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17話「『骸骨がくる!』 その2」の巻

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orisuta

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――場所は移り変わり、必府高校(JOJOたちがいる学校)の中庭……の上空。

D・F『クク……スゴイゾ!コノぱわー!『矢』ガアノ男ヲ選ンダ時ハ
    サスガニ「大丈夫カ?コノ『矢』。」ト思ッタガ…………
    スバラシイ!コンナニモスバラシイぱわーヲ発現スルトハッ!』

D・F『湾太……彼コソ真ノ邪悪ダ。』

D・Fはそう言い眼下で咽び泣く少年を見る。

D・F『彼ニハ「敵意」ガナイ。
    「敵意」…………「敵意」ニハ「力」ガ向カッテ来ル……。
    ヨリ強イ「力」ガ「敵意」ヲ必ズタタキニヤッテクル……。』

D・F『「敵意」ハイツカ倒サレル。実ニ単純ダ。』

??「ううっ……うっ……悲しいよぉおお~~~~~っっ。」

D・F『ダガ彼ハ違ウ…………。彼ニハ敵意モナケレバ悪気モナイシ、
    誰ニモ迷惑ナンカカケテナイト思ッテイル。』  ゴ
    ゴ         ゴ              ゴ
??「なんだって……俺がこんな目にあわなきゃあならねえ~~んだよぉおお~~~~。」

D・F『自分ヲ被害者ダト思ッテイルシ、他人ニ無関心ノクセニ
    誰カガ イツカ自分ヲ助ケテクレルト 望ンデイル。』

D・F『ダガ、ソレコソ悪ヨリ悪イ「最悪」ト呼バレルモノダ。他人ヲ不幸ニ巻キ込ンデ
    道ヅレニスル「真ノ邪悪」ダ。』
D・F『「我ガ元本体」川尻正彦ノヨウニナ……。』

D・F『フン!私ハ本当ニ君ノコトガ嫌イダヨ。湾太!ダガ、君ガアノ憎タラシイJOJOドモヲ始末シテクレルナラ
    毛ホドノ利用価値ハアル!ソコダケハアノ川尻ナンカトハ違ウトコダガナ…………。』

ゴオオオオオオオ――――

アクター「くそッ!早く本体を見つけてこの馬鹿げた攻撃を終わらせねーとッ!
       俺たちだけじゃあなく、学校の生徒にまで攻撃が及んじまう!」

JOJO「……おかしいぜ……!俺たちを狙っているにしてもこの「無差別性」!まるで回りにあたりちらしているみたいに……!」
亜希「今はあれこれ考えても仕方がない!早く本体を見つけて倒さないと!私たちだけじゃあなく学校に被害が!」

ミキ「で、でもっ……私たちの中に遠距離でもスタンドが使えるスタンド使いは……。」
   (JOJOは……近距離タイプのスタンド使い……アクター君と亜希ちゃんは能力しか知らない……。)

亜希「私の『グラットニー』は射程は20m……遠距離行動可能ではあるけど、大きくて目立つからあまり外に出したくはないな……。」
アクター「俺の『ブラック・アイズ・ピース』なら、拡散させて広範囲を探索できるぜ!
       ものを見ることはできねーがよおおおおッ!スタンド使いならそいつが放つ「凄み」で探知できる!」

