ゴゴゴゴゴゴ・・
遥「・・さて、と。
着いたは良いけど、学校のどこに行けばいいのかしら?
男「上城 遥だな?
遥「ッ!?(いつの間にッ?
―遥の前に突然現れた男。
スタンドで攻撃しようとする遥を手で制する。
男「おおっと~ッ!ま、降ろしなよ。
俺は案内係、お前とやり合うつもりはない。
ブン殴りたい相手は別にいるんだろ?
遥「確かに・・・いいわ、案内して。
男「OK、ついてきな。
正門から玄関へと向かう。日は南より少し西へ傾き始め、暑さのピークを越えたとは言えまだまだ暑い。
遥「靴は脱がなくていいの?
男「好きにしたらいいさ。
遥「どうしようかな~・・ところで、誰もいない夏休みの校舎に奇妙なノスタルジーを感じるのは私だけ?
男「う~ん、まぁ俺もあるかもな。
遥「だよね。どこに行くの?
男「・・校長室から地下に。
遥「なるほどね・・・はい、お待たせ。
遥達は、校長室の椅子の下に隠された階段から地下へ降りる。
遥「RPGみたいね。
男「何の話だ?
遥「知らない?ボスの玉座の下に階段があるの。
男「ぁあ~・・知らないな、スマン。
遥「別に謝ることないわ。古いゲームだから。
男「・・・こっちだ。迷路にみたいになってるからな、はぐれるなよ。
古くなった蛍光灯が点滅したり、切れたりしている通路を進む。
・・・・
遥「随分ぼろっちいけど・・大丈夫なの?
男「戦時中に造られたものだからな・・・だが、頑丈だ。
それに、これから行く所はまだ新しいから、気にするな。
遥「ふ~ん・・・ところで、同じ所をグルグル回ってるんだけど・・
男「当然だろ?お前が道を覚えたら秘密アジトの意味がなくなるし、逃走の可能性もなくはない。
遥「だったら、初めから目隠しでもさせれば良かったんじゃない?
男「ぁあ~、あんまりそういうのはしたくないんだ。
女の子には優しくしなきゃだろ?
遥「・・・変わってるのね、アンタ。
男「どうだかな。俺はこの研究所から出たことないし、本で覚えた知識だから・・・っと、着いたぞ。
――ガチャ
遥「――ッ!
こ、ここはッ!?
ドドドドドド・・・
悠「それでッ!?ジョジョは学校なんだなッ!?
柳井「そうだッ!乗れッ!
悠「すまねェ!
―バッ!
A・T・Mの背中に乗り込んだ悠は猛烈な勢いで学校を目指すッ!
――ッゴォオオッ・・・!
悠「(ジョジョ・・ッ!無事でいてくれ・・!
――遥のアパート。
氷室「おい・・猫・・・ッ!
ヒゲ「(猫とは失礼な奴だ。吾が輩の名は、上城 ヒゲだ。
正確には、上城・ウル・パブロ・シ・ロナウド・ジュニア・パブロ・・・・
氷室「分かった分かった・・悪いが・・ライターねえか?
情けないことに・・全部取られちまってよォ・・お気に入りのジッポも・・・・高かったのによぉ~・・ッ!
ヒゲ「(生憎だが、遥はタバコなぞ吸わん。
この家にライターなどない。
氷室「痛ッ・・そうか、だったら・・・ガスコンロでも・・良い。火が必要だ・・・ッ!
ヒゲ「(承知した。
だが吾が輩は、ガスコンロを回せない。
自分でつけるしかないぞ。
氷室「分かってる・・ぐッ!ウオォオッ・・!!
痛みに耐え、立ち上がりコンロを回すッ!
―カチッ!
氷室「レッド・ホットッ!!
炎が形を成し、スタンドが現れる。
氷室「・・・良し。やっぱりコイツは・・平気だ。
満身創痍の氷室とは反対にスタンドのR・Hに傷はない。
R・Hは炎と同化した物質同化型。
炎と本体の精神力があればいくらでも再生が利くのだ。
ヒゲ「(ふむ・・正に不死身のスタンドだな。
氷室「・・・まだッ!
まだ・・俺は・・・ッ!
戦えるッ!!
玄関を開け、外に出る氷室。
氷室「あばよ・・ヒゲ。世話になってねぇが・・世話になった。
足を引きずりながらも、学校へ向けて氷室は歩き始めた。
ヒゲ「(待て。
氷室「・・・?
ヒゲ「(戸棚に入っている物がお前の役に立つ。持って行け。
氷室「・・??
ドドドドドドド・・・
遥「・・・ここはッ!?
そこは、見慣れた教室。
窓が無い事を除けば地上の教室て寸分違わぬ造りをしていた。
そして、教室内に存在する生徒達と私服の人間。
60の瞳が一斉に遥に向けられる。
遥「な、何なのッ!?
