先生「・・・と、言う訳で明日から夏休みだが、休みだからと言ってハメをはずさないようにッ!
特に、進学を考えている者は夏休みの過ごし方で大きく差が出るんだぞ。
それから、殺人鬼がこの町に潜んでいる可能性もあるからな、夜に一人で出歩かないようにッ!!
遥「・・・
――屋上。
遥「いつも屋上なのね。
柳井「あぁ、君か・・今も奴らがこの町にいるかもしれない、と思ったら休んでなんかいられないよ。
遥「・・根の詰めすぎは身体に毒よ。
柳井「・・分かってるさ。
遥「あんたさ、夏休みの予定ある?
柳井「無いけど・・・どうかしたのかい?
遥「明菜たちが海に行こうってさ。
柳井「海か・・う~ん・・・
僕は残って奴らを探すよ。
君らだけで楽しんで来てくれ。
遥「そう・・・
出かけるのは明後日だから、気が向いたら連絡ちょうだいね。
柳井「了解。ま、期待しないで待っててね。
・・僕、海は嫌いなんだ。海面は変化が少ないから。
夕焼けを背にした町なんか最高に綺麗なんだよ?
一人一人、違う運命を背負った者達が創り出した、この町・・・灯り。
人間とはかくも素晴らしい生物なのか、と思える景色だよ。
あぁ、最近余裕無いから見てないよなぁ~。
・・・君さえ良ければだけど、今度見に行かないかい?
――――
遥「・・・え?
柳井「僕のスタンドに乗ってさ。
それで写真撮らせてくれないか?
きっと、スゴく絵になると思う・・・
遥「今の言葉・・アイツに聞かれてたら、多分あんたブン殴られるわね・・・
まぁ良いわ、また連絡ちょうだいね。
柳井「するよ。必ず。
遥「フフッ・・じゃあ、またね。
柳井「うん、また。
軽く手を振り、屋上のドアを閉める遥。
柳井「・・・
ゴゴゴゴゴゴゴ・・・
―海水浴当日
遥「・・(結局、行くって連絡なかったわね。ま、海が嫌いじゃ仕方ないか)
悠「よおジョジョ!
ヌフフ・・相変わらず、俺の好みを押さえてらっしゃる!
遥「別にあんたの趣味に合わせてる訳じゃないわよ・・私の趣味なのッ!
悠「ヌフフ~・・ってことは、俺たちやっぱり趣味が合うんだなぁ
遥「勝手に言ってろッ!
ヒゲ「吾輩、海は苦手なのだが・・・
明菜「ジョジョ~ッ!お待たせぇ~!
氷室「馬鹿ッ!走るんじゃねえ!転んだら怪我するぞッ!!
明菜と氷室が合流する。
―――イチャイチャしてる?
悠「何か二人とも仲良すぎじゃねえか?
明菜「へへ~ん!実はこの度、私達付き合うことになりましたッ!!
遥「――ッ!!
悠「な、何ィーッ!?
氷室「ま、そういうこった。気にすんなチェリーボーイ。
悠「誰がチェリーだ!
遥「チェリーって何?
悠「ヌファ!ま、まぁ、どうでも良いじゃないか!
ヒゲ「童貞・・・女性と肉体関係の経験が無い男をチェリーと言うのだ、遥。
遥「あ!やっぱり横尾ってそうなのッ!?ヌヒヒッ!
悠「ち、違わいッ!!経験なんか飽きるほどあるわッ!!
・・・・・
・・・・
・・・
遥「不潔・・・ッ。
行きましょ、明菜。
悠「え?・・え?
駅の改札へズカズカと向かう遥。
後を追う明菜と氷室。
通り際・・・
明菜「・・ヒソヒソッ(もうちょっと女心を考えてあげなよ!
悠「・・?・・・ッ!!(うぉお~!しまったッ!!
氷室「ハハハッ!!悪りぃ悪りぃ・・・
ギャハハハハッ!
悠「ま、待ってくれ~!
――かくして、一行は海へと向かう。
――コンコンコン。
柳井「失礼します。
?「掛けたまえ。
柳井「・・今日はどういったご用でしょうか?