ミキ「すっ……すごい!」

ブワアアアアァァァアアアアアアア

アクターの周囲からごく薄い煙が拡散する。

アクター「………………。」
JOJO「どうだ?アクター。」

アクター「まだ待て……探索中だ…………。」

一方中庭―――

必府高校には中庭がある。洋風の噴水が中央にあり、その周りを花壇が囲んでいる。
さびしいときもここにくると自然と心が安らぐと評判の場所だ。

湾太「ううう……悲しいよおおお…………マキコさん……うおおおぉぉ~~~~っ!」

そこで少年は静かに慟哭する。
ここだけ見れば、傷心の少年が落ちこんでないているのだと思うだろうが、
「奇妙」なのはその周りの様子だ。

花壇は無残に踏み荒らされ、きれいな中庭は陥没している。
そして、少年から数mはなれたところには女性がうずくまっている。

女「ヒィイイイイイイッ!何よ!何なのよおおおおッ!この『陥没』!」

女性は悲鳴をあげ逃げようともがく。しかし動揺のあまりあまり動けてはいない。

湾太「うううっ……この想い……こんな簡単につぶれちまうなんて……。」

モクモク……

湾太「ン?なんだ?この煙?ねェェ――マキコさんンン~~ッ!この煙何ィ?」
女「知らねェェ―――ッ!煙っていったい何のことだァ!もうアタシに近寄らないでくれ!」

湾太「ガビィィ――ンッ!そんなに言わなくったっていいじゃないか……ひでェよォ~~~ッ!
    第一印象との落差がひどすぎるよォォ~~~悲しいィィ~~~ッ!」

ド ド ド ド ド

湾太「うわおおおおおおん!」

グワッ!

校舎から一体の『骸骨』が中庭に飛び込んできた。

ドザア!

骸骨『ム ムム ムオオオオンッ!』

女「な、なに?なんなのこの音?」

湾太「ううううわあああ~~~んッ!悲しいなああああ~~~~ひどいなあああ~~~~~~!」

女「!?」
骸骨『ワタシハ主ノ悲シミ……キサマダナ?主ヲ悲シマセテイルノハ。』『ムオオオオ。』

グッ

骸骨が女の首を絞める。

女「ひっ、いっ……いやあ……やめ……グ。」

グ ギ

女「あ……ば……ぎ……。」

ドザア!

骸骨『主ノ悲シミハ モハヤ コンナモノデハ収マラヌ……ムオオオオ。モット「破壊」ヲヲヲヲヲ!』

湾太「うわああああん……あれ?マキコさん?どーしたのそんな泡吹いて?」

ド ド ド ド

湾太「ま!いっか、それよりも今は悲しいんだよおおおお~~~~っ!」

ドオオオオオオオオオオオオオオ

アクター「ひっかかったぜ!」
JOJO「本当か!位置は!?」

アクター「今割り出してる!……『中庭』だ!「骸骨」のヤローがいるところに二人!一人は……
       女だ!女の体つきをしている!(チョット胸がでけーぜ!)……倒れてる!この女倒れているぜ!
       もう一人は男だ!何か泣いてるみてーだが……こんな休み時間終了間際に『中庭』にいるってのはチト異常だぜ!」

亜希「じゃあ倒れていない男が本体か、倒れてる女が自衛のためにスタンドを使ったか、どっちかで確定だね!」
JOJO「中庭に行くぞ!」

ダッ

ミキ「ちょっ!ちょっと待ってよ!今の「体つき」って!触って確認したのアクター君!答えなさいよ!答えろアクター~~~ッ!」

――中庭

湾太「うえええええっ!……ところでこの煙なんなんだ……~~~~っ?
    さっきから余計にこっちに集まってるような気がするんだがよ~~~っ。
    マキコさんには見えてないみたいだったし……。」

湾太「この(●●)骸骨(●●)と同じパワーなのかな(●●●●●●●●●●)?」

ド ド ド ド ド

ダダッ!

JOJO「いたぞ!男だ!」
ミキ「とっ、隣で倒れているのは3-Cのマキコさんじゃない!そしてあの男の子は3-Aの湾田君!」

アクター「どうやら感じからしてあの男が本体で間違いねえようだなああ~~~~~っ!ヤロー!ブッちめてやる!」

亜希「まってっ!アクター!何か様子がおかしい!」

湾太「あれは……ミキ先生だあ~~っ!うれしいなあ~~~っ、俺のこと心配してくれたのかな……
    いや……まさかだよな。俺みてーなよ~~~っ!告白して手ひどくフラれるような男のことなんかよ~~~。」

湾太「俺はどーせチリみてーな人間なんだよ……悲しいなあああ~~~~~っ!みんなヒデーよなあああ~~~~っ!」

グワッシャアアアン!

湾太の自虐に呼応するように、3体の『骸骨』が校舎から中庭に飛び込んでくる。

骸骨(1)『ワレラハ 主ノ「悲シミ」……。』
骸骨(2)『ワレラガ破壊ヲ行ウコトデ主ノ「悲シミ」ハ消エル……。』

フ ラァ ア ァ ァ ァァ

骸骨(3)『邪魔ヲスルノナラッ! ムオオオオオ! キサマラモ「破壊」シテヤル!』

ゴ ゴ ゴ

JOJO「野郎……どうやら骸骨の本体は奴で間違いねーみたいだな!ブッ飛ばして気絶させる!」

アクター「いくぞォ!」

グ ワ オ ン ッ!

