銀の交差 ◆SERENA/7ps



腰をかけるのに丁度いい高さと大きさの岩がある。
密集していた木の密度もまばらになり、森を抜けたことを知った男は、そんな休憩におあつらえ向きの岩を見つけて座っていた。
濡れた衣服も日光の力で大分乾き、時間もそろそろ正午に差し掛かるといったところなので、男はゆっくりとオディオの声を待つ。
銀色に輝く長髪をなびかせ、右手には彼の人生に欠かせないアイテムであろうサイコロが三つ。
頬に走った傷は男の端正な顔つきを損なうことなく、むしろ修羅場を潜り抜けた男の勲章のような印象さえ与える。

右手に仕事道具、
左手に友との思い出、
背後には彼の夢の礎となった屍、
前方には人生最大のギャンブルと、それに勝った暁に約束される夢を取り戻した日々。
それが、今座っているセッツァー=ギャッビアーニという男だ。

セッツァーには、ここにいる大半の人が感じているであろう焦りや不安といったものがない。
むしろ、その佇まいや雰囲気には、これから午後のティータイムを楽しむかのような余裕さえ感じられる。
頬が緩まない程度には表情を保っているが、隠しきれずに時折表情を綻ばせる。
さらに、オディオの声を今か今かと待ち続けている節すらある。
それもそのはず、今までセッツァーは順風満帆の過程を歩んできているのだから。
戦力の消耗なく易々と二人を殺し、厄介な元仲間を排除すべく情報も散布してきた。
津波に攫われるというアクシデントさえあったものの、ここまでは歩いてきたことによる疲労しかない。
殺し合いの開始時点とほぼ同じ健康状態だ。
どんなに強い人物も、戦って戦って消耗した末に死ぬということもある。
それを考えれば、ベストコンディションに近いという今のセッツァーの体調は他者に対して有利に働く。

「時間だ……一度しか言わぬから聞くといい」

オディオの声が聞こえてくると、待っていましたと言わんばかりにセッツァーはすかさず名簿と地図を出してメモの用意をする。
夢に生きる男、セッツァーは何も世界一強い男を目指している訳ではない。
彼が戦わなくても人は死んでいくし、最後まで残るためにはできるだけ体力の消耗も避けたい。
つまり、彼が戦わなくてもどれだけの人が死んだか分かる死者の名前の宣告は非常にありがたいものだ。
禁止エリアのチェックも終わり、次は待ちかねていた死者の名前が告げられる。

デイパックの中からチンチロリンのドンブリを取り出す。
右手の中で転がしていたサイコロを三つ、ドンブリの中に投げる。
陶器とサイコロのぶつかりあう音が聞こえる。
チンチロリンとは、ドンブリまたは茶碗の中にサイコロを三つ転がし、出た目で勝負するギャンブルだ。
たった三つのサイコロに己が運命託し、競う世界。

 カノン 二二三。
 フロリーナ 六六一。

サイコロを振るのに特に意味はない。
ただ、ギャンブラーとしての習性が無意識にそうさせているだけだ。
名簿で該当する名前を見つけては、セッツァーは黙々とその名前に斜線を入れると同時にサイコロを振る。


その名前を聞いた瞬間、セッツァーはニヤリと、口の端に笑みを刻んだ。
サイコロの目が示した数を見て、セッツァーはそれ以降サイコロを振るのを止める。
それはエドガーの現状をピタリと言い当てたかのような目だった。



◆     ◆     ◆



オディオの声が聞こえなくなってからも、セッツァーはしばらくその場に座り込んでいた。
エドガー・ロニ・フィガロというかつての仲間のことを考えているのだ。
誰が殺したかは知らないが、ありがたいことだ。
そう思わずにはいられない。
あの男は本当に厄介だったからだ。
エドガーは一国の王とは思えないほどの気さくな人柄と、王に必要とされる資質を見事に兼ね備えていた。
国民にとても人気があったらしいが、セッツァーも納得できるものがある。
無類の女好きではあるが、ああ見えて弟想いの一面もあるのだ。
そして、忌々しいこの首輪を何とかできてしましそうなほどの知識を有している。
ただ強いだけの輩とは違って、エドガーにはセッツァーの夢の邪魔になりそうな技能を数々持っていたのだ。
思えば、個性の強い仲間たちの中でも、エドガーはいつも中心にいて皆を纏め上げていた。
王としての判断力と決断力、豊富な知識、気兼ねなく付き合える人柄、いざという時の行動力、戦闘力、集団を統率する能力。
敵に回せば、これほど厄介な人物もそうそういまい。
王というだけあって、謀略や偽計にも強い。
旧知の仲というのを利用して、後ろから刺すというのが難しいように思えた。

