【名前】ミスター・ブシドー(グラハム・エーカー)
【出典】機動戦士ガンダム00
【性別】男
【年齢】27歳
【名ゼリフ】「敢えて名乗ろう、ミスターブシドーであると!」
【支給武器】楼観剣@東方project、古龍胴@ネ実
【本ロワでの動向】
グラハム・エーカー、
ガンダム病を完治させるも、武士道病をこじらせる。
大体上記の一言が全てなのだが、以下解説。
セカンドシーズン序盤マスラオ完成前より登場。
鬼のような仮面で素顔を隠し、陣羽織風の改造制服を身に纏った起動兵器のエースパイロット。
ガンダムに心奪われ、大切なモノを砕かれ、ガンダムのパイロットに指摘された自身の歪みと向き合う為に武士道に縋るも未だ極みに達せられずにいる。
登場話にて、この地での身の振り方を考えようとしている自分に気付き、グラハム・エーカーならば考えるまでもなく無辜の市民を巻き込んでの殺し合いなど許しはしなかったであろうなと自嘲する。
だが直後、繰り広げられる
陸奥九十九と
七夜志貴の戦いに遭遇し、ブシドーの心の霧は晴れることとなる。
ブシドー「げに凄まじき武人(もののふ)……いや、修羅と呼ぶべきか」
九十九「あんたは……日本人じゃないみたいだけど、サムライみたいだな」
ブシドー「然り。故に問うぞ、名も知らぬ修羅よ。貴様はこの殺戮の場で何を成す?」
九十九「いつも通り、闘うだけさ」
ブシドー「この場にいる全てものとか?」
九十九「いや、俺よりも強いかもしれない奴だけさ。勝てると分かっているなら、闘う意味は無い」
ブシドー「く、くくく……はっはっはっはっ! なるほど、そうか! 真の修羅道とは、ただ戦うだけに非ず、ということか!
実に興味深い。修羅よ、君の往く道に我が武士道を並べてよろしいか?」
九十九「いいよ。好きにすればいい。けど、邪魔はしないでくれよ」
これが修羅か。歪みなき戦士の在り方か。
一つの道の極みを求める者として、武士道と修羅道、道は違えど極みへと到達している九十九に敬意を抱き、共にあることを望む。
九十九の誘いに七夜も乗ったこともあり、ここに修羅チームを結成。
九十九と七夜の妙に達観した物言いでの会話にブシドーが感銘を受けるという様式美が確立する。
読み手にはまるで意味がわからんぞ!な会話が繰り広げられることとなるのだが、残念ながらこのチーム、突っ込み不在であった。
後々一時行動を共にした
カズマ・アーディガンが頭を抱えていたのも無理のない話しであった。
信じがたい話だが、このチーム、他の二人が考えなさ過ぎるため、これでもブシドーがブレインである。
また、チーム結成時の支給品確認で、九十九より名前ネタで支給されていたらしき九○式竜騎兵@装甲悪鬼村正を譲り受ける。
九○式竜騎兵はバイク形態での移動手段としても修羅チームにとって重宝したのだが、その真価が発揮されたのはチーム結成後すぐの
鬼柳京介による襲撃のときだった。
地縛神を操り、冥界の王に憑かれた鬼柳に対し、退魔の血が騒ぐ七夜だが、ブシドーは今度は我が武をお見せしようと誰よりも早く打って出る。
鬼柳もまた、ブシドーがバイクに乗っていたこともあり、ディーホイーラーかと勘違いしての襲撃だったため、フィールド魔法スピードワールドを展開。
ライディングデュエルアクセラレーションするも、当然のことながらブシドーはディーホイーラーでも、ましてやデュエリストですらなかった。
その為、鬼柳に笑い飛ばされるも、心配御無用、とくと見るがいい、これぞ武士(もののふ)の劔冑(つるぎ)なりと笑い返し、あろうことかバイクにて地縛神に突撃を仕掛ける。
無謀としか思えない突撃に鬼柳は嘲笑を挙げるも、九十九と七夜の目は確かに見た。
ブシドーが人型に変形した九○式竜騎兵を纏う姿を!
