オリヒメワルド

「着地成功オリヒメ!さぁ仕事を始めるオリヒメ!」

【名前】 オリヒメワルド
【読み方】 おりひめわるど
【声】 保志総一朗
【登場作品】 仮面ライダーセイバー
【登場話】 映画公開記念合体SP 特別章「界賊来たりて、交わる世界。」
【所属】 キカイトピア/トジテンド王朝
【分類】 ワルド/キカイノイド
【世界】 オリヒメトピア
トジルギア オリヒメトジルギア
【名産】 願いが叶う短冊
【名物】 タナバスター
【モチーフ】 織姫、七夕、短冊、星

【詳細】

クダックに「オリヒメトジルギア」を組み込み、季節外れに誕生したワルド怪人。

星型となった顔面が特徴で、長いまつげに口紅をつけた口周りや、双髻と呼ばれる髪型を模したらしい装飾を持つ。
またロケットブースターのノズルが編み込まれているような髪型も特徴的。
七夕にまつわる要素を頭部のパーツとして組み上げつつ、織姫風にまとめ上げたような姿をしている。
織姫要素は小さいが。

短冊をつけた笹を象ったタナバスターというハルバードを持ち、ここから願いの叶う短冊を生み出しそれに書いた願望を実現させる能力を持つ。
この願いを叶える仕組みには後述するからくりが存在するが、欠点としてその能力は短冊さえ手にしてしまえば自分以外の誰でも使えてしまう。
オリヒメワルドの能力であるためかタナバスターから短冊を取り外した時点で唱えた事柄が文章として記されるが、短冊自体は簡単に取り外し出来るため、
ちょっとした衝撃で落としてしまう場合もあり、それを拾われると自分以外の第三者も文章を書き込めてしまう。

トジルギアから得られるオリヒメパワーを悪用し、この願いを叶える短冊を使い各地で仲睦まじいカップルを別れさせる作戦を行う。
このワルドが登場したのは五色田介人らのいる人間界ではなく、神山飛羽真達のいる仮面ライダーセイバーの世界。
トジテンド王朝が新たに観測したセイバーの世界を制圧するための尖兵として送り込まれたワルドであり、隕石のような顔面だけの状態で並行世界間ゲートを通ってやってきた。
なぜカップル限定で破局させようとしたのかは定かではないが、未知の世界の者達が侵略者に一致団結するのを防ぎたかったのか?

新作の執筆に詰まる飛羽真達の前に隕石となった状態で飛来。
芽依に「地球外生命体」呼ばわりされるも意に介さず、タナバスターから短冊をむしり取って「恋人達が喧嘩をしますように」と書き込むと、周囲のカップルが短冊に書き込まれた願いどおりに喧嘩を始めたため、その様子を笑いながら眺めていた。
飛羽真達はメギドとは違う存在であることを察しつつ変身。
がそこにクロコダイオーで次元を超えてやってきたツーカイザーが登場したため、短冊に「邪魔が入りますように」と願うと、ギアダリンガーから発射された弾丸の射線上に次々とセイバーらが飛び込む事態となり、混乱する彼らをよそに撤退を選択。

しかし逃走する際に芽依にぶつかり短冊を落としてしまうが、オリヒメワルドはそれに気が付かず彼女をヒステリックに罵倒するとそのまま走り去ってしまった。

その後ファンタジック本屋かみやまへと戻ってきた飛羽真達だったが、冒頭からずっと考えていた小説の書き出しをゾックスの身の上を聞いたことで思いつき、
なにか書くものを探した際に芽依から先ほど拾った短冊を渡されたため、それに「大事なお宝が無くなってしまう」とメモ書きしてしまう。
すると短冊の能力が発動し飛羽真らのワンダーライドブックが消えてしまった。

