高い能力を持つとはいえ、戦いのプロである恭介とオリヴィアに葉耶は追い詰められる。
その時放送が鳴り響く。
―
有村恭二
その名前を聞いたとき、葉耶は色彩を失い立ちすくんだ。そしてあたり一面を吹き飛ばしどこかへと去って行った。
嘘だと言ってよ恭二。あなたが死ぬわけないでしょう。こんな、こんな、こんな世界間違ってる―ッ!
無知全能の少女は愛する男の死を認められず、悪霊のようにさ迷い歩く。
次々と放送で流れる友人たちの名前。皆死んでいく。それなのにどうして幽霊になって会いに来てくれないんだ。
彼らに二度と会うこともできないことを悔しがり、青井は赤井に尋ねる。
青井「……なあ魔法少女、人を蘇らせられる魔法ってあるのか?」
赤井「いいえ、どんな魔法でも人を蘇らせられる魔法だけはありません」
シルフィード「この世に替わりがないものとして生まれるからこそ、命は尊いんやで」
青井「そうだな……そりゃそうだろうな。人を蘇らせられる魔法や奇跡があるんなら幽霊やあの世なんてものがあるわけもない、か」
それでも、幽霊でもいいから皆にまた会いたかった。青井は涙をこらえながら想った。
千聖たちがジャスティスガールらと接触し情報交換する。
マリスを追う二人の話を聞くが、マリスの駆るモーソローダーの特徴が千聖が考案しているパワードスーツに似ていることに気づく
行方不明だった宝木が久々に登場。会場の隠しダンジョンの探索は、多数のギミックに
モンスターにトラップを乗り越えた波乱万丈の大冒険だったが、特に書くことはない。
放送に流れる生徒たちの名前を聞いて、月の輪は絶望に打ちひしがれる。
生徒を弄んだトリスをこの手で討つこともできず、生徒の名を呼ばれるのを止めることもできない。
一体どうすればよかったのだ…どうすれば…
出るはずのない問いに、月の輪は囚われてしまう。
ジャスティスガールらと別れた安曇と夜乃だったが、アルカディオと遭遇してしまう。
自分の満足のために戦いを撒き散らすアルカディオは断罪すべき悪だと戦いを挑む安曇。
安曇の異能『幻痛』を喰らい、想像を絶する痛みがアルカディオを襲う。
勝ったと確信した安曇だったが、激痛の中でも殺意を緩めずこちらを視るアルカディオに一瞬恐怖を覚えてしまう。
安曇にできた僅かな恐怖の皹をアルカディオの殺意の洪水が突き破る。
殺意が安曇の脳髄に溢れ、耐え切れずに安曇の頭部が破裂した。
庇護者の安曇の死に動揺した夜乃は自分は無関係の人間だとその場しのぎの嘘をつくが、アルカディオは構わず迫ってくる。
恐怖のあまり射程距離も忘れて能力を行使するが、その無様な姿に落胆したアルカディオにより、安曇同様脳を破裂させられる。
勝利、流斗、有沙がこれ以上傷つかないよう埋葬するルーク一行。彼らの死を悼み前に進もうとするが、傷塗れで倒れている麻耶香を発見する。
傷を手当され摩耶香は一命は取り留めたものの、仲間を全て失い生きようとする意志さえ失っていた。
彼女を気遣いアルフェリーやイルファリーが慰めるも、麻耶香は依然として心を閉ざしたままであった。
そこへ忌影丸とビクトリーマンの鬼が来襲する。
鬼を見て先の惨劇がフラッシュバックし狂乱する麻耶香をイルファリーが庇い、ルークとアルフェリー、もみじが前線に出て戦う。
徐々に追い詰められていく3人のもとへ夢無と芦塚が援軍として駆けつける。
放送で由希たちの死を知り、誰一人救えなかった自分に腹が立っていた夢無が忌影丸に再び喧嘩を売る。
混乱の中、もう生きたくないと思っているのに、心の奥底でまだ死にたくない。そう思っている自分がいることに麻耶香は気づく。
忌影丸とビクトリーマンの力の前に、目の前の人たちが倒されていき追い込まれていく。
それでもなお戦場から顔を背ける麻耶香であったが、何処からか彼女を呼びかける声が聞こえてきて…
起こした惨劇の結果に愉悦に浸るゲイズと黄金。そこにナラシューヤが襲い掛かってくる。
新しい獲物がやってきたと黄金がナラシューヤに悪夢を見せていたぶろうとする。
一瞬ナラシューヤは動きを止めるが、次の瞬間黄金を剣で深く突き刺していた。
「悪夢か…俺の人生は…悪夢で終わらなかった…ッ この目に映るのは忌々しい只の現実だ!!!」
凄惨な人生を送ったナラシューヤにとって、黄金の悪夢はチープな幻にすぎなかった。
黄金を執拗になぶるナラシューヤをクレイジーな奴だとゲイズは黄金を見捨てて逃走する。
この世界で唯一頼れる存在であるナラシューヤを探していたリリーシャは放浪の末ついに彼を見つける。
だが、彼女の瞳に映ったのは憎悪と血潮に染まった狂人だけだった。
恐怖の余り彼をおいて逃げてしまい、彼が狂気に落ちた今、自分はこの世界で一人きりになってしまったとリリーシャは悟ってしまう。
黄金を見捨てたことを悪びれず、次は何をしようかと考えるゲイズ。
だが関節部が妙にきしむことに違和感を感じる。視界に砂嵐が走り、ノイズが脳に喧しく響く。
