【杜王町:屋上】
PM8:00
静香が通う学校の屋上に俺達は居た
星を見る筈だったのに
俺達は、天から降り注ぐ『光』を必死で躱していた
静香「――3秒後に『右』、更に10秒後に『後ろ』ですッ!」
バッジョ「ぬ、おおォォッ!!」
天から出でた光の束が、バッゴォン!と轟音をたてて、屋上の貯水タンクを破壊した
横っ飛びで躱し、着光点から距離を取る
溢れ出た水が屋上から溢れ出る
重松「更に来るぞォーーーッ!」
静香「次は『左』ですッ!」
バッジョ「クソッタレが……静香!お前は友達を連れて此処から離れろ!お前のスタンドがあれば逃げ切れる!」
重松「確かに、何処のド畜生かは分からんが、狙いは私達『スタンド使い』の様だッ!私達で囮となろうッ」
一瞬「でも…ッ!」と反論する静香を目で制して、バッジョは二人の『一般人』に視線を投げた
二人の少女は、三人の『スタンド使い』に囲まれ守られ、互いの身を寄せ合って居た
???「ううっ……」
???「何よこれ…アタシ達は何に『狙われて』いるんだよッ!」
――――――遡ること数時間前――――――
【杜王町:カフェ】
バッジョ「天体観測?」
静香「はい。学校の屋上で、私の友達も一緒に、ジョジョさんと重松さんもご一緒にどうかな、と」
バッジョ「確かにあのオッサンなら良い椅子にはなるだろうから座って星を見るには最適って違う違う。友達?」
静香「というか、お二人には保護者という形で同行を。はい。高校のお友達です」
バッジョ「ふぅむ……(ああ、やっぱ学生だったか。高校生ってのは意外だが)」
今正面に座るこの少女は、背も高いし、雰囲気も何処か大人びている
その為、大学生くらいだと思っていたのだが
バッジョ「まぁ特にやる事もないしな。保護者になるのは別に構わないぞ」
静香「じゃあ、今日の7時に――」
【杜王町:家具屋『アンダー』】
バッジョ「と、言う訳だ」
重松「私は構わんが。保護者なら普通御両親か学校の先生ではないのかね?」
バッジョ「理由があるんだろう。そして、それを聞くのは『野暮』ってもんだ」
重松「それもそうだな。よし、じゃあ店が終わったら連絡しよう」
【杜王町:学校】
PM7:00
静香の友達は二人。少女だった
静香「こっちのおっとりした娘が神尾智恵(カミオ チエ)ちゃんで、こっちのガサツそうな娘が船上明美(フナガミ アケミ)ちゃんです」
明美「おい、ガサツって何よガサツって。アタシが何時ガサツになったのよ」
智恵「よ、よろしくお願いします……」
明美は元気一杯に静香に噛み付いているが、智恵は明美の影に隠れて此方を窺っている
人見知りなのだろうか?
