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31話「『星』が生まれた日」の巻

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orisuta

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アクター「それでよ……。どーやらY動物園にもスタンド使いの動物がたくさんできたらしくてよ……。」
亜希「ええっ、それホントー!?今度行ってみようよ!」
萌「私も行きます!」

JOJO「…………。」

必府高校の昼休み。同じクラスの彼らは教室でくっちゃべっていた。

JOJO「お前ら、盛り上がるのはいいけどよー……。
     今月、テストあるっての、覚えてる?」
アクター「え゛。」

――俺がはじめて亜希に出会って、すでにひと月ちょっと……。
いろんな出来事が立て続けに起こってるから「まだ一ヵ月しかたってないのか」って
感じだが……。暖かい陽気の五月晴れ……すごしやすい日が続いている。

亜希「ま、まあ、私はいつもちゃんと勉強してるけど……。」
萌「私もお姉さまと一緒の大学に行きたいからがんばってるわね。」

JOJO「アクターは……?」

アクター「てっ、てめええッ!金髪に染めてる不良のクセして何がテストだ!
      テストなんざスッポカすのが不良だろぉーがッ!」

JOJO「……あ――……。」

JOJO「色々ツッコミどころはあるが、とりあえずひとつ言っておくと、俺別に不良じゃないし。
     これも、染めたんじゃあなくて遺伝。地毛だぜ。」

アクター「!!!?」
亜希「なんだってェェ――ッ!」ガタッ
萌「【自主規制】の穴にツララをブッこまれた気分だわ!」

アクター「だ、だが……お前の親御さんは確か両方とも日本人だよな?
      もしかしてどっかのギャングの腹違いの兄弟だとか……?」
JOJO「落ち着けアクター、そのネタは既出だ。」

JOJO「ちと昔話になっちまうがな……。」

俺は昔――10年前くらいなんだが――、東北地方の、とある町に住んでいた。
今は他の市と合併しちまったらしいが、良い町だったってのは覚えてるよ。
その日は両親と一緒に少し遠出して動物園に行こうってことで、バスに乗ってたんだがな……。
突然、土砂降りになった。あのころはちょうど6月の梅雨どきだったから当然っちゃあそうなんだが……。

おかげでがけ崩れが起きてな。俺たちが乗ってたバスは飲み込まれちまった。

JOJO「ううっ……痛い……。お母さん?お父さん?」

目を覚ましたとき、俺は大きな岩の下敷きになっていた。
押し潰されている部分が熱かった。多分出血してたんだろうな。

??1「きみ!動かないで……。今に「――」君たちが助けにきてくれるから!
    ぼくのスタンドじゃあ、瓦礫をどかすほどのパワーはないから……。
    「――」君たちが来るまで、そこでサナギになったカブト虫みたいに大人しくしててよ!」
JOJO「……?」

??2「ドラア!」ボッガア!

??2「助けにきたッスよオ~~~ッ!「――」!ん?なんスか?そのガキは?」
??1「ぼくたちと同じ、生き残りの乗客だよ。この子、大分血を流しすぎてる!早く治療しないと……。」

??2「俺のスタンドに治せねえ傷はねーッスよーッ!ドラア!」ズギュン!

そのとき、男の顔は逆光でよく見えなかった。なんかヘンなもん頭に載せてるな、ってことは分かったがよ。

??1「どう?「――」君!」
??2「ああ、治した……。確かに治したが……、このままだとこのガキ、死んじまうッスよ~~!
    こいつはグレート!このガキ、血を流しすぎたみてーッスねーッ。」

??1「ど、どういうこと!?」
??2「俺のスタンドは体の外に出て固まって物質になった血には能力が使えるが、
    まだ固まってない血液に対して『治す』ことはできねー……!血液は外に出ただけじゃあどこも
    壊れてないからだッ!つまり、血を流しすぎて貧血になりすぎて死ぬことを防ぐことはできねー!」
??3「どれ、それなら輸血をすればいい話じゃあないか?」ズイ

??1「ああっ、「――」先生!無事だったんですね!」
??3「ぼくは勘がいい方でね。瓦礫の衝突より一瞬早く「――」のあほに命令を書きこめた。
    『私は「――――」に向かってくる岩をスタンドで全て削り取ります』とね。」
??4「人遣いが荒いぜーッ!ま、そのおかげで俺も助かったんだがよォ――。」

