これは……。
どうしたものか……。
どうしたものか……。
周囲のイタい視線を感じながら、亜希はこの状況を打開する案を模索した。
ことの始まりは偶然だった。
まず最初に、前日の雨で地面が濡れていた、ということを考慮しておいてほしい。
1.亜希は商店街を歩いていた。
2.曲がり角で少女と出くわした。ぶつかりそうになった。
3.とっさに動きを止めようとしたら、足が滑って思いっきり転んだ。
4.そのとき亜希の足が見事に少女のアゴに直撃した。
5.『グラットニー』で何とか転ぶのは免れたが、反動で少女にヘッドバットを炸裂させてしまった。
2.曲がり角で少女と出くわした。ぶつかりそうになった。
3.とっさに動きを止めようとしたら、足が滑って思いっきり転んだ。
4.そのとき亜希の足が見事に少女のアゴに直撃した。
5.『グラットニー』で何とか転ぶのは免れたが、反動で少女にヘッドバットを炸裂させてしまった。
結論.少女は昏倒した。
亜希が焦って駈け寄ると、少女に見覚えがあった。
彼女は一年B組で亜希の前の席に座っている、「鷺沢 萌(さぎざわ めぐむ)」という少女だった。
彼女は一年B組で亜希の前の席に座っている、「鷺沢 萌(さぎざわ めぐむ)」という少女だった。
幸い亜希はアクターたちとは違ってマジメに授業を受けていたので、
こういったときの対処法は既に知っていた。
こういったときの対処法は既に知っていた。
亜希「ええー……と、まずは意識の確認……。」ズイ
亜希「起きてますかー?」ペシペシ
明日からどうやって顔を合わせればいいのか憂鬱になりつつ、軽く頬を叩く。
パチイ!
亜希「 」ギョッ
と、急に萌の目が覚まされる。頬を叩く亜希の手を掴んだ。
亜希(お、怒られる……?)
しかし、次の瞬間亜希に浴びせられた言葉は予想外のものだった。
萌「お姉さま ……。」
亜希「はっ?」
亜希「はっ?」
ド ド ド ド
そんなわけで、亜希は今右腕に少女を一人くっつけていた。
萌「お姉さまの蹴りと頭突き、本当にスバらしかったですっ!
私の日ごろの欲求を全て晴らしてくれるコンボでした!あなたみたいな人 にであえてよかった!」
亜希「ああ……、そう……。」
私の日ごろの欲求を全て晴らしてくれるコンボでした!あなたみたいな
亜希「ああ……、そう……。」
亜希とて、自分がM かS かと問われたらS である、と答えるだろう。
しかし、彼女は「どちらかと言えば」であり、普段はいたってノーマルな人種だ。
蹴られ頭突きされて悦ぶ人種とはお付き合いしたくない真っ当な性癖の持ち主だ。
しかし、彼女は「どちらかと言えば」であり、普段はいたってノーマルな人種だ。
蹴られ頭突きされて悦ぶ人種とはお付き合いしたくない真っ当な性癖の持ち主だ。
萌「実はわたし、最初に会ったときからお姉さまに虐げられたいって思ってたんです!
お姉さまの一見小柄ながら、鋭い刃物を連想させる雰囲気……一目みたときから、虜になってたんです!」
亜希「あはは、うん……。嬉しいね……。」
お姉さまの一見小柄ながら、鋭い刃物を連想させる雰囲気……一目みたときから、虜になってたんです!」
亜希「あはは、うん……。嬉しいね……。」
もちろん、女性から好かれて嬉しい性癖も持ち合わせていない。
しかし、彼女の受難はこれで終わらなかった。
しかし、彼女の受難はこれで終わらなかった。
萌「お姉さま……。」
亜希「うん?なあに?」
亜希「うん?なあに?」
萌「『SMプレイ』って、興味ありますよね?」
亜希は涙が出てくる思いだった。
亜希「――で、その後二時間ほど自宅に連れ込まれて鞭を振らされてたってわけ……。
おかげで筋肉痛だよ……。」
JOJO「オーマイ……。」
おかげで筋肉痛だよ……。」
JOJO「オーマイ……。」
そしてところ変わって必府高校。既に全過程は終了し、教室は閑散としていた。
アクター「てめええ~~~っ!女のクセに俺よりモテるってどぉおお~~~いうことだッ!
