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32話「私、魔法少女なの その1」の巻

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orisuta

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??「うっ、うわあああ!」ドザア!

男が心底怯えた表情でしりもちをつく。

雷鳥「……どうしたの?もう、お手上げ?」

ド ド ド ド

雷鳥「ほら、そんなにビビらなくったって、いいじゃない……?『矢』を追っているスタンド使いのこと、知ってたら教えて?
    それだけなの……。それさえ教えてくれれば、何もしないって言ってるのに……。どうして襲ってきたりするの?」
??「やっ、『矢を追う者を始末してくれ……』……!あの日、俺は『ディープ・フォレスト』にそう言われた!
   それを果たす機会はなかなか訪れなかったが、今……!それを果たす機会がやってきた……!理由なんてそれだけだァ!」

グオオオオ!

男の体から屈強な肉体の人型スタンドが現れる。

??『オオオララアアアアアッ!』

男のスタンドが高速のラッシュを放つ。対して雷鳥はスタンドのラッシュに見さえしない。
しかし、ラッシュの拳の一発たりとも雷鳥に命中しない。

雷鳥「子供の頃……思ってたのよね…………。」

ド ド ド

雷鳥「世界は、永遠に続くテレビ番組のようなもの。」

ド ド ド ド ド

雷鳥「テレビ番組は次に何が起こるか分からないから、面白い。
    世界も、次に何が起こるか分からないから面白いし、同時に恐ろしい。」

ゴ ゴ ゴ

雷鳥「でも、今私はちぃーっとも楽しくなんかないし、恐ろしくもないわ。だって、何が起こるか、
    既に分かりきってるんですもの。結果の分かっていることなんかしてもなんともないわ。」

雷鳥「何度も見飽きた録画内容を見るみたいにね。」 ゴ ゴ ゴ ゴ

ズウウ―――  ズウウ―――

男の高速かつ強烈なラッシュは、一発も雷鳥に当たることなく通り過ぎていく。

??「アアアアアアアッ!ウアアアアアアアアアアア!!」

それでも、必死に男はラッシュを繰り返す。

スウ……

しかし、拳は当たらず、雷鳥は静かに接近を続ける。

そして―――

トン

男の額に、雷鳥の人差し指がぶつかる。

雷鳥「ほら……ね?」

男の精神の緊張は、限界を突破した。


名前不明
スタンド名不明―→緊張の限界を超え、精神が再起不能。


雷鳥「『ディープ・フォレスト』……懐かしい名前が出て来たものね……。あのとき、『矢』で射抜かれて以来かしら?」

ド ド ド ド

――同日PM6:30――JOJOたちの通学路

フラァアア

夕暮れのあぜ道、現代においてはこの上なく『ウいた』人影がただよっていた。
人影のシルエットはごつごつしている。というのも当然。「そいつ」は場違いな鎧を着込んでいる。

D・F『チィッ……すたんど使イドモメ……。コトゴトクチッポケナ クソガキドモニ
    ヤラレテイル……。私ノ本体デアル『矢』ノ決定ニシタガッテ射抜イテハイルガ、
    クソッ……。ココマデクルト『矢』ノ運命ぱわーノ探知ヲ疑ウゾ…………。』

『ディープ・フォレスト』、その人(『そのスタンド』か?)だ。

グイン!

と、『ディープ・フォレスト』の手中にある『矢』が急に向きを変える。
「獲物」を――『素質あるもの』を見つけたときのサインだ。

向いた方向は、『ディープ・フォレスト』の前方――20m。
少女だ。かなり小さい。亜希の身長――160cmくらい――を、10cmは下回っている。

少女「はあ――ッ今日もパトロール疲れたなあ。」

D・F『アイツモ射抜クノカ?『モウ9人目』!……ダゾ。新シイ……
    『すたんど使イ』ハ アノ少女ヲ射抜ケバ『9人』ニナル……。』

D・F『ダガ9人イレバモウ十分ダロウッ!コレデコノ『でぃーぷ・ふぉれすと』ニ近ヅコウト
    スル者ハ……全テ抹殺デキルッ!』

グオ オ オ オ オオ

D・F『ハァーッ!』 ドッシュゥ

ギャン

『矢』は『ディープ・フォレスト』の手を離れ、少女の後姿めがけ一直線に直進する。

が。

パッキィィ―――ン!