ドドドドドドドド・・・ッ!
男「見ての通りさ。
普通と違うのは彼らが全員【スタンド使い】だって事かな。
お前の知った顔も・・いると思うが?
遥「全員・・・グループの構成員って事か・・・ッ
男「正解。まぁ、今日みたいに集まるのは滅多にないが・・・
遥「・・・何の為に?
男「侵入者の排除。それと、お前が裏切った時の保険・・・ってところだ。
ま、お前が取引を反故にするとは思えないけどな。
遥「・・・・
ドドドドドド・・・
男「さて、俺はここまでだ。
遥「えッ!?
男「大丈夫だ。彼らは君だけは襲ってきたりしない。
命令だからな。
向こう側のドアを抜ければ取引場所だ。
遥「そうじゃなくてッ!
男「・・あぁ、成る程。
残念ながら、俺は入り口の警護も任されている。
招かれざる客も来たようだし、戻らなくてはいけない。
遥「そう、分かったわ・・・アンタ、名前は?
男「名前・・?
そう言えば俺には名前がないな、いつもNo.7とか7番とか呼ばれてるからな
遥「そっか、じゃあ好きに呼ばさせて貰うわ。
ラッキーセブンか・・・ラッキーマンと幸田のどっちが良い?
男「当然、幸田だ。
遥「OK、幸田。アンタここから出たことないってんなら、終わったらみんなで海に行きましょう。
お盆前ならクラゲも少ないし・・・
幸田「・・?言ってる意味が分からないが。
俺は敵だぞ?
遥「話してみるとさァ、アンタ以外と良い奴だから。
幸田「・・フフッ、
ゴリラみたいに凶暴な女だと聞いていたが・・やはり実際に経験しないと物事ってのは分からないな。
遥「あら?ゴリラほど慈愛に溢れた動物もいないわ。
幸田「ハハハッ、分かったよ。それじゃ
俺は行くが
生きて帰りたければ妙な気は起こすなよ。
遥「・・・分かったわ。
去っていく幸田を見送り、遥は教室へと入っていく。
――学校、上空。
悠「・・・行くぞ。
A・T・M(柳井)「待てッ!屋上で誰か電話してるッ!
幸田「・・・・では、お願いします。5分後に。
ドドドドドドド・・・
柳井「・・・見たこと無い奴だ。
悠「先手必勝だッ!
行けッ!!
――ゴォオッ!
S・C「YEAHHHHAッ!!
―バシュバシュバシュッ!
―スッ・・
幸田は軽く腕を前に出し片腕でラッシュをいなす。
悠「なッ・・
―バッシィ~ンッ!
悠「うぐぁッ!!
幸田の平手を喰らい、A・T・Mから叩き落とされる悠ッ!
柳井「・・な、なんの能力だッ!?ラッシュを素手で捌くなんてッ!
幸田「・・能力?それは違うな。単なるスタンド操作と体術だ。
悠「・・・ッ!?
幸田「スタンド使いにも認識出来ないくらい、スタンド密度を薄く・・受ける瞬間だけ濃くした。
・・・横尾 悠。お前が今しているようにな。
悠「・・・ちッ!バレてたってか。
見えない縄を編み込んだ結界が現れる。
柳井「・・(コイツ・・ッ!スタンドの扱いを熟知しているッ!!
ゴゴゴゴゴゴゴ・・・
幸田「・・・さっさと行け。
上城は校長室の椅子から行ける地下にいる。
悠&柳井「・・!?
幸田「彼女にはお前達の力が必要だろう。
柳井「な・・何故?
幸田「彼女に死んでもらいたくない・・そう思っただけだ。
・・・さて、招かれざる客のお出ましだ。
ドドドドドドド・・・
正門に人影が二つ。
普通の格好をしているが、明らかに異質なオーラを放っている。
柳井「まさかッ・・・奴らはッ!
幸田「その予想は当たっているだろうな。矢を狙う殺人鬼・・・
柳井「・・・やっと、出会えた・・ッ!
罪を償わせてやるぞッ!!
悠「・・ッおい!待てッ!!
――ッッゴォオオッ!!
猛然と二人に向かう柳井(A・T・M)
柳井「喰らえェッ!!
――ズドゴッォオッ!!
柳井「うぐぅッ・・!?
A・T・Mが力無く地に伏す。
?「何だぁ?コイツ?殺しておくか?
??「放っておけ、今は矢が先だ。
悠「・・・!!
幸田「コイツは・・厄介そうだな。
ゴゴゴゴ・・・・
幸田「横尾。お前は先に行け。
悠「だが柳井がッ!
幸田「まだ生きている。
・・奴らは俺に任せろ。それが俺の仕事だ。
悠「分かった・・ッ!