そのエドガーが死んだ。
顔も知らぬ他の10人の死よりも、エドガーたった一人の死が果報であった。
マッシュあたりは泣いているだろうが、セッツァーにとっては歓迎すべき事態だ。

「こんなことが無ければ、アンタとはいい友人になれたかもしれないが……」

出た目は、一二三のヒフミ。 倍払い。
チンチロでは一番出してはいけない目だ。

「これがアンタの出した目さ」

エドガーは殺し合いというギャンブルの中で、命という賭け金を失ってしまったのだ。
敗者は顧みられることなく打ち捨てられる。
それがギャンブルの世界の掟だ。

「あの酒を全部飲んでしまったのは惜しかったな」

老酒という初めて飲んだ酒は珍しさもあってか、腐っていたセッツァーの胃にも染み渡っていた。
ついつい全部飲んでしまったが、今はその無計画さを少しだけ反省する。
こんなことなら、全部飲んでしまわずにとっておくべきだった。
エドガーの死に乾杯、といきたいところだったが無い酒は飲めないので仕方ない。

「さようならだ、エドガー」

死者の国にいるであろうエドガーに向けて、右手でグラスの形を作って乾杯の仕種だけをする。

「嫌いじゃあ、なかったよ……」

誰よりも高い場所で、誰よりも風を感じるために、セッツァー=ギャッビアーニは夢を追いかけ続ける。



◆     ◆     ◆



ただ、ひたすらに。
ただ、がむしゃらに。
銀の髪をした男は捜し求める。

疲れというものを無視して、木々を掻き分け、どこまでも愚直に。
北へ東へ西へ南へ、ありとあらゆる方向に動く。
それは最早彷徨うと言った方が正しいかもしれない。
額から流れ出る汗で、美しい銀髪が額にへばり付く。
塗られていた気品のある香油はすでに汗で流れ落ちてしまった。
最早息を整えることもできずに、口は激しい呼吸を繰り返す。
男は決して、動き続ければこうなるということも知らぬほど頭が悪いのではない。
このままでは、誰かに襲われた際、十分な迎撃ができぬ可能性もある。
体中だって、さっきから立ち止まって休憩することを要求している。
それでも、男は立ち止まらない。
ロザリーという、世界で一番美しい4つの文字を胸の中で唱えながら、男――デスピサロは進む。
勇者の仲間である女から、ロザリーが生きているという言葉を聞いて、こうしてピサロは休憩すら惜しんで動き回っている。
その言葉を肯定することはできなかった。
かと言って、否定する材料もない。
今にして思えば、名簿を消し飛ばした自分の短慮がいけなかった。
結果として、今のピサロの状況が出来上がったのだ。
念のために、聞こえてくるオディオの言葉に耳を傾けたが、そこにもロザリーの名は聞こえない。
こうして走り回っている間にも、あの言葉が口からのでまかせではないかという疑問も抱く。
ひょっとしたら今の走り回るピサロの醜態をどこかで見て、笑い転げてるのかもしれない。
もしもその時は、八つ裂きにしても飽き足りない。
ようやく会えた人間には、名簿を燃やされてしまいコケにされてしまった。
人間が持っていたデイパックを念のために探したが、やはり見つからず、怒りのままに燃やした。
用途不明の道具だけは乱暴に回収して、こうしてまた走り回っているのだ。
世界を地獄の業火で焼き払っても収まらぬほどの怒りが溢れ出そうになる。
何もかもが今のピサロを嘲笑っているかのようだった
しかし、それでも歩みを止めることはできない。
万が一、億が一、兆が一、それがあれば、ピサロは千載一遇の機会を得たことになるからだ。
もう一度ロザリーをこの手に抱けるのならば、もう一度ロザリーの笑顔が見られるのなら、何だってする。

思い出す。
始めは、物珍しい動物を見るかのような気持ちだった。
森の中で人間に虐待されていたエルフを見つけ、保護をした。
襲っていた人間は見るからに盗賊風の格好。
てっきりピサロはそのエルフの娘に礼を言われるかと思いきや、何も殺さなくても……、と言われたのだ。
その言葉にピサロは気分を害するどころか、面白いことを言うものだと、このエルフの娘に興味を抱いた。
地上で世話になっているロザリーヒルという村の名前にちなんで、名前のないエルフにロザリーと名づけた。
魔族とも人間とも違う種族であるエルフは森の中で生き、他の種族に姿を見せることは滅多に無い。
そう、始めは好奇心だったのだ。

