萌「ご気分はどうですか?お姉さま。」
ド ド ド ド
シャアアアア!
カーテンを開ける。
萌「ここ、いい家でしょう?必府町の沿岸地帯の別荘を勝手に借りちゃったんです。
いまどき鍵をひとつ破壊するだけで侵入できるなんて、無用心すぎですよね。うふふ。」
いまどき鍵をひとつ破壊するだけで侵入できるなんて、無用心すぎですよね。うふふ。」
萌「お姉さまの寝顔……ジックリ見させてもらっちゃいました…………。
カワイイお鼻してるんですね。ウフフ……。」
亜希「め、萌ちゃん……?」サァア――ッ
カワイイお鼻してるんですね。ウフフ……。」
亜希「め、萌ちゃん……?」サァア――ッ
萌「萌って呼んでください……。もう私はあなたのものなんですよ?
お姉さま……「萌」って……。」
お姉さま……「萌」って……。」
亜希「そんな……。呼び捨てだなんて。」
萌「お願いします。呼んで欲しいんです……お姉さま……。お願いします……。
萌っておもいっきり!……なじるように呼び捨てにして欲しいんです…………。」
ゴ ゴ ゴ ゴ
萌「お願いします。呼んで欲しいんです……お姉さま……。お願いします……。
萌っておもいっきり!……なじるように呼び捨てにして欲しいんです…………。」
ゴ ゴ ゴ ゴ
亜希(さっさと満足させて帰ったほうが得策かな……。スゴイイヤなことだけど……。
スタンドを使って実力行使するわけにもいかないし……。)
スタンドを使って実力行使するわけにもいかないし……。)
亜希「…………。」
亜希「萌ッ!」
萌「ああ~~~~っ、いいッ!」
萌「ああ~~~~っ、いいッ!」
萌「イイッッ!!とてもいいですッ!すごくっ!」
萌「お茶でもいかがですか?私ガンバって練習したんです。お茶の淹れ方……。」
スッ
亜希(きょ、今日は土曜日……。今日と明日は少なくとも学校に行かなくても怪しまれない……。
JOJOたちも怪しがって私を助けに来たりもしないし……。)
JOJOたちも怪しがって私を助けに来たりもしないし……。)
萌「はい、淹れ終わりました。」
亜希「あ、ありがとう……。」スッ
亜希「あ、ありがとう……。」スッ
亜希(お、この紅茶おいしそう!)
…………。
そこで、亜希は自分を見る萌の「目」に勘付いた。
……「何か」を期待している「目」だ。これから行わなければならないこと、
そしてそれが分かってしまう自分自身がいやになった。
……「何か」を期待している「目」だ。これから行わなければならないこと、
そしてそれが分かってしまう自分自身がいやになった。
亜希「な……『何よ、このお茶』……。」
萌「 」ゴクリ
萌「 」ゴクリ
亜希「ぜ……『全然、淹れ方がなってないわね、こんなマズイお茶飲めるわけが……』」
萌「 」ウルウル
萌「 」ウルウル
亜希(も、もういやだ―――ッ!)
亜希「……『ないわ』。」
萌「申し訳、ありませんでしたッ……!」ズダッ
萌「申し訳、ありませんでしたッ……!」ズダッ
待ってましたと言わんばかりに跪く萌。
萌「『罰』を……お与えください、お姉さま……!
不出来な私に、『罰』を……!」
不出来な私に、『罰』を……!」
亜希「…………。」
萌「お尻で私の顔に……『座る』とか……。」
萌「「萌」って呼びながら……。」
亜希(……もう…………。)
萌「なじってほしいんですッ!ささ、どーぞ!圧迫祭りです!」
亜希(もう我慢の限界だ……!)
亜希「め、萌ちゃん?」
萌「『萌』でいいです!」
萌「『萌』でいいです!」
亜希「あのね……なんて言えばいいんだろう……。本当に「いまさら」で、
申し訳ない話なんだけどね……。うん。こうなったのも私の態度のせいで、
萌ちゃんには本当に申し訳が立たないんだけれど……。」
申し訳ない話なんだけどね……。うん。こうなったのも私の態度のせいで、
萌ちゃんには本当に申し訳が立たないんだけれど……。」
萌「?」
亜希「私……「ノーマル」なんだ。サドでもなければマゾでもない、一般人。」
萌「!!!」ガアアア―――ン!