?「・・君は、ここのところ単独行動が目立つな。
柳井「・・・
?「襲撃チームのリーダー、氷室。それから上城 遥、横尾、佐伯を巻き込んで
殺人鬼を血眼で探しているそうじゃないか。
柳井「・・(気付かれていたのか、この学校内には何人の内通者がいる?
?「まぁ、自重したまえ。
柳井「・・・はい。
ところで、教頭先生
【あるモノ】とは【矢】・・と言うのは聞きました。
その【矢】を使って何をなさるおつもりですか?
教頭「君は知らなくてよろしい。
ただ【矢】を守りさえすれば良い。
柳井「・・・はい。
――――――
柳井のスタンドアクロース・ザ・メトロポリスは町の上空を旋回していた。
A・T・M(柳井)「・・・すっかり日が暮れそうた。
困ったなぁ~、鳥目だから夜は苦手なんだよなぁ~・・
A・T・M「仕方ない。また明日・・・
ぐわぁアァアアアッ!!
夕暮れの町から悲鳴が聞こえてくる!
A・T・M「ッ!!
あっちか!
―ッゴォオオッ!!
スタンドは超高速で工場地帯へと向かう。
―――工場地帯。
そこ居たのは・・・
頭から血を流す、遥たちの担任「関口」と一人の男の姿があった。
男「むざむざ敵に【矢】を渡すために盗み出すとは・・
我が校の教師の風上にも置けんな。
さぁ、【矢】を渡せ。
関口「ぐっ・・・矢を渡さなければ、生徒達が危険に晒される・・
生徒を守るどころか兵隊として使う事が・・
教師のする事かぁぁッ!!
タンジェ・ネ・トリックッ!!
―ドバドバァッ!
男は、関口の攻撃を避けようともしない。
―バゴォォンッ!!
A・T・M「ちょッ、まともに入ったぞッ!やりすぎだろ!
ゴゴゴゴゴゴゴ・・
スタンドに顔面を殴られながらも、微動だにせず、男が口を開く。
男「そうか、それが答えか。
ならば力づくで奪い取るとするか。
関口「・・・くっ!
柳井「む、無傷?
ドドドドドド・・
A・T・M「直撃だったはず・・どんな能力だ?
ドドドドドド・・・
関口「・・ぐはっ!
男「無駄だ。お前では俺に勝てない。
殴った筈の関口の胸が拳の形にヘコんでいた
男「俺のスタンド【クーラシェイカー】はどんな衝撃でも操れる。拳で戦うようなスタンドでは勝ち目はない!!
男の身体から現れたヴィジョンは、宇宙服を着込んだ人型。
そして、傷一つついていない。
関口「神谷・・おんどれェ~!!」
神谷「同じ教師として、もう一度だけ聞いてやる。【矢】を渡せ・・
関口「・・・答えは かわらねぇッ!
T・N・Tッ!!
神谷「そうか・・だったら死んでもらうしかないな。
本当は殺せって指示だったんだぜ?
裏切ったと言え、出来ることなら仲間を殺したくはなかったが・・・仕方ない。
クーラシェイカーッ!!
―ズババッ!バババシィッ!!
関口「・・・ぅ・・お・・ちく・・しょ・・
神谷の与えたダメージは関口に
関口の与えたダメージは全て関口自身へと流れるッ!
―ドスゥン・・
なす術もなく倒される関口(T・N・T)。
神谷「・・トドメだ。
動けない関口に無慈悲な拳が振り下ろされるッ!
―ドゴォォッ!
砂煙が巻き上がり、視界が妨げられた。
――――――
――――バシィッ!
神谷「・・痛ッ!砂煙に乗じての反撃か・・
まぁ、どちらのダメージが深刻かは
・・ん?
いないッ!?馬鹿なッ!あの傷で逃げられる筈がッ・・・
ゴゴゴゴゴゴ・・・
A・T・M「・・・危ない所でしたね。
関口「このスタンド・・柳井か?
や・・奴は、神谷はこの【矢】を・・取り返しに来た。
A・T・M「ええ、聞いてましたよ。それより今は手当をッ!
関口「いや・・ここで奴を倒しておかねば、また狙われるだけだ。
・・この【矢】を上城たちに届けろ。
私は奴を倒すッ!