しかし、出会いを重ね、逢瀬を繰り返すうちに、ピサロもロザリーも互いを想うようになっていた。
人間に対する評価だけは一致しなかったものの、二人の仲良くなる速度はあっという間だった。
そして、これからという時にピサロは人間を滅ぼすため、ロザリーの元を離れ、悲劇は起きたのだ。
どうしてロザリーに対する警備をもっと万全にしておかなかったのか悔やまれる。
だが、こんな殺し合いの場でもだ。
ロザリーに会えるのなら、感謝せねばならない。
腕の中でどんどん冷たくなっていくロザリーをもう一度見ないようにするため、ピサロは走り続ける。

そんな時だ、銀の交差が起こったのは。


◆     ◆     ◆



ようやく腰を上げ、移動を開始しようとしていた銀髪の男セッツァーの前に、同じく銀髪のピサロが出会った。
襲ってこないようなので、挨拶をしようかと思っていたセッツァーよりも先に、疲労を隠し切れない声で要求する。

「また人間か、まぁいい。 名簿を寄越せ」

いきなり有無を言わさぬ要求だ。
しかし、口調は命令形だが、肩で息をしているせいか威厳に欠ける。
セッツァーは武器を構えていた武器を下ろし、とりあえず友好的に対話を試みてみることにした。

「おいおい、いきなりだな。 それよりも――」
「早く渡せといっている。 渡す気がないのならば、貴様の素っ首を叩き落としてから奪ってもいいのだぞ?」

取り付く島も無いとはこのことだ。
ピサロはセッツァーの名前にも素性にも興味はなく、ただ名簿を渡すことを要求している。
交渉が決裂した時のために、ピサロは手に武器を握っている。
セッツァーも、ピサロの力ずくという言葉が嘘ではないことを物腰から察し、考える。

油断なく構えられたピサロの刀は妖しく輝いている。
汗だくなのが残念だが、文句なしに美丈夫と言える整った顔立ち。
隙らしい隙はなく、少なくとも戦闘に関しては素人ではないどころか、かなりのものでありそうだ。
見るからに疲労の極致といったところだが、一撃の下に屠るといったことは難易度が高そうだ。
体力を温存しておきたいセッツァーにとって、戦うのはできるだけ避けたい。
もちろん、やれると思ったら躊躇なくやるが。

名簿は確かに読んでるし、必要ないと言える。
知っている仲間の名前もすでに暗記済みだ。
トルネコから奪った分のものもあるし、一個渡したところでセッツァーには何のデメリットも無い。
ピサロに襲われることを考えると、渡した方がいいだろう。
だが、ただ渡すだけでは面白くない。

「渡してもいいが、条件がある」
「何だと?」
「名簿はここにある。 代わりにそっちも何かくれないか?」

セッツァーが手にしたのは、ピサロも見覚えのある名簿。
確かに、ピサロが深夜に消し飛ばしたものだ。
ピサロが駆け寄ってセッツァーの手から奪い取りそうになる。
が、その前にセッツァーは先手を取る。
ファイアの魔法を唱えて、名簿が燃えない程度に距離を離して、今度はセッツァーが要求する。

「悪いが、こっちもボランティアや慈善活動家じゃないんでね。 タダで物をやる趣味はないぜ」

最初に出鼻を挫かれた分、今度はセッツァーがイニシアチブを取ろうとする。
トッシュヘクトル、ブラッドに対して武器を提供したり、回復魔法を唱えてやったのは、セッツァーなりに利益があったからだ。
例えばヘクトルには見知らぬ人を回復してくれるいい奴だと思っただろうし、トッシュも武器を提供したことで、セッツァーに対して警戒を解いただろう。
さらに、エドガーやケフカのことを嘘の情報を込めて伝えるという目的もあったし、ああいった人物にはできるだけ親切に接していた方がいい。
だが、今回のピサロの場合はどうであろうか?

