私は、男に魔法のワンドを手渡すことに成功した。
営業には向かないといわれて人生30年。しかし、生まれて初めて
正体不明なものを人に押し付けることに成功した気がする。
営業の佐藤に見せてやりたい。
営業には向かないといわれて人生30年。しかし、生まれて初めて
正体不明なものを人に押し付けることに成功した気がする。
営業の佐藤に見せてやりたい。
-もしかして、オレっていけている!??
男は怪訝そうであったが、ロリの趣味は私の前では隠せない。
宿で一人になったときにでも、男はきっといろいろいじくり倒すで
あろう。そしてその素晴らしい機能に気づくであろう。
私は上機嫌で、ログ報告用の水晶球を見守った。
宿で一人になったときにでも、男はきっといろいろいじくり倒すで
あろう。そしてその素晴らしい機能に気づくであろう。
私は上機嫌で、ログ報告用の水晶球を見守った。
次の日、宮廷魔術師が入ってきた。
「例のワンドの件だが、既に噂になっておる。どこからとも無く、
金持ち連中が聞きつけてきたらしい。」
金持ち連中が聞きつけてきたらしい。」
-しまった!
『パーラー』において、『シィプ・ラプラ』は禁呪だ。
しかも、日常生活では、あまり実用性は無い。
そんな禁呪の使い手が用事も無くこの国に来るはずが無いのだ。
きっとワンドを渡したところを、男を監視していた何者かに見ら
れていたのに違いない。
しかし、金持ちには用はないぞ・・・どうする?
しかも、日常生活では、あまり実用性は無い。
そんな禁呪の使い手が用事も無くこの国に来るはずが無いのだ。
きっとワンドを渡したところを、男を監視していた何者かに見ら
れていたのに違いない。
しかし、金持ちには用はないぞ・・・どうする?
「しかもリーナ領の神権国家オゥクゥの支配者ラ・リーエ・リソンが、
既にワンドを狙って白銀級の使い手を派遣したらしい。」
既にワンドを狙って白銀級の使い手を派遣したらしい。」
金持ちが、魔法使いからモノを奪うのに魔法使いを雇うのは自然な
流れだ。そう、これは力ある魔法使い同士の戦いになるはずだ。
流れだ。そう、これは力ある魔法使い同士の戦いになるはずだ。
「プラチナ・マスターは、神権国家オゥクゥ5万人の聖騎士の中でも
エリート集団で『シークェル(SQL)』という魔法を使う。デブゥ
(DB)と呼ばれる聖獣を召還し、単純だが大量で正確な攻撃をしか
けてくるよ。」
エリート集団で『シークェル(SQL)』という魔法を使う。デブゥ
(DB)と呼ばれる聖獣を召還し、単純だが大量で正確な攻撃をしか
けてくるよ。」
プラチナ・マスターの実力は折り紙付きだ。
子供相手には遊んでいたが、仮にも男は『シィプ・ラプラ』使い。
プラチナ・マスターとの戦いでひけは取らないであろう。
子供相手には遊んでいたが、仮にも男は『シィプ・ラプラ』使い。
プラチナ・マスターとの戦いでひけは取らないであろう。
争いがおこれば、魔法のワンドの価値は伝説となってあがっていく
であろう。そう、これは私が狙ったシナリオだ。
であろう。そう、これは私が狙ったシナリオだ。
私は、自らの作戦の推移に酔った。
あとから振り返って非常におろかであったと思うが、この時点では
全てがうまく行っているように思えたのだ・・・。
あとから振り返って非常におろかであったと思うが、この時点では
全てがうまく行っているように思えたのだ・・・。