少女の首筋に当たった『矢』は、突き刺さらずそのまま弾き飛ばされる。

D・F『ナニッ!?』

少女「ン?」「?」

バサッ

少女「…………。」

少女はそのことに気付かず歩いているが、その首筋には、一筋の血。

ツツ――ッ

少女「ううっ!痛……。」

遅れて痛みがやってきたのか、首筋を押さえる。

D・F『ナ……ナンダ!?ツ、突キ刺サラナイゾ。ア……アイツ……
    ド、ドウイウワケダ……?『矢』ガ選ンダ者ダトイウノニ
    『矢』ガ突キ刺サラズハジカレタゾ…………。』

ド ド ド ド ド ド ド ド ド ド ド …………   ……


AM7:30――JOJOたちの通学路

スタスタ

アクター「――というわけでよぉ、妹たちが「プリクラ」?だっけ?そんな感じのよー、『魔法少女モノ』っていうのかね?
       そーゆう『アニメ』にハマっててよォォ~~ッ。俺は朝のニュースを見て日曜日を体感してーのによー。」
JOJO(こいつ妹いたのか……。つーか朝のニュースを見て曜日確認なんてオヤジくせー。)
亜希「まあ、男の子には男の子のロマンがあるわけだし、女の子にも女の子のロマンがあってもいいんじゃない?」

アクター「まあ、そうだけどよ……」    「!!」

アクターが突如足を止める。

JOJO「……どーした?アクター。」
亜希「目の前に何か……」   「!!」

アクター「どーしたもこーしたも……見てみろよ……。あれ……!」

コォォォォォ……

ド ド ド ド ド

アクターが指差したその先には、『魔方陣』。チャチいアニメなんかにあるみたいな、
よくわからない文字列のものが円形にならんでいる。

JOJO「……オーマイ!」

そして、その『魔法陣』の中心には少女が仰向けに倒れていた。

アクター「しっ、しっしっしかもあれはっ、まっ、『魔法少女』じゃねーかッ!」
      (こいつは大発見だッ――!サインをもらえばきっと妹たちは喜ぶに違いねえッ!)
JOJO「さらにあの制服はウチの高校の近くにある中学校のものだぜ……!」


ド ド ド ド

少女の着ている服装は、亜希が身に付けているセーラー服と似ている部分があったが、
スカートの丈が短かったり白いローブを羽織っていたりと、どう考えてもこの世界の住人とは思えない風貌であった。

ボソ                                     ボソ
JOJO「(……気をつけろよ、新手のスタンド使いかもしれん。)」                          ボソ
亜希「(うん……。分かってるよ。アクターがちょうど「魔法少女」の話題をフった瞬間に現れている……。
    つまり彼女自身が能力の産物ってことも十分に考えられる。)」
アクター「(……めんどくせ―ッから俺が直接叩き起こしてやる!(そんでもってあわよくばサインだ!))」        ボソ

JOJO「あッまて……。」

アクター「おいてめェ~~~ッ!そこのガk」
少女「パチィッ!」

アクター「!?」

少女が突如目を見開いた。

バッ バッ

少女は若干取り乱したようにあたりを見渡す。

少女「ッ!? こっ、ここはッ!?」

アクター「…………。」ド ド ドド ド

亜希「あ、あのぅ~~~っ、どうしたの?」

少女「私は……確か昨日『音魔(おんま)』の襲撃を受けて……そ、それから……。」
JOJO(『オンマ』?襲撃?大丈夫かこの少女……もしかして『ディープ・フォレスト』に襲われた一般人なのかも……。)

