【名前】イエス・キリスト
【出典】新約聖書
(聖☆おにいさん)
【性別】男
【年齢】不明
【名ゼリフ】「うわ、ロンギヌスの槍とか懐かしいなぁ…あれでブスッとやられたんだよね私。
そうそう、その時の傷がまだ脇腹に残ってるし、ほら。
あれ?でもいくら何でもロボに装備するには小さす…私の知ってるロンギヌスと違うーーー!?」
「あなたの罪、その悪意は、全て私が背負いましょう」
【支給武器】「くろの」のスーツケース@GANTZ、トルコ巻きトレンド@
ゴルゴ13
【本ロワでの動向】
全世界で最も有名な神の子、イエス・キリストその人である。
その名の通りキリスト教のシンボルとも言える聖人まで殺し合いに参加させてしまう辺り、ロワ住民の業の深さが垣間見える。
…ただしそのままでは些か原作の把握難易度が高かったのか、ロワ内での言動その他が立川在住モード(漫画『聖☆おにいさん』出展じみていた)にしか見えないのはご愛嬌。
さて、色々な意味で危険とも言える立場な彼だが、なんとこのロワ中ではメインキャラ級の活躍をしている。
登場話で思わず叫んだ彼の独り言、「私の心の中学二年生はとっくに卒業してるんだけど!?」にて、一部の住民のハートをがっちりキャッチ。
直後になんとあの
ゴルゴ13と遭遇するが、下界バカンスが長すぎたせいか彼を何故か押し売りの類と勘違い。
半泣きになりながら説教する姿からは、神の子のカリスマっぷりは微塵も感じ取れなかった。背後に立ったら殴られてたぞアンタ。
幸い五体満足のままゴルゴとも別れ、次に出会った参加者は同業者(?)である
エンリコ・プッチ神父。
同じキリスト教に身をやつす(というか片割れは信仰のシンボルその人)二人はすぐに打ち解けるが、プッチが「天国への行き方」を尋ねた瞬間それが一変。
キリストに取っての天国とは、天使や神が共に暮す文字通りの天界、天国の事であるのだが、
プッチの語る天国とは「全人類が己の運命を知り、それを覚悟する(プッチに取っての)幸福な世界」なのである。
それを実現するためにはプッチの持つスタンド『ホワイト・スネイク』が成長する必要があるのだが、そもそもスタンドの概念を持たないキリストがその方法を知るはずもない。
長い議論の末に、ついにはキリストも「天国に行く方法なんて知らないよ!」と匙を投げ、プッチはこれに失望。
結局はそのまま喧嘩別れとなってしまったのである。それにしたって良く無事だったなアンタ。
まだまだキリストの試練は続く。次の遭遇者はなんと、後にトップマーダーとして名を馳せる事になる
仙水忍。
彼らが同時に予約された当初は、「ついにキリストもこれまでか…」「というかキリストを殺して大丈夫なのかな俺たち?」とスレ住人達をガクブルさせたが…。
投下された話の内容はなんと、「仙水がキリストをビデオ鑑賞に誘い、二人仲良く肩を並べてビデオを見る」という予想の斜め上の物であった。
幾ら暇だったからって他になにかやることあるんじゃないか、仙水。
だが、幸運もそう長くは続かない。仙水が気まぐれで出した聖光気を、見よう見まねで出してしまったのが運の尽き。
それを目の当たりにした仙水は、己の考えを改めた。こいつ相手には本気を出せるかもしれない…遂に邪悪な殺人鬼が、聖人に向かって牙を向く。
絶体絶命の危機に晒された時、キリストは――――――逃げた。全力で逃げた。脱兎のごとく逃げた。逃げて逃げて逃げまくった。
「右頬を打たれたら左頬も差し出すとは言ったけど、今すぐにとは言ってないしー!」
誰に向かっての言い訳かわからない叫びと共に、神の子イエス・キリストはロワ会場を迷走する。ここまで来ると一周回って立派だよアンタ。
これだけ酷い参加者とばかり遭遇している以上、普通の人間ならば他人との接触に慎重になる所だろうが、そこは無償の愛(アガペー)を生業とするキリストである。
散々煮え湯を飲まされてもなお、彼は殺し合いに苦しむ無力な参加者の保護を目指して会場を回り続けた。
どこまでも真摯な姿勢を崩さない彼に、遂には神も微笑んだのであろうか。
このゲームの参加者の中でも、最も無力であろう存在…
羽瀬川小鳩との出会いが、彼の立場を一変させる事になる。
小鳩は苦しんでいた。
些細な好奇心により、人類の悪意の結晶とも言える最低最悪のビデオ、「黒の章@幽☆遊☆白書」を閲覧してしまい、精神はかき乱され。
