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【スター】オリジナルスタンドSSスレ【ゲイザー】第二十二話

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orisuta

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氷室「まさか・・・!

庵治「おいおい・・不吉な予感がプンプンするぜぇ?

明菜「きっと薄暗いからはぐれちゃったのよ・・!きっとそう!


ゴゴゴゴゴゴゴ・・・

准一「・・・おい、
その横尾って奴は帽子を被ってるか?

遥「・・ええ。

准一「背は・・高いか?

氷室「あぁ、180はある。


准一「だったら・・
後ろだ。


そう言って、准一は遥たちの後ろを指さす。


ゴゴゴゴゴゴ・・・

そこには、悠が立っていた・・・少し離れた陰にいるのでハッキリ確認出来ないが背格好からして間違いない。


遥「横尾ッ!アンタ何やってんの!?


ゴゴゴゴゴゴ・・・

悠「奴に・・襲われて・・・ッ!
っぐッ!
すまない、足を怪我してこれ以上歩けないんだ・・・
誰か肩を貸してくれないか?



氷室「仕方ねえなぁ・・・オラ、庵治も手伝え。

庵治「えぇ~ッ!?俺もかよ!?


うだうだ言いながらも悠を助けに向かう二人・・・
しかし、悠は来てもらいたいとは思っていなかった。


ゴゴゴゴゴゴゴ・・・


悠「(来るなッ!!
罠だ!来るんじゃねぇッ!!
・・・くそ!何で喋れねぇんだよッ!?

焦る悠の耳元で、乱堂が囁く。

乱堂「今、お前の考えている事が手に取るように分かるぞ。
・・・波紋を体に流して、声帯を操らせてもらっている。
あらがう術は無いよ。


ゴゴゴゴゴゴゴ・・・

悠「早く!助けてくれ!
(・・ッ!来るな!!

氷室「うるせえ!!そんなに叫ばなくても聞こえてんよッ!
待ってろ!


二人と悠の距離が2mまで近づく。
 
 
 




氷室「オラよ、手ぇ出せ。

庵治「まったく!世話のかかる奴だぜ・・


悠「あ、あぁ・・すまねえな。
ただ欲を言えば・・遥が良かったなぁ~・・なんてね。


氷室「ッ!!

庵治!下がれッ!!




庵治「え?


―ドゴォオオッ!!



庵治「うエッ!?


一瞬だった。
庵治の体を、アクセンスターが貫く・・・

そのまま、宙吊りになった庵治の体は消滅を始める。

―ズバズバズバ・・ッ


庵治「ぉ・・ぉおおッ!!
畜生がッ!!



―ガシィ!

アクセンスターの腕を掴み、抜けないように力を入れる庵治。

乱堂「・・・?
抜かさないつもりか。


氷室「庵治ッ!!!


庵治「アンカー・フィッシュ!!!
こいつの腕を喰い千切れッ!!


―ガバァッ!


乱堂「そのやる気は買うが・・・全くの無駄だな。


鋭い牙の並んだ顎が、アクセンスターの腕に噛みつこうと開かれる。


庵治「腕一本・・・もらったぜ!


―ガッチィイイ!!




庵治「・・・な!?



ゴゴゴゴゴゴ・・・

A・Fの牙はアクセンスターの腕を捉える事が出来なかった。


アクセンスターの肩から先が・・・消え失せていたのだ。


―ドシャッ

それを確認するのと同時に、庵治の体は地面へと落下する。



庵治「じ・・自分の腕を・・・消したのかッ!


乱堂「意外そうな声を出すなよ・・・僕は、自分の身体を消せないなんて、一言も言った覚えはないよ。

庵治「くそ・・
があぁあああッ!!


―ズバズバズバッ・・・!



・・・・

氷室「庵治ぃ~ッ!!


ゴゴゴゴゴゴゴ・・・








庵治 良二
スタンド【アンカー・フィッシュ】
―消滅。再起不能。







氷室「レッド・ホットォオッ!!


―ズバァッ!


R・Hの拳が乱堂の服を掠る。


乱堂「おっと。
フフ・・危ない危ない。


焦げた部分を手で払いながら、氷室へと向き直る乱堂。

ドドドドドドド・・・


乱堂「服を焦がす能力とは珍しいな。

氷室「てめえ・・・


悠「・・・!(氷室!挑発に乗るなッ!



ゴゴゴゴゴゴゴ・・・

氷室「俺を怒らせようってんなら、無駄だぜ・・
俺は既にこれ以上無いくらい、スゲー怒ってんだからな・・・!