A・T・M「無茶ですよッ!そんな身体でッ!
関口「柳井、先生には今の一瞬で突破口は見えたんだよ。
必ず勝てるッ!だからこれを・・・グボッ!
関口の口から溢れた血が、地上にいた神谷の後ろへ滴る。
神谷「――そこかぁ~ッ!!
神谷のスタンドが地面を殴る。
――ドガァアッ!
悠「お~い、花火買ってきたぜぇ~!
明菜「ありがと~!
氷室「気が利くじゃねえか、この野郎!
遥「ところで、火はあるの?
氷室「当たり前だッ!俺様を誰だと思ってやがる!
悠「オッケーオッケー。何から始める?
ヒゲ「ぉお・・ぉおお!!こ、これがネズミ花火ッ!猫の本能が・・・刺激されるッ!!追わずにはいられないぃッ!?
ギャハハハッ!
わわ!こっち向けんなッ!ボケッ!
アハハハハッ・・・
こうして、4人と一匹の夜は更けて行った。
―――工場地帯。
A・T・M「・・な、何が起こった?
ドドドドドドド・・・
関口「・・・うぬぅ。
地面に這いつくばる2人を見下ろす神谷。
神谷「・・・やぁ、柳井。君が出てくるとはね。
A・T・M「・・ぐっ!(壁から・・何かが飛び出してきたッ!?
地面から・・衝撃を伝達させたッ?
関口「柳井・・・お前はっ・・関係ない!逃げろっ!
A・T・M「関口先生・・やはり僕もッ!・・ぐっ!?
――ドグォッ!!
関口「教師が行けと言ったら、行くんだ・・
関口に殴られ、吹き飛ばされる柳井(A・T・M)。
A・T・M「せ・・先生ッ!
関口「いいから・・・行けェ~~ッ!!
A・T・M「~~~~ッ!(ぼ、僕はどうしたらッ!?
ドドドドドド・・・
神谷「ふぅ~・・どちらも始末しなきゃいけないようだな。
来い、関口・・お前からだ。
関口「・・・ッオオオッ!!
T・N・T!!
神谷「今、楽にしてやるぞッ・・関口ィイ~ッ!CSッ!!
――ドガァァアッ!!
激しくぶつかり合う2人のスタンド。
ゴゴゴゴゴゴ・・・
神谷「ば・・馬鹿なッ!
そこまでの・・【覚悟】があるとは!
関口「ぐっ!はぁ・・はぁッ!・・・お前の能力・・
正確には「【認識出来た攻撃】の衝撃を操る」・・だろう。
ところでェ~・・お前の首を下向き固定させて貰ったが・・・私の姿が見えるかね?
神谷「ぐっ・・・貴様ぁ~ッ!(見えない事はないが・・これでは、攻撃の瞬間が見えないッ!
関口「そんな事じゃ、テスト問題は作れんぞ?
正確な情報を与えてやって、生徒自身が正しい答えを導き出せるように・・・ってな。
神谷「まさか、自分の腕を能力でへし折って、殴ってくるとは・・
A・T・M「(やったッ!無意識に能力をセーブして、可動域以上は曲げられないハズだったのにッ・・
今の、関口先生には遠慮ってモンがないッ!!
・・・それは、つまりッ!!
ドドドドドドド・・・
関口「神谷・・あと一撃でお前の背骨を、折り畳んでやる事が出来るぞ?
【覚悟】は出来てるか?
神谷「・・・(マズイッ!射程範囲から逃れなくてはッ!)CSッ!!
―ドガドガドガッ!
CSが地面を殴ると、関口の足下から
腕の形をした衝撃パワーが吹き出す!
関口「――ッ!
寸での所で避けた関口だが、先刻のダメージが響きバランスを崩して倒れる。
その隙に神谷は距離を取るために走り出すッ!
関口「逃がすかぁ~ッ!
神谷「くくくッ・・良く考えれば、手負いの関口が俺に・・追いつける筈がなかったな。
途中途中、壁や地面を殴り関口を牽制しながら、狭い路地へと逃げ込む神谷。
タタタタタッ・・・
―ドンッ!
神谷「痛ッ!
