フレンズ?

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フレンズ? ◆Z9iNYeY9a2



『俺はこれでゼロの相手をする。君達は先に進め』
「分かった。……、スザク、死ぬなよ」
『お互いにな』

白き人型起動兵器に乗ったスザクにゼロを任せ、アヴァロンは遊園地を離れていく。
その中で、月は通信機の電源を切った。

勝敗に関わらずスザクは追ってくることはできないだろう。
後ろでエネルギー物質で彩られた翼を翻しながら戦うスザクと、それを相手にしているゼロの戦いの様子を見ていれば数分で終わるものではないことは分かる。

そしてその戦いの中、あの魔人相手に自分ができることもない。

やはり不安だったし、改めて思い知らされたものだ。
自分がこうして生きていられるのは、運がよかっただけなのだと。

一息ついた辺りで、ようやく背後に人の気配を感じることができた月。
この場にいるのが誰なのか。それは振り向くまでもなく分かっていることだ。
彼らがここに乗ってくる様子はこの場で見ていたのだから。

「――――久しぶり、だな。L」
「ええ。数日ぶりといったところでしょうか」
「僕時間だと4年ぶりだけどな」

そう言って振り返る月。

立っていた男は、相変わらず猫背で目に隈をつけた、しかしこちらを余さず観察する目は確かに月の知っている探偵だ。

そして、その後ろには二人の少女。
同じ学生服に身を包んだその二人のうち、月は一方を知っていた。

「また会ったな、さやかちゃん」
「月さん……」

その瞳はやはり警戒心に満ちたものだった。
Lを悪人と言って自分を騙していた相手だ。当然のことだろう。

だが、今の彼女はあの時に感じたただの騙しやすい青い学生とは別人のように見えた。
あれからどれだけの経験をこの子は積んだのか。それを月には測ることまではできなかった。

「あの時とは、ずいぶんと違う雰囲気になったな」
「まあ、おかげさまでね」

ともあれ、彼女達は既に自分のことは聞いているのだろう。
ならば、自己紹介を長々とする必要もない。

「月くん、一つだけ聞かせてください。
今のあなたは、キラですか?それとも夜神月ですか?」

そして、このLが自分を乗り越えた者であるのならば、月がキラかどうかなど今更だろう。
この言葉はきっと、今ここにいる自分がどっちなのかと問うているのだ。

「…キラはもういない。僕はもうキラになることはできないと思う。
ここにいるのは、ただの夜神月だ。稀に見る大量殺人の実行犯の、成れの果てだ」
「そうですか。
なら、お願いがあります。私に手を貸してください。
皆をここから生きて返すために」
「いいだろう」

差し出された手を取ることに、月は迷いはなかった。




その後は、月とL達のチームでこれまでにあったことについての情報交換を行っていた。
その際、互いの集めた情報がもう一方が集め得なかったものも混じっており、やがて会話は自然な形で二人の考え方を纏めるようなものになっていった。

「なるほど、Cの世界、ですか。枢木スザクさんの語ったアーニャ・アールストレイムという人物がいるということは、それがこの殺し合いに大きな影響を及ぼしているかもしれないと」
「ああ。集合無意識の世界、だと」
「集合無意識ですか。……なるほど、だとすると以前私が考えていたことと照らし合わせることができるかもしれない」
「というと?」
「こういうことですよ」


「なるほど、確かに君が考えていたその魔女の結界の考察と辻褄は合うな」
「ええ。ですが問題は手段になります。仮説レベルのこの考察が正しいのかどうかをどうやって確かめるべきか」
「…確かに、問題はそこだな。スザクもCの世界自体にはそう詳しいわけじゃなかったと言っていたし」