声を出そうとしても発声器官が故障して雑音しか出せない。
エグザエルウイルスに感染したと気づいたときにはすべてが遅かった
だんだんと蝕まれる死の恐怖に絶望しながら、ゲイズはあまりにもあっけない死を迎えた。
自分はただの鬼であり、人とは所詮交われない存在だ。
デュオの言葉は紗世鬼姫の精神を追い詰め、琴音から見放されて一人きりになることを恐れ、心中して永遠にいっしょに居ようと琴音の首を絞めようとする。
しかし、殺されようとしているにもかかわらず、変わらず優しい眼で見守る琴音に、紗世鬼姫の指の力が弱まっていく。
殺せるはずがない。この人はこんな私でも、鬼だと知っても変わらず愛してくれる。私はこの人が好きなのに、殺せるわけがない…ッ
自身に掛けられた空蛇の呪いを振り払い、紗世鬼姫は泣きながら琴音に謝った。琴音は何も言わず、優しく紗世鬼姫を抱きしめた。
来たるべき戦いに備えマリス専用パワードスーツの調整を進める。
遺伝子を検索し同一の持ち主しか乗れないセーフティが掛けられており、本人以外動かすことはできない設定になっている。
しかし偶然ありすが乗り込みいたずらでハンドルを動かしたところ、パワードスーツが動いてしまった。
そのことを疑問に思ったマリスがありすの遺伝子を調べたところ、自分と99.9999%同じDNAであることが発覚する。
さらに生年月日を聞いたところマリスのクローン元であるアーリスと同じであることがわかり…
フュージョンレイプ魔けんたれがライムをレイプしようと腰を打ち付ける。
しかし尿道からスライムが侵入され、睾丸を破裂させられあえなく死亡。
グリーン・ベールの亡骸の傍で一人たたずんでいたhole。
そして放送でカードゲーム組の死を知り絶望する。
軍事施設で兵器として扱われていた記憶、独りきりだった自分がこのロワで初めて得たトモダチ。
彼女は苦悩の末、優勝してトモダチにまた会いに行くことを決意する
月ノ輪の著作を読み進め、前回のロワの全容を知り始める。
災厄をまく少女、珍国斎やら直角三角形など今回のロワに共通する人物。
先ほど放送で呼ばれたトリスが主催にいたという事実。
この本から主催のヒントを見つけたブルースとマルハドールは、ニューソンに出会う。
彼の作っていた機械を見つけ、自身の考察と共に、主催打倒の策を練る。
冴島さんの小屋作りを手伝う尊大とサービスちゃん。
仕事をしながらも考察を進め、一つの結論を導き出す。
自信満々に語る尊大だったが、通りすがった皐月から会場のギミックを説明されて、自分の考えが間違っていたことに逆切れする。
まあ、サービスビームを浴びた皐月のサービスシーンを見て機嫌を直したわけだが。
増え続ける死者の名を聞いて、これ以上死者が増えないように自分の力で影から助けることを誓う宝城。
人知れずということを強調する宝城をレイカが恥ずかしがり屋めとからかう。
250 |
フィッシュマンの助け |
日高敬介、リリーシャ・マイルス |
ナラシューヤの鬼のような形相を見て恐怖するリリーシャ。
そこに日高が通りかかりフォローする。
251 |
そして彼女は目を開ける |
葛葉摩耶香、ルーク・ヘルディオス、アルフェリー・フォン・クォーツローズ、イルファリー・フォン・クォーツローズ、橙張もみじ、忌影丸、ビクトリーマン、芦塚陽菜、荒木夢無 |
声が聞こえた。麻耶香を励ます菜乃や由希、荒谷、紅葉、恭二の声が。
そうだ。みんな死んでしまった。だけどみんなの想いは私の傍にある。
麻耶香は再び立ち上がり忌影丸に戦いを挑む。
忌影丸は麻耶香が先ほどまでの死んだ眼ではない光に満ちた目であることに気づく。
そして麻耶香は新たなタロットカードを発動する。カードの名前は『絆』。
仲間の想いが込められた力の前に忌影丸を遂に倒す。
「強いなあ……お前、いやお前らは……」
「だって私たちは一人じゃないから。私の中には、皆がいるから」
「なるほど…それが’人’の持つ力か」
忌影丸は自分が負けたことを知りながら、どこか満足げであった。
人がなぜ鬼を倒すまでの力があるのか。その一端を知ることができたからだろうか。
アルフェリーやイルファリーは人の持つ心の力を見て、人間への想いを再確認する。
夢無もまた、潔く負けを受け入れ人を認めた忌影丸に仇としての憎しみではない何かを感じる。
ルークは彼女ならば人と魔物の懸け橋になれるかもしれないと希望を抱き、もみじも再び立ち上がった彼女のようになりたいと願う。
鬼達との戦いを終えた後、麻耶香たちは情報交換をする。由希たちの顛末を聞いた夢無はクラスメートを裏切った黄金や氷室に対し、必ず落とし前をつけることを誓う。
そして、彼らはそれぞれの思いを胸に再び歩き始めた。
放送で勝利達の死を知った博士は流石に焦りを感じて、デュエルを中断し他人と接触しようと日和と共に動く。
しかし、会った人間がロベルトであったのが最大の不幸であった。