柳井の事・・頼むぞ
幸田「余裕があれば助けておく。
―ダッ!
屋上から校長室を目指して悠は走り出す。
幸田「・・・行ったか。
幸田は屋上から飛び降り、校舎の壁面で衝撃を殺しながら地面へと降り立つ。
?「へぇ~、素人集団だと思ってたが、出来そうなのもいるじゃねえ・・・かッ!
言うや、1人がナイフを数本、幸田へと投げつけるッ!
―ドシュドシュゥ!
幸田はそれを先ほどと同じく全て捌ききる。
?「ハハハッ!やっぱ、無理か!
??「・・名前を聞いておこうか。
幸田「俺の名は幸田。No.7だ。
お前等の名は?
??「・・
俺は、【御園】。
こっちは・・
?「・・【市川】よ。うっふ~ん、な~んてなッ!!
銀髪の男と赤髪の女。人を殺した事のある者だけが持つ、ただならぬ凄みを持つ二人であったが、幸田は動じない。
御園「さて・・・邪魔をするなら、そこの鳥と同じ目にあって貰うが?
ドドドドド・・・
幸田「・・・悪いが、門番が俺の役目でな。
通すわけには行かないんだ。
・・・【ドロップキック・マーフィーズ】。
幸田の四肢より現れる4体の小さな小人達。
御園「群体型か・・
遊んでやりたいが、なにぶん時間がないのでな。さっさと終わらせようか。
市川「殺して良いのかッ!?
御園「構わん。
市川「よっしゃあ~ッ!!・・・って、アレ?
ナイフを取り出した市川の視線の先に、幸田の姿は無かった。
―ドッゴォッ!!
市川「うぉオッ!?
死角からの上段蹴りを、とっさにスタンドでガードする市川。
市川「ちッ・・くそが!
幸田「やはり、一筋縄ではいかないな。・・だったらッ!
―ガシィッ!
市川「ッ!?
幸田の右脚にいたスタンドが、そのまま市川の腕を押さえつけ引っ張る。
―ドグシャアッ!!
市川「ぐはぁッ!
右の引き足と同時の右フックが市川の頬を捉えた。
市川「てめェ・・ブッ殺すッ!!
幸田「・・・(浅かったか
御園「・・・・
ゴゴゴゴゴゴ・・・
遥「・・・・
―ツカツカツカ・・・
幸田の言うとおり、教室内のスタンド使い達は、手を出して来なかった。
ただし、視線は痛いほど感じていたが。
―カチャ。
遥は扉に手をかける
遥「・・(明菜ッ!待っててね・・!
――――地下迷路。
悠「さて、と・・・来たはいいがどっちへ行ったものか・・・ん?
壁に目をやると、光の筋が続いている。
悠「これは・・・ジョジョの・・!?
悠は光の筋を頼りに迷路を進む。
――通学路。
氷室「くそッ!・・痛ェ・・こんなペースじゃ・・・間に合わねえ。
ん?・・・あれは・・タクシーじゃねえか!
タクシーを呼び止め、乗り込む。
氷室「学校まで・・・ッ!
運転手「なんだ!?兄ちゃん血まみれじゃねえかッ!
面倒事はゴメンだッ!降りてく・・・
―ドガシャァッ!
炎の拳によって、フロントガラスが粉々に砕ける。
氷室「うるせぇ・・急いでんだッ!
とっとと・・・学校に行けッ!!
運転手「ひ、ひぃいッ!な、何だ!?
車が・・・燃えちまうッ!!
氷室「行けェーッ!!消し炭にされてぇかッ!!
運転手「ば、爆発するぅッ!?
―ダッ!
氷室「!・・ま、待てッ!!
運転手のいなくなったタクシーに取り残される氷室。
氷室「・・・仕方ねェ。自分で・・運転するか。
ドドドドド・・
氷室「(待ってろ、明菜!今いくぞ・・!
――校門。
対峙する2人の殺人鬼と1人の門番。
市川「てめぇーッ!!許さねえッ!
アタシが満足するまでゆっくり時間をかけて殺してやるッッ!!
御園「ふぅ・・・。
俺は先に行くぞ。
幸田「・・行かせないッ!
驚くべき早さで、御園の前に立ちはだかる幸田。
その腕が唸りをあげて、御園に襲いかかるッ!
―ブゥンッ!
幸田「・・・ッ!?
―ガクゥッ
幸田の腕は空を切り、そのまま膝を着く。
幸田「な!?
御園「・・・ふん。
ドドドドドドド・・
幸田の足には、先ほど市川の投げたナイフが突き刺さっていた。
幸田「ッ!(これは・・!?
御園「折角だからな。武器調達もしておくか。
ゴゴゴゴ・・
幸田「ナイフが・・独りでに?磁力操作か!?
