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第五話『Squadra “GIOGIO”』

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orisuta

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【ローマ:『組織』のビル】
PM12:30


ペーペー「そういえば」
???「なんだい?」
ペーペー「『矢』は追わなくてもよろしいのですか?確か…『パッショーネ』の若いボスが、確か『スタンドに取り込んだ』とか」
???「ああ、あれね」
ボスはゆったりと椅子を回転させる
???「『あんなもの』は別にどうでもいいんだ。とても『世界』には及ばない。それにアイツ強いし」
ペーペー「と、言いますと…?」
???「あれ?話してなかったっけ。じゃあお勉強の時間だよ、ペーペー」



【杜王町:学校内】
PM:8:30




明美「『サークル・オブ・ロック』ッ!」
智恵「『マテリアル・ガール』ッ!」


二体のスタンド。新たな能力
静香「そんな…まさか…」
静香「(追い詰められた事で『スタンド』が発現した、と言うの……?)」

C・O・R「my マスtaー 『サァ』荷ufapABOOK『能力ヲ』sub『使ッテ!』」
廊下の隅を走っていたゴキブリに向かって、円盤の様な明美の『スタンド』が突進する
静香「一体何を――」
グチュ、と、嫌な音が聞こえた
しかし
静香「――え?」
『サークル・オブ・ロック』が身を退けた場所にあったのは潰れた死骸ではなく
静香「ネズ…ミ…?」
『虹色』のネズミが、三人の目の前を走りぬける
明美「行こう。このネズミについて行くのよ!」
静香「え、ええ」
智恵「……」
ふわりと体が軽くなる
静香「(?違うわ、これは)」
『疲労』が消えている

見れば、『マテリアル・ガール』の片手が自分に触れていた
もう片方の手には、何かのエネルギーが乗せられている
智恵「……貴女の『疲労』を『抜き出し』たわ」
静香「凄い、能力よ、二人とも」

走る『虹色ネズミ』を追い駆けながら、一つの推測を胸に、静香は携帯電話を取り出した

【学校:屋上】
バッジョ「ぐ、あああァァァァァァッ!」
重松「ジョジョ!」

直撃は避けたものの、爆発で吹き飛んだコンクリートの破片が散弾のように全身を打ち据えた
ゴロゴロと転がる体にブレーキを掛け、立ち上がる
バッジョ「本体の、位置さえ、割れれば、な」
切れ切れの愚痴を吐いて、次なる攻撃に身構えるが
重松「――来ない?」
何時まで待っても、次の攻撃は来ない
そんな中で、静香から携帯にメールが来た
バッジョ「(これは……)」
メール画面を開き、内容を確認する
内容は簡潔で
『本体、分かったかもしれません』
とあった
文面をスクロールさせ、ボタンを押し、携帯を閉じる
バッジョ「(よし、早く校舎内に――)」
いや、待て。出入り口は『一つ』、それは敵も分かっている筈だ
バッジョ「とすれば――おいオッサン!この『地面』を『ぶち抜く』ぞ!」
重松「『ぶち抜く』だと!?そんな無茶苦茶な――ハッ!成る程そういう事かね」
バッジョ「理解が早くて助かるよ」
重松「なぁに。君達とは潜り抜けた『修羅場』も違うさ」
バッジョ「じゃあ行くぞ――『ミッションスタート』だ!」

二人同に、屋上の出入り口へと走り出す
それを待っていたとばかりに、光の束が屋上目掛けて照射された
バッジョ「フッ――」
身を翻し、屋上から距離を取る
光線は出入り口を破壊し、瓦礫で其処を固めてしまう
バッジョ&重松「(『脱出不可能』だが――)」
二人で息を合わせながら、後退する
後を追うように放たれた光線を寸前で躱し、標的を逃したそれはコンクリートの地面に大きな点を打つ
バッジョ「一つ、二つ」
重松「三つ、四つ」
それはまるで『切り取り線』のように
遂には『□』の体裁を取っていた
重松「其処だッ!『アンダー・プレッシャー』ッ!限界まで『重く』して地面を『ぶち抜け』ェーーーッ!!」


ガゴン!!と
絨毯のような『スタンド』が真上に現れた瞬間、大きな音を立てて、地面が『外れた』
次なる光線が襲い来る前に、二人は素早くその『穴』へ飛び込んだ
 
 
 




【職員室】
PM8:45


男が一人、受話器を脇に投げ出したまま、頭を抱えて椅子に座っていた
???「……何故、こんな事に……」
『スタンド能力』を、こんな事に使いたくはなかった
『生徒』を危険に晒す事など、したくはなかった
あの若者だって、殺したくはない
しかし、やらなければならない
???「あの若者を消さねば、今度は『学校』が――」


静香「『生徒』の命が狙われる。そうですね?米沢先生」
米沢「――なッ!?」
『虹色ネズミ』が足元を走りぬける
『生徒』が三人、職員室の入り口に立ち
先頭に立つ背の高い女子生徒が、歩み寄ってきた

