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小人と猫と白黒と。 その二

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shinatuki

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「うぅぅぅ・・・・・・。」
橙は目を真っ赤にしながら、ぜんざいを口に入れる。
それをホルマジオはお茶を飲みながらその様子をテーブルの向かいで眺めていた。
「そのドルチェ、うまいか?」
ここは人間の里にある茶店、特に甘味の味がいいと評判の店だった。
そこで橙は、ホルマジオに白玉の入ったぜんざいを奢ってもらっていた。
「藍様に・・・・、知らない人についていっちゃいけないって・・・言われたのに・・・。」
「襲い掛かっといてそりゃぁねぇだろ?殺しあうのも多少の縁だぜ?」
そう言ってホルマジオは笑う。
「お前、変な人間だな。」
そう言って橙は、ぜんざいの横においてあった湯のみを両手で持ち、番茶をすする。
「あ?どこがだよ?」
ホルマジオは携帯をいじり、少し遅くなりそうな事をメールでリゾットに告げる。
「当たり前だ!妖怪に襲われて、その妖怪に奢るなんてお前は変な人間だ!」
「いや、少なくとも俺の常識の中では人間に襲い掛かって次の瞬間には泣いてるモンスターの方が変だとおもうぞ。」
「う・・・・うるさいっ!!この馬鹿っ!!」
そう言って橙は弾幕を放とうとするが、ホルマジオはそれを止める。
「おいっ!!ばかっ!!!こんな所で戦ったら滅茶苦茶になるだろうが!!」
「うるさいっ!!うるさいっ!!」
「だぁぁぁぁ!!分かった分かった!お姉ちゃん!アンミツ追加!!あとお茶おかわり!!」
それを聞いて、橙の動きが止まる。
「な?機嫌直せよ。」
「こ・・・こんなので騙されるとおもうなっ!!」
「お姉ちゃーん、マメカン追加!!」
数分後、そこにはあんみつとまめかんと水饅頭を嬉々として頬張る橙がいた。
「こんなに無駄に使って後でリゾットの野郎、怒るな・・・・。」
メタリカだけは勘弁して欲しいものだ、とホルマジオは頭を抱える。
そして、ふと思う。
「なぁ、どうしてあんなにかっかしてたんだ?」
それを聴いた瞬間、再び橙は泣き始める。
「うぅぅぅ・・・、盗られちゃった・・・・・。大事な・・魔導書を・・・・・。」
そして橙はぽつり、ぽつりと語りだした。

「なるほど、なるほど。要するにすっごい大事な物をそいつに取られたわけだ。」
「それだけじゃない!!あれは魔理沙なんかじゃどうにもならないくらい危険な物なんだ!!」
そう言って橙は拳を握り締める。
すると、ホルマジオは橙の頭を撫でた。
「な・・何するだーっ!!」
「よし、解った。手伝ってやる。」
「はぁ?!」
ホルマジオの提案に、橙はすっとんきょうな声を上げた。
「まぁ、こう見ても俺も昔泥棒みたいな事をやっていてな。他人の家に忍び込んでばれないように何かを盗むのは得意なんだ。」
最も、自分が奪うのは命だがな、と心の中で付け足す。
「自慢できることじゃないな。」
橙は冷静に突っ込む。
「うるせぇ!黙ってろ!・・・ったく、人が手伝ってやるっつてんのに。」
店員にお勘定!と言いながらホルマジオは席を立つ。
「ほら、行くぞ。早くしねえとその魔理沙って奴が封印解いちまうぞ?」
「ま・・・待てよ!!!勝手に決めるなぁぁぁぁ!!」
そう言って、橙は大急ぎでホルマジオを追いかけた。
「で、どこだ。」
「アホかぁぁぁぁぁぁぁ!!!」
後先考えず、魔法の森に突撃したホルマジオと橙は完璧に迷っていた。
「いや、お前が知ってるかと思って。」
「知らないよ!魔理沙の家なんて紫様に召喚された時くらいしか行ったことがない!!」
「しかもお前、買い物袋持ったまんまじゃないか!!」
「しょおがねぇだろぉ!!追いてくわけにはいかないし!!ギアッチョがいたらフリージング・コフィンでどうにかなるんだが・・・。」
「何だそれ?」
「何っ?!最近のガキは聖闘士星矢知らねぇのか?!」
わいわいと二人が漫才のような会話をしていると、突然、草むらがガサガサッと動く。
「何だっ!!」
「出て来いっ!!」
ホルマジオはスタンドを出し、橙は爪を構え、戦闘準備をする。
だが、そこから出てきたのは・・・・・・。
「あれ、ホルマジオ。お前、こんな所で何やってんだよ?」
「・・・・そこに入るのは八雲紫の式の式じゃない。」
草むらから出てきたのは、イルーゾォとアリスだった。
二人とも、あちこちに枝や葉がついている。
「それはこっちの台詞だ、イルーゾォ。てめぇこそ何やってんだよ?仕事はどうした?」
「ちゃ・・・ちゃんとやってるよ!さっきまでアリスに開発したスペルカードを見てもらってたんだ。
 そしたらちょっと失敗して二人とも墜落して・・・・・・・。」
ホルマジオにイルーゾォは少し怒りながら光を反射する鏡のようなスペルカードを見せた。
「始めまして、アリス・マーガトロイドよ。」
そう言ってアリスはホルマジオに自己紹介する。
「あぁ、俺はホルマジオだ。こいつの同僚だ。それにしても・・・・・。」
ホルマジオは、アリスとイルーゾォを見てにやつく。
「イルーゾォ、お前も隅におけねぇなぁー。いきなり彼女・・・。」
「「違う。」」
ホルマジオの言葉を、すばらしいタイミングと速度で二人は否定する。
「そんなことはどうでもいいんだよ!馬鹿ーー!!」
橙は三人に怒鳴る。
「魔理沙の家に行かなくちゃなんだろ!!早く魔導書を取り返さなくちゃ!!」
そう言って橙はぽかぽかとホルマジオを殴る。
「おぉ、そうだった。そうだった。」
ホルマジオはそう言って橙の頭を撫でる。
「魔理沙?魔理沙の家ならここから南にまっすぐ飛べば行けるわよ?」
アリスはそう言って魔理沙の家の方向を指す。
「マジか?行くぞ!!橙!!」
「あ!!待てよ!!」
それを聞くなり、ホルマジオはその場を飛び去り、橙もそれに続く。
だが、ホルマジオはすぐに戻ってきた。
「そうだ、イルーゾォ。これ頼む。」
「は?」
イルーゾォは突然渡された買い物袋の呆然とする。
しかし、すぐにホルマジオは飛び去った。