御園「遠からず・・だな。
幸田「(・・足は、まだ動くか・・・
市川「ヒャハハァッ!ブッ殺せ!【カメリア】ァッ!!
幸田「くッ!スタンドを出させてしまったかッ!
―ブツッ・・・
幸田「うぬッ!?首が・・ッ!
・・ッツアァ!!
―ドガァアッ!
市川「ぐはっ!
市川を蹴り飛ばし、距離を取る幸田。
御園「・・・賢明な判断だ。だが・・
――ズォオォオッ!
幸田「血が・・・吸われるッ!!
首と足、二箇所から猛烈な勢いで出血する!
御園「終わりだ。
幸田「(ま・・マズイッ・・・
だが・・通すわけには・・・行かないッ!!
―ダッ!!
御園「ッ!
まだ動けるのかッ!
御園の不意を突き、全身全霊のパンチを繰り出すッ!
―ガィイィッン!!
ゴゴゴゴゴゴゴゴ・・・
御園「惜しかったな・・。
幸田「・・・くッ!
幸田のパンチは血の色をした盾によって防がれていた。
御園「【メタル・ジャスティス】・・・
この盾はお前自信の血液だ。
能力の本質を理解したか?
――グググ・・・
幸田「ぐッ・・。
大柄な幸田の身体が引っ張り上げられる様に宙に浮く。
御園「さよならだ。
幸田の身体が音を立てて軋み始める。
幸田「・・・ぐああッ!
―ブオォオォッ!
御園「――ッ!?
―ドガッシャアァァアッ!!
市川「!!?
一台の車が、御園に向かって突っ込んだ。
ドドドドドド・・
幸田「・・賭けだった。
俺は電話をしただけ・・・
上城の家に迎えに行くように電話をしたんだ。
早く着けるようにってな・・・
ゴゴゴゴゴ・・・
市川「てめぇ!!
―バタンッ
・・・
・・
氷室「着いたぜ・・・ッ!!
幸田「俺のはNo.は、ラッキセブン・・・ツいてたぜ・・ッ!
御園「・・・発想は良かったが、相手が悪かったな。
幸田「ッ!?
市川「御園ッ!!生きてたのか!?
御園「当たり前だ。
金属で出来た物で俺は倒せない。
御園にぶつかった、タクシーの助手席側が綺麗に無くなっている。
そして、液体金属の様な物が御園の周りを漂っていた。
幸田「な・・・ん、だと!
―ガクッ。
大量の血液を抜かれた、幸田の肉体は限界に達している。
氷室「・・・ピンチって奴か。
御園「さて、見たところ頼みの援軍も傷だらけ。
武器も手に入った事だし・・俺は行くぞ。
市川、後は任せる。そこの二人と、ノビてる鳥は好きにしていい。
氷室「・・・!
幸田「・・!
柳井「・・・・・・
市川「いやっほーいッ!!
殺していいんだな!
いいんだなッ!!
御園「おっと・・・この車の残りも貰っておくか。
そう言うと、御園の身体からスタンドが現れる。
下半身の無い、メタルカラーの人型。
天秤のような物で自らを釣っている。
そして、そのスタンドは、車をドロドロに溶かし、液体金属にしてしまった。
あとに残ったのは、タイヤやシートなど・・・
幸田「待・・てッ!
御園「悪いが、急いでるんでな・・・遊んでやれない。
御園はそう言って、校舎の中へと消えて行った。
幸田「・・・くッ!
市川「あんたらの相手はアタシだよ・・・ッ!【カメリア】!!
市川のスタンドは御園と違い・・・首から上が無かった。
そしてその首は脇に抱えられ、眼は異様な光を放っている。
伝説に出てくるデュラハンのような風貌だ。
氷室「邪魔をするならブッ潰す・・
レッド・ホットッ!
幸田「こうなれば、お前だけでも・・通さないッ!
ドロップキック・マーフィーズッ!
二人がそれぞれスタンドを発現し、殺人鬼の片割れと対決するッ!
ドドドドドドド・・・
――ガチャ。
教頭「逃げずにやってきたか。
遥「・・・明菜は?
教頭「矢の確認が先だ。
―スッ。
無言で手を伸ばし、
ゆっくりと手を開く。
教頭「ふむ。さぁ、こちらへ渡せ。
遥「・・・明菜を返すのが先よ。
教頭「君は自分の立場が分かっていないようだな。
まぁ良いだろう・・・椎名、彼女を連れてきてくれ。
椎名「はい。
―――――教室。
悠がドアを開けると 中の人間が一斉に戦闘体制に入る。
悠「素直に通して・・・もらえねェわな、こりゃ。
ゴゴゴゴゴゴゴ・・・
生徒1「横尾ォ・・・ 何の用だ?
