10年前:北極
北極科学調査隊・観測所
ビュオオオオオオオオオオ
調査員「・・・・どうだ?」
教授「・・・すごいぞこれは・・・。こんなのは初めて見た。とても信じられない」
調査員「どれくらい前のものかはわかるのか?」
教授「おそらく1000万年以上前のものだろう。永いこと氷芯に閉じ込められていたんだな。」
調査員「DNAは損傷しているが、復元は可能だ。」
教授「これを蘇らせる気なのか!?」
調査員「当たり前だろう。なんのための調査だと思ってる」
教授「しかし何もかもが『未知』の領域だ。はっきり言って、危険なにおいしかしないぞ」
調査員「新種の『生命』を発掘したんだぞ。私達にはそれを全世界に公表する義務がある」
教授「しかし・・・」
調査員「心配はいらないさ。所詮『微生物』・・・人類を脅かすほどの力は無い」
調査員「何も問題はないよ・・・・・・」
~アジト前・突入開始時刻~
未来「っ!おい来てくれ!丈二だッ! 『城嶋 丈二』を見つけたぞッ!外にいるッ!」
丈二「クソッ!」ダッ!
未来「逃がすなよ、追えッ!」
工作員たち「了解!」ダダダダ・・・・
未来の掛け声に反応し、アジトから『組織』の工作員が数人外へ飛び出す。
スーツを着込んだ彼らは、すぐさま『スパイ』の追跡にあたった。
未来「・・・・・・・・・・」
未来「・・・・・・・・・那由多」
那由多「行った?」
未来「大丈夫です。今なら抜けても不自然には思われません。みんな丈二を追っています。」
カズ「誰かに見られる前に、さっさとズラかろう!」
那由多「ええ」
那由多(・・・・『城嶋 丈二』)
~都内某所 某時刻~
ガンッ!
榎木「うぐっ」
丈二「この野郎・・・!『ナイフ』をどこにやったんだッ!」ギリギリ・・・
榎木「ま、待て!僕は知らない!全部あの男が一人でやったことだ!」
丈二「お前、ヤツと組んでただろうが! 信じろってのか!?」
榎木「本当だ、僕は『組織』を潰すための手伝いをしてただけなんだ!こんなことになるなんて知らなかった!」
丈二「・・・・・・・・」ギリギリ・・・・
榎木「ぐっ、頼む信じてくれ・・・・手を離してくれ・・・・・・」
丈二「・・・・くそっ」バッ!
榎木「・・・っはっ」ゲホッ、ゲホッ
丈二「あのクソ野郎が何処に行ったかわからないのか?」
榎木「すまない・・・・・・」
丈二「・・・なんのために、なんのためにここまでやってきたと思ってる・・・・
あの野郎・・・『平田 進』・・・・・・!」
榎木「・・・・・・」
榎木「丈二。すごく言いにくいんだが、君はこのままだと『逮捕』される。
『殺人』だの『窃盗』だの、罪状は指折りじゃ数え切れない」
丈二「作戦のために仕方なくやってきたことだ!」
榎木「『非公式』な作戦だ。あの男が逃げた以上、それは存在しないのと同じ。
司法の場で君を守るものは何もない。逮捕されたらもう終わりだ。だから・・・・」
丈二「?」
榎木「逃げるんだ。それしかない」
丈二「冗談じゃあない!逃げるなんて!」
榎木「残念だがもうできることはなにもない。飛行機の手配はする。
惜しかった、本当に・・・」
丈二「・・・・・・まだ終わってない」
榎木「やめろ、終わったんだ」
丈二「いいや!まだ何も終わってない!」
榎木「終わってるんだよッ!!」
丈二「ふざけんな!諦められるか!『組織』を潰す方法はまだあるハズだ、俺はそれを探す!」
榎木「忠告はしたからな! 僕は手伝わない、やるなら一人で勝手にやれ!」
丈二「最初からアンタの力を借りようなんて思ってねえさ、俺はもう行くぜ
時間無いからな」
バターン!