少女「はッ!?あなたたちは!?」
アクター「俺たちは通りがかりの学生だけどよー。ちなみに今は朝8時前。通学中だぜーッ。」

少女「は、はあ。えっと私の意識があったのは夕方の6時だから……、くッ。14時間も……疲れが出ちゃったか……。」

JOJO「つ、つかぬことをお伺いするが、アンタ一体何者だ?」

少女「私?私は……」

一同「ゴクリ……。」

一同は緊張のあまり固唾を飲み込む。

少女「ただの学生です。ウン。中学生です。」

ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ

JOJO「(が、学生だとォ~~~ッ!?あんな場所でブッ倒れておいて、イマサラ シラを切るってのかッ!)」
亜希「(微妙だね……。新手のスタンド使いかもしれないし、ただの変わり者の中学生なのかも……。)」

アクター「おいッ!てめーそんな日曜朝8時半にお茶の間に現れそうなカッコーしておいてそんな理屈が通ると思ってんのか!
       ちょっと、俺に付き合ってもらうぜェ―――ッ!」

ド ド ド

亜希「あッ!まってよアクター!」

アクター「いいやまたねえ!(そしてサインだッ!)」

ド ド ド ド

アクター「『ブラック・アイズ・ピース』ッ!」グオオン!

少女「!!」

アクター「『身構えた』な!お前スタンド使いか!(なんだ……スタンド使いかよ…………ちょっとショック……。)」
アクター「さてはお前追っ手かア―――ッ!ぶっ飛ばす!」

少女「……くッ!『ゴーレムタイプ』の『音魔』……!あなた、もしかして『音魔』に取り憑かれている……!?」
アクター「オンマだかトンマだかしんねーがッ!スタンド使いだってことが分かった以上、大人しく引き下がることはできねえ!」

グオオオオオッ!

BEP『ウオオオオオオオオオオオッ!!』

亜希「まっ、待ちなよ!まだ攻撃もされてないのにッ!」

少女は黙って手をかざす。

シャアン

JOJO「な!?『魔法陣』!?」

少女「『プロテクション』!」
アクター「はッ?」

グオオオオオン!

アクター「うおおおおお!?」

亜希「な!『魔法陣』から空気の『波』が現れて!?」

アクター「馬鹿な!『ブラック・アイズ・ピース』の体が散らされたッ!?なんだこの能力!」
JOJO「しかも待て!さっきの……スタンド『ヴィジョン』が発現していないのに能力を使ったぞ!
     彼女の能力!何か……何かおかしい!」

アクター「だがまあ、てめええ――の『スタンド能力』、『プロテクション』っていうのか……?その能力は割れたぜ!
      『空気の波』を放つ程度の能力、俺の『ブラック・アイズ・ピース』にかかりゃあよォオオ―――ッ!」

グワワワワ……

少女のまわりを『ブラック・アイズ・ピース』の煙が包囲する。

ド ド ド ド

少女「『スタンド』……それが、あなたたちの『音魔』の呼び方なんだね?」
JOJO「……なんだ?あの少女の余裕…………。」

少女「『フライ』!」

ドギュアア!

少女の体が飛び上がる。

亜希「えっ!?」

ド ド ド ド

キィィ――― ン

JOJO(なんだ……?この耳鳴りのような「音」は…………。)

少女「さて、ここまでやっちゃったら流石に隠しきれない……か……。
    自覚してないかもしれないけど、あなたたちは今『音魔』っていう、「悪魔」みたいなものに取り付かれてる状態なの。
    私は『平行世界』から派遣された『魔法戦士』。この世界風に言うと……『魔法少女』って言ったほうがいいのかな?」

少女「名前はリオ・スカイライン・ムラーノ。あなたたちを…………」

リオ「『解放』しますッ!」 ドッギュウ!



To Be Continued...




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