九○式竜騎兵は量産型ながらも劔冑と呼ばれる一見ロボットのようにも見て取れる鎧の一種であり、頑強な装甲だけでなく、劔冑を纏った仕手は再生能力や運動能力の増幅といった超能を得られるパワードスーツの一種だったのだ。
「人呼んで、ブシドースペシャル!」
バイク形態による突撃の勢いを落とすことなく装甲し、そのまま相手を打ち上げ空中戦に持ち込むブシドー。
合当理(がったり=ブースター)による飛翔から得られる運動エネルギーを乗せた斬撃こそが強みである劔冑を、フラッグファイターとしての経験を活かし、見事に使いこなす。
竜騎兵(ドラグーン)ブシドーの誕生であった。
しかし攻撃対象にできないという地縛神の共通効果により、ブシドーの攻撃は地縛神にも鬼柳にも届かない。
そこで、退魔の血により地縛神の弱点を察した七夜のアドバイスにより、地縛神を空中運送し強制的にフィールド魔法外に弾き飛ばすという荒業で勝利を収める。
ただし地縛神ごと自らもスピードワールドの範囲外まで飛翔したため、デュエルとしてはドローとなり、鬼柳に止めはさせなかった。
九十九には感心されつつも、肉体を晒さずに戦う姿に違和感を抱かれてしまうことになったが、MSよりは生身に近い劔冑による、人知を超えた地縛神と戦うという新鮮な経験は、ブシドーにとって大いに糧となった。
されど世の中は広いもの。
生身でも強く、かつガンダムのパイロットならぬファイターでもある人物がこのロワにはいるではないか。
「あの動き。もしや、あの武人はガンダムか!!」
どうして分かった。
デモンベインを生身で圧倒する
東方不敗を一目でガンダムと見抜くブシドーすげえ。
思わぬ地でガンダムと出会えたことで、ブシドーのテンションはマックスに。
九十九と七夜も東方不敗に興味を持ったため、会いたかったぞガンダム!とばかりに現場に急行。
ブシドー「おお! あの雄々しき弾道、まさしくガンダム!」
九十九「なるほど、ああいうのがガンダムなのか」
七夜「随分と愉快な動きをする機械なんだな」
カズマ「足元の人たち違うよー! あれガンダムじゃなーい!! 俺友達にガンダム乗りいるから断言できる!」
ブシドー「ならばアレは……頑駄無か!」
カズマ「もうやだこの人たち」
超級覇王電影弾のインパクトにも平然と対応し、
カズマ・アーディガンに突っ込まれてしまう。
そこでガンダムを知るらしきカズマから異界のガンダムについて話を聞きながら、ロボット大好き
東風谷早苗も交えてガンダム談義に花を咲かせつつ、九十九&七夜VS東方不敗の戦いを見守ることに。
人間としての極みそのものである東方不敗、そんな存在を相手にして笑みを浮かべる九十九、勝利のためならば防がれると分かっている奥義さえ惜しみなく放つ七夜。
三者三様の有様に心奪われたブシドーは、撤退する東方不敗に、ガンダムを得たならば今度は私と立ち会ってくれと呼びかける。
が、運命の悪戯か、神の導きか、なんとブシドー自身がガンダムを先に手に入れてしまう。
東方不敗の弟子であるドモン・カッシュの愛機ゴッドガンダム。
デモンベイン同様会場に隠されていた機体を偶然発見してしまったのだ。
ブシドーとしてはガンダムは超えようとする対象でこそあれ、自らがガンダムになるつもりはなかった。
モビルトレースシステムや格闘戦機であることを考えても、もっとも相応しいパイロットは九十九であろうと譲る気であった。
しかし、自らの肉体での戦いを至上とし巨大ロボなど不要とする九十九達はこれを拒否。
巨大ロボが大好きな早苗との間に軋轢を生んでしまう。
カズマはといえば、自身が歯が立たなかった東方不敗に九十九と七夜が善戦したため、パイロットとしてのプライドを砕かれ、自信を喪失してしまっていた。
ならばやむなしとブシドーはゴッドガンダムに自ら搭乗。
ガンダムに全てを奪われ、それでも生き恥を晒したブシドーは、まだまだ伸びしろがあると見たカズマのために、先輩パイロットとして一肌脱ぐことに。
「受けよ! 爆熱、ブシドーフィンガー!! 見よ! 武士道は、赤く燃えているぅぅぅ!!」
「名付けてグラハム・ガンダム・阿修羅スペシャル!」
「このガンダムこそ、正しくGガンダム……否、武士道頑駄無!!」
デモンベインの必殺武装レムリアインパクトに似たゴッドフィンガーをはじめ、各種武装を使用。