・・足下しか見れないってのは苛々するな。
だが、そろそろ解除されても良い距離の筈だが・・・奴め、この土壇場で能力範囲が延びたか?
関口「ゲホゲホッ・・待て!神谷ッ・・!
神谷「・・まぁ、良い。このまま逃げ切れば何も問題は無い。
振り向いていた身体を再び逃走方向へ向けようとした、その時。
――ドガァッ!!
神谷「ぐぁッ!??
ドドドドドドド・・・
A・T・M「逃がさないよ、先生。
神谷「・・ちいぃッ!柳井ィッ!
ゴゴゴゴゴ・・・
A・T・M「2対1・・ですからね。
神谷「・・・ッ
関口「追いつめ・・たぞッ!神谷ァッ!!
・・柳井ッ!行けと言ったろぉ!!
A・T・M「先生!これはチャンスなんです!!早く決着をッ!!
狭い路地での挟み撃ち。
神谷を逃がさないように道を塞ぐ2人。
神谷「ぷッ・・クックッ・・アハハハハッ!!
下を向いたまま、笑う神谷。
A・T・M「ッ!!何が可笑しい!?
神谷「・・雑魚が2人、粋がったところで俺には勝てない。
――ドガドガッ!
そう言って、神谷は地面を強くニ、三度踏む。
関口「何っ!?
神谷の身体は、空高く上がって行く!
神谷「・・こういう使い方もあるって事だッ!
A・T・M「させるかッ!!
―ッゴォォッ!!
猛然と追いかける柳井のスタンドを確認して、神谷は壁を殴る。
――ドゴォッ!
A・T・M「ぐはッ・・・!!
神谷「オォオ!!
ラララララララララッッ!!
――ドガガガガガガガガガガッ!!
神谷は、そのまま壁を殴りながら落下、関口へと向かう!
A・T・M「―――ッ!!関口先生ッ!逃げて下さいッ!!
神谷「遅いッ!
関口「神谷ぁーッ!!
タンジェ・ネ・トリックッ!!
神谷「俺が上なら、首が下向いてようが関係ない。
俺が上で、お前が下・・見下ろすってのは気持ちいいモンだなぁッ!関口ィッ!!
クーラシェイカーッ!!
――ドグシャアッッ!!
関口「・・ぐ・・は・・・ッ!
神谷「落下の衝撃を受けて意識があるとは、大した精神力だ。・・だが、終わりだな。
地面、両壁からの衝撃エネルギーが関口に襲いかかる。
――ドゴドゴドゴドゴドゴドゴドゴドゴドゴドゴッッ!!
関口「・・ッ・・・・ッ・・・!!
A・T・M「せ・・先生ーッ!!
―ドグォオォン!!
神谷「・・あぁ、そういえば、テストがどうとか言ってたけど、あの言葉・・
次作る時の参考にさせてもらおう。
ま、もう聞こえてないだろうけどな・・
関口「・・・・・
ドドドドドドドド・・・
関口 健夫(セキグチ タケオ)数学教師
スタンド【タンジェ・ネ・トリック】
・・・再起不能【リタイア】
―――浜辺。
ザザー・・・
悠「隣、良いか?
遥「何よ?気味悪いわね。いつもなら来んなっつっても勝手に座るくせに。
悠「朝の件だけど・・・すまなかった。
遥「・・?あぁ、アレ。別に気にしてないわよ、私はアンタと付き合ってる訳じゃないし!
悠「ヌファッ!そりゃそうだな!!
いや~、マジで嫌われたかと思ったわ!
ザザー・・
遥「・・ねぇ。
悠「んぁ?
遥「前に付き合ってた人って、どんな人だったの?教えてよ。
悠「・・あ~、普通に美人だったな、性格も悪くなかった。なかなかクレイジーな奴だったぜ!ヌフファ!
遥「スタンド能力者?
悠「あぁ~、まぁな。
遥「・・そう。
そんな2人の様子を見守る2人と1匹。
明菜「(横尾ォ~ッ!本当に馬鹿だなテメェ!何で昔の女の話なんかしてんだ!?あ゛!?