タイミングを同じくして「お宝っぽい匂い」に惹かれノーザンベースへこっそり移動していたゾックスは蔵書を漁っていたが、そこを神代兄妹に発見され取り押さえられていた。
消えたワンダーライドブックをゾックスが持ち逃げしたと考えていた飛羽真達が追いかけてきた後、詰問されたゾックスは当然それを否定。
改めてワンダーライドブックが消えた経緯を思い返した結果、「オリヒメワルドが落とした短冊に書き込んだ内容が現実になった」、「オリヒメワルドはそれを利用して混乱を生み出していた」ことが判明、。
ゾックスの指摘によってそれらがわかり冤罪も晴れた上、自分のうっかりミスが原因とわかった飛羽真は土下座して詫びるのだった。

ただワンダーライドブックが無いと変身ができないため、ゾックスにワルド討伐を手伝ってもらうことに。
オリヒメワルドは恋人たちの仲を壊していたため、喧嘩中のカップルがいる場所にいると考えた飛羽真達はゾックスと共に街を探索、すると読みどおり公園にたくさんの仲違いするカップルがいて、
そしてそれを眺めながら身を隠すこともせず堂々と笑い転げていたオリヒメワルドを見つけることに成功。

飛羽真「本当にいたとはな!」


すかさずゾックスがツーカイザーにチェンジしてオリヒメワルドに攻撃を行うも、それに対してタナバスターから星型の誘導弾を発射して応戦。
戦闘を後ろで見守っていた飛羽真達、そしてさらに離れた地点にいた芽衣を誘導弾に巻き込んで吹き飛ばし(芽衣のみ直撃して黒焦げ)にしつつ、短冊に「逃げられますように」と書き込んで逃走を図る。
追いかけたはいいが短冊の効果で捕まえることができず、飛羽真達はみすみすオリヒメワルドを取り逃がしてしまった。

逃走したオリヒメワルドを倫太郎が追いかけていったものの、二度も逃してしまったためイライラし始めたゾックスに対し飛羽真は本屋かみやまに一旦戻り、本に興味を持たない彼に対し、織姫の伝承について教えていく。
そしてその過程で、オリヒメワルドの目的がセイバーの世界の征服なら、なぜ直接その願い事を短冊に書かないのか。
相手を倒したい、ではなく、「逃げられますように」や「邪魔が入りますように」という消極的な逃げるための願い事しか書かない理由を考え、短冊が持つ本当の力に賢人と飛羽真は思い至る。

そこへオリヒメワルドを追跡していた倫太郎から遊園地に逃げ込んでいたことが芽衣への連絡経由で判明したため彼らはそこへ直行。
水勢剣流水の剣術のみで応戦する倫太郎を棒術であしらっていたが、そこへ駆けつけた飛羽真達は仮面ライダーへと変身する。
無くなってしまったと思われていたワンダーライドブックだが、本当は無くなってなどいなかった。認識できなくなっていただけだったのだ。

実はオリヒメワルドの短冊は、人の心理に影響を与え結果を誘導する機能しかなく、書いた願いを直接叶えるような万能な品物ではない。
書いた内容をあえてオリヒメワルドは口にし、飛羽真達はそれを認識することで自ら逃げやすい状況を作ってしまったり、「大事なお宝が無くなってしまう」と書き込んだ影響を受け、「大事な宝物=ワンダーライドブックな無くなる」と思い込んで認識出来なくなっていたにすぎなかった。このことから実際には催眠や洗脳の類の能力だったといえる。
最初からワンダーライドブックは飛羽真達の手元にあったのだ。

一方ワンダーライドブックが特に大切なものという認識がない芽衣はバッチリ飛羽真達の持つワンダーライドブックが見えていたため、彼女が聖剣ソードライバーにブックをセット、
聖剣を抜刀する事で剣士達は仮面ライダーへと変身が叶ったのだ。