その上それがイヤだと!?ナメんな!俺のことナメてんじゃねーぞ!
目覚めろ!目覚めてしまえ!そして人生台無しにしてしまえ!」 ブーブー
その上それがイヤだと!?ナメんな!俺のことナメてんじゃねーぞ!
目覚めろ!目覚めてしまえ!そして人生台無しにしてしまえ!」 ブーブー
亜希「……で、流石にこれは少年誌的にマズいから、彼女にハッキリと勇気を出して言おうと思うんだ。
私はノーマルだからかまうのはやめてくれ って。」
アクター「無視すんな!そして願いが贅沢だ!添い遂げちまえ!」
私はノーマルだからかまうのはやめてくれ って。」
アクター「無視すんな!そして願いが贅沢だ!添い遂げちまえ!」
JOJO「何?やめろ、そいつはやばいぜ亜希!相手は「二時間鞭打ち」だぜ。
そんなことを言えば萌は絶望して公開プレイに走るだろうぜ!」
アクター「…………。段々、亜希がカワイソーになってきた……。」
亜希「…………。」ゾゾオ――ッ
そんなことを言えば萌は絶望して公開プレイに走るだろうぜ!」
アクター「…………。段々、亜希がカワイソーになってきた……。」
亜希「…………。」ゾゾオ――ッ
亜希「そ……そうかなあ……。」
JOJO「決まってんだろ?いいかよ……鷺沢 萌にものの分別をつけるよう説得すんのはあとで考える。」
JOJO「今考えなきゃあならないことはよお、彼女を、暴走させねー方法 だよ……。」
JOJO「決まってんだろ?いいかよ……鷺沢 萌にものの分別をつけるよう説得すんのはあとで考える。」
JOJO「今考えなきゃあならないことはよお、彼女を、
JOJO「彼女に恨まれなけりゃ、公開プレイの心配もなく、安心して学校生活がおくれるってもんだぜ。」
アクター「そ……そりゃあそーだな~~。」
亜希「でもどーすれば……?」
アクター「そ……そりゃあそーだな~~。」
亜希「でもどーすれば……?」
JOJO「で!……今、思いついたんだがよ。どんなにドMな女だからってよ……。
無効が勝手にお前の事を「こいつマジキチ!ヤバイ!付き合ってたら殺される!」って
思えばメデタシ、メデタシだろ?」
亜希「そ……そう思ってくれれば何も言うことないよ。」
無効が勝手にお前の事を「こいつマジキチ!ヤバイ!付き合ってたら殺される!」って
思えばメデタシ、メデタシだろ?」
亜希「そ……そう思ってくれれば何も言うことないよ。」
JOJO「おまえがワザと彼女の前でそーいうことやりゃあいいんじゃあねーかよ!」
アクター「!!」
ポン
アクター「なるほどッ!そりゃそーだ!さえてんなJOJO~。」
JOJO「おおーどもども。」
(おめーにさえてるとほめられてもうれしくねーけどよーッ。)
アクター「!!」
ポン
アクター「なるほどッ!そりゃそーだ!さえてんなJOJO~。」
JOJO「おおーどもども。」
(おめーにさえてるとほめられてもうれしくねーけどよーッ。)
亜希「な……なにをすれば萌ちゃん……。私の事『ドSすぎ!』って思うかな?」
JOJO「まあいくらドMっつってもいくらなんでもよー。
『猟奇趣味』だとか『愛のない暴力』だとかは嫌いだよな……。」
『猟奇趣味』だとか『愛のない暴力』だとかは嫌いだよな……。」
亜希「りょ、猟奇趣味はダメだよ!今後の学校生活に支障が……!」
アクター「じゃあー『愛のない暴力』だなーッ!徹底的にやりゃあ――絶対におめーから離れるぜ!」
アクター「じゃあー『愛のない暴力』だなーッ!徹底的にやりゃあ――絶対におめーから離れるぜ!」
アクター「今日からおめー、会うたびアイツをぶん殴れ!それから帰り際にもぶん殴れ!火傷の後に爪をたてろ!
