【名前】涼宮ハルヒ
【出典】涼宮ハルヒの憂鬱
【性別】女
【年齢】15歳
【名ゼリフ】「殺し合いだろうと何だろうと関係ないわ! 私達はこの一瞬を、刹那を、満足するのよ!」
【支給武器】海馬デッキ@遊戯王、マリィ@Dies Irae-Acta est Fabula-
【本ロワでの動向】
ご存知涼宮ハルヒシリーズのヒロインにして、本ロワにおけるヒロインの一人。ヒーローの女性版という意味で。
本ロワにおいてもその行動力を遺憾なく発揮することとなる。
その行動方針は冒頭の一言に集約される。
登場話では殺し合いを面白くないことと断じて、それよりもと支給品であったマリィのコスプレに興じる。
ただの人間ではない美少女、並びにコスプレ衣装というハルヒにとって都合が良すぎる支給品だったのは、その能力ゆえのことであろう。
後に
藤井蓮が推測し、
天魔・夜刀が是とすることだが、ハルヒはDies iraeで言うところの流出位階一歩手前であるという。
尚、超強力な支給品であり、遊んでも面白く、ハルヒの趣味嗜好にも合う海馬デッキも丸ごと支給されてもいたのだが、ハルヒは当初一瞥しただけでしまい込んでいた。
まあ普通はカードゲームが汎用性抜群の武器になるなんて思わないわけだし、しかたがないことではあるが。
このあたりのエキセントリックな言動や強固な渇望に反しての常識的な感覚こそが、ハルヒのハルヒたる所以であり、彼女が流出一歩手前で留まっている要因である。
余談だが、この時のデッキの仕舞い方が雑だったもので、支援レスに「貴様ぁー!」「レアカードに傷が付いたわ!」など某社長が大量発生した。
とはいえ、無意識の内に願望を実現させる力を持っていることには変わらず、ハルヒにとって本人の認識はともかく都合のいいことが頻発することとなる。
登場話の次の話で、
藤井蓮及び
美堂蛮の強力対主催コンビ、通称カドケウスと合流し、SOS団を暫定的に結成。
特に蓮はマリィの本来の所持者だったこともあり、一気に戦力が増強した。
ただし、退屈を嫌うハルヒと平凡な日常を愛する蓮では度々諍いが生じ、喧嘩別れしたことも。
蓮からマリィと交換する形で手に入れていたスマートフォンを用いたチャットを通じて、まだ綺麗だった頃の
夜神月に愚痴った程にご立腹であった。
だがそれは、感覚的にであれ、互いが互いの内面を理解していたがための喧嘩であり、その関係性を妬んだ
鬼柳京介に襲撃されることとなる。
在りし日の自分とチーム・サティスファクションをハルヒとSOS団に重ねた鬼柳により、目の敵とされ、拐われるハルヒ。
蛮と蓮の活躍により奪還され事なきを得るも、倒れ伏す鬼柳を前にハルヒの心境は複雑だった。
鬼柳がそうであったように、ハルヒもまた、つまらない世界に抗い、満たされることを求めた者同士、シンパシーを感じていたのである。
ハルヒ「満足……」
蛮(鬼柳だろ……)
鬼柳「なんだ?」
蛮「返事すんのかよ、おい!?」
その結果、鬼柳への未練に自らの能力を無自覚ながらも発動させることとなった。
ハルヒの願いどおりに、鬼柳は塵となることなく生き延び、ダークシグナー版のままではあるものの、ある程度は冥界の神の力をコントロールできるようになったのである。
このことにハルヒはツンデレしながらもたいそう喜び、鬼柳を副団長としたSOS団の派生団体、刹那オブサティスファクション団を改めて結成。
結局何をする団体なんだと訝しがる団員たちに冒頭の名台詞を放ち、なんだかんだで悪くないなと受け入れらる。
それなら手始めにデュ↑エルだぁと早速馴染んだ鬼柳の提案により、第一回の活動はパーフェクト・サティスファクション・デュエル教室となる。
ここでようやく海馬デッキの支給品としての強力さに気付き、デュエルの楽しさも知る。
SOS団内の交流としても微笑ましい結果に終わり、少しずつ距離を詰めていくこととなる。
加えてメンバー増強も忘れない。
バランとの戦いの傷を癒すために休息していた
アーチャーを、つまらなそうな顔をしているのが気に食わないと無理矢理SOS団の一員に。
実際このロワでのアーチャーは、凛ルートとはいえエンディング以前からの参戦だったため、まだ磨耗した状態だったのだ。
とはいえアーチャーの加入は概ねSOS団にプラスの方向に働き、ハルヒはまた一つ満足することとなる。
ハルヒ的には何よりも家政夫としての能力が一番ありがたかったみたいである。
もっとも、人使いが荒すぎたため、一度はアーチャーに出奔されてしまうこととなるのだが。
それから先も、一本満足を団員とともに食べ満足したり、満足しすぎて鬼柳ともども最高にハイになり団員たちを置いてけぼりにしたりと大騒ぎ。