名前を名乗ることすらせず、要求が受け入れられなければ襲うとまで言っているのだ。
これで無償で名簿を渡したとして、この男はセッツァーに感謝するであろうか?
答えは間違いなく否。
名簿を渡せと言っていることは人探しをしているのに間違いないだろうが、名簿を確認した後、ピサロは迷いなくここから去るであろう。
殺すつもりなら、最初から襲ってくるからだ。
そうなれば、もうピサロはセッツァーのことなど思い出さないだろう。
ピサロの記憶の中でセッツァーという男は認識されず、路傍の石のような扱いになってしまう。
それではメリットも何もない。
第一、セッツァーはまだピサロの名前すら聞いてないのだ。
なら、そのような人物とは友好関係を結ぶのは考えないようにする。
今までのように信用を得ることをせず、単純な物々交換を持ちかける。
もちろん、できるだけふんだくるつもりでだ。

「よかろう、その方が早い。 人間ごときに借りを作るのは意に沿わないからな」

一方、ピサロも要求を突きつけてからセッツァーが名簿を取り出すまで、今すぐにでも力ずくで奪い取りたくなるのを必死に抑えていた。
先ほどの炎を操る少年のように、破れかぶれになって名簿を燃やされては困る。
その経験があったからこそ、ピサロはなんとか自制をしていた。
ロザリーの存在を確認するため、逸る気持ちを抑えつける。
そうして、セッツァーが名簿に火をつけそうになった時は驚いたが、取引ならむしろ望むところだ。
人間のような生き物に借りを作ることなど屈辱だし、無償の善意で何かしてくれる人物よりは対価を要求してくれる方がありがたい。
それでロザリーの存在が確定すれば、今すぐにでも捜索を再開するし、いなければ腹いせに目の前の男を血祭りに上げるだけだ。
デイパックをセッツァーの方に放り投げる。

「水でも食料でも、好きなだけ持って行くがいい」

両手に持ったヨシユキとヴァイオレイターだけはそのまま所持し、その他の道具が全て入ったデイパックを渡す。
セッツァーも些か驚く。
ピサロの譲れないギリギリの線を見極め、法外な相場で渡そうとしていたところを、アッサリと全部渡されてしまったのだ。
しかし、セッツァーもめざとくピサロの手に持たれたヴァイオレイターに目をつける。

「そっちの短い方の獲物は……」
「……欲しいのか?」

その瞬間、ピサロの声が一段低く響いた。
空気が一瞬凍ったかのようだった。
次にもう一度同じことを言えば殺すというピサロの無言の脅迫。
ピサロもロザリーを見つけた場合、守るべき武器が必要だからだ。
これとヨシユキだけは渡せない、何があろうとも。
セッツァーの目に、ピサロの決意と殺意が伝わる。
気圧されそうになるほどの、圧倒的な殺意だ。
セッツァーも一瞬、鳥肌が立つのを抑えられなかった。
前傾姿勢、すなわち戦闘態勢を取り、もう一度ピサロが言う。

「欲しいのかと、聞いている」
「……冗談だ、止めとくよ」

首を振って、セッツァーは否定する。
今から勝負して勝てないとは思わないが、負けないと断言できる自信もないからだ。
この男には何か強く執着するものがある。
それを知っててこれだけ無様な姿で名簿を、ひいては名簿に載っている人の名前を探しているのだろう。
そして、それを全力で守るために、何でもするつもりなのだ。
勝てないと分ってても、例えば子を守る母のように必死に、執念で敵に喰らいつく。
そしてそういうタイプとは、得てしてしぶとい。
ピサロの強さもある程度読めるセッツァーにとって、あまり手合わせを願いたくない組み合わせだ。
思考の読み合いを放棄して、ただひたすら前に出てくるトッシュと同じように、こういうタイプと戦うのはデメリットの方が大きい。

だが、それ故につける隙はある。
それさえ分れば、セッツァーもやるべきことはよく自ずと理解できる。

投げられたデイパックを掴み、セッツァーは中身を探ってみる。
そして、支給品らしきものを二つもらうことにした。
一つはピサロの元からの支給品。
もう一つはオディ・オブライトという人物の支給品だったものが、複数の人物の手を介して現在はピサロの手に渡ったものだ。
二つともピサロには必要ないものだったらしく、交渉は成立した。
さすがに地図やコンパスをもらう必要はない。
水や食料は消耗品として必要不可欠なものだし、もらっても不自然ではない。
しかし、人探しに必要不可欠であろうコンパスや地図をもらうと、ピサロの逆鱗に触れる可能性がある。