博士の持つカードデッキに描かれたモンスターの絵を見て、ロベルトは化物の遊戯に現を抜かす人非人だとして断罪する。
目の前の初めての殺人に狂乱した日和は、パルクールを駆使してロベルトから逃げ出すが、恐怖の余り精神が壊れてしまう。
一人だけの新人類となったゆり☆ばらが、新人類の存在について考察する。
人との生殖によって増殖する自分たちは、他種族を同化する事でしか仲間を増やせない弱い種族であり、
人に依存しなければ生きられない。
だが人からは拒絶されるしかない孤独な存在であることにふと気が付く。
トリスに失望しきったデッドエンドは怒りのオーラを放つ。
おっかないねえとノヴァは笑い、デッドエンドの怒りが収まるまで、別行動をとることにする。
255 |
愚者は立ち去り、技術者は追いかける |
半井瞠、音恋千聖、紫宮院統香、ころび3号、I・ヒンデンブルグ、「国騙り」のブルース、マルハドール、阪口翔、羽原晃 |
パワードスーツ作成を進める千聖。だが遠目に踊り狂う阪口を目にする。千聖が呼びかけるがウィルス感染していた阪口は、
彼女にウィルスを感染させたくなかったため、あえて無視して逃げ出す。
阪口の異変をしった千聖は、その後情報交換を求め接触してきたブルースらから、天才科学者ニューソンの話を聞き、彼との接触を検討に入れる。
憎悪を喰らい成長した空蛇がクロスフォードを目にし、襲撃する。
しかし琴音を憎悪するあまり、現実の能力を知らなかったため、
現実「…負の怨念の集合体?そんなもんあるわけないだろJK」
空蛇「くぁwせdrftgyふじこlp!!!」
と一発で消滅する。
その様子を見たクロスフォードは何気なしに「あんたのその口、目の前にいるやつを喋るだけでどうかできるなんて非現実的だな」と口にしてしまう。その言葉を聞いてしまった現実は発狂してしまう。
宇宙騎士が立ち去ったのち、反論も反駁もできずついに自分の舌を引きちぎってしまう。
痛みにうめく現実が最後に目にしたのは自分の手の中で生き物みたいに蠢く舌と自分の周りに浮ぶ変な空間。
(嘘だ、こんな、俺の中にこんな『モノ』が潜んでいたなんて、こんな現実嘘に決まってる!!!!)
自分のもっとも忌み嫌うものを自分が既に持っていたことに絶望しながら現実はこと切れた。
連戦を繰り広げ、互いに疲労が積み重なった二人が休息する話。
体を休めながら、愛する人のことを想い、失ったものを取り返すため決意を新たに固める。
苦汁城が探偵の古畑先生と接触し、学校での吸血鬼襲撃について話す。
しかし情報交換を進めるにつれて、苦汁城が絵を描くたびに死人が出ていること、絵の材料に人間の心臓を使っていることから
古畑先生に疑いの目を賭けられる。
疑惑の目に耐え切れず苦汁城は逃げ出してしまうが、葉耶につかまってしまう。
拷問を掛けられて情報を全て吐かされたうえに最後は自分自身が前衛芸術じみた死体になってしまう。
holeは自分が所属していた軍を回想する。ただ兵器として扱われ、意志など認められない地獄。
優勝するために、かつての心なき殺戮兵器へと変形する。体を装甲で覆い、顔を鉄兜で隠す。
その悲しみが外に見えないように。
チャペルがあたりを探索していると、いきなりスキンヘッドの男に怪物扱いされたうえに喧嘩を売られる。
宗次郎の眼には人間がモンスターに映ることもチャペルに知る由もなく、勇者を名乗る狂人に自分こそが勇者だとチャペルが戦いに応じる。
しかし宗次郎が殺人犯とはいえ相手は本物の勇者。相手にもならず一蹴される。
槍を収めたチャペルだったが、宗次郎の最期の言葉を聞き、彼も狂人ではあったが平和を願う人物であったことを知ってしまう。
動揺するチャペルにビーミが怒り狂って体液攻撃も忘れ襲い掛かるが一瞬のうちに切り裂かれる。
平和を望む男と彼を慕う魔物、彼らを殺した自分は勇者といえるのか、チャペルは思い悩んでしまう。
261 |
呪いし者、狂えし者 |
ナラシューヤ、比良坂葉耶 |
ナラシューヤと葉耶が激突する回。
世界を呪うナラシューヤを葉耶が馬鹿にし、想い人のために狂った葉耶をナラシューヤが嘲笑い、険悪になった末、争い始める。
死に怯え、疑心暗鬼になった日和が反射的に目の前に出てきた人物を撃ってしまう。
血を流して倒れた人を見て、日和は後戻りができなくなり、優勝狙いに方針を転換する。
一人きりで血の海に沈むゆり☆ばらは、これも因果応報かと自嘲する。
じわじわと包み込まれる死をふさわしい罰だと受け入れながらも、一人きりで死ぬことに今更寂しさを感じ、
アリアに彼の世で会うことが出来たら。死の間際祈りながら一人ぼっちの新人類はこの世から姿を消した。
気絶から目を覚ました戌井。古畑への恨みを燃やすも拘束されて身動きが取れないでいた。
そこにロベルトが通りがかる。狂人の眼をしたロベルトに戌井は縮み困るが、その眼に宿る復讐心を見込まれ、手駒という形だが、拘束から解放される
逃げ去った葉耶を追いかける恭介とオリヴィアがSF組と遭遇する。
