――世界は、常に何かが欠けた形で存在する――
それは人と人の繋がりでもいい
それはある種の絶滅でもいい
我々が住むこの星は、失って補って今まで続いてきた
【】
初めて与えられた玩具は、ジグソーパズルだった
「ねぇ、アンジェロ。こんなものの何処が面白いのさ
完成した時の姿が既に分かってるなんて、ちっとも面白くないよ」
「いいから、完成させてみなさい」
簡単だと思っていた
だけど、そのパズルを完成させることは出来ず、俺は音を上げた
「あッれェー……何で?作るべき形は見えているのに…」
「ハハッ、中々上手くは行かないものだろう?
これは『未来』と似ている。『ああしよう、こうしよう』と計画を立てていても、必ずしもそれは上手くは行かない
至るべき『解』があるにも関わらず、それに辿り着けない」
「そら、貸してみなさい」
アンジェロは、見事な手際で欠けた部分にピースを嵌め込んでいく
「……?アンジェロ、まだ欠けた部分があるよ?」
「これでいいんだ、少しぐらい欠けている方が、バランスがいい」
「この世界の様に……バランスがいいのだ」
場面が切り替わった
目に映ったのは、長方形のテーブルに、椅子が三つ
その椅子の内の一つは、他と比べて少し小さい
バッジョ「子供用……?」
景色が揺れた、視界に三つの影が映る
優しそうな女性と、厳格そうな表情の奥に強い光を宿した男性、そして
バッジョ「あれは…『俺』か…?」
子供用の小さな椅子に座る、自分の子供時代と瓜二つな、その少年
バッジョ「これは…夢なのか…?或いは、幻覚か…」
一家団欒、と言ったところだろうか
三人はバッジョを全く気にかけず、食事を取っていた
バッジョ「(もし、俺が普通に人生を生きていたとしたら)」
家族とは、こんな感じなのだろうか
これが虚でも構わない
俺はこの暖かさに溺れてしまっても良いのではないだろうか?
バッジョ「だが」
バッジョの脚がテーブルを蹴り上げた
食器が揺れ、中身が盛大にぶちまけられる
それでも、三人は顔色一つ変えずバッジョの方すら振り向かない
バッジョ「こいつはまやかしだ。暖かくても、冷たい」
バッジョ「気分は最高で、最悪だ。まるで『天国の端』にいるように」
バッジョ「後一歩で、楽園に辿り着ける」
バッジョ「でも、そこに至る事は無い」
幻影の自分が、消えていく
記憶の残骸から引き出された『幸せ』が、音を立てて崩れていく
バッジョ「失ったものは取り戻せない。だけど、『まだ失ってないもの』を護り通すことなら出来る」
バッジョ「父さん、母さん。俺は行くよ」
バッジョ「仲間を護りに、俺は行く」
視線の先に、扉があった
それは独りでに開いて、その先に光が見えた
???「『世界』ノ『ピース』ヲ…アナタニ預ケヨウ」
扉の傍らに立っていた
その人影は、自分だった
【杜王町:学校跡地】
┝゛┝゛┝゛┝゛┝゛┝゛┝゛┝゛.....