「さて、こんなもんでいいか……」

名簿という無料で手に入ったもので、これだけふんだくったのだ。
セッツァーは惜しげもなく名簿を手放し、ピサロに放り投げる。
待ちかねていたかのように、ピサロが無造作に投げ捨てられた名簿に駆け寄る。
しかし、セッツァーのやるべきことはまだあった。
いずれこの男と戦わねばならない時が来た場合に備え、探りを入れるのだ。
ピサロが落ちていた名簿に手をかけたその瞬間、セッツァーが口を開く。

「女か?」

多分に嘲りを含んだ問いをピサロに投げかける。
人類の半分は女だ。
帰納的に、人探しをしているとはすなわち、探し人は半分の確率で女である。
それが決して見当外れの推測ではないことを、セッツァーは半ば確信していた。
セッツァーの読みは当たる。
その声を聞いた瞬間、所詮貴様も下卑た輩ということかと、ギロリとピサロはセッツァーを睨み付ける。

「下種めが……!」
「おいおい、それじゃ当たってるって言ってるようなもんだぜ?」

ついに、セッツァーはピサロの隙を見つける。
執着の対象が女なら、その女をどうにかしてやればいいのだ。
人質に取るもよし、意図的に遠ざけて決してピサロと探している女が会えないようにすれば、疲労も省みず探し続けるピサロはいつかきっとガス欠を起こす。

睨み付けた後、もどかしく名簿に視線を走らせていたピサロはある一点を見つけた途端、弾かれたように飛び出す。

端からここに誰も存在しなかったのような全力疾走に、女の名前などできる限り情報を絞り取っておきたかったセッツァーは肩を竦める。
追いかけることもなく、おお速い速いとセッツァーは余裕の笑みでピサロを見送った。

結局セッツァーはピサロの名も、ピサロの捜している女の名前も知ることはできなかった。
だがそれはそこまで問題ではない。
参加者は減ってきているし、あれだけの見目麗しい男だ。
特徴的な耳の形も相まって、聞き込みをする際にも困らないだろう。
セッツァーも今回何か損をした訳ではない。
依然、彼の目の前にさしあたっての障害はないのだ。
手に入れたアイテムの内の一つ、メンバーカードを眺める。
セッツァー持っているシルバーカードと形は同じで、使われている材質が違うだけだ。
シルバーカードはその名の通り銀だが、金色に光っているからにはこちらは金か。
見た目が気に入ったので、セッツァーはそれを懐に忍ばせておく。

最後にもう一度サイコロを振った。
出た目は一が三つのピンゾロ。最高の目だ。
それはピサロの運勢を示したものなのか、セッツァーの運勢を示したものなのか、それはセッツァー本人のみが知る。


【C-6 森林 一日目 日中】
【ピサロ@ドラゴンクエストIV 】
[状態]:全身に打傷。鳩尾に重いダメージ。激怒
    疲労(大)人間に対する憎悪、自身に対する苛立ち
[装備]:ヨシユキ@LIVE A LIVE、ヴァイオレイター@WILD ARMS 2nd IGNITION
[道具]:基本支給品一式、データタブレット@WILD ARMS 2nd IGNITION
[思考]
基本:優勝し、魔王オディオと接触する。
1:ロザリーの捜索。(すべてにおいて優先)
2:皆殺し(特に人間を優先的に)
[備考]:
※名簿を確認しました。ロザリーが生きていると知りました。
※参戦時期は5章最終決戦直後
※休憩も取らずひたすらロザリーを探しているため、このままでは近いうちにダウンします。

【セッツァー=ギャッビアーニ@ファイナルファンタジー6】
[状態]:健康(酔いは覚めました)
[装備]:つらぬきのやり@FE 烈火の剣、シルバーカード@FE 烈火の剣、メンバーカード@FE 烈火の剣
    シロウのチンチロリンセット@幻想水滸伝2
[道具]:基本支給品一式×2(セッツァー、トルネコ)、オディ・オブライトの不明支給品1個(確認済。ピサロには必要なかったもの)
[思考]
基本:夢を取り戻す為にゲームに乗る
1:扱いなれたナイフ類やカードが出来れば欲しい
2:手段を問わず、参加者を減らしたい
※参戦時期は魔大陸崩壊後~セリス達と合流する前です
※ヘクトル、トッシュ、アシュレーと情報交換をしました。

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081:奔る紫電の行方、燃える炎の宿命(さだめ) ピサロ 098-1:Fate or Destiny or Fortune?
083:どこを向いても奴がいる セッツァー 103:飛行夢


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最終更新:2010年07月14日 16:14