ガンダムに愛や憎しみや宿命を感じていただけあって、遠目に見ていた東方不敗も見事なガンダムだと賛辞を送るほどの動きでカズマにレクチャーしていく。
カズマ「俺の知ってるガンダムと違う」
九十九「違うのか?」
七夜「東方不敗は見事なガンダムだって言ってたようだが」
早苗「いいなー、いいなー、自分と同じ動きをするガンダムいいなー」
もっとも当のカズマは頭を抱えていたのだが。
最後には武士道らしくゴッドフィンガーソードを披露してしまったことが災いして機体が熱に耐えられず一話限りでヒートエンド。
どこからか聞こえた東方不敗の声には未熟未熟と言われてしまったが、文字通り俺がガンダムだ!を体感し、これまで越えるべき対象でしかなかったガンダムを幾らか理解することに。
機体に込められていたドモン・カッシュの気にも触れ、擬似的ながらも明鏡止水の境地を追経験できたことも、冷静にガンダムと向かい合うことをグラハムへと促した。
とはいえこの時はまだ芽が出た程度。
ゴッドフィンガーソードにより自らの命を危うくしておきながらも、極みへと至る一歩を掴めたと嬉々としていたため、何よりもまず生命を大切にするカズマに危険視されてしまう。
結果、早苗とカズマとは敵対こそしないものの意見の相違で別れてしまうことに。
未だ極みに達せていない身が後輩を育てようなどと驕りであったかとブシドーは悔いるも、意外なことに九十九は感じ入る何かがあった模様。
セフィロスとの戦いにおいて、追い詰められ胸を貫かれた九十九は、ブシドーと七夜に、元の世界で陸奥に会ったなら助けてやってくれ、という遺言とも取れる言葉を遺す。
九十九との決着を惜しんだ七夜は引き止めるも、九十九は制止を聞かず四門を開放
生身の二人を劔冑の装甲を盾とし護り続けたブシドーは九十九を静止することさえ叶わず、それでも、九十九がセフィロスに勝利する様を見届けた。
「武士道とは死ぬことと見つけたり……」
七夜と共に、陸奥の最後の戦いを、その凄烈な生き様を目に焼き付けたブシドーの心底からの想いであった。
なればこそ、九十九の勝利を穢すかのようなセフィロスの生き汚さは許せなかった。
冷静に状況を鑑み撤退を進言しこそしたが、ブシドーとてセフィロスを討ちたい気持ちは同じで、手に汗を握りながらも七夜の奮戦を見守っていた。
そして動くこともかなわないほどの重傷を負いつつもセフィロスを撤退に追い込んだ七夜を背負い、彼を助けんとする一心で会場を駆け巡る。
竜騎兵を七夜に纏わせ、劔冑の再生力でなんとか延命させるブシドー。
その甲斐もあって七夜が事切れる直前にオリジナルである
遠野志貴との邂逅を果たす。
自身の不安の具現である七夜に否定的な感情を持つ志貴に、ブシドーは恥を忍んで土下座する。
「私とガンダムに宿命があるように、君と七夜にも因縁があるのは承知している。だが敢えて言おう。……頼む!」
思いが通じ、志貴達は七夜を助ける事を決意。
回復手段はなく命は救えなかったものの、
スコール・レオンハート、
武藤遊戯の両名の提案により、志貴と七夜が融合。
己の存在意義にかけて主催者を殺すという七夜の意思とこの地での記憶、七夜の体術、言動などが志貴に受け継がれた。
七夜の生きた軌跡を見た志貴から「あんた達との時間悪くなかったてさ」と感謝を受け取った。
それはブシドーにとっても同じ思いだった。
武士道とは死ぬことと見つけたり。
されどそれは死にして、死にあらず。後から歩む者達が未来を切り開き、生きるためにこそある。
武士道、武士の“道”。
武士道とは己が一人で歩くものにあらず。
後から来る者達へと遺し、彼らが歩む道を作るためにあるのだ。
陸奥を名乗る大馬鹿者を助けてやってくれと言い残した九十九が、志貴と融合し未来へと繋げた七夜が、ブシドーにそのことを気付かせた。
ブシドーが原作にてブシドーとして極みへと到達できなかったのは、私情にて剣を振るっていたが故だった。
であるなら、七夜のために奔走し、後に来る者たちを想うようになったブシドーは、まさに今この時、極みへと達したのである。
SOS団と合流した時に、かつて戦った鬼柳とすんなりと和解したのも、鬼柳がマーダーではなくなったからだけでなく、ブシドー自身が道を見つけただ戦いに生きるだけでなくなったからでもあった。