「殺し合いの目的、についてですが。私としては一般的に言われている”蠱毒”というシステムに近いものではないかというのが大きいのです。
セイバーさんやイリヤさん達の世界には、聖杯戦争という儀式が存在しているらしいのですが、それがこの殺し合いにかなり近い仕組みに見えるのです」
「ふむ、確かに君のいうそれは近いようだ。
僕も村上達オルフェノクの世界について、『オルフェノクの王』という概念の生まれ方が気になっていたんだ」
「九死に一生を得た子供に宿る、ですか。理屈も理由も不明ですが、確かに死に近付いたという意味では共通点が見えなくもない」

「…やはりこうして情報を集めてみると、どうしても欠けているものが出てきてしまいますね」
「確かに、Cの世界だの聖杯戦争だの、そういったものに対してはかなり深い知識を持つ者が必要になるからな。
スザクも言っていたが、もしC.C.という参加者がいてくれたなら、もっと助かったかもしれないが」
「もういないものの話をしても仕方ありません。今ある情報で何ができるかを考えることが今の我々にできることです」
「分かってるさ」



二人の会話で長い間繰り返される専門用語の応酬。
やがて理解が追いつかなくなったさやかはこっくりこっくりと船をこいでおり、まどかも意識こそはっきりしていたが理解できず何をどうしたらいいのかあたふたとしていた。


「さやかさん」
「―――っ、うぇっ!?はい!!寝てないですよ!!」
「いえ、別に寝ていたことを咎めようとは思っていません。
ただ、少しお二人にも話に混じって貰おうかと思いまして」

そう言って傍に手招きをするL。

「確かあなたの言っていた、人間を魔法少女にする存在、キュゥべえですが。
まどかさん、彼の目的は宇宙の寿命を伸ばすために少女達の持つ願いの力をエネルギーに変換する、というもので合っていましたよね?」
「え、そうなの?」
「はい。キュゥべえはそう言ってました」
「そうですか。
シロナさん達から聞いたアカギの目的とスザクさんの語るアーニャ、その裏にいると考えられるシャルル・ジ・ブリタニアの目的は似通っています。
そしてもし他に協力者がいると考えた場合、そのキュゥべえという者の狙いは彼らの目的とは利害関係を結べるものではないかと思うのです」
「な、なるほど…?」

強引に頷いてみるさやかだったが、しかし理解できているようではなかった。

「それで、織莉子さんには話したのですが。
まどかさんが魔法少女になった際に膨大なエネルギーを生み出す。しかしそんなまどかさんをここに連れてこられているというのはその存在の思惑には反するものです。
まどかさんが死んではそんな狙いも全て無為に返すだけですから」

まどかが最悪の魔女になった際に生まれるエネルギーを求めるキュゥべえ。
そして、その最悪の魔女と化したまどかが世界を滅ぼすのを防ぐためにまどかの命を狙う織莉子。

どちらも中心にいるのはまどかだが、現状キュゥべえの関わりだけは確認できていない。

「ここにまどかさんがいるということは、そのキュゥべえの狙い以上の見返りがあるか、あるいは願いの方向性が違うため相容れないのかのどちらかと考えていますが。
この辺りは理屈が分からないためこれは直感ですが、こういった場合前者の可能性はだいたい70%くらいあると思っています」
「つまり、どういうことですか?」
「もし、キュゥべえがこの会場に現れるようなことがあったら、敵と見ておいた方がいいということです」

織莉子とまどかの関係を知っている。そして、まどかの願いの力を知って尚もその生命を掛け金にすることができる。
もしそういった状況が予想通りだったなら、その白い異邦人は決して味方たりえない。

「…さて、色々と考えていましたが、少し糖分が欲しくなりましたね。
まどかさん、さやかさん、少し艦内で探してきてくれませんか?大きな艦ですし、食堂くらいはあるでしょう」
「分かりました」
「じゃあ、僕も見てこようか?」
「いえ、月くんはここにいてください」
「…?分かった」