??3「まったく、動物園に行きたいから保護者役をつとめてくれ……なんてお願い、
    「――」くんの頼みだからって聞くんじゃあなかったな。フン!」

??2「それより、「――」!輸血するってーのはどーいうことだ!?」
??3「簡単な話だぜ。ぼくのスタンドでこのボウズの血液型をちょいと『読め』ば、
    輸血すべき血液型が分かる。あとはその血液型と同じ血液を輸血してやれば全て解決するってわけだ。」

??3「どれ、ひとつ『読んで』やろうかな!」ドビャア!

JOJO「うっ、うっうっうあっ――!?」
??2「落ち着け、ダイジョーブだ。危害は加わらねーよ。」

??3「フムフム、名まえは川端 靖成。
    なになに……この町に住んでいて、今日は両親と一緒に動物園に来ていた……。
    といっても、このありさまじゃあおそらく両親は――」
??2「いいから早く『血液型』を読めっつってるんスよォ――ッ!いい加減にしねーとシバくぞ!」

??3「分かってるって……うるさいな……。血液型は……フムフム……『B型』ァ?」

??3「この場にいる4人の中で『B型』はぼくと「――」の二人だけだぞ……。どうする?」
??2「んなもん、俺たちで輸血するしかねーッスよーッ!輸血道具は?!」

??3「そんなもの、こんな場所にあるわけないだろ。ぼくは『ブラック・ジャック』じゃあないんだぜ。」
??2「じゃあどォォ――やって輸血するっつーんだァアア―――ッ!!」

??1「あッ、なるほど!」
??2「どーした?「――」!……。」

??3「フン、どーやら「――」くんはもう気付いたようだな……。」
??1「「――」くんの能力で『治』せばいいんだよ!「ガラス」か何かを「チューブ状」にさ!!」
??2「なるほど、そうすりゃあ確かに輸血用のチューブが完成するな!でかしたぜ、「――」!」
??3(まあ考えたのはぼくだがな……。)

??2「そうと分かれば「――」と俺の血液をコイツに分けてやれば……」
??3「おっと、それは危険だ。」

??2「どーいうことだ?」
??3「『拒否反応』っていうのを知っているか?臓器なんかを移植したときにも起こる現象だ……。
    臓器移植された体が臓器を「異物」と認識して、うまく適合しないことだ。輸血なんかでも起こりうる。
    輸血のときに同じ血液型にしないといけないのも、そうしないと血液が凝固しちまってかえっておっ死んじまうかららしい。
    まして、二人の血液をあたえるのなんて絶対タブーだろうぜ。」

??3「ま、ぼくがやってもいいんだが、こーいうのは若いきみがやったほうがいいんじゃあないか?」
??2「(こいつ自分がやりたくねーだけだろ……。)分かったッスよオ~~ッ。たかが17と21じゃあ大して
    年齢もかわらねーが、ここは大人しく引き下がって……」

??2「輸血してやるよオ~~~ッドラア!」ズボオ!

ドシャシャ!ドッス!

JOJO「うぐっ!」

??2「こらえろよ~~~~ッ!ガキ!俺もこれは結構キツイんだぜ――ッ!」ドギュオオオオオオ

ド ド ド ド

??3「ム?このボウズの『ページ』に何かが浮かび上がってくるぞ……?」

―――BLOOD


            ド
                     OF

ド                             ド

ド                  ド
         |
        () ○  E                     ド
                 S  T   A   R
                                      ド

                                     (ジョースターの血統)

ド オ オ オ ―――― ン!