静香「先生が、屋上で私達を襲った犯人ですね?」
米沢「な、何を言っているんだ村上。そんな意味のわからな」
静香「あの『攻撃』は」
ぴしゃりと米沢の弁を封じる
静香「『私達三人』は一度も『狙われて』いない」
静香「それに――今日私達が天体観測をすると言うのは、先生しか知らない筈なんです」
静香「『望遠鏡』を持って、それを使うと言うことを知っているのは、です」
米沢「……」
静香「『ワザと』私に見つけさせたんですね?先生のスタンドを」
米沢「……そうだよ。私のスタンド『サテライト・O』で、君達を消そうとしたんだ」
智恵「……!」
明美「な……ッ!テッメェ……!」
熱り立つ明美を、静香のスタンドが制する
静香「いいえ。先生は『誰も殺す気が無かった』。そうですよね」
米沢「……」
静香「だって、先生は『いつでも』私達を殺せた筈ですから」


少なくとも、『静香が気づく前に』そのチャンスは幾らでもあったのだ
静香「教えてください先生。先生を脅して私達を消そうとした奴の事を」
米沢「駄目だ…駄目なんだ…。生徒をむざむざ危機に晒す訳には――」
バッジョ「じゃあ、俺に話してくれ」
米沢「き、君は……」

【職員室】
PM8:48


職員室の反対側の入り口にバッジョは立っていた
米沢に歩み寄る
バッジョ「俺は此処の生徒でも無ければこの国の人間ですらない。そして恐らく…」
バッジョ「…恐らく、アンタを脅した奴ってのは俺の『身内』だ」
米沢「し、しかし……」
バッジョ「しかしも案山子もない。関わった者全てを消すのが『奴ら』――」
バッジョ「――『殲滅チーム』のやり方だ」
米沢「………クッ」
米沢「分かった。協力してくれ」
バッジョ「任せておけ」
拳を突き合わせ、米沢が説明に入ったところで



ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ......

一同「「「「「「!?」」」」」」


バッジョ「揺れ……?地震ではない、この揺れは――」
その瞬間、校舎が『浮かん』だ
バッジョ「『生き物』の歩行ッ!『校舎』が動いているぞッ!」
重松「『アンダー・プレッシャー』ッ!皆早く乗れ!脱出するぞ!」
バッジョ「静香、明美、智恵。お前らは『スタンド』をしまっておけ」
静香「え?は、はい」
明美「?別にいいけど」
智恵「……?」
そして全員がカーペット型の『スタンド』に乗り込み、『ワム!』の拳が窓ガラスを叩き割った
 
 
 




【校庭】
PM9:00



『校舎』は最早『化け物』となっていた
まるで白亜紀の大型獣脚類のように、それは吼えた
その『化け物』の頭部――『屋上』の一角に、男が一人立っている
???「しくじったな。ヨネザワ」
米沢「そ、その声は……!」
バッジョ「久しぶりだな会いたくなかったぞ。お前がチームの尖兵か、カルパッチョ」
カルパッチョ「全く美しくない幕引きだよ。私は『あっさり』という言葉が嫌いだ。険しい『経過』が有り、初めて『美しさ』は輝く」
『頭』を下げ、『校舎』を背後にカルパッチョが地に降り立つ
カルパッチョ「まぁこの戦闘も『あっさり』終わる。私のスタンド『メイク・ア・クリーチャー』で造形された『校舎のティラノサウルス』でな!」
カルパッチョ「貴様ら『三人』の『スタンド』では私には勝てんッ!」
バッジョ「『あっさり』、ね。おい、確かに『あっさり』終わりそうだぞ、こりゃあ」
カルパッチョ「負けを認めたかッ!ならば全員此処で死ねィッ!!『ティラノサウルス』よッ!奴らを踏み潰せ!」


………………………何も起きない
カルパッチョ「……あれ?」
バッジョ「フラフラフラフラフラフラフラフラフラ
フラフラフラフラフラフラフラフラフラフラフラ
フラフラフラフラフラフラフラ、フラゴーレッ!!」
カルパッチョ「ハリーズ・バァァァァァァァァァァァァアッ!!」
呆けていたカルパッチョに『ワム!』のラッシュが直撃した
派手に吹き飛んだカルパッチョは、ピチピチと跳ねる『鯉』を下敷きにして落下する
明美「『サークル・オブ・ロック』…『生き物』になった『校舎』を『転生』させたわ」
カルパッチョ「な、な、な、な……」
んだと、という言葉と共に、『殲滅チーム』の一人、カルパッチョは絶命した
バッジョ「こっちは『全員スタンド使い』だ。敵の力くらい把握してから挑みに来い、愚か者が。あとお前、俺と名前似てるから嫌い」
やがて『鯉』も死に、全員で『校舎』のあった場所を見て、盛大に溜め息をついた
 
 
 




【学校跡地】
PM9:30



バッジョ「(潮時かな。これ以上は此方に死者が出ないとも限らん)」
静香「……聞かせてください、貴方の事、『何を』抱えているのかを」
バッジョ「……そうだな。お前等には聞く権利がある」