萌「!!!」ガアアア―――ン!
亜希「だから……ね?私はこういうのを望んでないし、できれば萌ちゃんとも、
ちゃんとした友達としてお付き合いしたいと……。」
萌「でっ、でも!出会い頭のあのコンボは!?あれほどまでに強烈な攻撃は常人では……!」
亜希「あれは、雨で地面が濡れてて、それで足を滑らせて……。」
ちゃんとした友達としてお付き合いしたいと……。」
萌「でっ、でも!出会い頭のあのコンボは!?あれほどまでに強烈な攻撃は常人では……!」
亜希「あれは、雨で地面が濡れてて、それで足を滑らせて……。」
萌「そ、そんな……。」ガクッ
亜希「でっ、でも、萌ちゃんさえ良ければ友達付き合いだって続けていきたいし、
このことも誰にも言わないし、相談にも…………。」
亜希「でっ、でも、萌ちゃんさえ良ければ友達付き合いだって続けていきたいし、
このことも誰にも言わないし、相談にも…………。」
萌「……『予定……変更』よ……。」ボソ
亜希「え?」
亜希「え?」
萌「ホントはこの二日間でお姉さまとの愛を確実なものにするつもりだったけどッ、
お姉さまがそもそも「サド」でないなら予定は変わる!」
亜希「え?ちょ……もしかして……。」
お姉さまがそもそも「サド」でないなら予定は変わる!」
亜希「え?ちょ……もしかして……。」
萌「お姉さまにはッ!」
ド ド ド ド
萌「サドになっていただきます !」
亜希「なアアアアにィイイイ―――ッ!!?」
亜希「なアアアアにィイイイ―――ッ!!?」
ド ド ド
亜希「じょっ、冗談じゃあないッ!今までは我慢してたけど、
これ以上は本当に気が狂っちゃうってっ!悪いけど逃げさせてもらうよ!」
これ以上は本当に気が狂っちゃうってっ!悪いけど逃げさせてもらうよ!」
亜希「……!?」
そう言い踵を返した亜希は、思わず停止してしまうことになる。
バルバルバルバル……
そこには、「サクランボ」にプロペラがついたような、奇妙な形の『もの』があった。
亜希「これ……は……?」
萌「え!?お姉さま、これが見えるんですか ?」
萌「え!?お姉さま、これが
萌「うれしいっ!愛する人と同じ秘密を共有できるなんて!」
萌「先月……下校途中に後ろから何かで貫かれたら、いつの間にか目覚めていたこの才能……。
私……この才能に『チェリー・ボム』って名づけたんです。
私にしか見えない、私だけの「かわいい爆弾」……。私が触れても爆発しないけど、
私以外の「物」や「生物」が触れると爆発するから、気をつけてくださいね……。」
私……この才能に『チェリー・ボム』って名づけたんです。
私にしか見えない、私だけの「かわいい爆弾」……。私が触れても爆発しないけど、
私以外の「物」や「生物」が触れると爆発するから、気をつけてくださいね……。」
亜希(なるほど……!これで窓の金具を爆破して私の家に入ったわけね……!)
亜希「『グラットニー』ッ!」
亜希の体から『グラットニー』の右腕が発現し、『チェリー・ボム』たちの下の床を殴る。
グムォブムア!
木製の床が風船のようにふくらみ、『チェリー・ボム』に接触する。
ボンッ! ボンッ
『チェリー・ボム』が爆発し、消える。
亜希「……確かに、破壊力は強大みたいだけど、触れた物は無差別って言うんなら、
この佐野亜希に言わせてみればいくらでも対策はあるッ!」
この佐野亜希に言わせてみればいくらでも対策はあるッ!」
萌「ああ……。お姉さま、やはり凛々しい……。しかも、今出て来た
『太くて逞しいアレ』……。ものを肥大化させる能力?
