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40話「『アクアティカ』」の巻

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orisuta

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カズハ「樋口和巴。よろしく。」
先生「だ、だそうだ。皆、仲良くするんだぞ。」

転校初日。
カズハはそれだけ言うと、割り当てられた席に座った。
ありふれた学園物語とは違い、カズハは主人公陣とは離れた席に座った。

  •  ・ ・

――昼、必府高校屋上

JOJO「もう少し愛想よく自己紹介とか出来なかったのか?」

ゴオォォォ……

カズハ「…………学友を作る必要性は特に……感じられなかった。」
JOJO「おめー、オヤジさんの一件が片付いたら引きこもるつもりか?」

カズハ「……は?」
JOJO「だからよー、この一件が片付いても、おめーの人生は終わりじゃあねーんだよ。
     三年間通うことになる学校だぜ?俺たち以外にも友達作っとくべきだろ?」

カズハ「…………いやだ。」
JOJO「はぁ?」

カズハ「今は後のことを考えている場合じゃない。父を倒すということは、命の危険があるということ。
    私はいつ死んでもおかしくない身。友達が死ぬなんて不幸な目に人を合わせたくない。」
JOJO「……ああ、……ちゃんと考えてたのか、悪かったな。
     だが、負けた時のことは考えるもんじゃあねーぜ。」


アクター「まだやってるよ、あいつ……。」
亜希「JOJO、よっぽどカズハちゃんのこと気に入ったんだろうね。あんなに気にかけて。」

アクター「俺はゼンゼン分かんないね!あの喋り方、人間味がねぇーんだよなあ~。」
亜希「まあ……私は分からなくもないけどね、JOJOの気持ち。」
アクター「そうかあ~~~っ?」

カズハ「……ちょっと、席をはずす。」

スタスタ

JOJO「おーう。」

  •  ・ ・ ・

カズハ(……もよおした(● ● ● ● ●)…………。)

スタスタ

トイレに入ったカズハは、ある異変を感じた。感じた、というより、聞いたと言う方が正しいのだが……。

??「ううっ……うううう……うげええええあああ…………。」

カズハ「……なに?」

??「来るなッ……うあああああッ……クラゲがッ……!」

ド ド ド ド

??「クラゲがッ!吸い付いてくるゥゥ~~~~~~ッ!」

カズハ「…………。」

この瞬間、カズハは数日前に雷鳥に言われたことを思い出していた。

――数日前

雷鳥「いい?カズハちゃん。これからあなたは学校に通うわけだけれど……
    学校にはたくさんの誘惑があるわ。夜遊びは禁物よ?
    夜はたくさん危ない人がいるからね。カズハちゃんかわいいから食べられちゃうわよ。」

雷鳥「あとそれから……『麻薬』には気をつけて。」
カズハ「私はそんなものに引っかかるほどのヘマはしない。」

雷鳥「分かっているわ。『麻薬』をヤってる(●●●●)人……に気をつけて、って言ってるのよ。」
カズハ「なぜ?」

雷鳥「『麻薬』をヤってる人は、精神的に危ない。これ分かる?」
カズハ「…………。」コクリ

雷鳥「そして、この街には『矢』を持つ『ディープ・フォレスト』がいる。」
カズハ「…………。」コクリ

雷鳥「そして、もし『ディープ・フォレスト』がその人を射抜いたら?そしてあなたと出会ったら?」
カズハ「まさかそんなこと」

雷鳥「いいえ、有り得ることよ……。必府高校は進学校じゃないから、ガラの悪い人も沢山いるわ。
    それに……。『スタンド使い』は引かれ合うのよ。磁石のSとNみたいにね。」