バッジョ「ああ、よろしく」
重松「お嬢さん方もこんなオッサン達より若い男の方が良かっただろうにな。ハッハッハ!」
俺はこれでも20代だ。オッサンはお前だけだよ
職員室にて、宿直の先生に話をつける
先生「じゃあ頼みましたよ。くれぐれも危険な事はしないように」
重松「ええ、任せてください」
話はオッサンに任せてぐるりと職員室を見回してみる
バッジョ「――ん?」
電話が一台、『保留』のまま放置されている
バッジョ「(こんな時間でも電話がかかってくる事もあるのか、大変だな)」
重松「じゃ、行こうか」
バッジョ「ん?ああ」
静香「はいはい」
明美「あいよーっと」
智恵「……」
屋上に上がるまでの間、明美に質問攻めにされた
明美「ジョジョさん日本語上手いですよね、何処の国の人?」
明美「なんで日本へ来たの?旅行?」
明美「静香との関係は?……まさか彼」
静香のグーが飛んできた。俺に。
【屋上】
智恵「わぁ……」
今日はよく晴れていたこともあってか、空の眺めは最高だった
静香が(自前だそうだ)望遠鏡を取り出してセットする
一頻り望遠鏡を弄り回した明美は、早くも天体観測に飽きていた
今度は智恵を遊具にしている
静香「……?」
静香「何、かしら、『アレ』…?」
望遠鏡を覗いていた静香が、怪訝な声を出す
バッジョ「どうした?」
静香「あ、いえちょっと……」
静香「(『アレ』は…『人工衛星』…?でも、何か変――)」
様子を訝しがったバッジョがもう一度声をかけようとしたところで、静香の切迫した叫びが思考を一瞬停止させた
静香「皆、今すぐ伏せてーーーッ!!」
「「「「ッ!?」」」」
咄嗟に体をステップさせる
同時に、三人の『スタンド使い』は叫ぶ
バッジョ「『ワム!』ッ!」
重松「『アンダー・プレッシャー』ッ!」
静香「『ティアーズ・オブ・マグダレーナ』ッ!」
三者三様の『スタンド』が現れた瞬間、轟音と莫大な光量が視覚と聴覚を奪った
バッジョ「(『スタンド攻撃』かッ!?一体何処から――)」
【そして現在】
バッジョ「早く行け!このままじゃ全滅だぞ!」
静香「――ッ!」
明美と智恵の手を引いて、屋上の出入り口へと駆け出す
智恵「あっ!」
明美「智恵ッ!」
慌てて足が縺れたのか、智恵がバランスを崩し、転ぶ
バッジョ「しまっ――」
『狙い打たれ』る。そう思ったが
光は、来ない
バッジョ「(『見逃した』、だと?)」
バッジョ「何をしてる!早く走れ!」
静香「は、はい!智恵ちゃん、明美ちゃん、こっちよ!」
三人の少女が学校内へと逃げ果せたのを合図に
再び光が襲い来る
【学校内】
静香「はぁ…はぁ…」
明美「畜生…何だってのよ一体!」
智恵「嫌…助けて…」
静香「(『わざと撃たなかった』……そうだわ、少なくとも『私』と『二人』は一度も『狙われて』いない)」
肩で息をしながら思案する静香を、明美が驚いた顔で見詰めている
静香「…?どうしたの?」
明美「ね、ねぇ静香、アンタ、そ、その後ろの人…?」
智恵「――ッ!?だ、誰、なの…?」
静香「えっ――?」
『スタンド』が、見えている?何故、明美は『一般人』の筈だ――
明美「そ、それにさ。さっきから、『聴こえる』んだ。声、『声』が」
???「yeす…まy。た―ガピ」
???「『サァ』―ガガydua『奴』wooo『捕マエ』tiiaoe875#$『叫ンデ』。mいnaMUUUU『私ハ』」
智恵「………何、これ……?」
静香「ハッ――!?」
┝゛┝゛┝゛┝゛┝゛┝゛┝゛┝゛.....
明美と智恵の背後に、『何か』いる
明美「わっけわかんないケド。これで『何とかなる』ってアタシの『本能』が告げてるッ!」
智恵「………誰か、誰でも良いから。守る為の、闘う為の、『力』を下さい……ッ」
静香「(そんな、まさか……)」
二人に、『スタンド』が発現した?
明美「行くわよ――」
智恵「苦しいのは、おしまい――」
そして二人は同時に叫ぶ
明美「『サークル・オブ・ロック』ッ!」
智恵「『マテリアル・ガール』ッ!」
円盤の様なスタンドと、ひらひらの布を纏った女性型のスタンドが、各々の背後を護る様に、現れた
To Be Continued.......
使用させていただいたスタンド
No.670 | |
【スタンド名】 | サークル・オブ・ロック |
【本体】 | 船上明美 |
【能力】 | 触れた人間以外の生物を“生まれ変わらせる”事が出来る |
No.672 | |
【スタンド名】 | マテリアル・ガール |
【本体】 | 神尾智恵 |
【能力】 | 物事の原因を触れることで抜き出す |
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