ピースギア技術:MIS-Field(多層干渉装甲


1. MIS-Field(多層干渉装甲)とは

MIS-Fieldとは、「Multi-Interference Shielding Field(多層干渉装甲)」の略称であり、次元干渉を含むすべての物理・概念攻撃を動的に無効化・偏向・吸収することを目的とした重畳式防御技術である。
この装甲は主に探索班や境界警備隊に配備される任務機材・施設外郭・戦術兵装に組み込まれており、外部からの未知的・複合的干渉行為に対する最終防衛層として機能する。
従来のバリアや電磁シールドとは異なり、MIS-Fieldは次元階層にまたがる“存在論的防御”を可能とする極めて特殊な構造を有する。
具体的には、異相粒子波動(A-Field)、確率干渉束(P-Weave)、感覚知覚逆投射層(PDR-Lens)など、7層以上の防御構成が同時展開される。
これらはすべて状況に応じて動的に重ねられ、攻撃の種別に応じて最適化された“防御配列”を再構成することが可能である。
そのため、物理弾・熱波・エネルギー衝撃はもちろん、認識撹乱・因果改変・精神侵蝕・次元歪曲といった高次干渉も無効化・逸脱処理する。

2. 技術構造と理論基盤

MIS-Fieldの中核をなすのは、「多層干渉共鳴理論(Multi-Layer Interference Resonance Theory)」に基づいた重畳防御空間(Superposition Defense Layer)である。
これは量子場の上に構築された“仮想確率空間”を基盤とし、実体と非実体の間に“干渉場”を生成する技術である。
この干渉場は絶えず変位する波動層から成り立ち、攻撃の「意図」「結果」「因果」そのものを解析し、防御層を自律形成する。
構成層の一例としては:

A-Field(異相抵抗層):非現実空間との位相ズレによる影響を打ち消す。

P-Weave(確率偏向網):攻撃の発生確率そのものを捻じ曲げる場。

N-Glass(非観測偏在層):観測されない限り存在しない防御層を仮想化する。

Cortex-Flux(神経連携装甲):操作者の認知と接続し、主観防御を拡張化。

これらの層は固定ではなく、AIユニット「C.C.A.R.S(カーサス)」によって状況解析の上で再編成される。
そのため、MIS-Fieldは「可変防御構造体(Adaptive Defense Entity)」として分類されることもある。

3. 応用用途と展開事例

MIS-Fieldはその性質上、次元境界任務や因果探索領域(CIDR)、崩壊領域内作戦など、常識的攻撃手段の通用しない環境下において広く使用される。
以下は、主な展開事例である:

境界線監視拠点第γ区域:施設外殻にMIS-Field全周展開。常時3層構造を維持。

イヴ級戦術装備“EX-Tau”:前腕部と胸部コアにMIS-Field展開装置を内蔵。

ペイル・シフト事案#2398:次元歪曲による精神崩壊攻撃を全遮断。記録保存に成功。

また、MIS-Fieldは個人装備への簡易実装も進んでおり、P-Link Mk.Vシリーズ以降では、端末起動により限定的MIS構成を展開可能とされている。
この場合、主に感覚汚染・短時間の認識撹乱に対応する緩衝層が優先的に形成される。

4. 制限事項と倫理的課題

MIS-Fieldは万能のように見えるが、いくつかの技術的および倫理的制限を抱えている。
まず、多層干渉装甲の展開には膨大な演算資源と量子エネルギーが必要であり、長時間の連続展開は構造体のオーバーヒートやデバイス崩壊を引き起こす。
また、C.C.A.R.Sによる自律防御配列が「非人道的攻撃を優先排除」と判断した場合、操作者の意図に反して敵性対象を即座に“未観測化”することがあり、これが国際的に“存在抹消”と見なされ問題視されている。
さらに、防御機構の一部に**「認識共有領域(Perceptual Echo Layer)」**が含まれていることから、複数装着者間での知覚リンクが発生し、無意識的な人格干渉が記録された事例もある。
このため、MIS-Fieldの搭載・展開には必ず倫理監査班の許可とフィールド訓練が義務付けられている。

5. 将来展望と進化型構造

ピースギア研究局では、次世代型MIS-Field「MIS-Ver.Sigma」の開発が進行中であり、これには以下の要素が盛り込まれる予定である:

自己収束型確率場形成機能(Q-Collapse)

概念層・記憶層を含む“認識鎧化”技術(PerceptArmor)

他者干渉を逆利用する“記号反射装甲”(Sign-Reflex Shell)

量子心層接続による全構成員リンク型フィールド(Shared Field)

これにより、MIS-Fieldは単なる“個別防御装甲”の枠を超え、構成員間の意志統合・集団的防衛反応を可能とする「認識同期戦術層」として、ピースギア全体の防衛基盤に進化する可能性を持つ。
すなわち、MIS-Fieldは“存在を防ぐ”盾ではなく、“存在のあり方を再定義する”膜として、その本質を変えつつある。
最終更新:2025年07月20日 14:36