亜希、JOJO、アクターが自らのスタンドを発現する。

ガッシィ!  ボグァ! スィーッ!

3体の骸骨は3人の攻撃で見る間に破壊されていく。

ド ド ド ド

JOJO「ふーッ。やっと全滅したぜ。そして後は本体の男だけだ……。」
湾太「ひッ……ヒイイィィィ~~~~ッ!なんだよ~~~っお前ら……俺が何したっつぅーんだよォ~~っ!」

アクター「『何した』じゃあねェ――んだよッ!てめーが『スタンド』を発現してっから!見てみろ周り!」

湾太はアクターの言葉どおり周りを見渡す。

アクター「てめーの『スタンド』のせいで周りがこの有様だ!てめーが原因で!だからその『スタンド』を使うのをやめろ!」
湾太「……お、俺が……俺がこんなことを……?」

アクター「そうだっつってんだよ!校舎も俺たちがなんとか奴らをブッ消したからいいが、あともう少しで大惨事だ!
       そこで倒れてる女もおおかたてめーの『骸骨』がヤったんだろ!全部てめーのせいだ!」

湾太「……分かったよ……。」
アクター(ホッ。)

湾田「俺って最低だな(●●●●●●●)~~~っ!」
JOJO・亜希・アクター「!?」

湾太「自分勝手によおおお~~~っ!周りがこんなになってるなんて気付かなかった……だから回りからも
    嫌われるんだろーなあ~~~~っ!悲しいなあああ~~~~悲しいよおおおおおおおおお~~~~~~~!」

グウググググ

骸骨『ムオオオオオ!』

アクター「まっ、また現れやがった!」

JOJO「だ……」

JOJO(だめだこいつ……こいつに対してなんの説得をしても無意味……!スタンドの発現は無尽蔵か……!)

亜希「ここは私たちに任せて!JOJOは早く本体を!」

HW『ウオオオオオオ!』

『ヒートウェイヴ』が湾太を気絶させようと動き始める。

バッ!

ミキ「……ちょっと待って。」

ミキがその前に立ちはだかる。

JOJO「なんのつもりだ先生?こいつを殴り飛ばさないと……。」

ミキ「それはさせないわ。だって彼は『ただの生徒』だもの。」

ゴ ゴ ゴ ゴ

ミキ「彼を見てみて思ったの。「彼は攻撃してるつもりなんてないんじゃないか?」って……。」

ミキ「彼はただ悲しいだけなのよ……。癒してほしいだけ。」
JOJO「だが!こいつがおきてる限りスタンドは無尽蔵に現れる!早いとこ気絶させないと手に負えなくなる!」

ミキ「そのことなんだけどね……。本当に無尽蔵なのかしら?」
JOJO「?」

ミキ「スタンドは『精神のパワー』よ。精神が無尽蔵な人間なんてこの世にいるかしら?いいえ、答えは『NO』よ。
    スタンドには絶対に『ルール』がある。どんなに傍若無人な人間でも、自分に『ルール』を課すように。」

ミキ「『骸骨』は言ってたわね。「われわれは主の「悲しみ」を消すために破壊する。」って。」

ド ド ド ド ド

ミキ「このスタンドの『エネルギー源』は本体、湾太の「悲しみ」!」

JOJO「だが、それが分かったからって何なんだ!?この男ほうっておいたら死ぬまで悲しみ続けるぞ!」

ミキ「私に任せなさい!」バアア――ン!

スタスタ

ミキ「湾太君……。」
湾太「せ、先生……。」



バッチィィイイイイイ―――ン!


意外!それはビンタ!