で……タバコとか熱した鉄棒とかたまに目隠しして「これは熱した鉄棒だ」っつってアイスを押し付けるんだよ。」
で……タバコとか熱した鉄棒とかたまに目隠しして「これは熱した鉄棒だ」っつってアイスを押し付けるんだよ。」
亜希「じょっ……冗談はやめてよ!私割りとマジメだよ!?」
アクター「俺も大マジで言ってんだぜーッ!ところかまわずぶん殴れ!!」
アクター「俺も大マジで言ってんだぜーッ!ところかまわずぶん殴れ!!」
亜希「…………。」
JOJO「そーだな……。それぐれー気合入れなきゃあダメかもな……。あとよー彼女……。
亜希に「お姉さま」っつって慕ってたらしいよな……。
「男に尻尾振る女」になんのもいいかもなあー。
自分は「男好きです」って告白するとかよ……。男連れて路地裏に入るのはどーだ?」
アクター「おおーそりゃあ嫌われるぜッ!」
亜希に「お姉さま」っつって慕ってたらしいよな……。
「男に尻尾振る女」になんのもいいかもなあー。
自分は「男好きです」って告白するとかよ……。男連れて路地裏に入るのはどーだ?」
アクター「おおーそりゃあ嫌われるぜッ!」
亜希「JOJOまでーッ!」
亜希「冗談じゃあないよ、そんなことしたら私のこれからの人生はおわりだよ!
他人ごとだと思ってええ~~~ッ!」
他人ごとだと思ってええ~~~ッ!」
JOJO「だがよ亜希、今……言ったこと、全てそのままやれとはいわねーが、
やるしかねーんじゃあねーのか……?ブン殴ってやめさせるわけにもいかねーしな!」
やるしかねーんじゃあねーのか……?ブン殴ってやめさせるわけにもいかねーしな!」
JOJO「彼女にうんざりしてもらうんだよ。おれたちも強力すっからよ……。なっ。」
亜希「…………うん。」
亜希「…………うん。」
そして時は流れ――翌日。
ワイワイ ガヤガヤ ワイワイ
スタ スタ
学校を歩く萌。(当然、流石に制服を着ている。)
JOJO「(よし、いくぜ。)」
JOJO「あの佐野 亜希がかよー!ぶったまげたなーっ!その話!」
アクター「清純そーな顔してみかけによらねーなあ――!亜希ってよおーっ!」
アクター「清純そーな顔してみかけによらねーなあ――!亜希ってよおーっ!」
JOJO「(こっち見てるか……?)」
アクター「(見てねーが確実に聞いてるぜ――っ!早く話せよ亜希の悪口!)」
アクター「(見てねーが確実に聞いてるぜ――っ!早く話せよ亜希の悪口!)」
JOJO「本当に『エンコー』してたのあいつ?最低だなー。」
アクター「ああそーとも。亜希が自分で話してたからたしかだろーよ。
でも『エンコー』をよー、困難を克服した手柄話のよーに話すなんて
ゲスい女だよな。」
アクター「ああそーとも。亜希が自分で話してたからたしかだろーよ。
でも『エンコー』をよー、困難を克服した手柄話のよーに話すなんて
ゲスい女だよな。」
萌「………………。」 ゴ
ゴ ゴ
スタ スタ スタ
ゴ ゴ ゴ
アクター「フゥ――、妙な圧迫感のある女よのおー、もっとひでーこと言えばよかったかな?」
JOJO「十分すぎるぜ……。あとは明日にでも亜希のやつが今のことをうまいこと萌にみとめれば、
彼女幻滅して亜希にかかわるのもやめるだろーよ。」
JOJO「十分すぎるぜ……。あとは明日にでも亜希のやつが今のことをうまいこと萌にみとめれば、
彼女幻滅して亜希にかかわるのもやめるだろーよ。」
その日の夜――。
亜希「フー。JOJおとアクター、あのあとうまいこと言ってくれたかな……。」
ボフッ
ベッドに横になる。