「わ、訳のワカラネーことをごちゃごちゃと!」
「慌テル事ハ無イ…モウジキ、主人(ますたー)ハ目ヲ覚マス…」
薄っすらと、眼を開ける
先程までギーロは誰かと話していたようだが、今は自分とギーロ以外は誰も居ない
ただ、幻覚から覚めて一つハッキリと分かったことがある
バッジョ「そうか…」
ギーロ「ッ!?ま、まさか…能力を打ち破ったのか…!」
バッジョ「『三人』……失った。元々は、死ぬ必要もなかった」
バッジョ「もう…誰も失わない」
バッジョ「『ピース』は…俺が管理する」
ズォア....と、バッジョの背中から『ワム!』が現れる
ガスマスクをしたその『スタンド』の姿は何処か黒く、所々が罅割れている
ギーロ「(な、なんだあの『スタンド』はッ!ヤツの『スタンド』はあんなヴィジョンではなかった筈だ)」
ギーロは身体が動かなかった
指先を動かそうとすると、身体がそれを拒否するのだ
恐怖の鎖と言っても差し支えは無い
それは正しく『蛇に睨まれた蛙』の気持ち
即ち『被食者』の気持ちであった
全ての動きがスローモーションになる
バッジョが近づいてきても一歩も動く事が出来ず
バッジョが『地図』を自分の手から持って行っても、それを止められず
一言考えるのが永遠の長さに感じられる中で、ギーロは思った
「(俺、『組織』辞めよう…)」と
【スタンド名:ザ・ミラクル】
【本体名:ギーロ】
戦意喪失により再起不能
【杜王町:住宅地】
先生の死体は、一先ず腐敗しないようエネルギーを抜き出し、そのままにしておいた
浦上「本当はキチンと弔ってやりてー…だが、今はそんな暇がねェ」
「「「先生……」」」
三人の少女達は、長い時間手を合わせ、やがて動き出した
その時、空から飛来した物体が地面を抉り、吹き飛ばし
その余波で、少女達は吹き飛ばされ、壁に叩き付けられる
浦上「なッ、なんだコイツは!」
アンジェロ「『失楽園』…」
浦上「なに?」
アンジェロ「主は怖かったのだ…人類が己を超越してしまうことが」
アンジェロ「知恵(ちから)を得たものが、自らに反逆することが」
アンジェロ「今日、人類の『罪』は洗浄される。『地図』によって、神は失脚し、人類がその席に納まる」
浦上「『地図』…ッ!テメェーが『ボス』かッ!」
アンジェロ「私は今気分が悪い。君達のお仲間が大分梃子摺らせてくれたからね」
浦上「テメェ…まさかッ!」
アンジェロ「あの二人には『新しい世界』を創る為の犠牲となってもらった
計画を邪魔するものは例え両親であろうと容赦はしない」
浦上「うおおォォォォォッ!『トンガリ・コーン』ッ!」
アンジェロ「貴様のような三下に構っている時間は無いッ!」
アンジェロが猛烈な速さで『トンガリ・コーン』を躱し、浦上に肉薄する
浦上「は、速いッ!」
ドガァァァァァァアンッ!!
アンジェロのタックルを受け、浦上の身体は紙屑の様に吹き飛んでいく
アンジェロ「ちっぽけな人間が、安っぽい感情で動いているんじゃあない!」
アンジェロ「やはり『地図』を持っているのはロベルトか。フン、無駄な時間を」
爆発にも似た衝撃が、アンジェロの足元で起きた
アンジェロ「ヌゥッ…!」
静香「アナタの『未来』にあるのは…」
智恵「『敗北』…」
明美「そう、惨めな『敗北』だけよ…」
┝゛┝゛┝゛┝゛┝゛┝゛┝゛┝゛.....
アンジェロ「小娘が…『零』が集まったところで『壱』にはならんッ!
私は『無限に進化する』。つまり貴様らに勝利する手は幾らでも存在するッ!」
『マテリアル・ガール』と智恵が動く
アンジェロが圧倒的なスピードでそれに対応し、智恵の背後に回る
アンジェロ「『音速で活動する生物』に、ただの人間が勝てるかァーーッ!
背後をとった、終わりだッ、死ねィ!」
だがそこに、絶妙なタイミングで『ティアーズ・オブ・マグダレーナ』が割り込んできた
T・O・M「オラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラ!」
アンジェロ「チィ…『シンギング・イン・ザ・レイン』ッ!」
ズガガガガガガガガガ!
二つの『スタンド』のラッシュがぶつかり合い、互いに弾き飛ばされる
先程アンジェロが着地した時に砕けたコンクリートの欠片が、その姿を変えていく
アンジェロ「コンクリートを進化させ――生物に変える!」
石で出来たピラニアのような生物が、無数に発生し、空を泳いで三人へ迫り行く
明美「『サークル・オブ・ロック』ッ!」
だが、そのピラニアも円盤のような明美の『スタンド』に触れた途端、ヒトデに変わってしまった
明美「『生物』であるなら…『転生』させられるッ!」
再び智恵と静香が間合いを詰め、双方からラッシュをかける
アンジェロ「分からんかッ!人類は『蛹』なのだッ!
