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38話「『未来』を『乗り越える』」の巻

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orisuta

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JOJO「……オーマイ…………。」

『ティアーズ・オブ・マグダレーナ』に指を突きつけられたJOJOは、そう呟いた。

JOJO「出会ってからまだ数分も経っていないが、既に俺一人か……。
     こいつぁ、肝っ玉ってやつを据えてかからねーといけないようだな……。」
雷鳥「随分と余裕ね?」
JOJO「あいにくと負ける気はしないんでね。」

雷鳥「へえ、そんなこと、いつまで言ってられるかしら……。」

JOJO「何度でも言うぜ。負ける気はしねえッ!」

JOJO「『ヒートウェイヴ』ッ!」

ズン

雷鳥「『ティアーズ・オブ・マグダレーナ』ッ!」ドオオオ―――ンッ!

世界の色彩が反転する。

ド ド ド ド ド ド

雷鳥「単調な攻撃ね……。このくらいなら『予知』をしなくても素の判断で対応できるわ。」

余裕そうに呟く雷鳥。
『予知』の能力も凄まじいが、彼女という『スタンド使い』の真の恐ろしさはここにある。
「判断力」だ。『予知の世界』の時間の中で、相手の行動を先読みするのは恐ろしいことだが、
それを脅威に足るものとしているのは、雷鳥の的確な判断力と予想力である。

HW『FIREEEEッ!!』
TOM『無駄よ、無駄、無駄。』ガイン ガイン

拳、肘、時には足を使って『ヒートウェイヴ』の拳をガードする。
パワー能力は『ヒートウェイヴ』と同格かそれ以上らしい『ティアーズ・オブ・マグダレーナ』はそれを苦にもしない。

JOJO「馬鹿なッ……!全て『ガード』されている……!?動き自体は俺よりノロいのに……!」
雷鳥「無駄だってば。」

TOM『フンッ!』ボギャア!
HW『うげえッ!?』

そして、ついに押し負けた。

雷鳥「はああああああ……ッ!」ブン!
JOJO「ごはあッ!?」

ドッバア! ドザア

JOJO「ぐ……一歩も動かずに……!俺を吹っ飛ばすとは……。
     やはり正攻法じゃあ歯が立たねえぜ…………!」

JOJO「どうすれば……。」
雷鳥「おっと、あなたには考える隙も与えないわ。打開策を見つけられちゃあ困るしね。」

ドオオオオ―――ンッ

再度、世界の色彩が反転した。

雷鳥「これより『予知』後数秒間のうちに決着をつける……!当然勝つのは私だけどね……。」

スス

数秒、JOJOはその場で動かなかったが、唐突に『ヒートウェイヴ』を動かし始めた。
『ヒートウェイヴ』は数発地面を殴ると、手元で何かをこねるような動作をし、それを雷鳥目がけ投げつける動きをした。

雷鳥「フォームから言って、「槍」のようなものを投げつけたわね……。
    確かに、槍のような私が対応できる「はば」の小さなものなら、
    私のスタンドとあなたのスタンドの「戦闘能力」。通る可能性は高いわね。」

雷鳥「でも無駄ねぇ……。残念。私の能力を看破したから、どんなものかと思っていたけど……。
    所詮、この程度。投げたあとにちゃっかり接近するのもお見通しよ?」

ド ド ド ド ド ド

雷鳥「『予知』は終わる。」

ドオオオオオ――――ン

世界の色彩が正常に戻り、JOJOが動き始める。

HW『FIREEEッ!』ズババッ

ゴニョオ

雷鳥が予知した動きのとおりに、『ヒートウェイヴ』は地面を抉り、「槍」を作る。

HW『オオオオオオオオオッ!!』オオオオオオオオ

そして槍をかまえ最小限の動作で……

HW『FIREEEE―――ッ!』バシュッ

槍を投げつける!

雷鳥「野球の「バント」のように……来る場所が分かっていれば、拳を突き出すだけでほら」

バギイン!

槍は無残に空中に弾き飛ばされる。

JOJO「おおおおッ!」ズイ!

そして予知どおりに、雷鳥に接近するJOJO。

雷鳥「ここも「予知通り」……。そして、ラッシュを開始する場所が分かっているなら……。」

スッ

雷鳥もまた前進する。

JOJO「なッ!?こ、これは、しまったッ!『未来』を『確定』されているッ!?」

ド ド ド ド

雷鳥「分かったところでもう遅いわ……。あなたはもう『終わって』いる。」

雷鳥「『ティアーズ・オブ・マグダレーナ』ッ!」ジャアン!

TOM『オオオオオオッ……』

ド ド ド ド ド

JOJO「オーマイ……。こいつぁしてやられたぜ。
     『ティアーズ・オブ・マグダレーナ』……。マジに『最強』のスタンドだな。
     いや、お前と合わせて『最強』のスタンド使いといった方が正しいか……。
     俺と『ヒートウェイヴ』だけじゃあ、確かに勝ち目のない相手だったな。」