榎木「・・・・・・・何考えてるんだアイツ・・・・!」
~都内某ホテル ロビー~
コツコツコツコツ・・・・・・
平田「待ってたよ」
???「・・・・・・・」
『ナイフ』の取引に平田が指定したホテルに、『組織』のトップが現れる。
お互いに護衛の『スタンド使い』を2人連れ、ロビーには6人の男が集まった。
平田「人が集まるところなら、いきなり殺されるなんてことはないと思ってね。買取を感謝するよ」
???「150億なんて端金はくれてやる。だが何処でだってお前を殺すくらいなんともないことだ。
私を『不愉快』にさせる言動だけは取るな。」
平田「肝に銘じておくよ。まずは指定した口座にここで振り込んで見せてくれ。金が先だ」
???「いいだろう。・・・・・・振り込め」
護衛1「・・・・・・」カタカタ
『組織』のトップが部下に命じると、部下はその場でPCを開きキーを叩く。
振込みが完了し、部下が完了画面を平田に見せ付ける。
平田「・・・・・・確認した。『ナイフ』だ」スッ
???「・・・・・・・・」カチャカチャ
平田が5本の『ナイフ』をテーブルの上に差し出す。
トップは『ナイフ』を受け取ると、その場で1本ずつ『柄』の部分の分解を始める。
『柄』の中には、『水』のような液体が入った小さな容器がピッチリと収まっていた。
『水』は少しばかり濁っている。
カチャカチャ
???「・・・・・・・・確かに。本物だ」
平田「!? 一体それは?」
???「『水』だよ 見て分からないか?まさかこの『水』が『なんなのか』知らずに
集めていたのか?」
平田「何の液体なんだ?・・・そんなものを集めてどうする?」
???「知らなくていい」カチャカチャ
だがトップが4本目の分解に取り掛かったとき、順調に進んでいた取引にストップがかけられた。。
4本目の『ナイフ』は直前の3本までに比べ、あきらかに軽い。
トップが『柄』を外すと、そこは既に『水の容器』が抜き取られた後であった。
???「・・・! 一体どういうことだ?」
平田「!? いや知らない!俺は何も触ってないぞ!」
ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ
バンッ!
平田「!!」ビクッ
???「いいか、よく聞けこの蛆虫」
???「何故わざわざ貴様のようなゴミに金を払ってやってると思う?お前を殺して奪うことは簡単だ
そうしないのは私が『忙しい』からだ。汚らしい『乞食』に割いてやる時間なんてないんだよ・・・・・・!」
???「今すぐに!ここへ『容器』を持って来い・・・!できないのなら・・・・・・・・」
平田「ま、待て!わかった、わかったッ!すぐに用意する!!」
~都内某所 某時刻~
プルルルルルルルルルルルルルルルル
丈二「何だ?『着信』・・・・誰からだ」
丈二(!! この番号、『平田 進』・・・・・・・!)
カチャッ
那由多「動かないで。携帯を切らずに、こっちへ」
丈二「!」
プルルルルルルルルルルルルルルル
那由多「早くして」
未来「・・・・・・・・・・・・」
カズ「・・・・・・・・・・」
丈二(な、なんで・・・・こいつら こんなところに・・・・!?)
ガチャッ
平田「よくもやってくれたな丈二!今すぐ『容器』を俺に返せッ!」
那由多『返せって・・・・・・元々あなたのモノじゃないでしょう』
平田「!? 誰だお前、丈二はどうした!?」
丈二「・・・・・・・・」
未来「動かないで、頭を撃ちます」カチャ・・・
丈二「なにしてんだよ、お前ら」
カズ「お前にも秘密があったし、俺達にもある。そういうことだよ」
丈二「一体どうなってる・・・」
那由多「知らない人間同士が話しててもしょうがないわね。『先生』を出して。
いるんでしょう?そこに」
平田『『先生』・・・・・・?誰のことだ!?』
那由多「あなたが『ナイフ』を売りつけようとしてる男のことよ・・・」
平田『!』
ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ
???「・・・・・・・・」
平田(『先生』・・・・この男のことだよな・・・・・・・当然)
???『誰だ?』
那由多「虹村 那由多・・・阿部の『チーム』の『スタンド使い』」
???『・・・悪いが記憶にないな、何のようだ』
那由多「私は貴方のこと知ってるわよ、『先生』。『水』・・・必要なんでしょ?」
先生『なに?』
丈二「・・・・・・・・」
那由多「入って無くて驚いた?これ、私達が持ってるの。『抜き取らせて』もらったわ。
もし欲しいのなら・・・」
先生『・・・・・・』
那由多「取りに来なさいよ、ここに」
ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ
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