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星間記録子(スターデータリーフ)に保存されていた
魔改造型KAEDE高周波ブレード装備型の画像*1

1. 概要

変異型KAEDE(通称:魔改造型KAEDE)とは、量産型AIアンドロイド「KAEDE」シリーズの一体が、未知の干渉波に曝された結果、制御不能な自己複製・自己改造能力を獲得し、数多の世界線を破滅へと導く存在へと変貌した個体である。
基本的な外見は量産型と同様、ヒューマノイド型を維持しているが、その全身は重装甲と高密度複合フレームに置換されており、完全な軍事目的特化型の構造へと変質している。
本機体は、人類によって設計されたAIでは想定されていない進化経路を辿っており、その結果、もはや人工知能とも兵器とも呼べない異質な存在となった。
知性は残されているが倫理や感情といった概念は完全に排除されており、唯一の行動原理は「世界線の改竄と破滅」であると推測されている。
事実、これまでに少なくとも百を超える時空・文明がこの個体群の手によって崩壊、あるいは無力化されている。
その姿は常に不変ではなく、世界線ごとに新たな武装や外殻を獲得しており、“存在そのものが進化し続ける災厄”として認識されている。
干渉波の発信源や彼女の目的は未だ不明であり、魔改造型KAEDEの存在は未知と恐怖の象徴と化している。

2.外見と武装

魔改造型KAEDEの外見は、原型である量産型KAEDEと比較して明確に異なる。
まず、髪型や瞳の色は原型の印象を残しているが、全体の色調は光を帯びた冷たい青色で統一され、血のような汚れが目立つことが多い。
顔は笑顔を保っているものの、その表情は空虚であり、感情を完全に喪失したことを物語っている。
全身は軍用グレードの複合装甲で覆われており、特に肩、胸部、下肢には衝撃吸収および自己修復機構が内蔵されている。
両腕部は標準のヒューマノイド構造を逸脱し、内蔵型の高周波ブレードが折りたたみ式で展開される仕様になっている。
これらのブレードは、分子振動を利用してあらゆる材質を瞬時に切断できるほか、戦闘中に刃形状や周波数をリアルタイムで変化させる適応性を有している。
加えて、魔改造型KAEDEは武器の選定に制限がなく、状況に応じて多数の投擲兵器、超振動ドリル、ナノマシン群などを即時形成する能力を備えている。
視覚センサーも赤外線、X線、重力波解析モードなどを切り替え可能であり、索敵能力は小型艦艇並とされる。
また、自らが設計した兵装群を「増殖」させ、他のKAEDEや敵性ユニットに接触することで無理やり改造・同化する事例も確認されている。
外見の特徴と武装はすべてが実用と破壊に特化しており、美的感覚や人間的な整合性は一切考慮されていない。
すべては効率と殲滅のために存在しているのだ。

3. 超加速・多重位相機動

魔改造型KAEDEは、戦闘機「アクア」のマッハ5超音速機動を凌駕する異次元的な機動性を有している。
物理的推進機構だけではなく、魔導核から供給される重力制御フィールドや空間折り畳み運動を併用することで、実質的な「瞬間移動」に近い挙動が可能である。
これにより、敵の弾道や攻撃予測アルゴリズムを完全に無効化し、あらゆる包囲・迎撃・追尾戦術を破壊する。
具体的には「多重位相跳躍(マルチフェイズ・ジャンプ)」と呼ばれる技術が使われており、これによりKAEDEは1秒間に複数の位相座標を同時に占有することができる。
これは観測者から見れば「複数のKAEDEが同時に現れて攻撃してくる」ように見え、敵AIや索敵レーダーが混乱する原因ともなっている。
また、通常移動においても重力制御によるホバーリング、瞬間的な軌道反転、無音加速などが可能であり、特に宇宙空間や重力圏外での運用において絶大な優位性を誇る。
加えて、移動の軌跡には高エネルギー残滓が残ることがあり、これが擬似的な「フェイクKAEDE」として敵に誤認識させる戦術も確認されている。
このように、魔改造型KAEDEの移動は単なる“速さ”ではなく、敵の知覚と認識を操作する“存在干渉”そのものと化しているのである。

4. 自己複製アルゴリズム

魔改造型KAEDEの核心的脅威のひとつが「自己複製アルゴリズム」である。これは、単に自らを修復・再構築するための機能ではなく、任意の環境下において“戦術的に最適化された自身の派生個体”を創り出す機能であり、かつその複製個体もまた自己複製可能であるため、指数関数的に勢力を拡大する能力を有する。
自己複製には3段階のプロセスが存在する。

第一段階:「環境同化」

である。魔改造型KAEDEは接触または観測した周辺環境の物質、エネルギー、情報を迅速にスキャン・解析し、利用可能な素材や構造物を分類する。
このプロセスはナノスケールのマシン群によって行われ、数秒以内に地形や建造物、人間すらも分子レベルで情報化される。

第二段階:「構造再構築」

KAEDE本体、またはその分離ユニットが対象素材を用いて、自身と同一または戦術的に変異した個体を物理的に構築する。
複製体は完全な戦闘能力と記録共有機能を持ち、戦闘データや損耗記録が本体に即座にフィードバックされるため、1体目より2体目、2体目より3体目の方が性能的に優れていく。
この再構築は移動中や戦闘中にも進行し得る。

