アルシノマギア

【名前】 アルシノマギア
【読み方】 あるしのまぎあ
【声/俳優】 崎本大海
【登場作品】 仮面ライダーゼロワン
【登場話】 第11話「カメラを止めるな、アイツを止めろ!」
第24話「ワタシたちの番です」
【分類】 マギア
ゼツメライズキー アルシノゼツメライズキー
【データイメージ】 アルシノイテリウム(ロストモデル)
【対象ヒューマギア/職業】 松田エンジ/俳優
【目覚めた感情】 シゴト
【特色/力】 哺乳類の絶滅種/角/怪力
【モチーフ】 アルシノイテリウム、鎧武者?

【詳細】

俳優型ヒューマギアの松田エンジが、ゼツメライザーに「アルシノゼツメライズキー」を装填、起動した姿。

哺乳類の絶滅種「アルシノイテリウム」のデータイメージ「ロストモデル」を強化外装として装着、
上半身を中心に堅牢な装甲で身を包み、頭部には超硬質化した2本のVホーンと呼ばれる角を持ちこれを使った突進を得意とする。

暴走した松田エンジは俳優型ヒューマギア。
ハリウッドで演技をラーニングしてきたという触れ込みで、大和田伸也が参加したドラマプロジェクト、「義理人情刑事ギリィ」という作品の主演を務めることとなった。
飛電インテリジェンスが企画した作品であり、副社長の福添なども出演するなど、飛電としてはヒューマギアを売り込むための大規模なプロジェクトだったのだが、
肝心のエンジはヒューマギア故に「アドリブ」に弱く、台本通りのセリフ、演技をこなせるものの、ベテラン俳優である大和田伸也が差し込むアドリブ演技に対する対応ができず、評価が低かった。

楽屋でそのことについて悩むうちにシンギュラリティに到達。
そこに現れた滅によってゼツメライザーを取り付けられ、スタッフ達の目の前でアルシノゼツメライズキーを起動し、アルシノマギアへと暴走する。
居合わせた刃唯阿がバルキリーライトニングホーネットへと変身して戦いが始まり、室内だったためライトニングホーネットの真価を発揮できないバルキリーを突進で吹き飛ばして割と善戦していたものの、戦いの場が屋外に移ってしまうと飛行できるバルキリーを捉える手段が無くヘクスベスパの掃射でダメージを受けた末、サンダーライトニングブラストフィーバーを受け爆散した。

その場に迅がおらず、滅もゼロワンと戦っていたため、アルシノゼツメライズキーはバルキリーが爆煙の中から回収し、ZAIAエンタープライズ社長、天津垓の元へと渡っている。
恐らくそのゼツメライズキーのデータが、仮面ライダーサウザーの変身アイテムの一つ、アウェイキングアルシノゼツメライズキーに使われたと思われる。

その後破壊されたエンジは再製造されドラマ撮影に臨んでいるが、暗殺ちゃんが共演者の大和田伸也氏を銃撃したため撮影どころではなくなり、
現場に立ち尽くすしか無かった。

その後も稼働を続けており、第23話ではストーミングペンギンレイダーの正体を暴くため、牧師役として登場。
縁結びマッチと海老井千春の偽装結婚式を執り行うが、千春にビンタされたマッチが遠隔ハッキングされアークマギア(ガエルタイプ)として暴走。
そこへストーミングペンギンレイダーが乱入してきた上、或人が制御できないメタルクラスタホッパーへと変身し、アークの意のままに動きだすというハプニングの連続に見舞われてしまう。
レイダーが撃破されても尚周囲の反応を察知して行動するゼロワンはイズへと向かって歩み始めたため、それを身を以て止めようとするも、ゼロワンを覆うアークの悪意がエンジに伝染。
かろうじてアークマギアにはならなかったものの、レッドアラートが点滅し、天津垓に対して「アークの意思に触れた」と告げる。
それに薄く笑った天津と共にその場を立ち去るのだったが、エンジは暴走しかけているふりをしてZAIAに潜り込み、ゼロワンを暴走させているメタルクラスタホッパープログライズキーのデータがどこに有るのかを調査するため、あえて敵の懐に潜り込むために演技をしていたのである。