ミキ「甘ったれてんじゃあないわよ!湾太君!」
湾太「!? ひッ!い、いてえええ~~~っ!」

ミキ「何があったかはしらないけどね!いつまでもうじうじしてたんじゃあ、いつまで経っても前には進めない!」
湾田「!? ……! …………。」

ミキ「世界にはね、あなたよりもずっっっと悲しい人がたくさんいるの!大切な人を亡くした人とか!死にそうな人とか!」

ミキ「そんな人たちに比べれば、あなたが感じてる悲しみなんて、取るに足らないものなのよ!」
湾太「せッ……先生……。」

――上空

D・F『フン……。ヒッパタイタトキハ面白クナッタト思ッタガ……。
    ショセンハ教師ダナ。ソンナ奇麗事ノ美辞麗句ハ湾太ノヨウナ人種ニハ通用シナイ……。
    ドンナコトバモ 自分ヘノ攻撃ト トリ、絶対ニ成長シナイコト ニ彼ラノ「ヤッカイサ」ハアルノダカラナ……。』

湾太「先生も……俺のこと攻撃するんだな?あそこの3人みてーに……やっぱ俺は……」

骸骨『ムオオオオオオオオオオオ!』グオオオオオオ

亜希「し、しまった!『骸骨』を一体取り逃がした!先生危ない!襲ってくるよ!」

骸骨『ソッチカラ……主ノ「悲シミ」ヲ感ジルゾオオオオオッ!キサマカ―――ッ!ムオオオオオ!』

ミキの背後から骸骨の拳が飛ぶ!

ドガッ!

しかし、ミキはその攻撃を甘んじて受ける。

湾太「せ、先生……!なんで迎え撃たないんだ……?」
ミキ「ぐっふ……。人と話してるときに後ろを向くなんて、マナー違反じゃない?
    それに、「生徒の悩みとは一対一」が私のモットーなのよね。ほら、いつまでもうじうじしないで。
    私だって受け止めたんだから、あなたも現実を受け止めて、立ち上がって!」

骸骨『………………。コノ女……。』

ボシッ!

骸骨『ワタシノ体ガ消エル……。コノ女……主ノ悲シミ……ヲ……癒シタノカ……。イヤ……違ウ……。』

湾太「…………。」

骸骨『アノ主ノ目……。強イ目ヲシテイル……。コノ女、主ニ「立チ向カウ為ノ『力』」ヲ与エタトイウノカ……。』

ボシッ!ボシッ!

湾太「分かったよ……先生。俺、間違ってたよ……。」

シュワアアアアア―――

『骸骨』が消滅する。

D・F『……フン!簡単ニ騙サレタナ、湾太!ヤハリキサマハ使エナイ人間ダッタヨ……。
    マタ次ノ「刺客」ヲ見ツケルトスルカナ!』フワアアアア

湾太「そうだ!マキコさん!『骸骨』の暴走に巻き込まれちまって……悪いことしたな……。」
JOJO「……あー、コイツ、首の骨ハズれてるな。まー直せるけどよー。」

HW『FIRE!』ゴキッ!

アクター「だが、しばらく首にギブス付きは確定だな……。」

亜希「ところで、君どうしてあんなに悲しんでたの?」

湾太「……それはだな……ちょっと恥ずかしいんだが……。」

湾太「告白したらよ~~、
    「何アンタ?私のこと好きなの?その顔でェェ――!?ウケる~~!
     このこと学校中に言いふらしてやるわ!」
    って言われてよぉ~~~、悲しくなっちまったんだ。」

亜希「…………。」
   (なんとゆーかカワイソーな人……。)

湾太「あああ~~~っ、思い出したら何か悲しさがぶり返してきた……。」
アクター「!! てめェェ~~~~ッ!やっぱブチのめす!」グオオオ

湾太「うわあああ~~~~っ!嘘!嘘だってば~~~~ッ!」

ミキ「やれやれだわ……。」

ミキ先生
スタンド名『タイロン・パワー』
―→スタンドの攻撃をモロに受けたのに無傷なのは、タブン好き嫌いせず何でも食べるからだ。

捨伊比 湾太
スタンド名『ロンリー・スタート』 名付け親―ミキ
―→再起可能。

JOJO、亜希、アクター
―→午後の授業には間に合った。

マキコさん
―→おきたらいつの間にか首にギブスがつけられていた。
   「完璧な被害者だが不思議とカワイソーとは思えない」、とはアクターの談。



ToBeContinued...


使用させていただいたスタンド


No.370
【スタンド名】 ロンリースタート
【本体】 捨伊比湾太
【能力】 本体の「敵意」が向けられた対象を襲う




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