『神』へと『羽化』する為の『蛹』だッ!それが…惨めな羽も持たぬ『芋虫』のままで言い訳がないッ!」
明美「一体その『地図』にどれだけの価値があるって言うのよ!人一人の命よりも重いって言うワケッ!?」
静香「(そうだわ、まだ『地図』には隠された力がある…)」
アンジェロ「…フン、冥土の土産に教えてやろう」
アンジェロ「『UMA』…という生物のことを聞いたことはあるだろう?
『Unidentified Mysterious Animal』…所謂『未確認動物』というヤツだ」
智恵「それが一体、何の関係…」
アンジェロ「アレらの『創造主』はこの私だ」
「「「な……ッ!?」」」
アンジェロ「『スカンク・エイプ』…『チュパカブラ』…『スカイフィッシュ』
全ては我が『シンギング・イン・ザ・レイン』と『地図』の力によるものだ」
アンジェロ「『地図』は、自らの『スタンド能力』の射程を世界中に広げる他に
『過去を塗り替える』力を持つ」
アンジェロ「つまり…今この場に『新たな生物』を創るとしよう
その事実は『過去に反映』され、今を生きるものの記憶に『昔からあったよう』に刻み込まれる」
アンジェロ「まだ『地図』は解明しきれていない力が多数隠されている筈だ…
最も、事実を塗り替え全人類を神に進化させるのは難しいことではない」
静香「そんな…馬鹿げたこと…ッ!」
アンジェロ「もう話すことはない。新しい世界の礎となるがいい」
アンジェロが動く
圧倒的な速さで繰り出されるアンジェロの攻撃も、静香には当たらない
アンジェロ「フン、ならば順々に始末してやるまでだ!」
アンジェロ「(『マテリアル・ガール』はマズイ…下手に触れると『進化のエネルギー』すら抜き出されかねん)」
アンジェロ「そうなれば貴様からだッ!『生物を転生させるスタンド』を持った娘ッ!」
アンジェロ「『強靭な腕力を持った生物に進化する』ッ!」
アンジェロの手刀が、明美の首筋を狙う
だが、それは明美の首を切断することはなかった
アンジェロ「な……何故」
明美「………」
┝゛┝゛┝゛┝゛┝゛┝゛┝゛┝゛.....
アンジェロ「何故手が動かないッ!その首筋に居る生き物は……ッ!」
明美「……思ったんだ」
明美の首筋に居る生物
それは『ゴキブリ』だった
明美「アンタは『無限に進化する』…でもそれって、結局『終わりが無い』じゃあない…?」
明美「『無限に進化する』から、『完成が無い』」
明美「それって、『完成した生物』には遥かに劣るってことよね…」
アンジェロ「(ば、馬鹿なッ!?『畏怖』していると言うのかッ!
このアンジェロが、ちっぽけな虫けら如きにッ!)」
明美「『ゴキブリ』って、ずぅっと昔から殆ど姿形を変えてないんだって
アンタは…『変わり続ける』ことしか出来ないでしょう…?」
明美「この子みたいに、『既に完成された生物』には、手も足も出せないでしょう…?」
アンジェロ「(クソッ……!)」
アンジェロが跳躍しようと身を屈めた時
『マテリアル・ガール』を従えた智恵が目の前に現れる
M・G「無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄!」
アンジェロ「グォォォォォッ!?」
アンジェロ「(しまった……『進化のエネルギー』を抜き出されるッ!)」
両腕をクロスしてラッシュを防ぐ
だが、『マテリアル・ガール』の拳に触れたことで、大半の力は抜き出されてしまった
アンジェロ「『強靭な翼を持った生物に進化する』ッ!」
巨大な翼を背中から生やしたアンジェロは、勢いよく飛翔する
アンジェロ「(撤退は決して『逃げ』ではないッ!より良い勝利に繋げる為の策だッ!)」
――ヒュン
アンジェロ「………?」
――ゴォ!
アンジェロ「ぐべァッ!?」
真下からロケットのように現れた人物が、アンジェロを地面に向かって殴り飛ばした
静香「分かっていたもの、アナタが空へ逃げる事…」
ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ.......
