共通ストーリー #18 (2/27)
翻訳者: AFK: Twitter
クアンタムの子どもたち
- 以下の 2 つの通信は宇宙評議会医療班長ジン・ランからのものです -
レポート No.1
発信地: コアシステム ステーション・イグニス
時刻: 第 24 回宇宙評議会会合直前 ζ サジタリィ 3.32 星紀
分類: 手術前報告
発信地: コアシステム ステーション・イグニス
時刻: 第 24 回宇宙評議会会合直前 ζ サジタリィ 3.32 星紀
分類: 手術前報告
ジン・ランです。クアンタム病に侵された双陽団員への細胞分割手術における初期準備について報告します。当該患者の容体は悪化の一途をたどっており、すでに脳までクアンタム融合が及んでいる可能性があります。なおこれまでの検査により、腺と神経系が既にクアンタムに侵されていることが確認されています。ただし融合がどの程度進行しているかは把握できていません。今回の手術の過程でその進行具合が把握できると考えています。
また、患者の会話に異様な点があることも確認しています。会話内容の大半は支離滅裂なものですが、繰り返し特定の言葉を複数発しているのです。特に、「揺りかご」、「旅」、「子どもたち」という言葉が彼らの口から頻繁に出てきています。これの相関および原因については未だはっきりとしていませんが、クアンタムを通して患者たちの潜在意識に心理的な繋がりのようなものが存在しているのではないか、と推測しています。この手術の結果次第では、この推論をより深く考察できるかもしれません。ただし差し当たっては、患者の命と安全が最優先です。
レポート No.2
発信地: コアシステム ステーション・イグニス
時刻: 第 24 回宇宙評議会会合直前 ζ サジタリィ 3.32 星紀
分類: 手術結果報告
発信地: コアシステム ステーション・イグニス
時刻: 第 24 回宇宙評議会会合直前 ζ サジタリィ 3.32 星紀
分類: 手術結果報告
ジン・ランです。クアンタム病に侵された双陽団員に施した細胞分割手術の結果を報告します。残念ながら…3 人の患者を除いて全員死亡してしまいました。手術開始直後は上手くいくのではという見込みもありました。しかしほとんどの患者は、手術範囲が身体の中心部に移行していった際に、クアンタムが神経系全体と融合してしまっていることが判明しました。 手術を速く進められていれさえすれば、融合の範囲拡大を止めることができたかもしれません。しかしクアンタムの特性である不安定さと、手術法が実験的なものであることから、この手術は慎重に進めなければならなかったのです。
なお生存者 3 名と遺体は連合に移送される予定です。連合には彼らの遺体を遺族や恋人の元にしっかり届けてもらえれば、と思います。ちなみに生存した 3 名についてですが、全員脳からクアンタム融合した細胞を切除する必要がありました。もちろん全患者その必要はありましたが、この 3 名については他の患者と比べて前頭葉でのクアンタム融合の度合いが低かったです。彼らが無事生存できたのはこれが一因かもしれません。また、意識回復後のおかしな様子についてもこれが原因の可能性があります。
クアンタム病以前の彼らの性格やふるまいについてはよくわかりませんが、意識回復後の彼らはよそよそしい態度であったように思われます。質問には返答し、挨拶も返していたのですが、それもあいまいな態度で。視界の向こう側…どこか遠くをじっと見つめながらでした。時折首を傾けていることもありましたね。まるで自分たちにしか聞こえない会話を聞いて、うなずくかのように。
次に、患者の身体から取り除いた物質についての説明をしていきます。例の技術「細胞分割」を用いたことで、たいへん効果的に患者の身体からクアンタムを取り除くことができました。しかし取り除いたクアンタムは今まで見たことがないような形状でした。通常クアンタムは自身の分子構造を再形成できるのですが、このクアンタムは外部からの刺激に対してのみ反応して再形成しているように思えます。なんというか…「生きている」ように思えるのです。いずれにせよ、この物質は後日ステーションでクアンタム研究班の手による分析を行う予定です。
通信は以上です。