そしてツーカイザーを加え4人のヒーローによる猛攻が開始。
ただでさえツーカイザーとのゴーカート勝負(?)に負けて地を転がっていたオリヒメワルドにとって3人の剣士の加勢もあっては多勢に無勢。
窮地を脱しようと短冊に願い事を書き込もうとしたが、既に手の内は見切られ、ブレイズタテガミ氷獣戦記にタナバスターを凍らされ、すかさずエスパーダゴールデンアランジーナの電撃が直撃し粉砕されてしまう。
武器を失い、星型弾さえ発射できなくなったオリヒメワルドは最早成すすべなく、クロスセイバーとツーカイザーが繰り出した刃王創星斬とツーカイザー・ゴールドスクランブルが直撃し、
季節外れだったことを嘆きながら爆散した。

吹き飛んだオリヒメワルドの身体からオリヒメトジルギアが飛び出てくるも、クロスセイバーの必殺技の威力はギアの耐久性を上回っていたためツーカイザーの手元に届く前に砕け散ってしまった。
クダイテストも現れなかったことから、ダイオリヒメワルドに相当する巨大怪人は登場せず、仮面ライダーセイバーの世界はトジテンドの魔の手から救われたのだった。

その後セイバーら仮面ライダーの力と物語に興味を示したゾックスは、ワンダーライドブックを戦利品にゼンカイジャーの世界に戻ろうと企み、神代兄妹のワンダーライドブックをすり取ってクロコダイオーに乗り込もうとしていた。
そのことに気がついた神代兄妹は取り返そうと必死にゾックスを追いかける形になり、彼らまで連れたクロコダイオーはそのままゼンカイジャーの世界まで次元移動してしまう。

そしてこの物語は機界戦隊ゼンカイジャー第20カイの物語へと…

【余談】

タナバタワルドではなく、オリヒメワルド。
最早恒例と言えるツッコミだが、オリヒメトピアってなんだ。

織姫と彦星の逸話は広く知れ渡り、7月7日の七夕も日本にとってはおなじみの季節の風物詩。
だが元々は中国で行われていた行事で、奈良時代に日本に伝来したという。

モチーフである織姫は天帝の娘でその名の通り機織りを得意とする働き者の女性。
天帝とは中国の儒教、道教における最高神。つまり織姫は神の娘である。
対して彦星は牛飼いの青年で共に働き者で、天帝が認めた夫婦だったのだが、彼らは仕事を忘れて遊んでばかり
すっかり堕落してしまった2人は天帝の怒りに触れ、天の川を挟んで離れ離れになってしまった。
すると2人は離れ離れとなったことに悲しみ、仕事をしなかったため天帝によって一年に一回だけの再会が許され、
会えない間一生懸命働くことを命じる。
以後2人は会えない間仕事に励むようになったという。

織姫単独のモチーフは初。
季節の節句としての七夕モチーフであれば獣電戦隊キョウリュウジャーに登場したデーボ・タナバンタ以来の登場となる。
あちらも願いを叶える能力を持っていた。ただキャラクター的にはあちらは彦星。

追加パーツのデザイン及びスーツはヒコボシワルドとのコンパチ式。デザインもオリヒメワルドとヒコボシワルドでスーツを共用できるようになっている。
声は共に保志総一朗氏が担当し、炎神戦隊ゴーオンジャーにてバルカを演じて以来の特撮参加となる他、仮面ライダーシリーズでは初参加となる。

この怪人、ゼンカイジャーに登場するワルドだが、個別ページは仮面ライダーセイバーのメギド枠にある
スーパー戦隊と仮面ライダーのコラボ放送に登場した怪人としては、手裏剣戦隊ニンニンジャー仮面ライダードライブのコラボ以来の新規怪人。
ゴーストとジュウオウジャーではシオマネキングヤマアラシロイド、エグゼイドとキュウレンジャーではモータスバグスター(レベル20)等のエグゼイドに登場したバグスターのレベルアップバージョン(スーツ流用)だった。

最終更新:2025年05月21日 01:39