アンジェロ「(あの跳躍力は人間のものではない…ま、まさか…)」
静香「『脚力』『腕力』…これだけあればアナタを止めて『未来』を変えるなんて造作もないわ」
アンジェロ「(私から抜き出した『進化』を利用したと言うのか――ッ!!)」
「オラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラァ!」
『ティアーズ・オブ・マグダレーナ』と静香のタンデム攻撃が、アンジェロの全身を打ち据えた
アンジェロ「グオアアアアアアアアアアアアアアアアッ!?」
心の片隅で思っていた
自分のやり方では駄目なのかもしれないと
それでも、私には待っていることは出来なかった
『希望』を信じて待つよりも、自ら動き、『希望』を配り歩けるようになればいいではないか
いっそ全人類が全知全能の神になってしまえば、苦しむ必要もなくなるではないか
一体、何処で『間違えた』――?
壮絶なラッシュを受けて、アンジェロは全身の骨を砕かれ、最早満足に思考することすら出来なかった
アンジェロ「(だが――『救い』は必要なのだ。何があっても、絶対に)」
アンジェロ「(『絶望』の後には、必ず『希望』がある)」
アンジェロ「わ、たし…は――」
アンジェロが動く
ダメージ量で言えば、もう『スタンド』すら発動させることは困難な筈なのに
立ち上がった上に、アンジェロは『シンギング・イン・ザ・レイン』を傍らに従えていた
アンジェロ「『補う者』にならねばならないのだ…!人は不完全な生き物だ…
だから苦しむ、だから悩む。あらゆる苦しみから人間を解放しなければならないのだ…」
智恵「なんて精神力なの……ッ!あれだけのラッシュを受けてまだ動けるなんて…」
アンジェロ「何も理解できないちっぽけな小娘に、膝を折る訳にはいかんのだッ!!!」
『地図』が入ったクリアケースを、『シンギング・イン・ザ・レイン』が叩き割る
アンジェロがそれに手を伸ばし――
アンジェロ「一枚しかないが…だがそれでもッ!貴様らを始末するには十分すぎるぞッ!」
静香「(な…『何が起こるのかわからない』ッ!?)」
静香「『地図』を取り上げなければッ!」
明美「『サークル・オブ・ロック』ッ!」
智恵「『マテリアル・ガール』ッ!」
静香「『ティアーズ・オブ・マグダレーナ』ッ!」
――掴む!
アンジェロ「『究極の生物に――ハッ?!」
ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ
「心臓のリズムと、時の感じ方には関係性があると言う」
アンジェロの傍らに、音も無くアンジェロから『地図』を取り上げた人物が立っていた
バッジョ「お前はどう感じた…?『一分』か?それとも『一時間』か」
アンジェロ「(ば、馬鹿な……。何一つ、ロベルトの接近に対して何一つ『感じ取れなかった』ッ!)」
驚いたのはアンジェロばかりではない
静香達もまた、アンジェロと同じくバッジョの登場に驚愕していた
静香「(わ、分からなかった……一体何時、ジョジョさんは私達に近づいていたと言うの?)」
バッジョが少女達に向き直り、ただ一言告げる
バッジョ「もう心配しなくていい。お前達は『日常』に戻れる」
バッジョ「欠けてしまった『ピース』も、戻ってくる」
アンジェロ「馬鹿な……馬鹿なッ!!」
┝゛┝゛┝゛┝゛┝゛┝゛┝゛┝゛.....
バッジョの背後から、四人の男が現れた
「一度『バッヂ』が付いちまったらさァ~……地獄の底までだって追いかけるんだぜ」
「『人類が天上へ上がる計画』だと?そそられる話ではあるがね、全くナンセンスだよ」
「私は『天国』の存在を否定するわけではないが、少なくとも私の『スタンド』から見る限りでは『天国』は存在しないな」
「速ェよなァ~……だが、次はこうはいかねェーぜ」
『消滅』した筈の重松、ワイアット
死んだはずの米沢
そしてアンジェロの強烈なタックルを喰らって吹き飛ばされた浦上が、其処に立っていた
「「「ッ!?」」」
アンジェロ「ありえん……何故だ!お前達二人は私が確実に『消滅』させたのだ!