悠「ヌフフ・・・決まってんだろ。ジョジョ達を助けに来たんだよ。
生徒2「そうか。残念だが、それは叶わないな・・・テメェーはここを通れねェッ!!
悠「・・・ま、お前等がなんと言おうが俺は先に進むぜ。
生徒3「やってみろやァ~ッ!!このビチグソがァッ!!
――グバアァッ!!
30人のスタンド使いが、悠へ一斉に襲いかかるッ!!
悠「YEAHHHHHA~ッ!!
ドゴドゴドゴドゴッ!!
手近に居た相手を吹き飛ばし、縄を天井へ掛ける。
悠は縄を伝って天井に張り付いた。
生徒4「てめッ!
降りてこいッ!!
悠「・・(やっぱり、ちぃ~っと数が多すぎるな。・・・あんまり使いたかねえんだが・・仕方ないか。
ドドドドドドド・・
生徒「俺が打ち落とすッ!!
そう言って、拳銃の様なスタンドで悠に発砲する。
―ドバドバァッ!
悠「うおッ!?
寸での所で避ける悠。
悠「・・危ねぇ~ッ!金玉縮んだぞッ!!
生徒「・・・フフフッ!俺が狙ったのはお前じゃねえ!
その縄だッ!
悠「――ッ!?
―ブチブチ・・・
悠「(コイツはヤベぇ・・体重を支えられないッ!
―ブチィッ!!
悠「うぉおお~ッ!?
生徒「落ちたぞッ!!ブッ殺せッ!!
悠「・・(やるしかねぇかッ!!
―ドグシャアッ!!
ドドドドドド・・・
市川「さぁ~て・・・ど、ち、ら、に、し、よ、う、か、な~
氷室「・・(この女の能力が分からない以上、突っ込むのは得策じゃねえが・・・
どうする?
幸田「・・(血が足りないせいか・・身体に力が入らない・・・
市川「決めたッ!そこの兄ちゃんから殺すッ!!
氷室「・・やってみろやァッ!!
R・Hッ!!
市川「カメリアッ!!
―バシュバシュバシュッ!
市川「・・・
―スッ
打ち合わず、氷室と距離をとる市川。
氷室「・・・?
テメェッ!やる気あんのかッ!?
市川「アハハハハッ!!無理に打ち合わなくたって、アンタはアタシの術中に既にハマっているからなァッ!?
氷室「何ィッ!?
―ブチブチッ・・・
氷室「うぉ!?こ・・これはッ・・!?
首が切れていくッ!
市川「アハハハハッ!!少しず~つ切り取ってやるッ!
幸田「落ち着けッ!
恐らく、あのスタンドの視界に入る事が発動条件だッ!!
―ブチブチッ・・
氷室「うぉおあッ!落ち着けって・・そんなん尚更どうすりゃ良いか・・分からねえぞ!!
幸田「・・・だったら視線を逸らすッ!!D・Mッ!
ウラァッ!
―バシバシィッ!
市川「――ッ!
市川の視線が逸れ、氷室の切断の進行が止まる。
ドドドドドド・・
市川「流石・・・と、言いたいとこだが、アンタの今の攻撃ッ!さっきまでと全然ちがうねェッ!
子猫ちゃんがすり寄って来たのかと思ったよッ!
幸田「・・・くッ!
市川「大分血を吸われたみたいだからなぁ~ッ!?
蚊がとまっただけでも死ぬんじゃねぇのか!?ギャハハハハッ!!
氷室「チャンス・・ッ!!
―ゴアッ!
市川「おっと!危ないッ!
氷室の攻撃が空を切る。
市川「さ~て、と。
そろそろ兄ちゃんには死んでもらおうかなぁ~ッ!?
―ギラッ・・
―ブチブチブチ・・ィッ
氷室「うぉおおおッ!?(マズイッ!遮蔽物の無いこの状況で視線から逃れるッ?
無理言うんじゃねぇ~・・・!!
市川「ギャハハハッ!そろそろ動脈に達するか!?
柳井「・・・使えッ!
氷室「あ!?
柳井「車のッ・・ゲホッ・・・うんだッ!
氷室「・・・!
氷室の視線の先には、先ほど御園が溶かしていった車の残骸・・・
市川「あぁ!?あんな部品の影に隠れた所で無駄だぜッ!?
幸田「・・そうかッ!
氷室「成る程なッ・・・レッド・ホット!
R・Hが人型から揺らめく炎の形へと変わっていく。
市川「ぁあ!?だからなんだってんだよッ!
殺れッ!カメリアッ!!
氷室「頭が無いから脳味噌がねぇのか?クソアマッ!!
――カッッ!
―ズドォオォオンッ!!
市川「―なッ!?