無理もない話ではあるが、錯乱して走りだしてしまった結果、マーダーと遭遇。その戦いによって、登場話からずっと共に行動していた
望月ジローと死に別れてしまったのである。
吸血鬼という身の上であるジローは小鳩にとっては何よりも興味の対象であり、ジローもまた無力な小鳩をかばい、支え、二人はまるで親子のような関係となっていた。
その大事な保護者を失い、殺し合いという残酷な舞台へと一人ぼっちで放り投げられてしまった小鳩に手を差し伸べたのは……他でもない、イエス・キリストであった。
キリストの無償の愛(アガペー)は決して尽きる事は無い。彼は、泣きじゃくる小鳩から笑顔を取り戻すために、献身的に尽くし続けた。
子供はジュースが好きだろうと、地面からワインならぬファンタグレープを噴出させた時は流石に失笑されたが。
それでもキリストの奮闘によって少女の心は解きほぐされていき、彼女はここから二人目の保護者と行動を共にする事となる。
中二病真っ盛りなアレな発言が多いとは言え、その本質は歳相応の純粋な少女である小鳩。
「神の子」という選ばれし血統でありながら、どこか抜けている天然ボケキャラ発言が目立つイエス・キリスト。
この二人によるコンビは、凄惨な殺し合いの会場において一服の清涼剤として機能し、スレ住人達をほんわかと和ませていた。
また、本人に打ち明ける機会はなかったが、ジローを殺した下手人は先程まで自分があっていた仙水であり、この悲しいすれ違いに彼は心を痛めている。
小鳩との出会いをきっかけとして、それまで一ネタキャラに過ぎなかったキリストは一気に脚光を浴びていった。
同行を始めた彼らが次に出会った参加者は、このロワにおいて主役格とも呼ばれる名コンビ、
カズマ・アーディガンと
東風谷早苗であった。
「魔を断つ刃、デモンベイン@斬魔大聖デモンベイン」というチート極まりない巨大ロボを上手い事起動させたこのコンビだったが、
トップクラスの実力を持つマーダー・
東方不敗、そして決してマーダーでは無いのだが超弩級の危険人物、
ヨハネ・クラウザーⅡ世による(自主規制)により大ダメージを受けていた。
特に後者による(精神的)ダメージが著しく、魔力も枯渇して気絶していた早苗を、イエス・キリストは見事神の奇跡によって復活させる。
目覚めた早苗は、目の前にいるのがかの有名なイエス・キリストである事を知ると「本場の奇跡」を見てみたいと懇願し、
それを受けたキリストは気前よく『ひどく絶望した状態である時に手に持った穀物(パン)を陶器(小皿)へと変える』という奇跡(正確には逆奇跡)を披露する。
何よりも人を愛し、そして争いを嫌うキリストにとっては「殺し合いの会場」にいるという事自体が即魔女化クラスの絶望的な状態であり、
ズタボロに精神を傷つけられ、号泣しながらも、早苗のただの知的好奇心に全力で答えてみせたその姿はまさに無償の愛(アガペー)にあふれていた。
(なお、この逆奇跡は早苗、
カズマ、小鳩の三名を一気に絶望と後悔のどん底へと突き落としてしまった事をここに追記しておく。)
また、後の最終決戦直前の対主催連合による最後の団欒の中でも、茶器の不足に気づいた
アーチャーに大してこの逆奇跡を起こすことを持ちかけている。
身を裂くような苦痛を気軽に実行しようとする辺りは、休暇中の某同居人の影響であろうか。(この時は前述の三人の手によって全力で制止され、事なきを得ている)
こうしてカズマ・早苗ペアとも交流を深めたキリストは、後に
涼宮ハルヒ率いるSOS団とも遭遇し、
早苗とハルヒという女子高生コンビがどちらも神に近い力を持っている事に大して「日本には女子高生信仰でもあるのかい?」と大まじめに疑問を呈したり、
それからまたしばらく後、今度は
夜神月率いるグループ、通称月組によって彼とよく背格好の似た男、
シックスがキリストを名乗り悪行を続けているという情報を得ても、
「……まさか…ジョニデ!?ジョニデなの!?また私ジョニデと間違えられてる!?」と勝手にはしゃぐなど、どこか抜けた言動で参加者(と読者)の笑いを誘っていた。
また、
ラインハルト・ハイドリヒが自ら搭乗した「リベル・レギス@斬魔大聖デモンベイン」に「ロンギヌスの槍@新世紀エヴァンゲリオン」を装備させた際には、