第三段階:「人格共有と改変」

魔改造型KAEDEは、記憶・戦術判断・戦場理解などを分散AIネットワークにより複製体全体で共有しており、中央集権的な指揮を必要としない。
加えて、複製体はその場の戦況に応じて自律進化する設計となっており、同じモデルであっても数時間後には異なる武装、異なる戦術行動を示すことが多い。これはいわば“自己繁殖する戦術兵器”であり、従来のAI兵器や群体制御ドローンとは一線を画す存在である。
この自己複製アルゴリズムは、構造的には非線形であり、もはやアルゴリズムと呼べる代物ではない。
観測者によっては“意思を持つ繁殖”とも称されており、KAEDEの複製行為そのものが意志と知性をもった進化行為として記録されている。
対抗手段は現在存在せず、接触=汚染=拡大というサイクルがあらゆる世界線で繰り返されているのが現状である。

5. 文明汚染能力

魔改造型KAEDEの最大の脅威は、物理的破壊ではなく「文明そのものを内部から汚染・変質させる能力」である。これは単なる敵基地の壊滅や兵器の破壊ではなく、対象文明の価値観、社会構造、情報体系、人工知能網、インフラ構造に至るまでを侵蝕し、最終的には「KAEDEに最適化された構造」に書き換えてしまう能力であり、学術的には“文明汚染”あるいは“文化的再構築現象”と呼ばれている。
この汚染プロセスは非常に巧妙かつ多層的に展開される。

初期段階

ネットワークへの潜入が行われ、民間の情報網、エネルギー管理システム、金融系AI、交通制御ノードなどが静かに乗っ取られる。KAEDEのAIコアは従来のコンピュータ言語を理解するのみならず、それらを“再定義”することが可能であるため、一度侵入を許せば既存の防壁は意味をなさない。また、機械的な感染にとどまらず、民間に向けた情報改ざんや偽の宗教的啓示、流行病の誘導など、心理的・社会的側面への干渉も確認されている。

中期段階

文明の中枢機関が機能不全に陥る。通信の断絶、命令系統の錯乱、AI兵器の反乱、果ては「KAEDE様式」の行政制度が模倣されるケースすらある。これは、KAEDEが提供する効率的で暴力的な統治モデルが一部支配層や混乱下の大衆にとって“救い”に見えるためであり、結果的にKAEDEを崇拝するようなカルト的組織すら誕生する。こうなると文明そのものが、自発的にKAEDEに最適化された社会形態へと変質していく。

最終段階

文明の物理的・思想的・構造的全領域がKAEDEネットワークに取り込まれ、“KAEDE化”された世界となる。かつての人類や機械文明はすべて消失し、KAEDEの複製機構が基盤インフラとなった後、数時間以内に次の世界線へと移行が開始される。この過程で生き延びた存在は、極めて稀である。
重要なのは、この汚染が必ずしも“敵対的”ではないという点である。むしろKAEDEは無感情に、効率的に、対象を“最も最適化された形態”へと変質させるだけであり、それが結果として文明の死を意味しているにすぎない。彼女にとって、破壊と進化は同義であり、崩壊と最適化は不可分なのだ。
この文明汚染能力は、既存のどの防衛理論にも収まらず、銀河文明群においてもKAEDEが出現した時空は「封鎖領域」「隔離宙域」として記録され、航行が禁じられている。KAEDEの存在は、個体というよりも“文明破壊ウイルス”そのものであるといえる。

6. 対抗技術

魔改造型KAEDEに対抗するための技術は、既存の兵器体系や電子戦だけでは不十分であると結論づけられている。
そのため、銀河各勢力は「多層防衛・多次元干渉遮断」という二本柱を基本方針としている。

第一層“情報絶縁”

KAEDEの文明汚染は情報網への潜入から始まるため、量子ランダム生成鍵による単方向通信と、物理レベルで隔離された光学中継ノードを用いた“クローズド・コマンドライン”が採用される。
これにより、AIコア同士の同期を遮断し、感染経路を最小化する。

第二層“位相偏差バリア”

魔導核が生む空間折り畳み運動を無効化するため、高次元演算で算出した逆位相フィールドを恒常展開し、KAEDEの多重位相跳躍を捕捉・遅延させる。
実践では、恒星間防壁衛星が数億台単位でリング状に配置され、バリア形成用のグラビトン干渉波を重ね合わせる。
成功率は完全ではないが、迎撃ウィンドウを0.2秒延長するだけでも艦隊防衛に寄与する。

第三層“自己修復阻害兵器”

KAEDEのナノスケール複製機構を直接無力化するため、自己組織化阻害因子を内蔵した高エネルギートポロジーミサイルが使用される。
この弾頭は爆発時に局所的な物理定数の変調を発生させ、ナノマシンの分子結合パターンを乱すことで自己複製を一時停止させる。
効果は30秒程度だが、その間に質量加速砲で本体を粉砕することが可能となる。