爆発ッ!!
柳井「タクシーの燃料はLPガス・・
比重の関係で空気より下に溜まるんだ・・・ゲホッ
あんたは立ってたから気付かなかったろうけど、寝てた僕には分かったんだよ。
幸田「加えて、無風だったからな・・
フフッ・・・、運が良かったとしか言いようがない。
市川「だ、だまれッ!クソ虫がぁ~~ッ!!
爆発したからって何なんだよォッ!?
ほんの少しの間、身を隠せるだけじゃねぇかッ!!
氷室「そいつは違うぜ・・!
ドドドドドドド・・・!
氷室「俺のR・Hは炎と同化するスタンドだ・・
意味・・・分かるか?
市川「――ッ!?
あ・・ぁあ・・・まさか・・・こんなッ!
市川の眼前に現れたのは氷室のR・H。
人型を成し、普段と同じ姿だが・・・
あまりにも巨大だった。
見上げれば校舎の屋上よりも高く、その拳の大きさはトラックよりも大きい。
氷室「俺の姿が見えるか?
・・見えないわなぁ?炎の向こう側だ。
さて、と・・遊んでやりたいが急いでるんでね。・・ブン殴らせて貰うぜッ!!
市川「・・!(こ、こんなのに殴られたら・・ッ!!逃げねぇとッ!
―ダッ!
逃走を試みる市川だが・・・
柳井「おっと!逃がさないよッ!!
市川「どけぇ~ッ!!カメリ・・
―ガクッ
市川「!?
幸田「D・M・・・ッ!お前の足を押さえさせて貰ったぞ。
市川の足を4人の小人が押さえつける。
市川「・・・ッ!!てめぇらぁ~~ッ!!
ドドドドドド・・・
氷室「柳井、おっさん。伏せてろ。
レッド・ホットォオォオッ!!
―ゴバァアァアッ!!
――ドグシャァアアッ!!
悠「・・ッぐあぁッ!?
片腕から血を流し地面に落ちる悠。
生徒1「いい格好だなぁ?横尾・・・
生徒2「俺にも殴らせろッ!
「俺も俺もッ!!
「俺にもだッ!
悠「痛ッ・・てぇ・・
本当はあんまりやりたく無かったんだがな・・・
何せ、縄がズタズタになって俺にもダメージがあるからなぁ~。
生徒「――??
あれ?腕と足が・・・動かねえぞ?
生徒2「俺も・・・
?
悠「【入れ替える途中でぶつけた】・・・
物体と俺の縄はブッ壊れちまうんだがな・・
「何ィーーッ!!?
ドドドドドド・・・ッ!
生徒達の手足はことごとく破壊されていた。
悠「ま・・俺は縄だけだけどお前等は手足バッキバキだもんなぁ。ヌフフ・・
もう少し感覚の目を養った方が良いぜ。
生徒「ぐぁあ~ッ!!痛ェ~ッ!!
悠「一ヶ月もすりゃ治るさ。それじゃ、通らせて貰うぜ!
悠はのたうちまわる生徒を横目に先の扉へと進む。
――――――
遥「明菜ッ!
明菜「ジョジョ・・ッ!
遥の前に連れてこられる明菜。
教頭「・・・これで満足か?
遥「・・持って行きなさい。
明菜「ジョジョ!駄目!こいつら渡したら二人とも殺す気よッ!
遥「―ッ!
教頭「No.8!黙らせろッ!!
木村「はい。
木村のスタンドバーバル・アイズが明菜の頭を鷲掴みにする。
―ズギュウゥゥンッ!
明菜「あ・・・あ・・
遥「明菜!!・・てめェッ!明菜から離れろぉッ!
木村「ご心配なく・・・命の危
―ドグシャアァッ!!
木村「うげぱァッ!?
遥「私は離れろッて言ってんだよッ!!
椎名「(・・速い。
報告よりも遥かに・・
仲間が傷つけられて、パワーが上がるタイプ(性格)か
厄介だが・・・かえってやり易くもあるな。
教頭「ひ、ひいぃいッ!し、椎名!早く何とかしろ!!
ドドドドドドド・・・
椎名「分かってますよ、教頭先生・・・
ipod!・・
遥「・・・さっさと明菜を解放しろッ!
取引はその後だッ!!
椎名「フゥ~・・・
どちらの立場が上か、分かってないみたいだな。
ゴゴゴゴゴ・・・
―ガチャ。
悠「・・ん?
―ガチャガチャッ!
・・・・
悠「(な、なんて事だ!・・ここに来て、鍵が掛かってやがるッ!!
ドドドドド・・・
悠「な~んてな、だったらブッ壊すッ!!S・C!
YEAHHHHッ!!
―ゴガゴガゴガゴガッ!!