俺はローマのチャンピーノで生まれた
父も母も、俺がハイハイしてる時に事故で死んだ、と『聞かされた』
身寄りの無い俺を引き取ったのが『組織』の連中だ
ギャングだよ、別に珍しくも無いが
物心付いた頃にはもう『組織』の下働きも慣れていたさ
俺は大人になったらこの『組織』で銃撃戦でもすんのかな、って思ったくらいだ
バッジョ「ついこの間まではな」
『組織』はただのギャングなんかじゃあ無かった
『スタンド使い』の集団さ
あの頃はうっすらとしか見えなかったが
一年程前、俺はある儀式を行った
『石』の『世界地図』の一部に触れ、組織に忠誠を誓う儀式さ
俺は『地図』触れた
その時に『知った』んだ。『スタンド』を。そして、『両親は組織に始末された』という事を
『地図』が教えてくれたんだ。俺に新たな『世界』を与えた

バッジョ「それが、これだ」
取り出したクリアケースに入った『石地図』の『一部』を、掲げてみせる
静香「明美と智恵が『スタンド』に目覚めたのに、関係が?」
バッジョ「ある」

『地図』は触れたものの『世界』を一新させ、『スタンド能力』を開花させる
ただし、『資格』が無い場合は生命力を吸い取られて死ぬ
運よく『スタンド』が発現した俺は『組織』から逃亡した
バッジョ「過程は省くが、その時に一枚『地図』を盗んだから、こうして追われているわけだ」
静香「何故それを盗んだんです?盗まなければ此処まで追われる事も……」
バッジョ「盗まなければならなかった。誰かが『止め』なければならない」
『組織』が保有していた『地図の欠片』は全部で五枚
『あと一枚だ』とボスがよく言っていたよ
俺は『揃わせては行けない』と、『本能』で感じた

バッジョ「だから盗んだ。どうやら盗んで正解だったようだな」
重松「それで、その『地図』が彼女達の発言にどう関係が?お嬢さん達は触れていないだろう?」
バッジョ「どうやら、『地図』は保有者の周りにいる『可能性あるもの』にも反応するらしい」

上手く発現する確立は触れるより低いが、代わりに死のリスクが無い

明美「アタシ達には潜在的に『スタンド』っつーのを操れる『可能性』があった訳ね」
智恵「………(コクコク)」
バッジョ「そう言う事だ」
米沢「もし、『スタンド使い』がその『地図』に触れた場合、どうなるんだ?」
バッジョ「分からない。試すのは危険だろうな」
静香「これからも、さっきのような『スタンド使い』が現れるでしょうね」
バッジョ「安心しろ。俺がこの町を出ればすむ事だ」
静香「いえ、迎え撃ちましょう」
バッジョ「……は?」
静香「『関わった者全てを消す』。そういう『組織』なんでしょう?それじゃあジョジョさんが仮に此処を離れても私達は安心とは言えません」
バッジョ「………」
静香「私達も『チーム』を組むんです。自衛の為の『チーム』を」
バッジョ「しかし……」
明美「しかしも案山子もないよ。結局はアタシ達も狙われんだろ?だったら大勢居たほうが強いじゃん」
智恵「学校も…暫くお休みになると思うし…」
米沢「生徒に危険な事を任せるわけにもいかん」
重松「乗りかかった泥舟だ。地獄の底まで付き合うよ」
静香「――決まり、ですか?」
バッジョ「……『覚悟』があるか、と聞くのも野暮ってもんだな……」


【ローマ:『組織』のビル】
ペーペー「――まさか」
???「本当さ。故に彼は、本当の『地図』の姿を知らない」
ペーペー「『テロリスト』共の『地図』も、回収を急いだほうが良さそうですね」
???「あーうん。任せたよ」
キィ――と椅子を回転させたボスは、次の瞬間には姿を消していた





【スタンド名:メイク・ア・クリーチャー】
【本体名:カルパッチョ】
死亡

【スタンド名:サークル・オブ・ロック】
【本体名:船上明美】
スタンド能力に目覚める
【スタンド名:マテリアル・ガール】
【本体名:神尾智恵】
スタンド能力に目覚める
【スタンド名:サテライト・O】
【本体名:米沢昌俊】
生徒を護る為に闘う決意をする
【スタンド名:アンダー・プレッシャー】
【本体名:重松重一】
『チーム』へ参加する
【スタンド名:ティアーズ・オブ・マグダレーナ】
【本体名:村上静香】
『チーム』へ参加する
【スタンド名:ワム!(Wham!)】
【本体名:ロベルト・バッジョ】
『殲滅チーム』を迎え撃つ決意をする




To Be Continued.......


使用させていただいたスタンド


No.345
【スタンド名】 メイク・ア・クリーチャー
【本体】 カルパッチョ
【能力】 撃った物を生き物にして仲間にする

No.383
【スタンド名】 サテライト・0
【本体】 米沢昌俊
【能力】 衛星軌道まで上昇しビームを発射する




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