雷鳥「負けを認めた……?いや、違う!この子がこう言うときにはッ!」

JOJO「気付いてたか?お前の頭上に俺が最初に投げた「床の破片」があることによ……。」

ド ド ド ド ド

雷鳥「ああッ!まさか……しまったッ!この位置はァァ―――ッ!!」

JOJO「『予知』の未来の『運命』は覆らない。それが確定事項ならよ……。」

ド ド ド ド

JOJO「『予知』した未来を既に俺の望む『運命』になるように仕組んじまえば…………」
雷鳥「私が弾いた「槍」!まさか!最初から仕組んでいたというのッ!?」

JOJO「確かに俺の力だけじゃあお前には勝てなかった。だからお前を利用させてもらったぜ。」

ド ド ド ド ド

JOJO「『運命は覆らない』?いいや、違うね。『覆す必要がない』。それだけだ。」

JOJO「俺は『未来』を『乗り越える』。」

ド ド ド ド ド ド

ガイン

空中で回転した「槍」が天井に突き刺さっている「床の破片」を弾く。

クルクルクル

雷鳥「しまった……!相手の攻撃を防御しなくてはいけないから、落ちてきた「床の破片」をガードすることが……!」
JOJO「お前の『未来予知』、予知できるのは『人』の動きだけらしいな。」

雷鳥「くっ……!」バッ……

JOJO「だったら、弾いた「槍」がどういう結果を招くか、ってことは分からなくても仕方ない。
     お前のミスじゃあねーよ。」

HW『FIREEEEEEEEE―――――ッ!!』

ドガ ドガ ド ガ
バッギィイイイ   ドゴゴッ
    メッシャア

『ヒートウェイヴ』の攻撃はことごとく『ティアーズ・オブ・マグダレーナ』によって防がれる。
しかし……

JOJO「俺が一枚上手だったってだけさ。」

ザ ク ッ

雷鳥「がッ……あっ…………。」

ド ド ド ド ド ド

ドザア!

カズハ「あっ……あっ……ら、雷鳥さんッ!」バア

今までことの次第を固唾を呑んで見守っていたカズハが思わず雷鳥に駆け寄る。

カズハ「……っ!雷鳥さん……。このままだと……!」
雷鳥「まっ、待って……。カズハちゃん、大丈夫よ……。」

ムク

雷鳥「くふふ……。今は不覚をとっちゃったけど、今度はそうはいかないわ……。カハッ!……。」
JOJO「おい、やめろ。もう動くんじゃあねえぜ。今なら俺の『ヒートウェイヴ』で治療すれば助かる。」

雷鳥「それはあなたを倒した後にお願いするわ。現時点じゃあ負けるつもりもないし死ぬつもりもないしね。
   私には『目的』がある。『目的』のためにあなたに負けることはできないし、刺し違えることもできない。」

雷鳥「……必府町に来て半年……!ついに『川尻 正彦』の手がかりを手に入れたのよッ!
    『ディープ・フォレスト』は「遠隔操作タイプ」に変化していたみたいだけれど…………。
     『ディープ・フォレスト』がいたということは、『川尻正彦』もこの近くにいるはずッ!」
JOJO「は?」

JOJO「今あんた……、「半年」と……。確かにそう言ったな?」
雷鳥「ええ、確かに言ったわ。『川尻 正彦』の手がかりを見つけた、とも言ったわ。」

JOJO(おいおいおいおい……!オーマイっ!『ディープ・フォレスト』が自立化したのは今年の4月。
     計算で言えばまだ1ヶ月前の話だぜ……!それに『川尻 正彦』……!
     『ディープ・フォレスト』の言う『最強のスタンド使い』がこいつなら、川尻が死んだことを知らないはずはない!)

JOJO「どうやら、争うのはおしまいのようだ。」
雷鳥「? 何を?」

スタスタ

雷鳥「な、接近して何をするつも……」

ズギュン!

HW『……………………。』
JOJO「『ヒートウェイヴ』で傷を埋めて治した。どうやらお互い凄まじい勘違いをしていたようだぜ……。」

雷鳥「勘違い……?って、あなたたち、川尻に射抜かれて手駒と化したスタンド使いでしょ?」
JOJO「残念ながら、違う。そして同時に俺たちも同じ勘違いをしていたぜ。」

JOJO「今にして思えば最初からその線を疑うべきだったな……。
     あんたは今までの敵と比べても「らしく」なかった。倒された亜希やアクターも、
     よく見ると一撃で、しかも軽傷で倒されてるしな…………。」

JOJO「あんた、何者だ?何の目的でこの街に来た?」
雷鳥「…………。」

雷鳥「私は『川尻正彦』を追ってこの街に来たわ。「杜王町」というところからね。
    一応私、これでも「警官」をやってるの。まあこれは警官職とは関係ないことなんだけれど……。」
JOJO「も、「杜王町」……!?
     (オーマイ……!思わぬ場面で思わぬ地名が出てきやがったぜッ!)」

雷鳥「あら?杜王町、知ってるの?あの街はいいところよね……。空気が澄んでいるし……。」
JOJO「おい。」

雷鳥「ああ、ごめんなさいね……。で、ことの次第を話すと長くなるんだけれど……。」

そう言い、雷鳥は気まずそうに上目遣いでJOJOを見る。

JOJO「かまわねえぜ。話を続けてくれ。」
雷鳥「いや、そうじゃあなくって、ほら、そこでノビてるあなたのお友達。」

JOJO「あ……。」

  •  ・ ・ ・ ・ ・

亜希「……なるほどね……。全部壮大な勘違いだったと。」
アクター「フザけた展開だぜ。」
萌「つまり、平塚さん、あなたは数話を使って生み出された「ミスリードキャラ」だったと?」

雷鳥「ほんと、困った偶然もあったものよね。(萌って子うっおとしいわ……。)」
JOJO「だがまあ、こうして全員大丈夫だったわけだし、この話はなしにしておこうぜ。
     (萌ウザイぜ…………。)」

雷鳥「私や私の仲間が彼の存在に気付いたのは、去年――2009年の夏のことよ。」

ド ド ド ド ド



To Be Continued...




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