プログラマーがファンタジー世界に召還されますた(非公式まとめ)

灰色のPG05

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pfantasy

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 それから一ヶ月ほどしてから、宮廷魔術師が5人の少年を連れてきた。
 私の元で修行させて欲しいらしい。

 私はそのときには、ライブラリアン『perldoc』を使い魔に、デバッ
ガーを守護聖獣として召還していた。
 この城の図書館にある入出力系の魔道書は、だいたい読み尽くしたが、
まだ世界制覇に必要な、決定的なモジュールを発見することができていな
かった。
 しかし、伝説のモジュール群が眠る山々が存在することを掴んでいた。
 その山々は、四つの頂の頭文字をとって、CPANと呼ばれていた。
 CPANにいけば、より強い力を得ることができる。
 私はこのとき、プログラマーとしての基本を忘れ、ひたすら己の言語の
強化を目指す、病的な言語強化主義者になっていた。

 CPANへ行けば、力が手に入る。私は宮廷魔術師にそう告げた。

「あの山脈には、何人も近寄ってはならぬ・・・いけて返れぬかも知れんぞ?」

 既に perldoc とデバッガーがある私は、その言葉に同じなかった。
 5人も部下がいるのだ。適時、切り捨てていけば、少なくとも私は、
CPANにたどり着くことができる・・・。

 私は、行動計画を立てていた。

-CPANのバグとどう戦う?

 宮廷魔術師は次のように語っていた。

「CPANには、恐ろしい『バグ』がおるのじゃ。通常の野獣や亜人間
たちであれば、異世界から来た魔法使いの敵ではないじゃろう。しかし、
『バグ』、しかもCPANに存在する『バグ』は違うのじゃ。伝説によ
れば、何人もの魔法使いたちを発狂させた『バグ』なのじゃ。わたしら
は、畏怖をこめてその『バグ』のことを、『魔王』と呼ぶ。」

 私はマネージメントSEでは無かったが、バグ退治は得意だ。
 宮廷魔術師の警告など意に介さなかった。

「しかも『魔王』の周りには、多くのその他の『バグ』が巣食っておる。
いかに力がある者でも、同時に幾つものバグ退治はできんぞ。」

 その点については、私は経験から部下の育成の重要性を認識していたの
で問題が無かった。
 5人の少年たちは速成だが、既にある程度パールゥを使いこなしている。
 例え消耗して失踪することがあっても、私が『魔王』を消し去るまでの
時間は稼いでくれるであろう。

 問題は魔王の正体であった。
 宮廷魔術師曰く、全ての『バグ』には『真名』が存在する。『真名』が
分かれば、それを消し去るための魔法は、自ずから決定されるのだ。
 しかし、魔王はあまりに恐ろしい『バグ』なので、古文書(ドキュンメ
ント)にも何も記録が残っていなかった。また、魔法使いの行動を監視で
きる水晶球『ログー』にも何もうつらないのだそうだ・・・。

 やはり実際に遭遇するまで『バグ』の正体は分からない。
 私はCPANに行くことを決意した。

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