氷室「(・・・怖ぇ~ッ。これが本性か・・・
ヒゲ「(せっかく人間の交尾が見られると思ったのに、雲行きが怪しいではないか。
明菜「(黙っとけ!クソ猫!!
ヒゲ「・・・
―――浜辺。
悠「ところで、何見てたんだよ?
遥「海・・・星を視てたの。
波の少ない海に、空の星々が映る。
悠「はぁ~、すげえなぁ。
星を見るには空を見上げるのが普通だと思ってたけど、こんな方法もねぇ・・
遥「・・まぁ、直接星を見ると、知りたくない事まで感じてしまうからね。
悠「・・・占い?
随分、乙女チックだこと!ヌファ
遥「違うわ。何となく未来が分かるの。・・・そりゃ、明菜みたいに、はっきり「いつ」「何が」起こるなんてのは分からないし、
変えられもしないけど・・何となくね、分かるの。
悠「スター・ゲイザー(星を視る者)か・・・
OK、じゃあこの後ジョジョに何が起こるか当ててみてくれよ!
遥「だから明菜みたいには出来ないって言ったでしょ?
しかし、横尾は食い下がる。
悠「良いから良いから!モノは試しに!なッ!?
遥「はぁ~・・仕方ないわね。
そう言って、空の星を視る遥。
・・・・
・・・
遥「近いうちに、何かショッキングな事が・・・・んんッ!?
言葉を紡ぐ遥の唇をふさぐ悠。
遥「・・・ん~ッ!?・・・プハッ!
あ、あ、あんたッ!何をッ!?
悠「ずっと・・こうしたかった。初めて会った時から・・・
俺の過去に何があろうと、今俺の瞳に映っているのは、ジョジョ・・君だけだ。
遥「~~・・・ッ
明菜「(素敵・・
氷室「(お熱いねェ~、嫌いじゃないぜ。
ヒゲ「(交尾は!?交尾!交尾するのかッ!?
――ドガッ
工場地帯―路地裏
神谷「さて、と。殺す前に【矢】の回収をしなくちゃな・・
A・T・M「・・・(逃げるか?先生を見捨てて、僕は逃げるのか!?
―ガサガサ・・・
神谷「・・見あたらねえ・・って事は、お前が持ってるのか?柳井?
A・T・M「・・・やはりッ!見捨てられないッ!
ウォオオオッ!!
―ドグシャッ!
A・T・M「・・グハッ!
神谷「質問してんだろうが。答えろ。
A・T・M「・・さ・・さぁね。どっかに落として来たかも
(この場所はマズイ・・幅が狭くて思うように飛べないッ!
―ドガッ!
A・T・M「ぐぅッ!
神谷「先生は冗談が嫌いなんだ。本当は殺せって命令だが、大人しく渡せば2人とも命だけは助けてやる。
A・T・M「・・(だが、やるしかないんだッ!
高く飛び上がり、上空へ逃れようとするA・T・M!
神谷「・・はぁ。2人共死ぬだけだと、分かんないモンかねぇ・・
クーラシェイカーッ!
―ドガドガッ!
A・T・M「――来るッ!
―ドシュッゥ
神谷「避けたッ!?
・・いや、衝撃エネルギーより速く上昇したのかッ?
・・・チィッ!
建物の屋根へと消えたA・T・Mを追う神谷。
――屋根。
そこには神谷を待ちかまえるA・T・Mの姿があった。
ゴゴゴゴゴゴ・・・
神谷「・・そのまま逃げれば助かったものをッ!
正直言うと、俺だって人殺しなんかしたくないんだぜ。
・・・何故逃げなかったッ!?
A・T・M「・・・勝つ自信があるからですよ、先生。
ここには衝撃を伝達する物は地面しかない。
そして、アンタのスピードじゃ・・・僕は捉えられない。
・・僕は逃げないぞッ!困難から逃げ出すより、立ち向かうんだッ!!
神谷「成る程・・・ここは、お前のフィールドって事か。
確かに、俺にとって広い場所は些か不利だが・・・今の発言。
まるで、自らを鼓舞してるかの様だぞ!
良いだろう、柳井。
お前のフィールドで勝負してやるッ!
A・T・M「ハアアァアアッ!
闇夜に巨大な鳥が一羽・・・舞う。
―ッゴオォ!!