乱堂「・・・・

氷室「だがよォ、不思議な事に・・これ以上無いくらい、スゲー冷静だ。


―・・カキンッ


おもむろにライターを取り出し、火をつける氷室。

氷室「てめえが何でも消せるってんなら、消してみな・・・


―ゴウゥッ!!


そう言うや、ライターの火は一瞬にして巨大な炎となり、辺りの草木を燃やし始める。


ゴゴゴゴゴゴゴ・・・


乱堂「・・・フン。

氷室「この炎はスタンド。俺の意のままに操れる。
触れるもんなら、触ってみろ!!


乱堂「アクセンスターッ!


周囲を揺らぐ炎を消すため、突きを繰り出す乱堂。



―ズバァーッ


―・・バフッ!


乱堂「ぬ・・!


拳が炎に触れたかの様に見えたが、炎は消えてはいかない・・・


氷室「言ったはずだぞ!炎だとッ!


乱堂「なるほどね、突きの風圧で炎が揺らいだ訳か。
だったらゆっくり・・・と、言う訳にも いかないな。


ゆっくりと拳を近づけると、炎が拳を避ける様に移動する。


乱堂「炎の特性を持つスタンドね・・・
 
 
 




乱堂「さて、どうするかな。


氷室「どうする事も出来ねえさ・・・
お前は炎に触われない。


ゴゴゴゴゴゴゴ・・・


―ッボァッ!!

乱堂「ッ!


背後にある炎からR・Hの腕が突如として現れるッ!


乱堂「アクセンスターッ!

―グオンッ!!


R・Hの腕をたたき落とすべく、アクセンスターも応戦する。


乱堂「(人型に固めた時に触れるのは、既に実証済みッ!


だが・・お互いの腕が触れるか触れないかの瞬間


―ガシッ!


乱堂「ッ!


交錯する腕は揺らぎ消え、変わりに別の腕が乱堂の足首を掴む!


乱堂「囮か・・。
だが、掴んだところで何が出来る!?


ドドドドドドドド・・・


氷室「へッ!決まってんだろッ!?



―ボボボボボッ!

乱堂「なにッ!?


足首を掴んでいた炎の腕は、瞬く間に乱堂の体へと燃え広がり、人型を成す。


―ガシガシィッ!!



背後に回る形でアクセンスターを羽交い締めにするR・H!


氷室「逃げるんだよォーッ!!


乱堂「・・・!??


悠を引きずるようにして、逃げ出す氷室。


乱堂「・・・・

しばし呆然と、遠ざかる2人を見送る形となる乱堂。

スタンドを羽交い締めにされ、自分が追いかける事も、炎を消すために拳を振るう事も封じられていた。


乱堂「このスタンドから、一体どれくらい離れられるんだ・・?
ここに炎がある限り無限に近いのか?

・・・近距離型の勝負を挑んでくるとばかり思っていたが、逃げるとはな。
フフ・・・なかなか味な真似をしてくれるじゃあないか。



ドドドドドドド・・・
 
 
 




氷室「横尾・・動けるか?

悠「・・あぁ、何とか・・・!



遥「横尾ッ!何があったの!?

火事に気付き、遥たちが走り寄って来る。

氷室「乱堂だ・・庵治がやられた。

悠「・・・幸田もだ。

氷室「幸田?・・誰の事言ってんだ、お前。


遥「・・・?(さっきと同じ感覚・・私は、知らないのに)

明菜「誰それ?

麻里「何でも良いから、ここから離れないとッ!


准一「乱堂・・・!!


氷室「そいつは出来ねえ。
お前らだけ先に行ってろ。


麻里「何でよッ!!

明菜「やっくん!
・・逃げようよ!ね?
無理する必要なんてないよ・・・


ゴゴゴゴゴゴゴ・・・


氷室「いや・・・
まだ庵治の仇をとってない・・!

悠「・・・それを言うなら、俺も幸田の仇をとってないぜ。
それに、庵治がやられたのは俺の責任だ。
・・・アイツは人を殺しすぎた。


遥「・・・・ッ!!




――ビキビキビシィッ!!


悠「・・・何だッ!?

氷室「ヒビ?
・・・空間に?


明菜「あわわわわわ・・・!

麻里「だからさっさと逃げようって言ったのに・・・
男ってホント馬鹿!

准一「やられっぱなしで尻尾を巻いて逃げ出すんじゃあ・・・
男に生まれた意味がないんだぜ。
分かんないだろうけどな・・
俺はアイツらの気持ちが分かるぜ?