恭二を知る彼らであったため会話はスムーズに行われる。
その中でグソクムシは人間ってなんだろうと恭介に問いかける。
「人間は君たちにとっては隣人みたいなものだろう。友人とか家族までの仲じゃあないから、理解できないことも知らないこともある。それでもなるべく話ができて、部屋を隔てる壁が少しでも薄くなれる関係になれたら。俺はそう願ってるよ。」
恭介の答えに、グソクムシは思いを巡らせる。そして恭介の考えを教えてくれたお礼に恭二の形見である数学メモをプレゼントする。
オリヴィアは恭介の話を聞き、自分の存在意義について考え、一つの決意をする。
ハエトリグサもまた、ただの植物から知能を得た自分にできることを模索する。
265 |
なんということでしょう |
氷室帝門、ノヴァ、デッドエンド、アルカディオ・ヘルディオス |
トリス死亡後、暇を持て余した氷室は退屈凌ぎに氷の城を建造する。
氷の城を見て対抗意識を燃やしたノヴァが黄金の城を建造する。
遠目に見て面白そうだと思った吸血鬼二人。アルカディオは氷の城へ、デッドエンドが黄金の城に向かう。
266 |
祭典の始まり |
葛葉摩耶香、ルーク・ヘルディオス、アルフェリー・フォン・クォーツローズ、イルファリー・フォン・クォーツローズ、橙張もみじ、芦塚陽菜、荒木夢無、比良坂葉耶、ナラシューヤ、「国騙り」のブルース、マルハドール、サー・クロスフォード、金本尊大、サービスちゃん、冴島春樹、宝木皐月、護摩堂暁人、葛城恭介、オリヴィア・アンツィーノ、ヒトガタグソクムシ、ハエトリグサ異常種、デュオ・バスカヴィル、アリッサ・ブルックリン、笛吹めぐみ、吉川美夜、怪人:『ブギーファントム』、古畑六星、クリフ・シュテイル |
同時に二つの城が出現したことに動揺する参加者たちの動向を描いた話。
決戦を繰り広げていたナラシューヤと葉耶の二人は闘いながら城へと突っ込んでいった。
ブルースは城主を惑わすためにマルハドールと共に外見だけの城を建造する。クロスフォードは城塞落としは騎士の本懐とか口では言いながら、一番落とし易そうなブルースのハリボテ城を悪の本拠地とか決めつけて襲撃する。
尊大もブルースと同じく対抗意識丸出しで城建造に乗り出し、冴島もどうせ作るなら小屋ではなく城にしようと乗っかり、サービスちゃんは城でサービスシーンを見せようと企てる。そこに護摩堂が現れ「……そういうのはあけっぴろげにやるもんじゃない!
見られるか、見られないかのドキドキがいいんじゃないかっ!」 と持論を語る。互いの性癖を語り合って二人は握手を交わす。常識人が存在しない状況に宝木は頭を抱える。
ルークたちは城にはおそらく恐るべき敵、そして自らの父アルカディオが巣食うと考え、チームを分断し城へと向かう。光の能力を生かすため、ルーク、摩耶香、もみじ、夢無、芦塚は氷の城へ、アルフェリーは黄金城へ、イルファリーはハリボテの城へ向かう。
恭介とオリヴィアは城出現に動揺しながらも、グソクムシとハエトリグサを残し氷の城へと状況を探りに行く。
またデュオは漁夫の利を求め、アリッサは戦いを止める使命感のため、下種と聖人コンビもエントリーする。
めぐみ先生はなぜか食料を求めて氷の城近くに行き、遠くから目撃した吉川は、復讐のため追いかける。
ブギーファントムはバトルロワイアル進行人兼
ジョーカーの役割を果たすため、古畑先生を引き連れ黄金の城に首を突っ込みに行く。
クリフは吸血鬼の傲慢な性格ならば城の主を気取るだろうと、城へ向かう。
267 |
クレバー・ブルース |
「国騙り」のブルース、マルハドール、イルファリー・フォン・クォーツローズ、サー・クロスフォード |
ハリボテ城で獲物を待ち構えるブルース。宇宙騎士クロスフォードと吸血鬼イルファリーの同時襲撃にピンチに陥るが、
詐欺師の騙しとはったりで、クロスフォードを罠にかけ昏倒させる。
またイルファリーも口先で丸め込め、協力関係を結ぶ。イルファリーが黄金城に向かった姉を心配し、ブルースも同行する。
後々の戦力としてクロスフォードは有力なカードとなると見込み、おねんねしているクロスフォードをマルハドールにまかせ、
黄金城へと出発する。
268 |
アイスキャッスルの激闘! |
葛葉摩耶香、ルーク・ヘルディオス、橙張もみじ、芦塚陽菜、荒木夢無、氷室帝門、アルカディオ・ヘルディオス |
淡く光る氷の城、跳ね橋を渡り入城するルークたち。光差す螺旋階段を昇り、塔の頂点で二人の男と相対する。
裏切りの氷使い氷室帝門。蝙蝠の王アルカディオ・ヘルディオス。
自分たちを、トリスさえも裏切りその男につくのかと問う麻耶香に氷室は単なる娯楽のためにやっただけだと笑う。
下種な本性をあらわにした氷室に夢無はただ一言告げる。お前は俺の拳でぶちのめすと。
アルカディオは息子に問う。今貴様が引き連れている人間が仲間かと。
ルークは答える。そうだ、これが自分の理想だ。
迷いなく答えるルークを見て、アルカディオはどこか羨まし気に首を傾ける。