巨大な鳥と宇宙飛行士が交錯するッ!
―ドガァァッ!
A・T・M「・・・グッ!(もっとだ!もっと速くないと!
神谷「非力なのが幸いしてるな、柳井。(とは言え、こちらも
当てられないか・・ならば、迎え撃つまでだッ)
ほら、打ってこいよ!
―ゴォッ!!
―ベキャァアッ!!
神谷「ハハハハッ!
A・T・M「ぐッ!(正面からぶつかっては勝てないッ・・だったら!
――ッゴォ
神谷「ッ!?
攻撃を跳ね返す事しか頭に無かった神谷は、眼前で急停止したA・T・Mに対する反応が遅れる。
―ガッ!
神谷を肩(?)に担ぎ、上昇していくA・T・Mッ!
神谷「空から叩き落とそうってか!?無駄だ!!
ゴゴゴゴゴゴ・・・
A・T・M「違いますよ先生ッ・・・
飛行機ですよ。
神谷「・・・・ッ!!
A・T・M「生身の人間が高度1万mまで昇って、耐えられますか?
あぁ、射程距離ならご心配なく。縦横10km以内なら僕は飛べますから・・・
ゴゴゴゴゴゴ・・・
神谷「・・上等だッ!なら俺は、その前にお前をたたき落としてやるッ!
クーラ・シェイカーッ!!
――ッゴォオオオォォォオォオッ!!
「オラララララッ!
―ゴォォオオォォオッ!
「オラララ・・
―ゴォオオッ・・・
「・・・・
A・T・M「・・勝った・・
だけど僕は、人を殺したのか。
もう・・絶対に、後戻りは出来ないッ!!
神谷「ガチガチ・・かかかか勝手に・・
ここ、殺すんじゃ・・ねぇ。
おおおおお、俺の・・・負け・・だ。
降ろして・・くれ!
A・T・M「あッ・・・生きてたんですか?失礼しました!
――――工場地帯、路地裏
A・T・M「関口先生も生きてる・・良かった。
神谷「ガチガチ・・・だだだ、だから人殺しはしたくないいいいって、言っただろ。
A・T・M「・・・そうでしたね。ありがとうございました。
神谷「・・何で・・俺におおおお礼・・を?
A・T・M「神谷先生が本気で僕らを殺す気なら、最初にやれた筈ですから。
それをしなかったのは、先生の良心があったからこそです。
神谷「ガチガチ・・ガチ・・そうか。さて、びょびょびょ病院行って田舎に帰るかな。ややや柳井もせせ、関口先生を病院に連れて行け。
A・T・M「田舎・・?
神谷「あぁあ、当たり前だろ、失敗したんだ。この町に居たらここ殺されちまうよ。
A・T・M「そうですよね・・・お気をつけて・・
神谷「・・・死ぬなよ。
あぁ~、俺もお前みたいな生徒を持ってみたかったぜ!
神谷はそう言って、夜の町へと消えていった・・・
A・T・M「(・・・この【矢】・・・奴らをおびき出すのに使えるッ
ゴゴゴゴゴゴ・・・
――ガタンゴトン・・
遥「・・・
悠「・・(気まずぃ~!やっぱ怒ってるか?
遥「ねぇ。
悠「は、はいぃ!?
遥「・・アハッ!声が裏返ってるわよ!
悠「あーあー・・オッケー。何?
遥「・・別に、声かけてみただけ。
悠「・・ッ!(どっちなんだよぉ~ッ
怒ってんの?違うのッ?
―――
明菜「(遥ッ!自分に素直に!
氷室「(いつまでやってんだよ・・・
ヒゲ「(遥が返事をするまでだろうが。
氷室「(うるせぇ!
――――
悠「・・さっきは、突然すまなかったな。
遥「・・・気にしないで。これは私の問題だから
悠「・・問題?
遥「あんたの気持ちを受け止めるかって事。・・これ以上言わせるつもり?
悠「い、いや!・・ごめん・・
・・・・・
・・・・
悠「(じ、時間が・・長く感じるッ!!まさかスタンド使いッ!?・・・な、訳ねえよなぁ~
遥「不思議と・・・嫌じゃなかったわ。
悠「・・・え?