麻里「分からないわよッ!馬鹿ッ!
・・・って、まさか
アンタも・・・?


准一「怪我を治してもらった恩もある。
ま、三人も入れば、何とか倒せるかも知れないしな。


麻里「・・・せっかく助けを呼んでやったのにッ!!
アンタが死んだら何のために私が・・!


准一「悪い・・だけど、お前に助けられた命だ。
お前のために使わせてくれ。


麻里「・・・・・
 
 
 




―ビギビギ・・


―ビシィッ!


空間の亀裂が揺らぐ。


ゴゴゴゴゴゴゴ・・・


悠「なんだこれ・・・

氷室「確かめてみるか。

そう言って、氷室はライターを一つ、亀裂へ向かって投げる。


―・・フッ


一同「ッ!?消えたッ!!



麻里「まさか、亜空間ってヤツ!?


遥「多分違う・・・!
これは・・空間自体が消えていってる?



―ビシッ・・ビシッ・・!

―バキィイイッ!!


空間の亀裂は、ついに空間の裂け目に変貌する!


その裂け目は、炎上した林から遥たちの目前まで、奥に長く存在しているように見えたと思った途端


裂け目は消え、乱堂が目前に現れた!!


遥「なッ!?

准一「馬鹿な!こんな一瞬でどうやって!!?



―ゴドグォッ!!


不意打ちに近い形で、乱堂の膝蹴りが氷室の胸に打ち込まれるッ!


氷室「う・・ぐッ!?


―スル・・ッ

締め上げるR・Hの腕が緩むと、そのスタンドは自由の身となる。


ドドドドドドド・・・

乱堂「・・やはり距離が開くと、少し時間がかかるな。


遥「・・・!!

乱堂「不思議で仕方ないって顔だな。
簡単な事だよ。
世界を縮めたのさ。


悠「・・ち、縮めた?


ゴゴゴゴゴゴ・・・

乱堂「世界には、形を保とうとする働きがある。
消し去られ、穴の開いた部分が出来ると縮んで穴をふさぐ訳だ・・・
瞬間移動だとか、そんな便利なモンじゃあないんだけどね。


悠「さっきのも・・!


―ビシッ!

空間に新たなヒビが入る。


乱堂「ちょっと良いかな。
一度能力を解除しないと、世界が全部消えてしまうんでね。


―ガッ!

アクセンスターが突然、明菜の腕を掴む!

遥「何をッ!?


その腕を払おうと、遥のスタンドがパンチを繰り出す・・・が、
そこにいた筈の、乱堂と明菜の姿は既に消えていた・・・



ゴゴゴゴゴゴゴ・・・
 
 
 




遥「消えた・・?

悠「違うぜジョジョ・・
ヤツはさっきの場所に戻っただけだ。

准一「つまり林の中か。


遥「明菜も一緒・・・助けなきゃ!
氷室ッ!動ける!?


氷室「あぁ・・!当然だッ!

遥「よし・・・行くわよ。


そう言って動き出す遥たちに麻里が声をあげる。


麻里「ちょっと待って!アンタら、正気!?
むざむざ死ににいくようなものよッ!?


遥「・・・逃げて機会を伺う。
って、選択肢も確かにあるわ・・・
距離も開いてるし、逃げきれれば、少なくとも私たちは助かるわね。
だけど、その選択肢が存在していても
自分が死ぬかもしれないからって、友達を助けに行かない理由にはならない。


―ガシッ!

遥は麻里の襟首を力一杯掴む。


遥「今!


今だ!


今助けなきゃ!

私のッ!


心が死ぬんだッ!!



ゴゴゴゴゴゴ・・

麻里「・・・!!


遥「あ・・・ごめん。


冷静さを取り戻した遥は麻里から手を離す。


悠「ヌファファファ・・
くっせえ、くっせえ~!

氷室「だな。
だけど、その考え方・・嫌いじゃあないぜ。

悠「・・・同感ッ!

准一「・・変わってんのな。お前ら。
とは言え、俺が行くのはコイツ(麻里)を逃がす為なんだからな。
忘れんなよ?


氷室「あぁ、分かってる。別に無理に連れて行くだなんて、言ってないぜ?

准一「OK。
お前ら気に入ったから
俺が世界の王になったら親衛隊にしてやるぜ!

悠「ヌファ!期待してるぜぇ。


麻里「・・・バカ。


准一「じゃ、行ってくる。学校で待っててくれ。


そうして、遥たちは林へと向けて歩き出す・・・


ゴゴゴゴゴゴゴ・・・
 
 
 



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