シンクネット

エス「お前らのような醜い悪意を垂れ流す奴らがアークを生み出し…朱音の命を奪った…」

滅「お前達こそ滅びるべき悪だ」

天津垓「所詮はアバターでしかイキれない烏合の衆か」

唯阿「エスの想いに比べればお前たちに同情の余地はない!」

【名前】 シンクネット
【読み方】 しんくねっと
【登場作品】 劇場版仮面ライダーゼロワン REAL×TIME
【名前の由来】 考える(英:Think)?+インターネット?

【詳細】

劇場版ゼロワンREAL×TIMEにて登場する闇サイト。

破滅願望を抱く人間が行き着く場所と言われ、一種の宗教団体めいた様相を呈する。
その信者数は1億人と言われ、単なるカルト集団と括るには大きすぎる規模の集団である。

信者の中には子持ちの主婦会社員ゲーマーといったごく普通の生活をしている人間以外にも、メンタルクリニックの職員といったそれなりの社会的地位を有する人間まで存在しており層の厚みがある。

その中にZAIAエンタープライズジャパンの常務取締役も参加しており、彼がザイアスペックを始めとするZAIAのテクノロジーや情報を横流ししたことでそれらの技術を使いスラッシュアバドライザーショットアバドライザーと言った武器から、クラウディングホッパープログライズキーなどのテクノロジーを得てアバターを作り出し仮面ライダーアバドンへの変身能力まで得ている。

シンクネット接続者の共通点「破滅願望」、一般的に破滅願望とは物事が破滅することを望む願望であり、人によって人間関係だったり世界そのものだったり破滅してほしい存在は異なるとされている。
能動的なものは破壊願望とも呼ばれるという。

アレが嫌だ、これが嫌だと考え、それが存在する世界が滅ばないものか…と考えること。

その破滅願望を抱く一億人をまとめ上げたエスは、楽園ガーディアと呼ばれる新たな世界を作るため今ある世界を滅ぼそうとし、シンクネットの信者達はその意思に従って仮面ライダーアバドンに変身して世界を滅ぼすための尖兵となった。

彼らはエスのいう楽園に至ることを望み、自分達が選ばれた存在であると自負している。
そしてごく普通に暮らす一般市民達は選ばれなかった存在であるとみなし、テロに巻き込んでも良心の呵責などで苦しんだりしない。
嬉々として銃口を生身の人間に向けたり、刃物で斬りつけるなどの危害を加える危険な者達である。

そんな彼らが導かれる楽園ガーディア…それは、本当に楽園なのだろうか?

そして劇場版も終盤に差し掛かり、明かされたエスの真意は信者らが考えているものとは全く違った。
むしろ真逆と言って良い。

彼らは上述の情報からもわかるように性格破綻者であり、紛れもない悪人である。
理想の姿をアバターで再現し、武器を振るいネットワーク越しに一般市民を手に掛ける姿は紛れもない悪意に満ちていると言って良い。
エスはデイブレイクの日、アークの暴走で婚約者に投与したナノマシンが変質したことでその女性を喪っており、それがきっかけで本件を引き起こした。

彼が作ろうと願う楽園は愛する婚約者のための楽園であり、そんな楽園に危険人物を送り込むわけにはいかない。
さらに彼女を失うきっかけになったアークは滅びたものの、未だその概念は行き続けふとしたことで蘇る。
それは人間やヒューマギアの「心」がある限り根絶は不可能だろう。

ならばどうするか…
エスは考えた。ならば、悪意を持つ人間を全て滅ぼしてしまえばいいと。
つまりエスによって選ばれた存在であると思い込んでいたシンクネットの信者達は、ある意味では間違いなく教祖エスによって選別された人間である。
楽園へ向かうには適さない人間として。

そして彼らがテロの標的に選んだ無辜の人間達は、少なくとも破滅願望を抱かない、シンクネットとは無関係の一般市民であり、被害者たちはその生体データをナノマシンによって奪われ昏倒し、その意識のみをガーディアへと転送されていた。
つまり、被害者として無作為に選ばれた一般市民達こそ、エスが選んだ楽園への到達者である。