しかし、扉には傷一つつかない。
悠「くッ・・・壊れねえッ!
生徒「アヒャヒャヒャヒャ!見た目と違って、厚さ50mmの合金の扉だッ!
戦車の大砲でも破壊は不可能だぜェ!?
悠「・・・
ゴゴゴゴゴ・・
?「どけ、俺が開ける。
悠「!?
御園「俺のスタンドが開けてやる。
悠「お、お前は・・・ッ!
御園「横尾 悠・・・今は、急いでるんだ。
お前を殺す時間も惜しい・・ 分かったらそこを退け。
悠「・・・あ、あぁ。(コイツが殺人鬼の片割れ・・ッ!
御園「メタル・ジャスティス・・・!
御園のスタンドが発現し、扉に近づく。
その途端、扉はドロドロに溶けあっと言う間に道が開ける。
悠「・・(金属を溶かすのかッ!
生徒「な・・・い、行かせるなァ~ッ!
生徒達が、一斉にスタンドで御園に襲いかかるッ!
悠「ま、まだ動けたのか!?
御園「・・・やれやれ、時間が無いと言うのに。
M・Jの周りに漂っていた大きな液体金属が泡立ち、そこから高速で金属が射出される。
―ドババババババババッ!!
生徒達「グギャァア~ッ!?
金属の弾は、生徒達の身体を貫くと、再び元の大きな液体金属へと戻る。
ドドドドドドド・・
御園「メタル・バレット(金属弾丸)・・・
悠「・・・ッ!(とんでも能力だぜ・・
こんなのと戦えるのか?
ドドドドドドド・・・ッ!
御園「行かないのか?先に行くぞ。
悠「あ!待てよッ!
高校生と殺人鬼・・二人は通路の奥へと進んで行く。
――――――
ドドドドドド・・・
柳井「・・・やった!
R・Hがその拳を校舎から引きはがす。
市川「・・・・
―ドシャッ。
衣服も焼け焦げ、校舎にめり込んでいた市川が地面に落ちる。
氷室「・・・
氷室「はぁッ!・・はぁッ!
・・やっぱりこのサイズは・・流石にキツ・・・
―ガクッ。
柳井「氷室ッ!
幸田「大丈夫、スタンドパワーの使いすぎて一時的に気絶しただけだ。
柳井「・・そうか。
柳井(A・T・M)は氷室を抱えあげる。
柳井「奴を追わないと・・・!
あんたは来るのかい?
幸田「・・・行きたいとこだが、血を失いすぎた。
ここで・・しばらく休む。
柳井「・・・そっか、じゃあ僕らは行くよ。
幸田「あぁ・・気をつけてな。
氷室と柳井(A・T・M)は校舎へと入って行った。
市川「・・・・・
幸田「・・・海か。
悪くないな。
―ブツッ・・・・
幸田「うぁッ!?
―ブチブチブチッ!!
幸田「ぐぁッ!・・ま、まだ生きていたのかッ!?
「―殺スッ!殺殺殺ス!!殺サセロォーッ!!
幸田「・・!?
本体の意識はなさそうだが・・・
まさかッ!?
カメリア「殺ズゥウゥウ!!
ゴゴゴゴゴゴ・・・
幸田「・・スタンドが暴走したのかッ!?
手に持つナイフを手当たり次第に振り回し、喚く市川のスタンド【カメリア】。
幸田「・・・殺人衝動が本体の・・・精神を越えたのか。
いずれにしろ危険・・三十六計逃げるが勝ちだな。
刺激しないよう、ジリジリとその場を離れ、幸田は逃走する。
市川「う・・うぅ・・あの野郎ッ!絶対殺すッ!!
カメリア「生キテル人間・・・見ツケタッ!!
―ガシィッ!
市川「!!?
カメリア「殺ス・・殺ス・・殺スッ!!
―ブチッ・・
カメリアの指が市川の首に突き刺さる。
市川「―ッ!?
カ、カメリアァー!何をッ!?
―ブチブチブチブチブチブチィッ!!
市川「あががぁあぁああああああッ!?
能力なのか、腕力なのかは分からない。
ただ、彼女の頭は・・ゆっくりと、非常にゆっくりと身体から引き離されていった。
市川「や!やめ・・!!ガァ・・・ッ!
――ブチィッン!
彼女の頭が地面へと落ちる・・・
カメリア「血ノ匂イガスル・・殺ス・・!
横たわるかつての本体に一瞥もくれず、殺人鬼のスタンドは校舎へと歩き出す・・・
ドドドドドド・・・
椎名「1mだ。
遥「・・・?
椎名「私の能力射程だ。警告はした。
遥「・・・あんたの能力が何だろうが、私はそれより早くあんたをぶっ飛ばすッ!!
椎名「・・・試してみるかッ?