あれを使えば、k」
亜希「あーあーっ!やめて!それ以上言っちゃだめ!あと『アレ』じゃなくて『腕』だから!
紛らわしい言い回ししないで!おねがいしますからあー!」
『太くて逞しいアレ』……。ものを肥大化させる能力?
あれを使えば、k」
亜希「あーあーっ!やめて!それ以上言っちゃだめ!あと『アレ』じゃなくて『腕』だから!
紛らわしい言い回ししないで!おねがいしますからあー!」
萌「……それはともかく、お姉さま……。のんきにツッコミなんてしてていいんですか?
私の『チェリー・ボム』はお姉さまの才能と違って、いくらでも出せるんですよ?」
亜希「えっ!!?」
私の『チェリー・ボム』はお姉さまの才能と違って、いくらでも出せるんですよ?」
亜希「えっ!!?」
ド ド ド ド
亜希の周囲には既に『チェリー・ボム』が配置されていた。
萌「どうです?身動き一つとれないでしょう?大人しく諦めて『女の世界』に……。」
亜希「『グラットニー』!」
亜希「『グラットニー』!」
シュン!
亜希は自身の体を縮めて『チェリー・ボム』の間をくぐるように上へ向かう。
亜希「はぁぁああ……!」
『グラットニー』が亜希の右腕を掴む。
ドッシュウ!
亜希の右腕が細長く変形する。
亜希「『グラットニー』の『縮小』と『肥大』の応用……!
私の腕の太さを『縮小』させ、縦方向に『拡大』した……!」
萌「お姉さま……!」
私の腕の太さを『縮小』させ、縦方向に『拡大』した……!」
萌「お姉さま……!」
亜希「そして当然スタンドである『グラットニー』の腕も同様に変形している……つまり……!」
グラットニー『シャウアァ!』ドッパア!
細長くなった『グラットニー』の腕が『チェリー・ボム』の隙間を縫って天井に衝突する。
同時に、天井に円形の穴があいた。
同時に、天井に円形の穴があいた。
亜希「天井の「体積」を局部的に奪ったッ!ごめんね、萌ちゃん!」ダッ!
ド ド ド ド
一人、一階に残された萌は――。
萌「うふ、うふふふ……!流石はお姉さま……鮮やかな逃走……。
惚れ直しましたッ!」
惚れ直しましたッ!」
ボオオンッ
萌の背後の窓が破裂した。
場所は変わって屋根の上。
亜希「ふう、『グラットニー』、解除。」ドシュウ!
腕の長さが元に戻る。
亜希「とりあえず、小さくなって風に乗って逃げようかな……。
必府町は湾岸で栄えた街……。海から吹く「風」に乗れば、一気に市街地まで戻れるはず……。」
必府町は湾岸で栄えた街……。海から吹く「風」に乗れば、一気に市街地まで戻れるはず……。」
カツ カツ カツ
萌「ダメですよ、それ。」
ド ド ド
ヒュン ヒュン
屋根の下から、『チェリー・ボム』が投げられる。
亜希「…………。」
グオオオオオオオ
亜希「め…………。」
亜希「萌ちゃん…………!?や……屋根に!?」
オ オ オ オ
亜希(や……屋根の上まで上ってきたっていうの!?スタンドを足場にして!」
萌「お姉さま……あなたに小さくなられて、風に飛ばされたりして……決して!
あなたを逃がしたりはしない…………。」
あなたを逃がしたりはしない…………。」
バアァッ
萌が手を振る。すると手の内から『チェリー・ボム』が現れる。
ビタアッ
『チェリー・ボム』は空中で静止する。
グッ
グッ グ グッ
亜希「…………。」
亜希(さっき私のまわりに配置したみたいに『スタンド』を空中に……。
階段梯子のように……ああやって登って来たんだね……。近づいてくる!)
階段梯子のように……ああやって登って来たんだね……。近づいてくる!)