JOJO「うぐっ……ああ……。」ガクッ

??2「くはーっ、くはーっ、どーだ!?「――」!ガキの様子は!」
??3「ああ、『ページ』にも血液が満ち足りて、拒絶反応もないと書いてある。」

??2「フーッ、よかったぜ……だが、今度は俺が……貧血……気味……。」ガクッ
??1「「――」くん!」
??4「大丈夫だよォ、「――」。貧血で気絶しただけだぜ。去年の『あの事件』の時の方がよォォ――
    よっぽど血ィ流しまくってたからな、心配するこたぁねーぜ!」

??3「だが、どーやらもっと他に気をつけなければならないことが生まれたようだ……。
    やれやれ、「―――――」さんに、「―――――」、そしてクソったれの「――」に、このボウズ、川端 靖成……。
    ぼくたちは、つくづくこの『血統』と縁があるみたいだな。」
??1「? どーいうことですか?先生。」

??3「こいつとまた会うときがあれば、いずれ分かることさ……。」

ド ド ド ド

ペリ……

JOJOの首筋の皮膚が捲れ、そこに文字が浮かぶ。

スウ……

――★HEAT WAVE!★

             ド ド ド ド

JOJO「――というわけで、男たちが輸血とか言ってるころから記憶がないんだが、
     俺が目を覚ましたときにはすでにそこは病院で、俺を助けた男は既に退院したあとだった。
     そのあと俺は男を捜したが、当然見つかるはずもなく、オヤジとオフクロも事故で死んじまったんで、
     必府町に住んでる俺の親戚に引き取られて、今に至るってわけだ。」

アクター「なるほどなア――、で、それでなんで髪の毛が金髪って話になるんだ?」
JOJO「俺のオフクロは口汚いアメリカ人でなー、髪の色は金色だった。」

亜希(なるほど……それで「オーマイ」か……。)

JOJO(あのとき聞こえた「17歳」という言葉――、あれが本当なら、今頃あの人は「27歳」か。
     あの町――――)

JOJO(『杜王町』に行く機会があれば、ぜひとも会ってみたいもんだがなあ……。)

このときと同時刻、必府駅前――

スタ スタ

華麗な身のこなしで、女性が歩いている。

ドン!

ゴロツキ「おう、姉ちゃん!てめぇーどこ見て歩いてるんだ!?ちょっと付き合って……」

スッ

言いかけたゴロツキの唇に、細く白い指が当てられる。

ゴロツキ「…………!」
??「汚い言葉で、自分を貶めちゃ駄目。」

ゴロツキ「この…………!クソアマがッ――!!」ブン!

ゴロツキが女性に拳を振り下ろす。
拳が女性に当たる――!

スカッ

と思われた「ギリギリ」の位置を、ゴロツキの拳はからぶった。

ゴロツキ「―――えっ? あれ?どうしてッ?」

ブン! ブン! ブン!

すっかり狐につままれたような表情をしながら、必死に女性に拳を振り回すが、それも全て当たらない。
まるで女性が「決して拳の届かない領域」にいるかのように、拳がそっちに向かわないのだ。

スッ スッ

そして女性が拳の間を縫うように、ゴロツキに接近する。
言うと簡単だが、女性はスタンド使いの象徴たる人型のヴィジョンを出してもいなければ、
超スピードで拳を避けているといった様子でもなかった。ただの人並みのスピードなのに、何故か当たらないのだ。

ゴロツキ「ひっ、ひえええ――!」

ゴロツキはすっかりその姿に怯え、しりもちをつく。
否、怯えた、というよりは「畏怖した」と言った方が正しいだろう。
彼女の姿には、一挙手一投足には、それだけの「カリスマ」があった。

??「どうして怯えているの?何も恐ろしいことなんてないのよ……。あなた、名前は?」

ゴロツキ「ひっ、いっ、飯塚真ッ、ですッ。」

ゴロツキは恐ろしさのあまり、無抵抗で名まえを告げる。

??「真くん、ね……。安心しなさいよ……。怯えてしりもちつくほどビビらなくたって、いいじゃあない……。
   畏れることはないわ。私と仲よくなりましょう……?」

スッ

女性がゴロツキの頭を軽く撫でる。

ゴロツキ「あ、ああ……ああ…………。」

それだけで、ゴロツキの表情が見る間に母親と談話している子供のようにおだやかなものになっていく。

??「ほら、男の子でしょ?大丈夫?立てる?」
ゴロツキ「は、はいッ!あ、あの……よければお名まえを……あッ!いや!別に悪用するとかではなく」

??「『雷鳥』よ。『平塚雷鳥』。それが私の名前。」

ゴロツキ「あ……。」

雷鳥「それじゃあね、真くん。」ニコッ

ド ド ド ド



To Be Continued...




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