それに気がついた天津に指摘されるも不敵に笑ったエンジは言った。

「私は俳優ヒューマギア、松田エンジ。演技をするのが仕事です」


最早アドリブが出来ないことに悩んでいたエンジの姿ではない、立派な俳優としての仕事を全うした男の姿であった。

それが気に障った垓によって強制的にアルシノマギアへと暴走させられ、サウザーへと変身した彼の攻撃に晒される。
そこへ駆けつけた或人がメタルクラスタホッパーへと変身、制御できずアークの意志のままに動く人形と成り果てたゼロワンだったが、或人が入院している間に飛電に属するヒューマギア達の「善意」が生み出したプログライズホッパーブレードを手にしたゼロワンはついにその制御に成功。

圧倒的な力でサウザーを攻撃するメタルクラスタホッパーのプログライズストラッシュを防ぐ盾として使われ大きなダメージを受けるが、プログライズホッパーブレードはアークの悪意を善意で相殺するシステムが組み込まれており、ついに暴走したヒューマギアを通常状態に戻す機能をゼロワンは獲得。
これによってゼツメライザーを装着された状態でもメタルクラスタホッパーとプログライズホッパーブレードであれば、レッドアラートが点滅したヒューマギアをもとに戻すことが可能になった。

意識を取り戻したエンジはイズと共にその場から立ち去っていった。

【余談】

モチーフとなったロストモデル、アルシノイテリウムとは「アルシノーの獣」を意味する名前を持つ新生代古第三紀始新世後期後半から同紀漸新世末期に当時におけるアフリカやアラビア半島に生息していた古生物の一種。

アルシノマギアの外見に現れているようにV字の巨大な角が特徴的な種であり、ほぼ完璧な全身骨格が発見されており実は目の上にも小さな角が2本あり、全部で角は4本あったとされている。

外見的には同じく巨大な角を持つ原生生物のサイに近かったとされているが、あくまで外見が収斂進化の過程で似通った似すぎず実際はゾウやジュゴンなどに近い存在なんだとか。
その角もサイはケラチンで出来ているのに対し、アルシノイテリウムの角は巨大化した骨格の一部である。

松田エンジをエンジたのは崎本大海氏。
仮面ライダー鎧武/ガイムにて角居裕也、ビャッコインベスと成り果てたチーム鎧武のリーダーをエンジていた。
…かつてはヘルヘイムの果実を口にしたことで人間としての姿も記憶も失い怪物に成り果てた役を演じた崎本氏が数年たって、種族が違うとは言え禁断のアイテムを使って怪人に変貌してしまう役をまたしても演じることになるとは何たる奇縁か。
両肩や腰回りの装甲がどことなく鎧のように見えるのも、演者がかつて鎧武に出演していたからか。

アークマギアではなくマギアとして再登場を果たしているが、ゼツメライザーによる暴走という、破壊するしか止められないどうしようもない状態から一変し、メタルクラスタホッパーの得たヒューマギアを善意で元に戻す能力をこれ以上無いほどわかりやすく示すためのケースとして描かれている。
恐らくアークマギアではなく、マギアとして再登場したのはそれを描写するためと思われる。
ビンゴがビカリアマギアとなったのは、今も尚天津垓がゼツメライザーを保持しているということを明かすためだろう。

「外的要因で意思を奪われ暴走」、「止めるためには倒すしか無い」という共通点を持つインベスとマギア。
時を経て、チームメイトに倒されながらもしばらくその事実が知られることなく死んでしまった裕也。
それが令和になって暴走しても助ける手段が確立し、その第1号として松田エンジが選ばれたのは偶然ではないにしろ、心から称賛したい。

最終更新:2024年03月04日 02:21