同様に、後に再会したカズマからもあんたは変わったなと警戒を解かれている。
視野が広がったおかげで、戦闘面以外でも活躍。
大集合した対主催による残存マーダー討伐へのチーム分けの時には、万一の対主催の全滅を免れるためと、マーダー壊滅後に主催者達に首輪を爆破させる隙を与えぬよう首輪解除するためにもと、
トマス・シェイクスピアが遺してくれた情報を元にした強力支給品の回収及び首輪解除の下準備を提案。
賛同した
トゥーサン・ネシンバラや護衛の志貴と共に、各討伐チームがマーダーを相手にしてくれているうちに竜騎兵の機動力によって会場を一周。
ネシンバラがシェイクスピアの遺した劇場型結界を確認したり、隠されていたシュロウガや鬼械神皇餓といった巨大ロボを初めとした多くの収穫を得た。
中でも、この会場一周の最中に博物館の資料に描かれていたガンダムについてネシンバラに問われ、ブシドーが語ったことは、最終決戦で大きな意味を持つようになる。
その最終決戦では未来への水先案内人として志貴達を主催者の本拠地へと疲労を抑えて送り届ける為の殿を買って出る。
会場に押し寄せてくる量産型エーデル・ベルナルをパイロットとした巨大ロボ量産型レムレースの大群。
迎え撃つは皇餓に乗り込んだグラハム。
魔術師ではないブシドーだったが、
イエス・キリストに皇餓を祝福してもらっていたことで魔力については有り余るほどに溢れていた。
機体制御に関してもシェイクスピアが遺してくれた術式をOSとし、問題は全てクリアー。
リアル無双を繰り広げ、レムレースを薙ぎ払っていく。
しかし多勢に無勢、無事志貴達を送り届けたものの無限に沸いて出るレムレースに囲まれたブシドーの劣勢は目に見えて明らかであった。
それでもブシドーは戦い抜いた。
四本あった皇餓の腕を二本失い、四刀を一刀にまで減じてなお、ブシドーは
ラインハルト・ハイドリヒ戦を唯一生き延びた
巴マミを抱え援軍に駆けつける。
ジ・エーデル・ベルナルにより追い込まれた志貴達。
現れたブシドーも満身創痍。
振り上げた刀は届くことなく、ジ・エーデルが駆る始祖・村正の前に切り裂かれる皇餓。
誰もがブシドーが撃墜されたと思ったその時、飛散する破片の中から九○式竜騎兵を纏ったブシドーが姿を現す。
鬼を模した仮面は割れ、素顔を晒しながらも、ブシドーは名乗りを上げる。
「敢えて名乗ろう、ミスターブシドーであると!」
誰かに呼ばれた名としてではなく、誇りを持ってブシドーを名乗ったグラハムは、善悪相殺の理を捻じ曲げられて存在する始祖・村正を切り払う。
「愛も超越すればそれは憎しみとなる……即ち善悪相殺!」
それに応えるように、いや単に“殺”という言葉に俺が真の殺害を教えてやると憤った
ヨハネ・クラウザーⅡ世のSATUGAI及び殺害コールにより吹き飛ばされる絶望。
今こそとネシンバラによる神降ろしにて召喚されるは“紛争を終わらせる神”――ダブルオーガンダム。
そのガンダムの似姿にブシドーは眩さを感じつつも、自分が超えるべきなのはこれではないと得心する。
自分が真に超えるべきは、ガンダムを紛争を終わらせ未来を切り開く存在たらしめている者なのだと。
ここで肩を並べている志貴やネシンバラ達のような。そして元の世界での少年のような。
かくして、ガンダムの呪縛を自らの手で振り払ったブシドーは、志貴に宿った七夜が本懐を遂げたことを見届け、限界を超え命を落とした彼の形見として譲り受けた陸奥の短刀を手に元の世界へと帰還する。
「カタギリ、MSに代わる次期主力兵器を私色に染め上げて欲しい」
持ち帰った九十式竜騎兵を元にして、纏えるパワードスーツタイプのフラッグの製作をカタギリに頼むブシドー。
皇餓の残骸もかけ合わせ、虎砲を再現、回避モーションのパターンに七夜の体術を組み込み、待機形態では戦闘機に変形する新たなる劔冑が完成する。
カタギリ自身やりすぎだと苦笑いしたこの劔冑を、しかし、ブシドーは彼らが残してくれたものはまだまだこんなものではないさと笑い返しながら受け取るのであった。
「ミスターブシドー、九十九式竜騎兵セブン・ナイツ、出撃する!」
感想にて、もうお前、村正か修羅の世界に行けと言われたのは言うまでもない。
最終更新:2013年11月29日 19:28