遥「オォオォッ!!
スター・ゲイザーッ!
―ガッシィィッ!
遥「・・シューティングッ!
椎名「(フンッ!馬鹿め!私の能力で・・・
―チュドォオオッ!
―ガラガラ・・・
遥か後方に衝撃波による倒壊。
床には空気摩擦で発生した炎が発生していた。
椎名「・・・え?
遥「今のは警告・・・次は当てるわよ。
椎名「・・・!!(は、速すぎて見えないッ!?
遥「さぁ、明菜を返しなさいよッ!
ドドドドドドド・・
椎名「くっ・・
教頭「ひぃいっ!椎名!他のNo.を呼べえ~ッ!
椎名「尾出先生・・・ご心配には及びません。既にNo.6からNo.1まで・・・全員集結しています。
尾出教頭「・・・そ、そうかッ!それで・・どこにッ!?
―ドガァッ!
遥「ッ!?
悠「No.ってのはコイツ等の事かぁ~?
現れたのは横尾と御園。・・・それからボコボコになった三人の男達。
御園「尾出・・・待たせたな。
尾出「ひぃいぃいッ!?
椎名「No.6・・5・・・4・・・ッ!無様なッ!!
遥「横尾ッ!?お、遅いわよッ!
悠「ヌフフ・・・よぉ、ジョジョ。
明菜も・・・無事みたいだな。
ドドドドドドド・・
椎名「木村ッ!!娘を連れて下がっていろ!
木村「は、はいッ!
悠「・・・させねぇよッ!!S・C!
―ドシュウゥッ!
縄が投げられ、明菜と悠の位置が入れ替わる。
木村「なッ!?
―ドッグォオッ!
木村「うぐぁッ!
金属の球の重い一撃が、木村の顔面を捉える!
御園「この場で死ぬのはお前からか。
M・J・・・搾り取れッ!
木村「!!?
―ズゴォオォオオッ!
木村「血が・・吸い出されるゥウゥッ!?ぁあああああッ!!
悠「やめろ!殺すことはないだろッ!!
御園「・・・・
―ドサッ
木村「う・・ぅぁ。
御園「・・まぁいい。さっさと矢を手にいれるか。
悠「明菜!大丈夫か?
明菜「え、えぇ・・・
椎名「ipod!ッ!!
―バシュバシュバシュッ!
悠「うぉッ!?
ドドドドド・・
椎名「調子に乗るな・・・ッ!
悠「3対1のこの状況でか?
椎名「そうでもないぞ。残りのNo.も今ここに集まっている・・・3対4だ。
悠「何ッ!?
ドドドドド・・
?1「緊急召集だってから来てみたら・・こりゃ~大変だねぇ
?2「教頭、アイツ等ぶっ飛ばせばいいんだろ?
?3「・・・・・
遥「・・(気付かなかったッ!こいつ等、いつの間に・・・
御園「上城・・・矢は?
遥「(こいつが・・殺人鬼?)・・・私が持ってるわ。
御園「そうか、ならばこちらへ渡せ。大人しく渡せば全員無傷で返してやる。
遥「――ッ!あんたなんか渡せるかッ!!
ゴゴゴゴゴゴゴ・・・
御園「・・・
遥「・・・
御園「フン、親子揃って強情だな。
ならば力づくで奪い取るとしようかッ!
遥「(コイツ!父さん達を知ってる!?やっぱり殺人鬼なのか!!
悠「てめぇッ!!ジョジョに手ェ出すな!!
―バシュッ!
悠「!?
椎名「どこを見ている?
悠「・・ちぃッ!
明菜「(ジョジョが・・危ない!
でも携帯がないと・・・ッ!
御園「メタル・ジャスティス・・・
悠遥「スター・ゲイザー!
ォオオォオオッ!!
オラオラオラオラオラオラオラオラオラッ!!
次回【御園VS遥&悠VS椎名&No.s】
木村(No.8)
スタンド【バーバル・アイズ】
御園(メタル・ジャスティス)の攻撃により再起不能(リタイア)・・・
スタンド【バーバル・アイズ】
御園(メタル・ジャスティス)の攻撃により再起不能(リタイア)・・・
使用させていただいたスタンド
No.381 | |
【スタンド名】 | メタル・ジャスティス |
【本体】 | 御園 |
【能力】 | 範囲内にある金属を引き寄せて溶かす |
No.546 | |
【スタンド名】 | カメリア |
【本体】 | 市川 |
【能力】 | 本体の視界に入った一人の人間の首を切断する |
No.927 | |
【スタンド名】 | ドロップキック・マーフィーズ |
【本体】 | 幸田 |
【能力】 | 四体はそれぞれ本体の四肢と連動しており、これによって本体の身体能力を飛躍的に向上させる |
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