  •  ・ ・ ・ ・ ・

カズハ「……『スタンド使い』かはともかく、『麻薬』をヤってる人は確かにいた。そこのところは雷鳥さんの忠告どおり。」

カズハ「このまま放っておくのも手だけれど……それはちょっと可哀想な気がする。
    (何よりこのままにしておくと怖くて私の『目的』が達成できない。)」

??「うああああ~~~~ヒィィィィィ~~~ッ!」
カズハ「……大丈夫?」

??「ひっ、人っ」
カズハ「病院、連れて行くべき?」

??「人オオオオオオオオオ!!!?ウワアアアアアアアアッ!く、来るなあああああああああああああああああああああ!!!」
カズハ「えっ!?」

バシイッ

女生徒はそう叫んでカズハの手をはたく。

ド ド ド ド

カズハ「……『幻覚』……どうやら、ものの区別も付かない状態らしい。」

ズギュンッ

カズハ「面倒だから気絶させてから病院に連れて行く……。」

??「てってえええ~~~めええ~~~~ええええ~~~~~ッ!!」バッ

??「そっ、そいつは何者だッ!てめ~~も宇宙人の一味だなッ?あたしを殺すつもりかッ!!」

カズハ「……『スタンド』が見えている?」

ド ド ド ド

??「クソオオオオオッ!「コイツ」をはじめてからだッ!いつも誰かに付け狙われてるし、
   宇宙人からの攻撃も始まったッ!あああああああああああああああああああああ!!」

ギュン……

ド ド ド ド

カズハ「……「クラゲ」?」

??「うああああああッ!!?くっ、くっ、くっ、『クラゲ』が出たアアアアッ!だめだ!もうおしまいだッ!」

カズハ「……!『スタンド』……。」グッ

ピシッ

カズハ「いたっ」

思わずスタンドの拳を握り締めると、突然痛みが走った。
何事かと思い痛みの元を見てみると……

ド ド ド ド

そこには乾きヒビ割れた指があった。

カズハ「指がッ乾いている!?」

ド ド ド ド

パキパキ

??「なんだかよくわかんねえがよ~~~~~ッ!この『クラゲ』!あたしの味方なんだなッ!?そうなんだな!?」

ド ド ド ド

クラゲ『OOOOOOOCEAAAAAAAAANNNNNN~~~~~~~………。』

ド ド ド ド

クラゲ『キシャア!』ギュン!
カズハ「!?」

カズハ「ふぁっ……『ファイナル・レクイエム』ッ!」ババッ

カズハ「『ブラック・アイズ・ピース』!」ブアアア!

カズハ「このスタンド……何かよくわからないが、危険。」

グアシイイイイイ

クラゲ『ウゲッ!?』

カズハ「『ブラック・アイズ・ピース』に捕らえられないものはない……らしい。」

ギリリリリ

クラゲ『ウゲエエエエ!』
カズハ「このまま絞めて気絶させるとしよう……。」

クラゲ『……OOOO~~~~……CEAANNN~~~……!』
カズハ「!!」バアッ

クラゲの発した迫力に、カズハは思わず『ファイナル・レクイエム』を下げさせる。

ドクン ドクン

カズハ「何か……何か危なかった……。私の指が乾いた現象……それが今行われようとしていた……。」

カズハ「そのことが直感で分かったッ!」

ド ド ド ド

??「き、気付いてないの?!アンタああああッ!」ガタガタ

カズハ「?」

??「アンタ……すっ、既に……やられて……!」

カズハ「な、なに……。」

女生徒の言葉に思わず鏡を確認する。
そこには、肩から腕にかけて乾燥してヒビが入っているカズハの姿があった。

カズハ「き……気付かなかった……ッ……!ど、どうにか……して……回復……!」

カズハ「そ、そうだ……水……!水を…………!」

ギュッ

クラゲ『!!!』バシュンッ

カズハが蛇口をひねった瞬間。

クラゲ『OOOOOOCEAAAAAAAANNNNN――――ッ!!』ドギャアアア

バチャ バチャチャ!