そう言って、まどかとさやかは艦橋から出ていった。
一応艦内の地図は渡してあるため、迷うことはないだろう。

二人が出ていって足音が遠のいたのを確認したところで、Lは口を開く。

「月くん。私はこの殺し合いを行ったアカギ達のことは許せないと思っています」
「それは、僕も同じ考えだよ」
「ですが私の目的は、一人でも多くの人をこの場から生きて返すことだと思っています。
アカギ達をどうするかというところについてはまあ最悪二の次になってしまったとしても、それが最終的な目的です」

言いながらLは、月の顔をじっと見つめる。
まるで月を見定めでもしているかのように。

「月くん、あなたと協力することは当然吝かではありません。例えあなたがキラだったとしても、この場だけではそれを見逃してもよかった。
ただ、この一点についてはあなたのことを完全に信用することができないでいます」
「ある一点…?」
「あなたが、私が生かして返したいと思う人たちを助け得る人かどうかです」

例えばの話。
キラである月がLと手を組みこの場からの脱出を目論んだとして。
自身の生のみに執着し、他者を利用し蹴落としてでも生きようとするようならば、Lは月に他の参加者の命を預けることはできない。

何しろもしこの場で自分や他の参加者が命を落とせば、月がキラだと知るものはいなくなるのだ。

「正直あなたのことは信じたいと思っていますが、それでも月くんにはこういったケースの裏切りに前例があります。
それに、私の知る月くんは自分の秘密を守ることを優先して恋人の命をノートに書いて利用する人でした」
「恋人…?」
「知らないのであれば説明しましょう。
あなたは南空ナオミによって追い詰められた際、自分がその時付き合っていた恋人の命を、彼女を殺すためのノートを使った寸劇の一員に利用し命を落とさせた。
彼女は弥海砂とは違う、キラのことを正しいと言うこともなかった、ごく一般の善良な子です」
「……、そう、か。そっちの僕はそんなことを」

月は南空ナオミを始末するために口八丁で情報を引き出してノートに名を書いたが、あの状況も幸運から来たものだ。
もしあそこで彼女に会うことがなければもっと追い詰められていただろうし、そうなった場合何をしたかは分からない。

やらない、やりたくないと考えたとしても、あの時の自分が追い詰められたら、きっと神を免罪符にして利用してしまうことだって大いに有り得ると思った。

「僕は、もうそんなことはしない―――って言っても、きっと信じてはくれないんだろうな」
「ええ。信じられないというより、疑いの可能性がどうしても消せないと言った方がいいですね」

「分かった。こればっかりは今の僕にはどうしようもないことだ。君自身で見て、その上で判断して欲しい」
「そのつもりです。あなたが果たして」

自分の跡を継ぐに相応しいのかどうか。
その部分は言葉になることなく、Lの中に飲み込まれていった。





「ねえまどか。さっきLさんが言っていたことって…」
「…うん、本当なの」

さやかの言葉に答えるまどかの声に感じる後ろめたさは、それを隠していた事実からか、それともその事実そのものからか。

「キュゥべえが言ってた。私が魔法少女になったらすごく強くなれるけど、魔女になったら世界を滅ぼせるくらい強くなるって。
美国織莉子さんは、私が世界を滅ぼす未来を見て、それを止めるために私の命を」
「分かった、それ以上は話さなくていいから」

まどかの顔が、話していくだけ辛そうに歪んでいくのを見たさやかは途中で話を止めさせた。
同時に、先にまどかと話した時に自分のことしか聞かなかった自分に腹が立っていた。

キュゥべえからまどかの才能について聞いた時、そこに嫉妬していた自分がいたというのに。
まどかはその事実にずっと苦しめられ、命すら狙われることがあったというのだ。


「まどか」

そんな状況で、まどかに対して言わなければならない言葉は一体何か。

嫉妬した自分の、気遣いが足りなかった自分の謝罪か?違う。
そんなことを気にすることはないという励ましの言葉か?必要かもしれないが、それはまどかへの救いにはならない。