そのことは当然ながら信者達には秘匿されていたが、エスがゼロワンとの戦闘を制した際にヘルライズプログライズキーの力を使って現場に集まった大勢の信者を一掃したことで生き残ったメンバーからその真意を疑われることとなり、事件の調査を行っていたA.I.M.S.や天津垓、滅亡迅雷.netらによって計画が明らかになると、
エスに騙されていた事に気づいて激昂し、ムーアの一言から彼の計画の要である婚約者の生体データが収められた装置を破壊=遠野朱音の殺害を企て仮面ライダーアバドンへと変身しシンクネットのサーバーが収められた建物を狙う。

一方、ベルはエスではなく自分が楽園の創造主になろうとエスのエデンドライバーエデンゼツメライズキーを奪い、仮面ライダールシファーとなって計画の乗っ取りを測る。

仮面ライダーアバドンの項目に詳しいが、アバターであるがゆえに無限再生が可能な信者達の猛攻は滅、迅、天津垓、唯阿、不破の5人が押し留め、
ベルが変身したルシファーは仮面ライダーゼロワンと仮面ライダーゼロツーの奇跡の揃い踏みによって撃破されたことでその目論見は阻止され、
或人の言葉によって婚約者との邂逅を果たしたエスは自分ごとシンクネットサーバーを爆破し、アバドンらシステムは全て沈黙。

幹部を始めとする信者達は本体の居場所を突き止められ、逮捕された模様。

【余談】

名前の由来は今のところ不明。
一般的にシンクネット、とは研究者や各界のリーダーらがネットワークを基盤とし公共政策に関する分析や研究を行い、
それらに対する提言、関与を通すことで広報活動あるいは対話を展開するネットワーク型のシンクタンクのことである。
シンクタンクとは諸分野に関する政策立案、政策提言を行う研究機関を指す。

この項目の場合、シンクとは「考える」を意味する英単語であり、背景を考えると「(破滅を)考える者達の繋がり」といったところだろうか。
エスという教祖の元集い、サーバーというつながりの根幹を喪った信者達が破滅したように、何も考えず他者の理想に乗っかり身勝手な欲求を満たそうとした彼らが自滅の道を辿ったのは同情の余地のない定められた結末だったと言える。
上述のセリフはそれぞれ劇中の登場人物達からのシンクネットを評したセリフ。ボコボコに言われている。


……しかし、彼らのような存在は現実にも存在する。
匿名であることを利用しモラルに欠けた発言、中傷を行ういわゆる「ネットイナゴ」と呼ばれる者達。
ネットやSNSといった匿名のネット利用者が自由に書き込める媒体に対し、悪意ある書き込みを不特定多数の人間が集中して行うこと等を示すネットスラングの一つ。
大量発生したイナゴが作物を食い荒らす蝗害に例えられ、そのような名前がつけられた。アバドンのモチーフがイナゴなのはそれを指していると思われる。

ブログ記事、Twitter等昨今様々な方法で情報を発信できる世の中になったが、その環境が逆に作用し心無い誹謗中傷も受けやすくなった。
それはかんたんに悪意を発信し、悪意にさらされるということ。

ネットに潜む悪意……エスが選びだした一億人だけではすまないだろう、膨大な数の悪意がそこにはある。
「◯◯だから攻撃しても良い」、「◯◯が気に食わない」という理由からもっともらしい言葉を並び立てて攻撃的な書き込みをする行いに対して、被害に合う者が正しいかどうかは関係なかったりする場合も多い。

エスはアークの力を使い、彼に力を与えたのはアズだが計画自体エスはかなりの時間を使っており、アズの関与がなくても計画は実行されただろう。いずれ、きっと。
滅を見限ったアズが次に選んだのがエスだが、彼女は彼が集めたシンクネットの信者達こそに目をつけた可能性が示唆されており、そうなってくるとシンクネットが滅びた後も、似たような存在が頻出する可能性も考えられる。

ゼロワンの世界において、悪意の連鎖は止まらず、仮面ライダー達の戦いもまた終わらない。

最終更新:2023年06月19日 01:53