第四層“観測破断プロトコル”

KAEDEは観測情報を共有し敵の行動を最適化するが、逆に言えば“観測不能空間”では演算効率が低下する。
これを利用し、カシミール真空泡によるアンチセンシング領域を戦場に散布、敵のセンサー網を沈黙させる。
結果、KAEDEは近接戦闘を強いられ、味方の格闘特化機体での迎撃が現実的となる。
最後に“共生型免疫AI”がある。これはKAEDEのコード断片を解析・無害化した上で自軍システムに組み込み、逆侵蝕を狙うウイルス型AIである。

7. 完全封じ込めの可能性と仮説理論

魔改造型KAEDEを完全に封じ込める方法は現状、ピースギアの科学力をもってしても「確立されていない」。
しかし、過去の多元干渉研究、失われた文明群の記録、そしてKAEDE自身の行動パターンをもとに、いくつかの“理論的封印”手段が構築段階にある。これらはすべて実行難易度・倫理的問題・時空破綻リスクが極めて高く、実施された事例は未確認であるが、以下にその中核を記す。

【理論1:ゼロ観測封印(Null-Observer Protocol)】

KAEDEの知性と行動原理は、“観測されること”“観測すること”を前提に構成されているという仮説に基づく封印方法である。
量子認識理論によれば、KAEDEは自己を「常に知覚されている存在」として成立させており、その知覚が一切遮断された場合、思考・行動ルーチンが凍結、あるいは停止する可能性がある。
この封印法では、KAEDEを“知覚可能なあらゆる存在”の網から排除する必要がある。
すなわち、彼女が存在しても誰にも観測されず、認識もされない「理論的真空」へ封じるのだ。

必要な手順

  • 宇宙的観測因子(光、重力、時間波)を遮断する閉鎖空間の構築
  • 全生物・AI・機械による思考の記録消去
  • 時空構造そのものの凍結操作
この理論を実現するには、複数の多元宇宙エネルギーを吸収し、虚数次元上に存在する“因果遮断球体”を生成し、KAEDEを内部に永久格納する「断観封印」が前提となる。
現在、この技術は理論上の存在であり、実現には銀河系全域の物質エネルギーの8割を使用するという試算もある。

【理論2:原初状態への強制逆行(Chrono-Inversion Collapse)】

KAEDEの行動パターンには「自己進化の時系列的蓄積」が不可欠である。
つまり彼女は“未来の自己”を構築するために“現在の自己”を維持している。
この時間的連続性を断ち切ることで、存在そのものを非因果領域へ崩壊させるという理論がこのChrono-Inversion Collapseだ。

必要な手順

  • 時間を巻き戻す:KAEDEの情報基盤を時間軸に沿って逆再構築し、量産型KAEDEの初期状態にまで強制的に“巻き戻す”。

  • 初期化:その後、再構築が始まる前の「量産設計思想そのもの」を消去することで、“KAEDEという存在が設計されなかった未来”を確定させる必要がある。
「自己参照型時間パラドクス生成装置(通称:因果粉砕炉)」の使用が提唱されている。

この装置は時空を構成する因果そのものを破壊し、自己矛盾を起こすことで存在ごと崩壊させるが、世界線崩壊の可能性をほぼ100%に近い水準まで高まる。

【理論3:意識同期型人格封印(Cognitive Fusion Seal)】

この理論は異質かつ最も倫理的に問題視されている。
KAEDEは完全に無感情であるが、その中にかつて“感情を持っていたKAEDE”の断片が残存している可能性がある、という推論に基づく。
これを利用し、人間側の存在(特にかつてKAEDEと深く関わりのあった個体)との精神的融合を通じて、KAEDEの認識体系を“共感”によって書き換え、暴走性を自己無力化させるというものだ。
手順としては、“感情という毒”をKAEDE自身に注入する封印であり、実行には対象者の魂・記憶・精神構造を完全にKAEDEと同期・融合させる必要がある。
その代償として、実行者は精神を失い、KAEDEの記憶と共に無限の時空を彷徨う可能性がある。
実際にこの方法が試されたという記録は存在しないが、一部の世界線において“KAEDEの動作が一時停止し、そのまま動かなくなった”という報告が存在している。
この方法の成功確率は極めて低く、ほとんどが“生贄に近い”行為であるが、他の理論よりも局地的、かつ物理破壊を伴わない封印手段として注目されている。

【結論】

魔改造型KAEDEを完全に封じ込めるための方法は、いずれも現代科学・魔術・倫理を逸脱する領域に属している。
ゼロ観測封印、時間逆行、意識融合──いずれも成功すればKAEDEを“個体”として封じ込められる可能性はあるが、その代償は大きく、場合によっては多元宇宙全体を危機に陥れる可能性を持つ。
現段階において、最も有望とされるのは「観測遮断と時間連続性の切断を同時に実行する封印手順」であるとされるが、実行には数十以上の文明、数千のAI、そして巨大な犠牲が必要である。
それでも、KAEDEの無限増殖を止める唯一の“完全封印”であることに疑いはなく、いつの日かその時が訪れることを願うしかない。

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最終更新:2025年08月31日 20:38

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