それは、先にさやかがまどかに言われた言葉。

「さっきさ、私がどんな罪を背負っても、友達でいてくれるって言ったよね。
私も、まどかがどんな存在になるやつだったとしても、友達だって気持ちは変わらないから。それだけは覚えておいて」
「……うん」
「だ~からさ~、もしあんたがそんなんで死のうって思うとか、そんなこと考えちゃダメだからね~。
そんなことになったら、私も後を追って死んじゃうかもだぞ~」
「も、もう止めてよー!」

空気が張り詰めすぎたと感じたさやかは、まどかの首に腕を回して、そのまま髪をガシガシとかき回し始めた。
そんなさやかの行動に、笑いながら抗するまどか。

この瞬間だけは、魔法少女とか世界がどうとか色々な罪とか。
そんなことを忘れて、今までのようなただの女子学生のように振る舞いたいと。

その気持ちは、二人とも同じだった。



【D-5/アヴァロン艦内/一日目 夜中】

【夜神月@DEATH NOTE(漫画)】
[状態]:疲労(小)
[装備]:スーツ、
[道具]:基本支給品一式
[思考・状況]
基本:キラではない、夜神月として生きてみたい
1:アヴァロンに乗って行動する
2:Lと力を合わせて会場の謎を解く
3:斑鳩を警戒
4:メロから送られてきた(と思われる)文章の考察をする
[備考]
※死亡後からの参戦


【L@デスノート(映画)】
[状態]:右の掌の表面が灰化、疲労(小)
[装備]:ワルサーP38(5/8)@現実、
[道具]:基本支給品、クナイ@コードギアス 反逆のルルーシュ、ブローニングハイパワー(13/13)@現実、 予備弾倉(9mmパラベラム×5)、トランシーバー(電池切れ)@現実 、薬品
[思考・状況]
基本:この事件を止めるべく、アカギを逮捕する
0:月君を信じてもいいのだろうか?
1:アヴァロンに乗って行動する。
2:月がどんな状態であろうが組む。一時休戦
3:遊園地の地下にあるものをいずれ確かめたい
4:向かえるならばポケモン城に向かいたい
5:少し糖分が欲しい
[備考]



【鹿目まどか@魔法少女まどか☆マギカ】
[状態]:疲労(小)、手足に小さな切り傷、背中に大きな傷(処置済み)
[装備]:見滝原中学校指定制服
[道具]:基本支給品、不明ランダム支給品0~2(確認済み)、ハデスの隠れ兜@Fate/kaleid liner プリズマ☆イリヤ
[思考・状況]
1:Lさん達と一緒に行動する
2:私は何ができるだろう?
3:さやかちゃんを信じる
[備考]



【美樹さやか@魔法少女まどか☆マギカ】
[状態]:疲労(大)
[装備]:ソウルジェム(濁り30%)(小さな亀裂有り) 、トランシーバー(残り電力一回分)@現実、グリーフシード(濁り100%)
[道具]:基本支給品、グリーフシード(濁り70%)、コンビニ調達の食料(板チョコあり)、コンビニの売上金
[思考・状況]
基本:自分を信じて生き、戦う
1:アヴァロンに乗って皆と行動する
2:ゲーチスさんとはもう一度ちゃんと話したい
[備考]
※第7話、杏子の過去を聞いた後からの参戦
※桜とマオとスザク以外の学園に居たメンバーの事を大体把握しました(あくまで本人目線)
※魔法少女と魔女の関連性を、巴マミの魔女化の際の状況から察しました
※まどかから自分の参戦時期~まどかの参戦時期までの出来事を聞きました
※ソウルジェムの亀裂の影響ですが、ルビー評だと戦闘は2度以上は危険とのことです。



152:Nとニャース・ポケモンと人間 投下順に読む 154:立ち向かうべきもの
時系列順に読む 155:ReStart準備中
150:舞い降りる剣 夜神月 154:立ち向かうべきもの
L
鹿目まどか
美樹さやか



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