目と目があう。それだけで十分だった。もはや語るべき言葉なんていらなかった。
父と息子、どちらの意志が強いのか。ただそれだけを証明する戦いが始まる。
城の近くで修行を続けるミノスと鈴。彼らの成長に無双は目じりを下げる。
だがその団らんも突如として終わりを迎えた。争い続けていたナラシューヤと葉耶が、獲物を見つけて一時休戦し襲い掛かってきたのだ。
自分も戦うというミノスと鈴に逃げろと告げる。無双は襲撃者の腕の前では、今の二人は勝てないと悟っていた。
殿となり二人を逃がし剣を振るう無双。しかし手練れといえど相手もまた強者。
さらにかつて勇者に守られた縁からローズ・ブラッドも加勢に入る。
遂に追い詰められ無双も死を覚悟するが、そこに聞きなれた少女の声がした。
死に際の幻聴かと思ったが、そこには確かに鈴とミノスの姿があった。
師を置いて生きることなどできなかった二人が再び戦場へと戻ってきたのだ。
無双は二人を馬鹿者と罵るが、一方で弟子が自分のために助けに来たことに涙を流す自分もいた。
ミノスは無双の教えた技を放ちローズ・ブラッドを打ち倒す。
鈴も勇者相手に剣で討ち迫る。最大の剣をナラシューヤへと振り下ろす。
鉄の折れる音が鳴り響いた。
ナラシューヤが鈴の剣を折り、返しざまに鈴を切り伏せた。
無双とミノスは激高しナラシューヤへと迫るも、葉耶の攻撃がミノスを堀へと突き落とし、ナラシューヤの剣が無双の頸をはねた。
獲物を刈り取り、再びナラシューヤと葉耶は戦いを始めた。
堀から這い上ったミノスは、師匠と兄弟弟子の骸を前に慟哭する。
270 |
逆襲の教師 |
半井瞠、音恋千聖、紫宮院統香、ころび3号、I・ヒンデンブルグ、笛吹めぐみ、吉川美夜 |
ヒンデンブルグの分のパワードスーツが完成し、千聖のもとから発つ。
気を付けてくださいと瞠は声をかけるがヒンデンブルグは顔を背け静かに去る。
その後瞠専用機の調整を進めるが、爆撃を喰らう。
ころび3号の守りで直撃は防がれるが、煙が晴れてそこに居たのは同僚のめぐみ先生であった。
クソガキを皆殺しにしようと襲い掛かるめぐみ先生を殴ってでも説得しようとするが、凶弾が瞠めがけて放たれる。
しかし弾丸は瞠ではなく、彼女を庇った統香を打ち抜いていた。
「こんなつまんないことやってないでさ…また、あんたの…すぐしょげるし、後ろ向きだし、乳もないけど…一生懸命で生徒思いなあんたの…愚痴が、聞きたいよ」
モーソローダーの武装を破壊しめぐみに迫るころび3号を押しとどめ、統香はめぐみに同僚として言葉を投げかけた。
最後に統香はころび3号に徳利を手渡し殺し合いの打破を託してこの世を去った。
統香の死を前にし、めぐみも正気に戻ったとき、再び銃声が鳴り響いた。
煙が漂う銃を握りしめ吉川が狂ったかのように笑っていた。自分の心の支えを奪った担任を許せなかったのだ。
今までの行いを後悔しながら、めぐみもまた同僚の元へと逝った。
271 |
死の結末を君に |
アルフェリー・フォン・クォーツローズ、イルファリー・フォン・クォーツローズ、「国騙り」のブルース、怪人:『ブギーファントム』、古畑六星、ノヴァ、デッドエンド、アリッサ・ブルックリン |
煌びやかに輝く黄金城、旧知の友であるノヴァとデッドエンドが話を弾ませる。
そして話を切り止め、来訪者を迎える。不俱戴天の仇、アルフェリー・フォン・クォーツローズである。
「『血薔薇の姫君』アルフェリー・フォン・クォーツローズ――デッドエンド、貴様に『死の結末』をくれてやろう!」
因縁をつけるために、両者が激突する。血の花が舞う激闘、その最中に新たな来訪者、アリッサが乱入する。
エンターテイメントに横やりを入れられたことを無粋に思ったノヴァがアリッサと戦う。
途中、ノヴァがアリッサの原動力である『綺麗事』を奪うが、奪われたならまた生み出せばいいと復活される。
千日手となりアリッサが疲弊し倒されようとしたその時、更なる侵入者、怪人ブギーファントムが甘美な旋律と共に姿を現した。
制限能力によりノヴァを封じ込めるが、狂ったかのような言葉をブギーファントムにささやき、ノヴァは城から身を投げた。
一足遅れて古畑も黄金城にたどり着くが、歌月の瞳から感情が失われたことに気づく。
歌月の人格を抹消され、ただの怪人として暴走する。
ブギーファントムから古畑を庇うアルフェリーと両者を共に狙うデッドエンドの三つ巴の戦いにもつれこんでしまう。
深手を負いながらも必死に戦うアルフェリー。しかし彼女を呼ぶ妹の声を聴いたとき一瞬頭が空白になってしまった。
そのことに動揺してしまったアルフェリーは隙を突かれ、心臓をデッドエンドに貫かれてしまう。
自らのせいで姉を死に追いやってしまったと動揺するイルファリーに「わらわのことは気にしないで、お前はお前の好きな道を行け」と言い残し、妹より先に姉は逝った。
最愛の姉を喪ったイルファリーは怒りを露にデッドエンドへ向かうが、敗北してしまう。