「ここが魔理沙の家だな・・・・。」
「まだ魔導書は開いてないみたいだ・・・。良かった。」
二人は草むらから、霧雨魔法店を眺めていた。
ホルマジオが着地に失敗したらしく、あちこちに傷を作っているが、そこはスルーするのがマナーである。
「おい、とりあえず侵入するか・・・・。お前、猫のモンスターだよな?だったら猫の姿に戻れるか?」
「えっ?!」
橙はそれを聞いて驚く。
「だってそっちの方がばれないだろ。体が小さいから。」
「だ・・・だけどぉ・・・・。」
そう言うと、ホルマジオは橙の服に手を掛ける。
「プライドとか言ってる場合じゃねえだろ、ほら、とっととしろ!!」
ガキの裸なんぞ見てもどうも思わないので、ホルマジオは素で橙を脱がせようとする。
「にゃぁぁぁぁぁ!!脱がさないでぇぇぇぇぇ!!変態ぃぃぃぃぃぃぃ!!」
「うるせぇ!ばれるだろうが!!」
橙は大急ぎで人化を解き、元の黒猫の姿になる。
「うわわわっ!!」
普段被っている帽子が彼女の全身に被さる。
それがのけると、そこには全身真っ黒で、手足と尻尾の先のみ白い子猫がいた。
普通の猫と違う所といえば尻尾が二つあるくらいである。
「よし・・、じゃあ俺の後ろに立ってろ。」
そう言ってホルマジオは、魔理沙の家の扉の前に立つ。
そして、トントンと扉を叩き、叫ぶ
「こんにちはー!霧雨魔理沙さんはご在宅でしょーかー!」
すると、トトトトトトと家の中を走る音がする。
そしてその音から魔理沙がこちらに来るのに時間が掛かりそうなのを予測する。
「リトル・フィート。」
次の瞬間、ホルマジオのスタンドが発動し、彼の身長が十五センチほどになる。
「えぇっ?!」
そしてそのまま戸惑う橙の背中に、ひらりとホルマジオは飛び乗る。
「さ、扉が開いたらチャンスだぜ。」
「お・・・おうっ!!」
こうして、二人のドキドキ霧雨大冒険が始まった。

二人が飛び去った後、アリスとイルーゾォは呆けていた。
「・・・・・そうだ!アリス!どうすんだよ!!」
「どうする・・・って何がよ?」
買い物袋を持ったまま、突然イルーゾォが慌てだす。
「何って・・・『これ、筑前煮・・・、作りすぎちゃったから、貰ってくれる?』作戦の事だよ!!」
それを聞いて、アリスはハッとする。
「そうね・・・・、魔理沙に何かあったら・・・!!」
「どうする!!」
「どうしよう?!」
二人はうーんうーんと悩み始める。
「いや!ここで逆転ホームランだ!!」
突然、イルーゾォはビシィッと指を空に向ける。
「その何かあった後・・・、きっと魔理沙は傷つくだろう!!傷ついた魔理沙をお前が何気なく訪問する・・・!!
 そして!!その傷ついた魔理沙にお前は優しくするんだ!!すると・・・・どうだ!!信頼度は鰻登りだ!!」
「な・・・なるほど!!」
ドドドドドドを言う効果音と共に繰り広げられる論説に、アリスは納得せざるをえない。
「行くぞ!!アリス!!!魔理沙のハートをゲットする為に!!」
「えぇ!!」
その後、まず手荷物をどうにかするためイルーゾォ達のアジトに飛んでいく二人の姿があった。

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