ド ド ド ド

カズハ「な……『水』を塞いで……!私に水分を与えないつもり……!?」

クラゲ『ギャアアア―――ッ!水!水ゥゥゥゥ――~~~~ッ!!』

カズハ「しかも、巨大化していっている……!」

クラゲ『OCEANNNNN~~~~~~~~~ッ!!』

ド ド ド ド

カズハ「いや…………違う。よく見ると……………………。このスタンド……。」

カズハ「前に雷鳥さんから聞いた事がある……。」

 ゜。
   ○

雷鳥「スタンドには『強いパワーを持つスタンドは射程距離が短い』という原則があるわ。
   でも、中にはそれが通用しないスタンドもある。『自動操縦タイプ』……と私の先輩は呼んでいたわ。」

雷鳥「こういうタイプはパワフルでありながら、射程距離が長い。その上ダメージが本体に伝達しない。
    本体が近距離にいる場合には、本体を叩くのが一番手っ取り早いけど、
    遠距離にいる場合にはできることは一つ!『よく観察しろ』……。自動操縦タイプのスタンドは、
    その名のとおりある一定の条件で攻撃対象を決めるわ。たとえば「熱」を追ったり…………」

雷鳥「そこに考えるところや計画性がないのが『自動操縦』の特徴……。
    攻撃対象を選ぶ「法則性」を見つけ出せば、攻略は簡単なはずよ。」


カズハ「……分かった。」

クラゲ『……コノ水分ハ『人間』ノモノジャアネエ……OOOOOOCEAAAAAAAANッ!』バギャッ

ドブシャアアア

クラゲが蛇口を締め上げると、蛇口はあっさりへし折れ水を噴射した。

カズハ「……!」ピチャチャッ

クラゲ『WAAATARRRRRRRRRR~~~~~ッ!』ギュウウ――ン!

そのときカズハに付着した水を追って触手を伸ばす。

カズハ「……よけないのは、体にダメージが蓄積されているからじゃあない。」

グルグルグル! ギシイイ

触手がカズハをがんじがらめにする。

ド ド ド ド

FR『ウグルルルルルアアアアア…………。』 ド ド ド

ギュウウ―――ン!

カズハ「うぐ……!よけなかったのは、あなたに触れるため……!」

FR『ウグルルルルオオオオ……OOOOOCEEEAAANN…………!』

ド ド ド ド

『ザ・ファイナルレクイエム』の姿が透き通る。

カズハ「『水分を奪いパワーにする能力』……。あなたは、自分を乗り越えられる……?」

クラゲ『ウゲ?』

カズハ「貸していた分……返してもらう……!」
FR『OOOOOOOCCEEEAAAAAANNN――ッ!』ドガガガガガ!

カズハ「『ラッシュ』が加わる分、あなたへのダメージは大きくなる……。」

クラゲ『ウギャアアアア―――水!水ガガガガガガガガガ!』

ボッシイイイアアアアア

クラゲの体はみるみる小さくなり、最後には消滅した。

バアアア―――ン!

??「ひっ……。てめえええええええッ!あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!」
カズハ「『ファイナル・レクイエム』。」
FR『ウグルァ!』バギ!

??「うげぇ!」ガク

カズハ「さて……。この娘を保健室に連れて行かなければ……。いや、病院か…………?」

ゾクゾクッ

このとき、カズハに悪寒走る――。

カズハ(……!『水分』を吸い取った弊害か……!?こ、これは……!)

ド ド ド ド

ドジャアアア―――ッ

樋口 和巴
スタンド名『ザ・ファイナルレクイエム』―→用を足すことを優先した。

女生徒(本名―海野柔沙(うんの じゅうざ))
スタンド名『アクアティカ』(名付け親:カズハ)
―→JOJOの紹介でアリスに麻薬に関する悪夢を見せられ、元気に更生中。再起不能。




使用させていただいたスタンド


No.257
【スタンド名】 アクアティカ
【本体】 海野柔沙
【能力】 水分に反応して襲い掛かりその水分を吸収する




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