デッドエンドが立ち去るのを目にすることしかできず、イルファリーは涙を流しながら幽鬼のように城から姿を消した。
ブギーファントムは主催の命を下されるが、古畑には手をかけずに全参加者詳細名簿と首輪を置いて古畑の元から別れていった。
ブルースは、自らの一手でマーダーを討つこともできず、アルファリーも殺しイルファリーを追い詰めてしまったことを後悔する。
272 |
鏡の国のありす/マリス |
マリス・ミラーワルド、内藤ありす、ジャスティス★ガール、四十物ほのか |
マリスは考察を進め、ありすの正体を導き出した。彼女は自分のクローン元である英雄アリース・ワンダーランの幼少時代であると。
時代さえ超える主催者の力にマリスは戦慄する。自分の苦悩に満ちた人生の原因でもある彼女に対して恨みはあるが、無邪気に笑うありすを見ていると、その恨みも薄れていく。
自分に向け笑顔を見せるありすに笑い返そうとしたとき、ジャスティス★ガールとほのかが襲撃してきた。
怪物クラスの力を持つジャスティス★ガールにはモーソローダーを用いても分が悪かった。
武装を破壊されていき、遂に追い詰められたとき、ありすがマリスを庇った。お姉ちゃんをこれ以上いじめないでと。
しかしジャスティス★ガールの蹴りは無常にもありすごとマリスを貫いた。
くそッたれにふさわしい最後かと自嘲しながらも、最後まで自分に寄り添うありすを見て、こいつまで死ぬ道理なんてどこにもないはずなのにと思い死んでいった。
ありすごとマリスを殺害したことを否めるほのかに、悪人を庇ったんならこいつも悪だろと言うジャスティス★ガールに遂に
ほのかが決別の意を見せる。
そして正義の味方と美少女騎士の戦いが始まってしまう。
273 |
ADVANCED WARFARE |
宝城令、レイカ・シューリス、hole、I・ヒンデンブルグ |
瞠の見送りの言葉に返事を返さず出発したことに後ろめたさを感じるヒンデンブルグ。
そこに弾丸が降ってきた。優勝狙いのためholeが襲ってきたのだ。
人型殺戮兵器に変形し完全武装したholeの前にヒンデンブルグも苦戦する。
しかし、宝城とレイカの陰からの助力により、なんとかholeを撤退させることに成功する。
ヒンデンブルグはholeの攻撃パターンを覚え、次に会ったときは必ずあの兵器を倒すことを誓う。
兵器の中身が少女であることにも気づかずに…
274 |
VS Emperor of ice |
葛葉摩耶香、芦塚陽菜、荒木夢無、氷室帝門 |
「『氷帝』の力、見せてあげるよ」
その二つ名にふさわしい強力な吹雪を放ち夢無たちを攻撃する氷室。ずたぼろになりながらも我武者羅に向かう夢無を氷室は嘲笑し、トリスに由希たちを売ったときも今みたいに楽しかったと語る。
減らず口叩くんなら歯全部へし折ってやると激高する夢無であったが、不意に影に包まれる。氷室最大級の氷塊が頭上へと降ってきたのだ。
回避する暇も手段もなく氷室は勝ちを確信する。だが氷塊は一瞬で消滅してしまう。芦塚が氷塊の柱を折り消滅させたのだ。
最大の攻撃を翻され、動揺する氷室。体制を整えようとしたとき、目の前に夢無が迫っていた。
『力』。身体能力強化のタロット。摩耶香が発動し、夢無の力を強化した。
夢無の拳をよけるすべなど氷室は持ち合わせていなかった。その拳は氷室の顔面にめり込み、前歯をへし折った。
もっと自由に生きたかったと氷室の断末魔も夢無の拳は遮った。
「あいつらの自由を踏み躙った奴が、自分勝手なこと言うなよ」
夢無は一言氷室に言い放ち、止めの拳を放った。
吹雪をも飲み込む拳の嵐、氷帝の最期は砕けた氷の塵かのようであった。
275 |
その血の宿命 |
ルーク・ヘルディオス、橙張もみじ、アルカディオ・ヘルディオス、葛城恭介、オリヴィア・アンツィーノ、デュオ・バスカヴィル |
轟音を上げながら氷の城が崩壊していく。ヘルディオス父子の戦いの余波は空気さえ震わせた。
激闘に疲弊し満身創痍になりながらも戦い続ける。自分の意志の方が強いことを父/息子に示すため。
そこに血染の蝙蝠幹部デュオが乱入する。内に秘めた野望を隠しながらルークに加勢すると言う。
善人ぶった姿でルークを欺き、後ろから首をはねようとする。
「ルークさん危ないッ!!」
しかしその目論見は泡になった消えた。探偵の観察眼でデュオの企みに気づいたもみじが防水性の紙を操りルークを庇ったからだ。デュオの爪は代わりにもみじを引き裂いていた。鮮血と共に紙きれが、カードが舞う。
カードデッキを燃やし、勝利を狂わせてしまったことを後悔し、もみじはこれ以上誰も失いたくないと思っていた。
自らの腕の中でもみじは冷たくなっていった。仇を取ろうとするルークに対し呼びかける声がした。
自分の仲間で反逆者、オリヴィアの声だった。
彼女の同行者である刑事はもみじをルークから預かり、優しく抱きかかえ床に就かせた。
舞い散ったカードを拾い、ルークに言った。
