見えた。須藤だ。30番ゲートから来る>
懐にしまった拳銃を確かめて、丈二はケースを握る手を強くした。
30番ゲートの方を見やると、背の高い男の影が一人、ふらりと出てきてこちらに向かい歩いてくる。
間違いなく須藤だった。須藤は丈二の近くに寄ると、何も言わず丈二の隣の席に腰掛けた。
ツカツカツカ・・・
須藤「久しぶりだな城嶋」
丈二「『ナイフ』は?」
須藤「あるよ。金は持ってきた?」
丈二「ある」
須藤「よかった」
須藤が立ち上がり、続いて丈二も立ち上がる。互いが目の前にそれぞれの目的が入ったケースを置き、
それを受け取る。丈二が置いたケースを、須藤が拾おうと手を伸ばしたときだった。
丈二がすっと、金の入ったケースを取り上げた。
丈二「一つききたい」
須藤「・・・? なんだ?」
丈二「『ナイフ』の価値は知ってる。相場も。このケースに入ってるのは、はした金だ。
こんな金額で、あんたたちが満足するとは思えない」
須藤「で?」
丈二「俺を撃ち殺して奪う気なんだろ? そしたら交戦になる。それはできれば避けたい。
だから欲しい金額を言えよ、正しい金額を。後日“組織”が振り込む。それで今日はお開きだ」
丈二「俺はもう引退してる・・・。危険な橋は渡りたくないんだ」
琢磨<? 引退ってなんだ? なんの話だ?>
須藤「ハハッ。引退してるのに取引に来ちゃったのかよ。君は相変わらずヘンな男だ」
丈二「・・・・・・」
沈黙が、二人の間に生まれた。
須藤「・・・そんな金はいらん。この『ナイフ』もくれてやる。
俺が本気で、こんな下らんものの取引に来たと思ってるのか?」
丈二「なに・・・?」
須藤「俺が今日来たのは、ほかのものを回収するためだ」
そう言うと、須藤は『ナイフ』の入ったケースを下の客席の方へと蹴り飛ばした。
丈二「は!?」
須藤「俺がもらいにきたのは君だ・・・城嶋。君を連れて帰る」
パンッ!
一発の銃声が響き渡り、それに呼応するかのように複数の発砲音が声を上げ、入り乱れる。
交戦開始の合図だった。瞬く間にドームは戦場と化し、丈二は咄嗟に身を伏せて、引き抜いた銃を須藤に向けた。
須藤は余裕綽々と、立ったままで丈二を見下ろしていた。
ズガンッ! ズガンッ!
バラララ・・・・バババ
琢磨<丈二、取引は中止だ! 今すぐそこを離れろッ!>
バララ・・・バババッ
丈二「なにいってる・・・!」
須藤「“ツイスター”・・・」ボソッ
丈二「!?」
須藤「『24よりハラハラした』よな・・・あれは。憶えてないか?」
丈二「な・・・なんでお前・・・それを・・・」
須藤「・・・・・・」
丈二「覚えてるのか・・・!? お前も・・・!」
須藤「俺と来い城嶋。会わせたい人がいる」
須藤「俺たちがいま“どこにいるのか”・・・“なぜいるのか”。教えてくれる人だ」
丈二「・・・!」
琢磨<丈二! 聴こえてるのかッ!?>
◇織星メモリーズ球場・7番ゲート付近 同時刻
琢磨「ちッ、丈二の応答がない」
工作員「一人倒しました!」
琢磨「よし、40番のヤツを狙え!」
7番・ゲート付近。連れて来た『組織』の狙撃手に命じて、残る敵の排除に向かおうとしていた。
しかし一発の銃声とそれに続く、肉が撃ち抜かれた音で、琢磨の足は止まった。
振り返ると、工作員の狙撃手が頭を撃ちぬかれ、絶命していた。
工作員「・・・・・・・・・」グデーッ
琢磨「クソッ!」
バババ・・・
バンッ!バンッ!
こちら側の狙撃手は今死んだこの一人しかいない。こいつが死んだいま、残る三人の敵の銃口は、
丈二と自分に集中する。考え、床に伏せた琢磨は死んだ狙撃手に取り付き、自身のスタンド能力を使用した。
琢磨「『シックス・フィート・アンダー』! こいつをゾンビにしろッ!」
S・F・U『オオオオオオオオオオオオオッ!』
雄叫びをあげ、飛び出した琢磨のスタンド。
巨大な棺おけを背負い、円錐形の刃物を六つ付けた十字架を持つ、怪しげなオーラの人型スタンド。
『シックス・フィート・アンダー』が十字架を狙撃手の死体に押し付け、円錐を彼の体に突き刺すと、
死んだはずの体がぴくぴくと動き出し、そして獣の様な唸り声を上げて立ち上がった。
ゾンビ「ウグルルルルル・・・」
琢磨「ゾンビを作った・・・! 俺が生きてりゃあ、こいつは大体は俺の言う事を聞く。
いいか、ライフルを撃ち続けるんだ。当てることは期待してない、俺を援護してくれ!」
ゾンビ「グググ・・・・・・」スチャッ
そう言うと、琢磨は敵のいるゲート付近を目指して、走り出した。
同時に、命令を受けたゾンビが、ライフルを構え乱雑な援護射撃を開始する。
バンッ! バンッ!
琢磨「うおおおおおおッ!」
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