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13話「『川尻正彦』 その1」の巻

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orisuta

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まず最初に抱いた感想――
「こいつが本当にあの『ディープ・フォレスト』の本体か?」

拍子抜けした、というのだろうか……。
そいつは、あまりにも凡人すぎて、あまりにもひ弱そうで、


そしてあまりにも、スタンドに不釣合いで。






……グッ

JOJOが身構える。今まで幾度となく自分の、自分たちの命を狙ってきた人間が、目の前にある。
怒りはある。しかしそれは「義憤」だ。自分が狙われたことに対するものではない。
亜希が、アクターが、漱次郎に殺された人が、篭良に殺された人が。
傷ついたのは、恐ろしい思いをしたのは、命を落としたのは――
こいつが元凶だ。こいつは『ほうっておいちゃあいけない奴だ。』

JOJO「ォ……オオォ ォォオオ オオオオ  オオオオ才才才才 ッ!!」

JOJO「『ヒートウェイヴ』ッ!」

ズ ギャ ン ッ !

HW『FIREEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEッ!!』ゴオオオオオ

D・F『フンッ!コノ程度……』

スッ

パギッ!

D・F『ゴベッ……! !? ナッ!?速ッ?』

ドバァァァ―――

正彦「ごべぇぇ!?ど、どういうことだ『ディープ・フォレスト』!ヤロウ全然弱ってないぞ!」ドザァァ
D・F『ヤハリ素早イトハ思ッテイタガ……コレホドトハナ……。正彦クン、見テミロ、奴ヲ、奴ノ『すたんどぱわー』ヲ。』

JOJO「オオオオオオオオオオオオオオオ!!」

ゴオオオオオオォォォォ

正彦「まさか……奴はこの土壇場で成長してるってのかッ!?」
D・F『若サトイウノハ過チノ種ダガ……同時ニ可能性モ無限ニ秘メテイル、トイッタトコロカナ……。』

正彦「どッ……どうする『ディープ・フォレスト』!逃げるか!?」
ド ド ド ド

D・F『逃ゲル?馬鹿イッチャアイケナイヨ、正彦クン……。奴ハ確カニ「強イ」ガ、闘イカタハ単調ソノモノダ。』

ズドォ!

『ディープ・フォレスト』が地面を殴る。殴った『ディープ・フォレスト』の右腕はなくなっている。

JOJO「……!?腕をどこへやった……?」
D・F『ソレハスグニ分カル事ダ。』

ズォア!

JOJO「ぬぐッ……!?地面から腕が……痛ッ」
D・F『『でぃーぷ・ふぉれすと』!すたんどノ私ガイウノモ奇妙ダガ、主ノ代ワリニ言ワセテモラウゾ……。
    物体ヲ地面ヤ壁ニ『埋メル』能力……埋メ込ンダ腕ニキサマノ足ヲ握ラセタ……。』

ドバシ!

『ディープ・フォレスト』が左手で突きを繰り出す。

D・F『ソシテ火傷シテイル足ヲ握ラレレバ、サシモノキサマモ怯ム……ソノ隙ヲツク。』

バァァ―――ン!

JOJOの左胸には……『穴』が開いていた。

JOJO「ゴフッ。」 ビチャチャ!

JOJO「こ……れは……。」

D・F『フハハハハハハハッ!ザマアナイナJOJO!ダガ安心シテイイゾ!スグニ キサマノ オ友達モ ソッチニ送ッテヤル!』

D・F『クラエィ!』ゴオオオオオ

パシッ

振りかぶったD・Fの左腕が軽くはじかれる。

D・F『…………?』

左腕は、ひじ関節があらぬ方向に捻じ曲がっていた。

HW『…………………………。』 ドドドド

D・F『ナン……』

ゴ ゴ ゴ ゴ

JOJO「…………。」

ゴ ゴ ゴ ゴ

D・F『ダトォォ―――ッ!?』

JOJO「ふゥゥ――……オーマイ(なんてこった)。お気に入りの学ランが破れちまったぜ……。
     まあこいつは後で『ヒートウェイヴ』を使って直せばいいんだが……。」

JOJOはというと、胸に穴が開いているにも関わらず涼しい顔をしている。

D・F『ナ……ナゼ。』
JOJO「俺のスタンド能力の研究が足りなかったようだなァ――『ディープ・フォレスト』。
     『ヒートウェイヴ』。俺の体を粘土状にして、体を傷つけないように穴を開けた。
     傷つけないようにっつっても致命傷をさけるだけだから、痛いし血は吐くがな……。」

ズギュン!