「ルーク、奴の相手は俺がやる・・・員数外は員数外同士・・・お前は自分の宿命に決着をつけろ」と。
276 |
殺し合いの片隅で……これはひどい |
金本尊大、サービスちゃん、冴島春樹、宝木皐月、護摩堂暁人 |
城を建築中の冴島さん一行。サービスビームで護摩堂が女体化してサービスちゃんといちゃつく。
狂っていた尊大の性癖がより一層深みに堕ちる。
277 |
月ノ涙 |
ヒトガタグソクムシ、ハエトリグサ異常種、月ノ輪 |
月ノ輪がグソクムシとハエトリグサに再会する。
末井さんをどうして殺したのかと責める二人。月ノ輪は二人の話から彼らはマーダーではなく、自分の誤解のせいで末井を殺してしまったことを知ってしまう。
耐え切れず逃げ出した月ノ輪に、ハエトリグサが発信機代わりの種子を月ノ輪に植える。
278 |
今、生きているということ |
イルファリー・フォン・クォーツローズ、葛葉摩耶香、芦塚陽菜、荒木夢無 |
氷室戦を終えた麻耶香たち。しかし氷の城の崩壊が進み、ルークらを置いて脱出せざるを得なくなる。
城を脱出した彼女たちは、イルファリーと再会する。無事を喜ぶが、イルファリーの表情は絶望に包まれていた。
突如、イルファリーが牙をむいてくる。急襲に驚愕するが、イルファリーは泣き叫びながら言った。私を殺してと。
混ざりものの吸血鬼として同族から蔑まれてきた。そんな自分に唯一変わらず接してくれたのがお姉様だった。
そのお姉さまを自分の生で死なせてしまった。優しいお姉様のいない世界なんてもう嫌だ。私も死んでお姉様のところに。
涙と共に死を望むイルファリー。そんな彼女の頬を叩いたのは摩耶香だった。
私も友達を失って辛かった。死にたかった。
でもあなたたちが助けてくれたおかげで生きていられる。あなたがいるから立っていられる。
辛いからって簡単に死を選ばないで。今度は私が貴女を支えるから。お願いだから…これ以上私からいなくならないで…
駄々っ子にも近い摩耶香の言葉。しかしその言葉は確かにイルファリーの憑き物を落としたのだろう。
イルファリーは涙を流しながら、摩耶香たちに言った。
―ごめんなさい。まだ私…生きてみる…
279 |
死の来訪者 |
デッドエンド、リリーシャ・マイルス、日高敬介 |
日高のフォローで少し精神を持ち直し始めたリリーシャ。
しかし、デッドエンドが現れ、人間に最終試練を与える準備として日高を眷属にし浚っていく。
280 |
オリヴィアの誇り |
ルーク・ヘルディオス、アルカディオ・ヘルディオス、オリヴィア・アンツィーノ、葛城琴音、紗世鬼姫 |
自らを裏切り息子の側につくのかと問いただすアルカディオにオリヴィアは、この裏切りはルークと出会って初めて得た自分自身の意志だと答える。アルカディオはその答えにどこか満足げな笑みを見せる。
そして再び戦いの幕が開かれた。
深手を負い思うように動けないルーク、そこへアルカディオの魔眼が発動されようとした。
だがその殺意はルークではなく、彼を庇ったオリヴィアに放たれた。
激流の殺意を流され脳を切り刻まれる。だが彼女もまたギャング。傷をいくら負おうとも躊躇わず進む人種。
アルカディオに向かって走り、彼の腕をもぎ氷の城から突き落とした。
しかしオリヴィアの受けたダメージは致命傷。仲間をまた失い悔やむルークにオリヴィアは言葉を投げた。
ギャングならば、仲間が死に逝くときでも、自分の使命を果たしてと。
その言葉は、立ち止まろうとしていたルークの歩みを再び進ませた。
ルークの後姿を見て、彼と出会えたこと、好きになったことを胸にして、ギャングの誇りを失わずにオリヴィアは死んでいった。
一方、城外へと落とされたアルカディオ。這いずりながら彼は二人の女と対峙する…
刑事対ギャングの激闘が繰り広げられる。闘いの中で恭介が先ほど襲った琴音の配偶者であることにデュオは気づく。
琴音を嘲ることで恭介の冷静さをなくす作戦に出るが、下らん戯言と一蹴されたうえに、ただ人を見下したいだけの小物とさえ言われる。
激高したデュオは恭介に止めを刺そうとするが、そこにアリッサが割り込み妨害する。
下種な本性を露にして怒るデュオに、アリッサはいかなる罪も赦されるが命が失われてはどうしようもない、貴方が私を狼に替えたのも些細な罪なのだと説く。
アリッサが人狼に替えられていたことに気づきながら自分を救うためわざと騙されていた事実に愕然とするデュオ。
それでもなお恭介を殺そうとするが、爪が恭介の胸に突き立てられたとき胸元から光が発せられる。
数学的幾何学模様で描かれた新種の魔法陣のメモ。
恭二が描き、グソクムシから託された、恭二の誰かを助けたいという変わらない遺志。
その遺志が今恭介を救ったのだ。
一瞬デュオの動きが封じられた瞬間に、恭介は弾丸を叩き込みデュオを打ち倒す。
ずたぼろになりながらも、なんとか氷の城から逃げのびたデュオ。しかし彼の前に新たな人影が立つ。