ハルヒが騒いだり先走ったり無鉄砲だったりマーダーに襲撃されたりしても、チート揃いの団員たちのおかげで大きな危機には陥らず。
ロワ内にも限らず、あれだけ求めていた退屈しない時間と、只の人間じゃない仲間たちに囲まれたハルヒは紛れもなく、一瞬刹那に充足感を得ていた。
そんな満足が、永遠に続くと、そう思っていた。
鬼柳「……おい、ハルヒ」
ハルヒ「なによ、満足」
鬼柳「SOS団の連中、ここにいるのだけじゃねぇ、元々のメンバーも含めてだ。
ある日、そいつらと一緒にいる理由がなくなったら、お前はどうする?」
ハルヒ「どうもしないわよ、だって、私達が一緒にいられなくなる理由なんてあるわけ無いもの」
鬼柳「……どうかな。まぁ、いいさ。だが、覚悟しておけ。別れの時ってのは、嫌でもやって来るものさ」
思いたかった。
涼宮ハルヒという人間は神の如き力に反し、どこまでも普通の女の子で、平凡な人間だった。
鬼柳に言われるまでもなく、誰よりも、この幸せにいつ終わりが来てしまうのかと、心の底では怯えるようになっていた。
皮肉にも、その怯えから、蓮の抱いている“愛すべき一瞬を永遠に味わいたい”という願望をいくらか理解できるようになり、絆を深める。
また、
クラウザーさんの影響でノリノリになった鬼柳を追う形で、デモンベインレイプ事件にも遭遇。
巨大ロボ
デモンベインや、
神の子、現人神
東風谷早苗ら常識を大きく外れた者たちと出会うことになる。
特に年齢や境遇が似ていながらも、自らとは違い常識に囚われなくなった早苗には良くも悪くも影響を受けることとなった。
ハルヒもまた常識の楔から解放されかけ、能力の暴発が頻発するも、先人であるキリストの導きもあり、大事に至ることはなかった。
その後、早苗と
カズマの反応から、クラウザーさんのことを性犯罪者と勘違いして追跡。
その途中、クラウザーさんと序盤行動を共にしていた月達と前述のチャットの縁もあり合流するも、この時既に月はデスノートを手にし記憶を取り戻していた。
ハルヒはすっかり月のことを信じていた為、今度は月にきな臭さを感じていた蛮と衝突することに。
しかし蛮の危惧したとおりに月が人殺しであったことがキリストのおかげで発覚。
団員たちの活躍もあり脅威は去るも、信じていた月に裏切られたこととその無残な末路にはショックを隠せないでいた。
目の前で初めて人に死なれたことも相まって、このことをハルヒは大きく引きずることとなり、クラウザーさんとその信者たちと合流した時に火種となる。
クラウザーさんの被害者達と信者達で、対主催同士での諍いに発展しかけるが、幸か不幸か
シックスが会場中の悪意を吸収。
誤解が解け対主催は一致団結するも、シックスのように未だに各地でマーダーが大規模な厄災を引き起こしていたこともあり、一度、チームを分けてそれぞれに対処して回ることとなった。
ハルヒは
ラインハルト・ハイドリヒと因縁のある蓮の意思もあり、SOS団として黄金大戦を担当しようとするも、そこに
天魔・夜刀が顕現。
チート揃いのSOS団全員で立ち向かったとしても勝てるかどうか分からない相手と一人戦うこととなった蓮に、思わず加勢しようとするもアーチャーに止められる。
それでも蓮が危機に陥ったときは団長として檄を飛ばし彼を奮い立たせた。
この戦いの最後、敗北を受け入れた夜刀により、自らの持つ能力がどういったものなのか、座に至り己の理を世に流れ出させることの意味を伝えらる。
あくまでも感性は普通の高校生であるハルヒは、思いもよらない自分の秘密に動揺。
夜刀曰く、元となった渇望は“この世には不思議があるべき” “世界を面白くしたい”。覇道神としての理は“千変万化生々流転”。
ハルヒが座についた場合、退屈を嫌う彼女に合わせ、ハルヒの思い通りに面白くなるという現状から転じ、ハルヒ自身も含めた誰の思いもよらぬ変化と神秘に富んだ世界になるという。
それはハルヒにとっては面白い世界だが、同時に不安定極まりない世界を全ての人間に押し付けるということでもあり、傍若無人に振舞ってきたとはいえ一人の人間が背負うには重すぎる覚悟を要することだった。
その上ハルヒに追い打ちをかけるように、一時の団欒を経た後の
ジ・エーデル・ベルナルとの最終決戦において、遂にSOS団の仲間たちとの死別に見舞われることとなる。
ハルヒを庇い、凶刃に討たれる蛮。
これまで仲間を誰一人として失って来なかったハルヒが悲しみに耐性があるわけなどなく、自らを庇ったが故の死もあって、その精神はギリギリまでに追い詰められる。
“こんなのちっとも面白くない!”
