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15話「『タイロン・パワー』」の巻

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orisuta

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正彦の衝撃的な死の後、俺はことの次第――『ディープ・フォレスト』が自立化したこととか――をアクターと亜希に説明した。
勿論奴らは半信半疑だった(「本体ありき」のスタンドが本体を殺すなんて空前絶後、前代未聞だしな。)が、
『矢』のパワーうんぬんと『ディープ・フォレスト』が言っていたことを説明すると、どことなく納得した様子だった。
『矢』で射抜かれていない俺にはわからないことが、射抜かれたやつらにはそれが本能的に分かるのかも知れないな。

ともあれ、今は学校の休み時間。昼飯を食い終わった俺はションベンして精神力を回復し、亜希たちに合流しようとしていた。

ドンッ

JOJO「うお。」
女「きゃっ。」

何かにぶつかったのを感じ、JOJOは目の前を見る。誰もいない。しかし、女の声は聞こえた。

JOJO(下か――?)

そう考え下を見ると、よろよろと今にもしりもちをつきそうな女性――いや、少女がいた。

JOJO(―――。)   バッ!シュバッ!

『ヒートウェイヴ』にすぐさま少女の体勢を整えさせる。

JOJO「よう、悪かったなお嬢ちゃん。あんまりちっちゃいもんだから見えなかったぜ。
     にしてもこんなとこになんの用事だ?スーツを着てるみたいだけど、忘れ物でも届けにきたのか?」

かがんで少女の目線にあわせ、話しかけるJOJO。
少女はポカンとしてJOJOの顔を見つめている。

JOJO(マズイなあ。もしかしてビックリさせちまったか?子供のお守はニガテなんだよなあ、俺……。
     亜希たちのところに早く戻りたいが、この子をほうっておくのもなんか後味が悪いしよぉー。)

JOJO「大丈夫……か?悪かったよ、アイス買ってあげるから、機嫌直してくれよ。」

そうJOJOが言った瞬間、少女の顔がみるみるうちに怒色に染まっていく。

少女「私を子供扱いするなァアアアア――――――ッ!!」

JOJO「!?」

ド ド ド ド ド

少女「私の名前はミキ!この高校の先生!スーツ着てるんだから気付きなさいよぉッ!
    つーかその前に先生の顔くらい覚えなさい!ああああああッ!あなたみたいな常識知らずッ!」

JOJO「……!」 ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ

ミキ「教育してやる!」ズオオオッ!

JOJO「うおおおお……何かマズイ!?」バッ

ドッ ゴバア!

ミキ「フーッ、フーッ!」

JOJO「ゆ……床に穴が……コイツチッコイくせしてかなりパワーがあるぞ……!」

ミキ「くらえェ!」 ゴオ!

JOJO「ぐっ……!このパワー……!あの体のどこにこんな『パワー』が……!?奇妙だッ!」

JOJO「くそ、敵とはいえ追っ手でもねえ(と思う。タブン。)奴にはあまり手を出したくはねえが……!」

HW『ウリャア!』ボゴッ!

『ヒートウェイヴ』が床を殴る。『粘土のように扱う』能力により、床は水面に石ころを落としたみたいに飛び跳ねる。

JOJO「『ヒートウェイヴ』……!床をぶん殴って『土飛沫』を起こした……。そしてこの間に俺は窓から逃走するぜッ!」

バッ!

JOJOは窓から飛び降りる。

ミキ「な……!ここは3階よッ!?飛び降りるなんて無茶……。」

JOJO「普通なら(●●●●)なァ~~~ッ!」

JOJOから半身が剥離している『ヒートウェイヴ』が不敵に笑う。

JOJO「スタンドで着地すればッ!『ヒートウェイヴ』のパワーなら人一人はヨユーで支えられるぜッ!
     そしてこのままアンタをマかせてもらうゼッ!」

ミキ「……」ポカーン


JOJO(フゥゥゥ~~~~~ッ!なんとかなったぜ……。にしてもあの女、チビ扱いしただけでエラいキレようだったな……。
     アクターがナメられるのを嫌うみてーに、あの女も自分の体にコンプレックスっつゥー奴を持ってるってことかな……。)

ガシャアアアアンッ!

JOJO「んな!?」

ゴオオオオ

突然の物音にJOJOが振り向くと、そこにはガラスをぶちまけ窓から飛び降りるミキの姿があった。

ミキ「………………逃がさないわよォ~~~~ッ!アンタはここで!確実に!再起不能にしなきゃあいけないッ!」

JOJO「……!くそ、ガラスのせいで反応が……。」

ミキ「ウオリャア!」

バッギャアア!