血染の蝙蝠に仲間を、夢を奪われた男クリフ・シュテイル。
デュオは惨めな断末魔と共に、クリフに討たれた。
282 |
Requiem for Vampire(前篇) |
ルーク・ヘルディオス、アルカディオ・ヘルディオス、葛城琴音、紗世鬼姫、 イルファリー・フォン・クォーツローズ、葛葉摩耶香、芦塚陽菜、荒木夢無 |
紗世鬼姫と葛城琴音。二人の女を新たな敵であるとアルカディオは認識し、慟哭の瞳を発動する。
殺意が紗世鬼に届く直前、琴音が身を挺して庇った。
琴音からは殺意も戦意も感じられなかった。彼女の死を予想したアルカディオは次の瞬間、目を見開いた。
膨大な殺意にさらされたにもかかわらず、琴音は変わらず立っていた。
それはアルカディオも知らなかった慟哭の瞳の対抗手段。
殺意を超える殺意を抱くのでもなく目を背けるのでもない。向けられた殺意を優しく抱きしめ赦すこと。
殺意に満ちた瞳の奥に隠れたもの。
意志を持って充実した生を得られる人間への羨ましさ。強き力を持つゆえに生きる実感も持てず漫然と生きる孤独。
慟哭し泣き叫ぶ瞳を憐れみ、琴音は子守唄を歌った。せめてその哀しみが少しでも癒えるように。
その子守唄は瞳の中の殺意を溶かし、魔眼を消滅させた。
茫然とするアルカディオの前に紗世鬼が出た。琴音さんを傷つけはさせないと。
瞳を失ってもなおある戦力差の前にもひるむことなく戦う紗世鬼。
そこへ新たな一団が。麻耶香、イルファリー、夢無、芦塚たちが到着したのだ。
彼らの瞳に一筋の輝きを見たアルカディオ。彼の体をレーザーが貫いた。
最後の来訪者。ルーク・ヘルディオス。息子にして最大の宿敵。
仲間を失えども、その遺志を背負い再び息子は立ちはだかった。
前に立つ人妖に向けて、アルカディオは言った。羨ましさと愛おしさを込めて。
「さあ・・・打ち倒すべき化物はここだ・・・かかってこい」
283 |
Requiem for Vampire(後篇) |
ルーク・ヘルディオス、アルカディオ・ヘルディオス、葛城琴音、紗世鬼姫、 イルファリー・フォン・クォーツローズ、葛葉摩耶香、芦塚陽菜、荒木夢無 |
ルーク、紗世鬼、イルファリー、摩耶香、芦塚、夢無。いずれも劣らぬ猛者たち。
凄絶なる攻撃に、遂にアルカディオも追い詰められていく。
片腕をもがれ、足を消され、両断され。
それでもなお戦いをやめるという選択肢はアルカディオには存在しなかった。
真っ二つになりながらも不適に笑い、口の中に隠していたナイフをルークめがけて放った。
しかし、ルークは微塵も恐怖せず、逆にナイフをつかみ取りアルカディオへと走った。
同時にアルカディオも雄叫びと共に牙を突き立てようとルークへと向かった。
…一筋の風が交差した。
心臓をナイフで射抜かれ、アルカディオは大地に倒れ伏していた。
自らの敗北を悟り、永遠の眠りにつこうとした。
子守唄が聞こえた。淋しがりの子をあやすかのような、優しい歌声だ。
琴音が死に逝くアルカディオの魂の安らぎのために歌っていた。
闘争と共にあった長い長い生、その終わり。
安らかな気持ちの中で思い返してみれば、満足のいく闘いであった。
生きていると実感できた。
望んでいたものを手にした吸血鬼の死に顔は、とても安らかであった。
一日遊び通したあと、母の子守唄を聞きながら楽しい夢を見る童のように。
どうして皆必死に戦っているんだろう。
どうせ足掻いたところでみんな死ぬのに。
壱階雛は冷めた目で二つの城で繰り広げられた戦いを遠くから眺めていた。
もうすぐ放送の時間だ。
285 |
ころび3号改造計画 |
半井瞠、音恋千聖、ころび3号、吉川美夜 |
めぐみを殺害した吉川を追いかけるも取り逃がしてしまう一行。一先ず、統香とめぐみの埋葬ところび3号の修復に専念することに。
その中で、多くの戦いの中で力不足を痛感したころび3号はめぐみの乗っていたモーソローダーのパーツを使っての改造を申し出る。
それすなわち、仲間を完全な戦闘兵器に作り変えることを意味しており、最初は難儀した千聖だったが、ころび3号の強い思いと瞠や阪口ら他の参加者を守ることに繋がるならと思い直し、ころび3号の改造に着手するのであった。
しかし、千聖は自分と同じ技術が使われている未来の機動兵器モーソローダーの存在と、この殺し合いに来てから兵器を作り出し続けている自分をとても不可解に思うのであった……
第四回放送。呼ばれたのは、
安曇兵護、夜乃黒依、紅黄金、ゲイズ・フランケンシュタイン、粉弁垂蔵
白羽剣弥、火青戸博士、空蛇、但野現実、苦汁城充城、毛利宗次郎、ビーミ
ゆり☆ばら、天神鈴、渡邊無双、紫宮院統香、笛吹めぐみ、アルフェリー・フォン・クォーツローズ
ノヴァ(偽)、マリス・ミラーワルド、内藤ありす、氷室帝門、橙張もみじ
オリヴィア・アンツィーノ、デュオ・バスカヴィル、アルカディオ・ヘルディオス
以上26名。残り57/138名。
最終更新:2017年01月26日 21:53