萌「あなたは決してッ!逃がしたりはしない……お姉さま!」
萌「そして、ダメといったもう一つの理由です。はい、これ。」ファサア
亜希「?」
萌「ネグリジェを着たまんま市街地に下りたりしたら、お姉さま暴漢に襲われること間違いナシ!ですよ。ウン。」
萌「ネグリジェを着たまんま市街地に下りたりしたら、お姉さま暴漢に襲われること間違いナシ!ですよ。ウン。」
萌「お姉さまはもともと部屋着だったので、私が丁寧に見繕って服を用意したんです。」
亜希「……あ、ありがとう……。」スッ
その服に亜希は袖を通す。
服自体にはなんら不自然な点も「センス」がズレているといったこともなかった。
そしてサイズもぴったりだったが逆にそこが恐怖だった。何でコイツ私のサイズ知ってんだ?って気分になった。
服自体にはなんら不自然な点も「センス」がズレているといったこともなかった。
そしてサイズもぴったりだったが逆にそこが恐怖だった。何でコイツ私のサイズ知ってんだ?って気分になった。
萌「じゃあ、再開しましょうか……。」スッ
亜希「まって!動かないで!」
ド ド ド ド
萌「お姉さま……?」
亜希「お願い……それ以上『登って』こないで……。それ以上登って私に近づくなら、
それはもう私への「攻撃」と とるしかできない……。君とは戦いたくない……。」
亜希「お願い……それ以上『登って』こないで……。それ以上登って私に近づくなら、
それはもう私への「攻撃」と とるしかできない……。君とは戦いたくない……。」
萌(ああ――)
ゾク ゾク
萌(これよ!お姉さまの魅力はここ!一見優しげだけれど、その中にはドライアイスよりも
冷たくダイヤモンドよりも鋭い「意思」が眠っている!やると決めたときは「やる」凄みが!)
冷たくダイヤモンドよりも鋭い「意思」が眠っている!やると決めたときは「やる」凄みが!)
萌「『チェリー・ボム』ッ!」バアアァ!
亜希「……残念、だよ。」
亜希「……残念、だよ。」
亜希「『グラットニー』は既に君への攻撃を終了している!」
ググモモ
萌「ハッ!」
萌のいる場所の近くにある家の壁が膨らむ。
ドギューンッ!
萌「ぐ……ばあッ!」
ドガア!
亜希「『グラットニー』!」ドシュルルルル!
壁の『隆起』が吹っ飛ぶ萌を先回りして衝撃をガードする。
萌「う……。」
亜希「お願いだから、これに懲りたらSMを強要するのはやめようね?
私、それ以外なら何でも相談に乗るからさ。」フワッ
亜希「お願いだから、これに懲りたらSMを強要するのはやめようね?
私、それ以外なら何でも相談に乗るからさ。」フワッ
ドヒャアアア――
亜希はそういうと小さくなって風に乗り、市街地の方へ飛んでいった。
萌「お姉さま……。やはり凛々しくて美しい人……。」
――週明け、朝、通学中
萌「お姉さま~~っ!」
亜希「ヒィ――ッ!もう勘弁してよ~~~!」
亜希「ヒィ――ッ!もう勘弁してよ~~~!」
ヒシッ
萌(SMプレイはまだ出来ないけど、いつかお姉さまともっと、もおおお~~~っと仲良くなって承諾させてみせるわ!)
アクター「なあ、俺ら、多分お邪魔だよな?」
JOJO「間違いなくな。」
JOJO「間違いなくな。」
亜希「いやああ~~~ッ!一人にしないでええ――――ッ!!」
佐野 亜希
スタンド名『グラットニー』―→心労が130%ほど増えた。
スタンド名『グラットニー』―→心労が130%ほど増えた。
鷺沢 萌
スタンド名『チェリー・ボム』―→亜希につきまとうようになる。
スタンド名『チェリー・ボム』―→亜希につきまとうようになる。
JOJO、アクター
―→五月晴れのいい日が台無しになった。
―→五月晴れのいい日が台無しになった。
亜希たちが戦った家の持ち主
―→留守にしていたらいつの間にか鍵が爆破されてたり窓が割れてたり天井に穴が開いたり散々な目に会った。
―→留守にしていたらいつの間にか鍵が爆破されてたり窓が割れてたり天井に穴が開いたり散々な目に会った。
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