コゴゴゴゴゴゴゴ・・・
明菜「・・・・
黒服「明菜様、どうかなさいましたか?
明菜「あ、いえ!何でもないです!
(この人達はスタンド使いなのかな・・?
黒服「もう少しで屋敷に着きま・・・
―ガグンッ!
黒服「んなぁッ!?
どうした!?何があった!!
運転手「く、車が!
・・道路に【落ちました】ッ!
黒服「道路に?そんなバカなッ!!
黒服が窓を覗くと、確かに車は道路に落ちていた・・・
窓から、道路を走る他の車のタイヤが確認出来た。
「ギョギョギョギョ・・・!!
SPってのも大したことねえなぁッ!?
気付くと車のボンネットの上に、学生服を来た男が一人。
黒服「・・・!(これが、スタンド使いだってのか!!
―ガァンッ!
黒服は、彼と対話をする前に発砲する。
男を即座に敵と判断したその行動に一切の迷いはなかった。
黒服「敵と会話をするにしたってよォ~・・
先に痛い目見てもらった方が、有利に話せんだろうが・・!!
―バッキィインッ!
魚の尾ヒレが弾丸を弾く。
黒服「・・・え?(手前で何かに弾かれたのか・・!?
ドドドドドド・・・
「あっぶねぇ~・・
いきなり撃ってくるって、頭イカレてんのか!?
ここは日本!
分かる?アメリカじゃねえんだぞッ!?
非常識にも程があるぞ!!
黒服「弾丸を弾いたり、車を地面に沈める人間の方がよっぽど非常識だろ・・・
「・・・・!
ギョギョギョ!違いねえッ!
俺は庵治・・・
そこのお嬢さんと同じ学校の人間さ。
アンタら、彼女を守るように言われてんだろ?・・・手伝ってやるよ。
相手は俺と同じスタンド使いだ。
黒服「え?
明菜「・・あ、あなた、学校にいた・・・
庵治「・・・オッス。
ゴゴゴゴゴゴゴゴ・・・
氷室「何・・だと?
乱堂「何とか・・間に合ったな。
焦って余計なものまで解除してしまったが・・・
ま、大した事じゃあない。
―ズル・・・
―ドサッ
ゴゴゴゴゴゴゴ・・・
氷室「あ、あ・・・
庵治ィッ!!?
腕から抜け落ち、ポッカリと胸に穴が開いた庵治。
庵治「気・・にする・・な。
もとも・・アイツに・・開けられ・・だから。
氷室「まだ・・生きてるッ!!しっかりしろ!
准一「E・U!!
保護しろォ!
―グオォッ!
庵治を収納しようと、E・Uが拳を開く。
悠「こ、幸田ッ!?
ゴゴゴゴゴゴ・・・
乱堂の足下に倒れ伏す幸田を見つけ、
悠はとっさに縄を伸ばす!
―バシィッ!
悠「あぁ・・・ちくしょう・・ッ!
幸田の体に縄が掛かった瞬間、悠は理解する。
この体はもはや、抜け殻なのだと・・・
遥「・・・!!
幸田・・庵治・・・!
遥には、何が起こったのか一瞬理解出来なかった。
死んだと聞かされた
見知った顔の男が2人倒れている。
信じていなかった訳ではないが、
実際に目撃していなかった分、いくらか現実感に乏しかったが、今その現実が彼女を襲い、思考に空白部分を作る。
乱堂「フハハハッ!
呆けている暇はないぞッ!?
―ピリリリリリッ!!
明菜「ッ!?私の携帯・・!?
慌ててメールを確認する明菜。
明菜「1秒後・・
刃物の雨ッ!?
はる・・・!
―ドスドスドスドスッ!!
言い終える前に、遥たちの頭上から辺り一面にナイフが降り注ぐッ!
氷室「うぉああぁッ!?
―バシバシッ!
R・Hの拳が落下する刃物をはたき落とす!
氷室「明菜ーーッ!!
准一「・・マズイッ!!
E・Uで庵治を握り込んだ准一は
降り注ぐ刃物を確認するや
―グギュォン!
自分自身の体をE・Uの手の中へ収納させ、難を逃れた。
一方、遥達は・・・
―ドバァーッ!
遥「――ッ!?(しまっ・・反応が遅れたッ!
ほんの一瞬、時間にして1秒にも満たないであろう。
だが、思考の空白は
「明菜への刃物を払いのけながら、自分への刃物もたたき落とす」という選択肢を奪う。
ドドドドドドド・・・
遥「(両方は無理・・・!
だったら私の取る行動は一つッ!!)
ォオオッ!!スター・ゲイザーッ!!
―ガッシャアァッ!!
明菜の体へ突き刺さろうとする、無数の刃物を払いのけるッ!
明菜「・・・ッ!?
遥「・・・!!
