プログラマーがファンタジー世界に召還されますた(非公式まとめ)

ゲリラ修行中7

最終更新:

pfantasy

- view
だれでも歓迎! 編集
⊿月×日、私は再び戦場にいる

リーナ領には異人種も多く住んでいる。
「金貨500枚に、そうだ!こないだ戦場で手に入れた聖杯を付けよう。どうだね」
今私と交渉しているこの髭のひょろ中年も、ノームだ。異人さんにも好き者はいるんだなあ…。
何にしても、聖杯が出てきた時点で決定である。魔術師にとって魔法の道具は金額ではない。
(某国に行けばただで配ってたりするが、私は会わせる顔が無いので)

魔法のワンド、ノームのデイ・カーサ氏、落札~。

と同時に、ノームの国の話を聞く事ができたのは嬉しかった。なんでも、帝国のドット網以前の技術
「コム」を参考に、改築工事が進んでいるらしい。懐かしい気分だ。
行ってみたいので連れてって欲しいと言うと、なんとOKを貰えた。
さて、こうなると、他の人へキャンセルの通知を出さなければならない。私はせっせと手紙を書いた。
おおごとになっている感があり、やや心配だ。パーラーに用事は無いし、長居しないほうがいいかも。

数日後、私は打ち鳴らされる警鐘で起こされた。
窓から外を見ると、白銀の聖騎士の軍勢が街へ攻め込んで来ている。ひょっとして…。
神権国家の偉いさん、やけに執着していたからなあ…他に売ったのはマズったか…。
早くチェックアウトして…と思ったら、宿主夫婦は既にいない。
道へ出たところ、この辺一帯は既に無人──という事はディカサさんもか──見捨てられたわけだ。
騎士団は、シークェルを連発し、デブゥの獣・オーラクルに邪魔な建物を片づけさせて進軍して来る。

私は二度目の戦場にいるのか!?しかも、今度はたった一人で…。
あの時の失敗が脳裏に浮かぶ。そして、あの時と同じく、手には聖杯が握られている。
私は聖杯を使いこなせるとは言えないが、ドジを繰り返さなければ問題ない筈だ…落ち着け…落ち着け…
前はキューティーなライブラリが無かった。この国にはPerl/Qtが導入されている。利用させてもらおう。
指先を噛んで、聖杯に自らの血を垂らし、魔方陣を展開しはじめる。
来た…。中央の馬に乗った隊長が、デブゥの獣・オーラクルをけしかけるべく、シークェルを唱えている。

まず、オーラクルに比べればだいぶしょぼいが、見た目派手なファイヤーバードで威嚇をしよう。
その後は、聖杯の秘術デブゥ・エクスプレスなら、グリッドでオーラクルを捕える事ができるはずだ。

召喚!ファイヤーバード!!
真紅の怪鳥は、私の呼び声に応じて、煌めく炎の翼を舞って飛来した。

…だが、騎士団は、私のほうなど見てもいなかった。
様子も変で、なにか引き上げていくみたいだ。ひょっとしたらカーサ氏を捕えたのかもしれない。
さっさと売ってしまって正解か……私の背後で、ファイヤーバードが鳴いている。
ああ、ご苦労さん。折角来てくれたけど、帰っていいよ。
安堵している私の背中に、ふと、寒気。SYSDBAの合言葉は何だったかな…ド忘れだ。

ファイヤーバードはこちらを睨んでいる。なにしろ実際に召喚したのはこれが初めてで、
まさかこの場で座り込んで書物を開くわけにもいかないし──えーとえーと…駄目だ!思い出せない。
──命令するもののいないファイヤーバードは、嘴で私をくわえると、大空へ飛び立った。ひぇえ!?

タグ:

+ タグ編集
  • タグ:
ウィキ募集バナー