抱いた悲憤が引き鉄になり、あわや今ある世界を見捨てて座へと至りかけるも、かつて自分の過去を抹消しようとしたアーチャーの言葉により思い直す。
ジ・エーデル「ハハハハハハハ!君たちSOS団とボクのどこが違うっていうんだい?
同じだよ、あくなき快楽を求めるボクと君たちは!」
ハルヒ「はぁ? なにいってんの、あんた? 満足ってのはね、文字通り満たされることなのよ。
あんたみたいな使い捨ての快楽を求め続ける奴と一緒にしないで欲しいわ」
そうだ、満足とは満たされることなのだ。胸のうちに残り続けるものなのだ。
ジ・エーデルのように快楽を消費し、飽きたから使い捨てるのとは違う。
蛮と過ごした時間を、
美堂蛮という人間が自分を護ってくれたことを、ハルヒは手放したくなかった。
……果たしてその選択は正しかったのだろうか。
いつしかの鬼柳の言葉を証明するかのように、アーチャーが、蓮が、鬼柳が死に、マリィが座へと駆け上り、全てが終わった時、SOS団はハルヒは一人きりになっていた。
「こんなんじゃ……満足できないじゃない……」
悲しげに呟いて元の世界へと戻ったハルヒ。
座へと至りかけた影響か、元の世界では楽しかったSOS団での残滓のように、デュエルモンスターズが流行っていた。
けれども、その程度ではハルヒの慰めには到底成り得なかった。
沈み込んでいるハルヒの調子を取り戻させようとキョンたち本家SOS団がハルヒにデュエルを挑むも、鬼柳仕込みのデュエルの腕には長門有希ですら叶わず不満足が貯まる一方。
家に帰りベッドに寝転びながら、鬼柳の形見であり、今や自分のデッキであるカード達にこの先もう満足できないのではないかと弱みを漏らし、いつしか眠りについていた。
その夜、ハルヒは不思議な夢を見た。
水銀の王と名乗るものから、女神に抱かれたことへの礼をされたのだ。
訳が分からないと当初ハルヒは訝しがるが、その女神というのがマリィのことだと気付くとそれまでの困惑から一変して立ち直る。
抱かれたとはどういうことか、あのあとあの子はどうなったのか、あとあんたうざいと目の前の胡散臭い男に詰め寄り、根掘り葉掘り聞き出す。
そして、マリィが健在で、本来あるはずだった脅威からも護られたと知ると久しぶりに満足し、いつかまた会いに行くからと言伝を頼む。
今すぐではないのかい? 生々流転は輪廻転生に通じる理である以上、覇道共存も叶うだろうに。
そう問うてくる水銀にハルヒは笑顔で答える。
抱きしめてくれてるんでしょ。だったらいいわ。私とマリィちゃんも、あいつらも、ずっと一緒なのだから、と。
そこでハルヒの目は覚めた。
夢だったのか、などとは思わない。
現実に戻ってきてしまったなどと悔やみもしない。
涼宮ハルヒは2つのSOS団の団長なのだ。
この一瞬を、刹那を、満足できないというのなら、まずは神としてではなく、団長として、世界を面白くしていくことから始め直そう。
「こうなったら大会でも開いてみんなを強く鍛え上げようかしら?」
これは満足の向こう側へと完結する物語。
始まりの物語。
ミスター・ブシドーが考察したように、様々な多元世界の雛形になったプレーンな世界があるとするのなら。
その世界を元に、数多の神秘や巨大ロボに満ちた世界は生まれたのは、いつの日か、ハルヒが座につき、このロワでの思い出を込めた流出をなしたが故のことなのかもしれない。
最終更新:2013年12月02日 00:27