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――アンクウさんとの勝負ですか?

そりゃあ、死神ですから。
毒も効かないですし、勝てるワケがなかったです。
それはもう、酷い負け方をしたと記憶しています。

それだけじゃあありませんでした。
相手は死神で、自分を狩りに来てる。

今まで死ぬ事は無いと思ってたのが、一気に崩れましたから。
多分当時の僕には、相当応えたと思います。

それで、どうなったかな。
うん、そうだ。 負けた後、アンクウさんは僕に2つの道を選ばせてくれました。

ひとつは、このまま狩られること。
もうひとつは今後一切、自分から進んで誰も傷つけないこと。

僕は――
快楽目的で誰かを傷つけたら、その時点で問答無用で冥界行き、と言う事を条件に、
名前も見た目も少し変えて、暫くアンクウさんが用意した場所に隔離されていました。

なんでも、僕は捕まれば死刑確定だけど、死刑になっても死なない。
だから、こうしてるのが一番だって。

最初はそう聞かされてたんですけど、ちょっと違ったんですよね。
アンクウさんは、僕が隔離されてるその間に、僕が死神によって狩られ、
もうこの世には居ないと言う話を色んな場所に流しててくれたんです。

その間、そんな事は知らなかったけど……
僕は僕なりに、独りで自分の行いを悔いていました。

この世から消えたところで、罪は償われない。
アンクウさんから言われた言葉が、胸に深く突き刺さっていました。

そして一年間考え続けた答えが、今の僕です。
今まで他の人たちの害悪にしかならなかった特性を、誰かの役に立てられたら。
それと、痛みを受けることで――罪は償われないけど、
罪の分の罰は受けられているような気がしたんです。

それが正しいかどうかは、わかりませんけど――




あ……ええと。
お話はこれで終わりですけど……

僕やアンクウさんがあなたにこの話をしたのは、あなたを信用しているからです。

もし今の話を聞いて、僕に腹が立ったなら――僕のこと、好きにしてくれていいですから。

だから、この話は他の人にはしないで下さいね?

……それじゃあ……

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最終更新:2009年07月14日 08:23