ミキの拳はJOJOの脳天に直撃する。

ミキ「やったッ!勝ったわ!正義の勝利よ!」

殴った体勢のまま、ミキはガッツポーズをとる。

JOJO「そうくると思ったよ(●●●●●●●●●)。」

ミキ「!?」

自らが殴った打点から、微妙にズレたところから聞こえる声にミキは動揺する。

JOJO「残念だったな……。
     おまえが見たのはドロドロに溶かして用意していた『ガラス』に映った俺だ。

     あの一瞬で『ヒートウェイヴ』に展開させていたのさ……。さっき不意打ちで食らった
     『ガラスのシャワー』は利用して前向きに活かさないとな…………。」

ド ド ド ド ド

見ると、ミキが見ているJOJOの脳天には、ヒビが入っている――
いや、JOJOの脳天が移っている部分には、ヒビが入っている、といったほうが正しいか。

ミキ「うっ、うあああっ、あっあ、
   こんな……あなたみたいなゲスがこんなこと………………。」

JOJO「そしておまえ……おまえが何者か……
     おまえの怪力の正体……わかったような……気がする……。」

ミキ「…………。」

ド ド ド ド ド ド

JOJO「その体つき……今さっきまでと違う。その顔もそうだ……。
     ガッシリと年齢をとっているように見える……。ここまでいくと性別が変わっているようにすら見えるな。」

ミキ「『タイロン・パワー』!」

JOJO「俺はおまえが単なる怪力のロリ教師だとばかり思っていたッ!

     だが、おまえが……!!その『筋肉質』のボディ!まさかおまえもッ!」

ギャアアアアアアン!

ミキの体からスタンドが剥離する。もはやJOJOと同じ背丈くらいのミキをさらに上回る大きさ。
JOJOは一目ではそれが何か にわかに分からなかったが、やがて理解する。

JOJO「……ずいぶん……いやかなり……グロイ『テディベア』だなァァ~~~ッ!」

ミキ「うあああああああああああああッ――――!」

JOJO「だが生徒を殴り倒そうとする教師にはちょいとばかし「お仕置き」だぜッ!」

T・P『ムッシャアアアアアア―――――ッ!』ゴオオオオオッ!

HW『FIREEEEEEEEEEEEEEEEEEEッ!』メシッ

JOJO「パワーはすさまじいものだったが、なるほどスピードはスットロイぜ。
     ぬいぐるみは殴っても打撃じゃあ通用しねーだろうからよぉ……。」

ミキ「うあっ、あっ、私のっ、私の腕がァ―――ッ!?」

JOJO「腕を曲げて無力化させてもらったぜ。」

バァアア―――― ……

そんなこんなでミキは体の大きさは既に元に戻っており、後ろ手に腕を縛られて正座している。

JOJO「なんかムカついてたのは分かるけどよ、生徒に手を上げるのはよくねーぜ。」
ミキ「うう……。」

JOJO「俺無傷だし別にいいけどよ……。それより先生は大丈夫かよ?
     色々ムキムキになって暴れてたから擦り傷とかできてるんじゃないのか?にしてもあれはスゴかったな――っ。」
     (幼女がムキムキになることといい、なんかビスケみたいだぜ……。)
ミキ「……伊達に能力で強化されてないわよ。」

JOJO「それで、だ。」
ミキ「?」

JOJO「単にムカついたから生徒に手を上げるほど、アンタ子供じゃあねーだろ?
     どうして俺に攻撃を仕掛けたのか、教えてもらおうか。」
ミキ「何を言っているのかしら?言ってる意味がちょっとよく分からないわね。」

JOJO「シラ切ってんじゃあねーぜッ。さっきの執念深さ、ありゃあ「怒り」ってもんじゃあねえ。
     まるで俺が殺人鬼であるかのよーなご執心っぷりだったじゃないか。」

ミキ「………………。」

JOJO「『コレ』関連か?」ズオ

『ヒートウェイヴ』を見せる。

ミキ「……たとえスタンド使いでも、生徒を巻き込むわけには」
JOJO「『自らを射抜いてスタンド使いにした奴を見つけ出してとっちめようとしてる』。」

ミキ「……!!」
JOJO「どーやら図星のようだな。まさか亜希みたいに探して話を聞こうってんならまだしも、
     とっ捕まえてやろうって奴は初めて見たぜ………………。こいつはマジにすげー。」

ミキ「何か知ってるの!教えて……!あのときアイツ――」

――

在りし日の正彦「ほお!今度は死ななかったな!」

――

ミキ「って言ったのよ!気になって調べてみたら……」

ゴ ゴ ゴ

ミキ「今年に入ってからの少年少女の行方不明者数『81人』!家出人がいるにしても多すぎる!
    すでにそれだけの何の罪もない子供たちが毒牙にかけられてるっていうのよッ!?
    何か知ってるならすぐに教えて!」

JOJO「そいつなら……」

JOJO「もう死んだよ。」
ミキ「!?」

JOJO「まあ、積もる話もあるだろーし……。ついてきな。俺の仲間も紹介するからよ。」

ミキ「…………。」コクッ

ド ド ド ド ド

そして二人はアクターと亜希たちの元へ向かう。



To Be Continued...


使用させていただいたスタンド


No.1113
【スタンド名】 タイロン・パワー
【本体】 白石美貴
【能力】 本体のパワーを、常識では測れないほどに強化する




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