(これで私は避けられない・・だけど!
まだ諦めないッ!!
―・・グルッ!
刃物を払った拳の勢いに任せ、そのまま振り回される様に反転・・・自分へ刺さる刃物を一つでもたたき落とそうとする遥。
遥「――!!?
その瞬間、悠と目が合う。
―・・ニヤッ。
悠が何やら笑みを浮かべる。
あぁ・・やっぱ相変わらず、笑顔は不細工ね。
何を思ったか、遥はそんな事を考えた。
時間が非常に長く感じられる。
そんな暇は無い筈なのに・・・
不意の口づけから、口の中に広がる血の味。
悠の喉元から生える
鋭利な金属。
彼女は何が起こったのかを理解した。
―・・・ドッ
遥に覆い被さる様に悠の身体が落ちる。
ドドドドドドドド・・・
遥「あ・・・
ぁああああッ!!!
明菜「そんな・・横尾くん・・!?
仰向けに倒れたまま、悠の体を抱きしめ
絶叫する遥。
ドドドドドドド・・・
氷室「そんな・・あの野郎ッ!
格好つけやがって・・!!
叫びは完全に涙声に変わる。
その時、再起不能かと思われるほど、泣き叫ぶ遥が抱きしめる悠の身体から何か煙のようなものが立ち上り始める・・・
「ジョジョ・・・
遥「!?
「泣くな、ジョジョ。まだやるべき事は残ってるぜ!
遥「横尾ッ!?
煙は悠へと形を変える・・・
悠「ヌファファ・・・!
泣き顔は不細工なんだな、ジョジョ。
・・・ま、それはいいか。
真面目な話なんだが俺、死んじまったみたいだからな・・・
初めて会った時に言っただろ?
【お前は俺が守る】ってな・・!
遥「でも・・!死んでまで守ってなんか・・・・!!
悠「良いんだ。
俺は死んでもお前を守るって、あの時に決めたんだぜ?
あの時・・・
お前を見つけた瞬間、俺が歩いてきた暗闇に光が生まれたんだ。
遥「・・何を?
アンタは最初からお調子者で、変態で・・・
悠「ヌッフッフ~・・そう思うだろ?
だけど、俺はお前と同じだった訳さ。
毎日がつまらなく感じてた・・・
遥「・・・
悠「お前と会えて、本当に良かったと思ってる。
ありがとな・・・
そろそろ、時間だ・・・
ジョジョ、自分の信じる道を進め。
道は星の光が教えてくれるさ。
遥「そんな・・・!
私は、まだ・・アンタに好きだって言ってないッ!
悠「ヌファファ・・・大丈夫だぜ。
言わなくたって俺には伝わってたさ。
・・・それじゃあな。
そう言って、悠の身体は空へと登り始める・・・
遥「・・待ってッ!!
悠「死んで全てが終わる訳じゃない。
魂の志は受け継がれる。
誰にも・・例え、乱堂にだって消せるもんか。
だけど、どうしても寂しいってんなら
ん~・・・そうだな、今日は星が出てるから、これから星を見たら俺の事を思い出してくれ・・・って、キザったらしいか?
ヌファファ・・・!
遥「横尾ッ!!
星空に横尾の姿が溶けるように消えていく。
―――――
悠を抱きしめる。
わずかに鼓動が感じられるが、やがて止まるのだろう。
いや、それよりも
悠を悠たらしめる【魂】と呼べるものは
既にいなくなってしまったのだ。
―シュゴォオオオオッ!!
遥「ッ!?
感傷に浸る暇もなく現実に引き戻される。
―・・・カランッ。
遥「・・・!!
ゴゴゴゴゴゴゴゴ・・・
乱堂「非常に・・・清々しい気分だよ。
―バッキィ!
そう言って足下に転がる仮面を踏み砕く。
准一「野郎・・・!
仮面をかぶりやがった!!
氷室「・・くそがッ!
ついさっき、悠がつけた腕の傷も跡形もなく消え、その口元からは牙が顔を覗かせている・・・
明菜「ド・・・ドラキュラッ!?
乱堂「これで、目的は果たした・・・
見逃してやっても構わないが、遺恨を残すのも面倒だし・・・
君らもそれを望んではいないんだろう?
遥「・・・アンタが吸血鬼になろうが、知ったこっちゃないわ。
ここでアンタを終わらせる。
乱堂「フン・・・だと思ったよ。
吸血鬼の素晴らしい力を試してみるのも悪くない・・・ッ!
遥「ォオオアァッ!!スター・ゲイザーッ!!
氷室「レッド・ホットッ!!
准一「イースタン・ユースッ!
乱堂「いくぞ・・・アクセンスターッ!!
ドドドドドドド・・・!!
横尾 悠
スタンド【スペース・カウボーイ】
スタンド【スペース・カウボーイ】
―死亡。
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