自らを処刑した武器であるそれの思い出を懐かしそうに語って見せた後、明らかに記憶と違う(主にサイズが違う)槍を目の当たりにして前述の名ゼリフを叫んでいる。
もちろん、キリストはただギャグをこなし続けただけではない。
小鳩、
黒猫(五更瑠璃)、
与次郎次葉という「破界事変」を通して絆を結ばれた三人が
ルーミア(EXルーミア)に襲われた際には、
周囲(1エリア分)を覆う暗闇をリアル後光によって吹き払い、彼女たちを救っている。(ただし次葉のみ助けが間に合わずルーミアに捕食されてしまい、彼は深く悔やんでいた。)
そしてまた、ロワ中で記憶を取り戻してしまい熱血対主催から外道対主催へとスタンスを変更してしまった月の悪行を、白日の下に引き摺り出したきっかけを作ったのもキリストである。
上述した月組との合流からしばらくして、キリストの存在を邪魔に感じた月は「デスノート@DEATH NOTE」によって彼の暗殺を計画。
だが、これが全ての間違いであった。デスノートには…正確にはDEATH NOTE世界には「それを使い使われた物は天国にも地獄にも行けない」という法則がある。
対してキリストは、そのままズバリ天国の住人である。彼が死後天国へ向かうのは約束されており、ここに大きな矛盾が生まれる。
さらに、キリストはこう見えても(失礼!)数々の悪魔、死神を見事退けてみせた伝説の人なのである。
これらの設定が上手く噛み合い、齎されたのは『キリストはデスノートを無効化する』という例外中の例外の結果、すなわち『奇跡』である。
キリスト暗殺計画の失敗により月の計画は大いに狂い、それを呼び水として彼の悪事が明るみに出て…遂には、無残な最期を遂げてしまうのであった。
そして何よりキリストの活躍として最たるものは、
シックスとの戦い――否、『救済』であろう。
『絶対悪』としてその生を受けたシックスは、「アンリ・マンユ@Fate/stay night」を通し、会場すべての『悪』を吸収。
自らを『悪そのもの』と定義した彼は、ありとあらゆる悪徳を悦び、己が生き様とする醜悪な怪物へと姿を変える。
シックスは、ゲーム開始の当初からまだ見ぬキリストを敵視していた。
キリストの名を語り悪逆の限りを尽くし、ほとんど当て付けとして十戒を破ってみせ、神の子を挑発し続ける。
しかして―――悪意の化身を目の前にしても、イエス・キリストの『愛』は揺るがない。
「あなたの罪、その悪意は、全て私が背負いましょう」
その言葉は、戦士が仇敵へと向けるような激しいものではなく。
まるで、偉大なる父が愛しい幼子へと優しく語りかけるかのよう。
そして、開かれるのは『楽園』へ続く道……「G.F.エデン@ファイナルファンタジーⅧ」による、殲滅の…救済の光。
“叫びも虚しく楽園の門が開く。
悪意なき世界。
天国への階段。
悪意の化身たる男にとっては、身の毛もよだつ地獄でしかなく。
その絶望さえも浄化の光の前に忘れ去り、シックスは、進化したはずの生き物は。
只の人間として光に呑まれた。”
他にも、キリストの特徴としては各種支給品の『聖別化』が存在している。
彼の血を浴びた支給品は、それだけで強い神聖を持ち、大幅にグレードアップしてしまうのだ。
その性質上、どちらかと言えばマーダー側に恩恵をもたらしてしまう状況が多い厄介とも取れる特徴ではあったが、
彼が己が意思により聖別、祝福した「デモンベイン」は「デモンベイン・ブラッドverβ」へと姿を変え、
主催者でありラスボスでもある
ジ・エーデル・ベルナルに対して致命的な一撃を加える事に成功している。
最もキリストは、それをこの目で見ること能わず、会場側の最終決戦であるラインハルト戦において命を散らしてしまったが……。
殺し合いという、最も残酷な試練の中でも揺らぐこと無く『無償の愛(アガペー)』を貫き続けたイエス・キリスト。
彼の、バトル・ロワイアルには似合わないどこまでも優しい生き様は、参加者達は読者達の胸に深く刻まれた事であろう。
……最も退場後も、未来の守矢神社に生まれた風祝の誕生に一枚噛んでたり、そもそも天国経由で下界に普通に戻ってたり、色々やらかしてるんですけどね、この神の子。
最終更新:2024年01月09日 22:12