亜希「しかし疲れたよ、今日は。緊張したもん……。」
亜希「明日になって、彼女、私にSMを強制しなくなったらいいんだけど……。」
亜希(ああ……眠い……。)
ド ド ド
萌「ここね、お姉さまの家。」
窓に張り付く萌。
萌「お姉さま、ちょっとばかり 男子に誤解されてるみたい。」
ボンッ
窓の金具が爆裂する。
ガラガラガラ……
萌「うふふ……。お姉さま、寝てるのね……。寝顔も凛々しくってカワイイ……。」
ド ド ドド
亜希「ん……。」
翌日の朝、亜希は柔らかな日の光で目を覚ました。
萌「あ、おはようございます!お姉さま!」
ド ド ド ド ド
亜希の目の前には、ちょっと「アレ」なデザインのメイド服を身に纏った萌の姿があった。
亜希「ハッ!!」
もしや、と思い亜希は自身が被っている布団をめくってみた。
……予想通り、昨日の夜自分が着ていたはずのTシャツと短パンは姿を消していた。
かわりにあったのは「ネグリジェ」である。
……予想通り、昨日の夜自分が着ていたはずのTシャツと短パンは姿を消していた。
かわりにあったのは「ネグリジェ」である。
――ネグリジェとは……
中世フランスで17世紀ごろから使い始められた「パジャマ」である。
ちなみに現在でも女性用寝具として使用されている。ちなみに「ネグリジェ」とはフランス語で「だらしない」という意味がある。
ネグリジェは主に柔らかい素材がつかわれ、ゆったりとしたフリルやレースがついた優雅なデザインとなっているが、
パジャマとの一番の違いはネグリジェが「ワンピース」ということである。
ちなみにこのとき亜希が纏っていたネグリジェは生地が薄くなめらかで、レース状の装飾がなされたものである。
(むろん、萌の趣味100%である。)
中世フランスで17世紀ごろから使い始められた「パジャマ」である。
ちなみに現在でも女性用寝具として使用されている。ちなみに「ネグリジェ」とはフランス語で「だらしない」という意味がある。
ネグリジェは主に柔らかい素材がつかわれ、ゆったりとしたフリルやレースがついた優雅なデザインとなっているが、
パジャマとの一番の違いはネグリジェが「ワンピース」ということである。
ちなみにこのとき亜希が纏っていたネグリジェは生地が薄くなめらかで、レース状の装飾がなされたものである。
(むろん、萌の趣味100%である。)
亜希「萌……ちゃん?」
萌「お姉さま、男子に『エンコーしてる』だなんてあ ら ぬ 疑 惑をかけられてるみたいで……。
かわいそうなお姉さま……。お姉さまは未だ純潔を守り通しているというのに……およよ……。
そこで!私がお姉さまと愛をはぐくめば、男どももお姉さまが体を売っているなんて馬鹿げた妄想はやめるだろうと思ったので」
萌「お姉さま、男子に『エンコーしてる』だなんてあ ら ぬ 疑 惑をかけられてるみたいで……。
かわいそうなお姉さま……。お姉さまは未だ純潔を守り通しているというのに……およよ……。
そこで!私がお姉さまと愛をはぐくめば、男どももお姉さまが体を売っているなんて馬鹿げた妄想はやめるだろうと思ったので」
萌「申し訳ないですけど、ここでひとつ、強烈な「プレイ」をしてもらいます♪」
亜希「…………!」
亜希(JOJO、アクター……!)
ド ド ド ド
亜希(この娘、ヘンな理屈つけてSMプレイ要求してきたよ……!!)
To Be Continued...
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