ガタンゴトン・・
遥「アンタと付き合うのも・・・いいかもね。
悠「・・・・!!!!
ぅおぉっしゃぁあああッ!!やったーッ!!
遥「てめッ・・騒ぎすぎだ!周りの迷惑ッ!!
悠「ヌファファファヒァ・・ヒャヒァ~!!
遥「う、うるさいッ!!
パチパチ・・
明菜「おめでとう~ッ!!
氷室「ま、良かったじゃねえかッ!
ヒゲ「ニャ・・!!(こ・・
―ドガッ!
遥「み、みんなッ!聞いてたの!?
顔を真っ赤にする遥
悠「今度は君からキスしてくれ、ジョ・・
遥「―――ッ!!
S・Gッ!!
――ドゴォッ!!
悠「・・ぉえッ!
遥「調子に乗るなァッ!!
明菜「まぁまぁまぁ・・
氷室「うぉッ!吐きやがった!!
ヒゲ「(ラーメンと・・イカッ・・!
乗客「(うるせえなぁ・・)
上城 遥
スタンド【スター・ゲイザー】
横尾と付き合う事に決めた。
スタンド【スター・ゲイザー】
横尾と付き合う事に決めた。
横尾 悠
スタンド【スペース・カウボーイ】
念願の遥と交際スタート!
超ハッピー
スタンド【スペース・カウボーイ】
念願の遥と交際スタート!
超ハッピー
佐伯 明菜
スタンド【ニューオーダー】
氷室と付き合い始めて、少し性格が変わったらしい・・
スタンド【ニューオーダー】
氷室と付き合い始めて、少し性格が変わったらしい・・
氷室 泰晴
スタンド【レッド・ホット】
明菜と付き合い始めて丸くなった・・らしい。
スタンド【レッド・ホット】
明菜と付き合い始めて丸くなった・・らしい。
ヒゲ(猫)
スタンド【ミズガルズ・フーガ】
最近は人間の生殖活動に興味津々。
別に盛りがついた訳ではない
スタンド【ミズガルズ・フーガ】
最近は人間の生殖活動に興味津々。
別に盛りがついた訳ではない
医者「ここでの入院が無理なら、田舎に帰ったらすぐ入院しなさい。壊死は免れたが身体が弱っているからね。
神谷「・・・はぁ。
看護師「お大事にどうぞー。
神谷「・・・・・
――病院内、集中治療室
―ピッ・・ピッ・・
神谷「関口・・大丈夫か?
関口「・・ぁぁ、お陰様でな。
神谷「・・・すまなかったな。
関口「・・・
神谷「俺は田舎に帰る。それだけ伝えに来た。
関口「・・帰ってきたら、テストの・・作り方を教えてやるからな、覚悟しとけ。
神谷「楽しみにしてるぜ・・じゃあな。
そう言って神谷は部屋を出て行った。
関口「神谷・・・
――駅
神谷「・・・・
・・・オマエ
神谷「・・?
・・【矢】ノ匂イガスルッ・・!!
神谷「――ッ!!クーラ・・
―ブッ
ツ・・と、首に生温かいものが流れる
神谷「・・血!?
―ブチブチブチブチッ!!
神谷「ウォオオォオッ!!?(・・・首が、独りでに切れてッ!!
―ズォオオオッ!!
神谷「――ッ!?(今度は血を吸われてるッ!!ま、まさかッ!!コイツらがッ!?
オォオオオオッ!!
―――
?「・・違った、持ってやがらねぇ・・
?「焦らなくても良い・・・奴らの研究は矢だけでは完成しない。アレがこちらにある限り・・・
ゴゴゴゴゴゴゴ・・・
柳井 源太
スタンド【アクロース・ザ・メトロポリス】
矢を獲得した。
スタンド【アクロース・ザ・メトロポリス】
矢を獲得した。
関口 健夫
スタンド【タンジェ・ネ・トリック】
生きていた。
再起不能からの復活を目指す。
スタンド【タンジェ・ネ・トリック】
生きていた。
再起不能からの復活を目指す。
神谷 薫(教師)
スタンド【クーラシェイカー】
スタンド【クーラシェイカー】
――死亡。
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