JOJO「もう一度『ヒートウェイヴ』で整えれば、元通りだ。ホレ、このとおり。」

ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ

正彦「う……ウワァァ―――ッ!俺の腕がァァーッ!?」

当然、スタンドである『ディープ・フォレスト』の腕が捻じ曲がったのだから、正彦の腕も捻じ曲がる。

ギュオ!

それを見て、すぐさま『ディープ・フォレスト』は正彦の下へ下がる。

D・F『イイカ……。落チツケ正彦クン。今ノハチョットダケ予想外ノ事態ダッタガ、何モ問題ハナイ。
    間違ッテモ『逃ゲヨウ』ナンテ思ッテハ駄目ダゾ……。マダ私ニハ勝算ガアルノダ…………。』

グギッ!

そういうと、『ディープ・フォレスト』は無理やり自らの腕を元の形に戻す。

正彦「ィギィィイイ!」

当然、正彦は痛がる。しかし、『ディープ・フォレスト』はそれにも意を介さずJOJOを見る。
JOJOはあまりにチグハグな『ディープ・フォレスト』とその本体、正彦のコンビに絶句していた。

D・F『ズイブント……オイタガスギルヨウダナ『JOJO』……。コノ私ニ対シテ……!』

ゴ ゴ ゴ ゴ

正彦「うう……いてぇよ……。」

D・F『ウルサイナ正彦クン……男ダロウ?ソノクライ我慢シナヨ……。』

クル

D・F『コノ『でぃーぷ・ふぉれすと』、すたんどニヨル戦闘ニ関シテハ……(本体ガコンナノトイウノモアッテ)
    キサマノ数倍ハ経験ガアル、トイウ自負ヲモトニ断言シヨウ……キサマハ……
    ワタシニ勝ツコトハデキナイ(●●●●●●●●●●●●●)特ニワタシヲ倒スコトハ(●●●●●●●●●●●)……決シテ(● ● ●)。』

ド ド ド ド ド ド ド

JOJO「なら……試してみようじゃねえか。きさまの『経験』ってもんをなッ!!」

D・F『クチノ減ラン餓鬼ダ……。フンッ!』

ドズッ!

再び地面を殴る『ディープ・フォレスト』。

JOJO「それがきさまの『経験』か『ディープ・フォレスト』!だとしたら甘い!
     この俺に二度同じ策を使う時点で既に凡策なんだよッ!」

HW『オオオオオオオオオオッ』ボア

HW『FIRE!』ドガア!

JOJO「こうやって地面を抉り出して!てめーの「腕」を露出させてやる!そしてブン殴って破壊してやるぞッ!」

ゴオオオオ!!

『ヒートウェイヴ』の拳が「腕」が埋め込まれた地面へと向かう。

ト゛ ハ ゜ ァ   ツ   !

ガシィ

JOJO「………………!?」

JOJO「…………こ……れはッ!?」

しかし、その拳が『ディープ・フォレスト』の「腕」に命中することはない。
『ディープ・フォレスト』の「腕」は、『ヒートウェイヴ』の首を絞めていた。

ググ

JOJO「げふ……!」
D・F『ヤレヤレ……得意ニナッテ油断シテイタナ、JOJO。ワタシノ能力ハ『埋メ込ム』ダケデハナイ。
    埋メ込ンデナオカツ『隠ス』ノダ……。「隠ス」トイウコトガ能力ナラバ、ソレハモウ誰ニモ曲ゲルコトハデキナイ。
    物質ノ質量ガ増エタリ減ッタリシナイノト同ジクライ、「隠サレタ物」ハ暴カレナイ……。コレガ『でぃーぷ・ふぉれすと』。』

D・F『言ッタハズダ!『キサマノ数倍ハ経験ガアル』ト!』



To Be Continued...




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