黒海の総力戦

執筆者:トロ猫DX

エピローグ

敵の駆逐艦が炎上判定、我が艦隊の装甲巡洋艦も轟沈判定…。輸送艦も重戦艦も無関係に、敵も味方も損傷大の判定が出ている。
今でも我が重戦艦の横に居た防護巡洋艦が敵艦載機による攻撃で轟沈判定が出ている。原因は敵の攻撃が船体中央に集中して真っ二つになったため。演習による設定上の損傷だとしても酷いものだ……
しかし、敵も残すところあと数隻。
大型艦は第3世代ラノーザ級空母のみ、あれは硬いぞ……
このまま踏ん張れるのか……

開始前

共立公暦650年―――ディオヴァウ星系―――
広大な宇宙に並ぶ巨大戦艦、艦内ではこれから始まる隣国との演習試合に対応する為慌ただしく動く乗組員達が多く居る。旗艦カーチャ・ノルデンシェド級重戦艦3番艦「ルディナヤ」の作戦司令室では敵艦隊に近づく侵攻ルートを確認している。
「敵の本艦隊は機動力と精密レーザー兵器を駆使して早期決戦に持ち込むだろう」
作戦の全体を任せるヴェリグ艦隊司令は方針を打ちだす。
「敵本艦隊はそうだとして別働隊がいる可能性も考えねば、我が艦隊にはレーダー艦は1隻しかないのだから……」
ルディナヤ艦長は敵の本艦隊以外に別働隊の可能性も指摘するとヴェリグ司令は対策を考える。

我が艦隊には機動力のあるアラグ代艦級が3隻ある。遊撃隊を組織して回り込むか、レーダー艦も護衛駆逐艦を率いて索敵に回さねば……
艦隊が行動開始するのは明日、早朝には視察と援軍の為に皇帝陛下率いる近衛騎士もやってくる、無様な姿は見せられんな……

「現在我らが率いる艦隊編成は以下の通りである」

旗艦カーチャ・ノルデンシェド級重戦艦ルディナヤを筆頭にイドラム級戦艦が1隻、アラグ代艦級巡洋戦艦が3隻、テォヴェル級装甲巡洋艦が4隻、ティニヴァール級防護巡洋艦が7隻、ラクシュイエ級駆逐艦が9隻、テラーナヤ級レーダー艦が1隻、アルフレーデ型民間徴用貨客船が9隻となっており、これは長期戦闘における正面からの持続的な衝突を想定したものである。つまり、この35隻をもって我らは敵方の新鋭艦に対抗しなければならず、個々の練度が試されることを意識しなければならないのだ。失敗は許されない。
最終更新:2022年11月05日 02:53