こんなことがあっていい筈がない、ありえる筈がない!」
バッジョ「『人間は殺されることはあっても、負けることはない』」
アンジェロ「なに……?」
バッジョ「人ってのはさ、アンジェロ。幾百と同じ過ちを繰り返してきたんだ」
バッジョ「だが…その度に力強く立ち上がり、『滅亡』か『存続』を迫られながら
それでも、最後の最後で道を誤ることはなかったんだよ」
アンジェロ「なにが…言いたい、ロベルト」
バッジョ「つまり、お前がこれ以上頑張る必要は、何処にもないってことだ」
アンジェロ「ふざけるなァーーーーーッ!!私がしてきたことが…無駄だったと言いたいのか!」
アンジェロ「『シンギング・イン・ザ・レイン』ッ!」
どんな『進化』をしたのかは分からないが、傷が一瞬で癒えたアンジェロが、『スタンド』と共にバッジョに攻勢をかける
バッジョ「――『ワム!』」
ズォア!と、バッジョの身体から『ワム!』が飛び出す
黒い『ワム!』が拳を握り
バッジョ「少しだけ、休んでくれ。アンジェロ」
アンジェロ「ロベルトオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオッ!!」
放つ!
バッジョ「フラフラフラフラフラフラフラフラフラフラフラフラフラフラフラフラフラフラフラフラフラ
フラフラフラフラフラフラフラフラフラフラフラフラフラフラフラフラフラ!!」
アンジェロ「(こ、拳が…全く見え…な…い…)」
バッジョ「フラゴーレッ!!」
今度こそ、アンジェロは完膚なきまでに叩きのめされた
全身を強烈な痛みが駆け抜け、意識がブラックアウトしていく
【スタンド名:シンギング・イン・ザ・レイン】
【本体名:アンジェロ】
敗北、再起不能....?
静香「終わった…んですか?」
バッジョ「いいや、まだ終わっていない」
バッジョ「『黒幕』は、アンジェロではない。『組織』のボスは、アンジェロではない」
重松「だが…ヤツ自身が『自分がボスだ』と言っていたぞ?」
バッジョ「この『地図』は、偽物だ」
ワイアット「何ッ!?」
浦上「『地図』は兎も角よォ~、死んだ筈の米沢さん達が元気に歩き回っているのはどういうこったい?」
明美「いいじゃん!生きてんならそれでいいんだって」
智恵「でも確かに…あの時先生は完全に死んでいたのに…」
米沢「気が付いたら蘇っていた、という感じだからな」
バッジョ「………」
バッジョ「(俺の中で何かが変わっている…『地図』を取り込んだ影響か…?)」
重松「それにしても、黒幕は他に居る…か。どうするね、当てはあるのか?」
バッジョ「本物の『地図』であれば、その接近を感じ取れる」
バッジョ「どうやら、此方から捜しに行く必要もないようだが」
「「「「うおッ!?」」」」
「「「きャッ!?」」」
バッジョを除く全員の身体が、突然地面に倒れこんだ
静香「こ、これは……ッ!?」
ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ......
???「しかしまぁ、全滅とはな。些か人選を誤ったと言ったところか」
バッジョと対峙するようにその男は立っていた
片手に『地図』を持ち、傍らに『スタンド』を従えた男が
バッジョ「……『黒幕』。貴様を倒して『この物語』はハッピーエンドと言う訳だ」
???「逸るなよ、脚を踏み外すぞ?」
???「はじめまして…と言うべきかな?私はビエーコ、君達の倒すべき…『ボス』だ」
バッジョ「――『ワム!』ッ!」
ビエーコ「逸るなと言っただろう、お前は自分が“何処に居るのか”理解しているのか?」
バッジョ「ハッ!?」
気が付くと、バッジョは『一人で学校跡地に立っていた』
バッジョ「(『移動』…しているッ!いや『させられた』のか?)」
その時、横から聞こえた声にバッジョは顔を顰めた
???「マダ…アナタハ完全ニ『地図』ヲ取リ込ンデハイナイ
ソシテ、『びえーこ』ノ持ツ最後ノ一枚ヲ奪取シナケレバナラナイ」
バッジョ「お前、『ワム!』か……?」
変わりつつある自分の『スタンド』が、頷いた
To Be Continued.......the final round
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