「い、生きてる……俺、生きてる……!?」
グリフィン・アルバレストはゲームが始まってすぐ、パイロットスーツのヘルメットを脱ぎ捨てた。
頭全体で風を、大気を感じられる。両手を握っては開き、己の生身の身体が健在であることを認識する。
頭全体で風を、大気を感じられる。両手を握っては開き、己の生身の身体が健在であることを認識する。
「助かった、のか?いや、でも……有り得ない。俺は確かに、あいつに、シン・アスカに……うっ!」
コーディネイターを超える新人類として与えられた頭脳が直前の出来事を思い出し、己が確かに死んだ筈だと訴える。
雑魚と侮ったシン・アスカの有り得ざる力。機体性能や武装では説明がつかないデスティニーの有り得ざる挙動。
シンクロしていたことにより味わう羽目になったリデラードの死の感覚と、それによりパニックになった直後に味わった本当の死。
そのフラッシュバックに、与えられた能力とは裏腹に常人以上に脆く、幼ささえ残る精神性は耐え切れず、思わず嘔吐しそうになった。
雑魚と侮ったシン・アスカの有り得ざる力。機体性能や武装では説明がつかないデスティニーの有り得ざる挙動。
シンクロしていたことにより味わう羽目になったリデラードの死の感覚と、それによりパニックになった直後に味わった本当の死。
そのフラッシュバックに、与えられた能力とは裏腹に常人以上に脆く、幼ささえ残る精神性は耐え切れず、思わず嘔吐しそうになった。
「くそっ、何がどうなって…いや、それよりも今は生き延びねえと。俺が今生きてることだけは確かなんだ。ああ、確か支給品があるとか言ってたか?」
強く混乱していたこともあり、先ほどの羂索による説明も十分に呑み込めているとは言い難い。
新人類たるアコードならば許されない無様だが、グリフィンにはそんなことに思考を割く精神的余裕もない。
強力な武器が入っていることを願い、傍に置かれていたリュックを漁ると、果たしてグリフィンの祈りは天に届いた。
新人類たるアコードならば許されない無様だが、グリフィンにはそんなことに思考を割く精神的余裕もない。
強力な武器が入っていることを願い、傍に置かれていたリュックを漁ると、果たしてグリフィンの祈りは天に届いた。
「よし!こいつは俺のルドラの起動キー!だがパワードスーツに落とし込んだとかどうとか言っていたが、本当なのか?
百歩譲ってジンやらダガーやらの旧式モビルスーツならともかく、ブラックナイトスコードだぞ?」
百歩譲ってジンやらダガーやらの旧式モビルスーツならともかく、ブラックナイトスコードだぞ?」
兵器というものはコストカットやダウンサイジングといった効率化に多大な開発期間や資金に労力、データを必要とする。
フェムテク装甲を採用した最新最強のモビルスーツたるブラックナイトスコードを人間サイズのパワードスーツに落とし込んだなどと俄かには信じ難い話だ。
フェムテク装甲を採用した最新最強のモビルスーツたるブラックナイトスコードを人間サイズのパワードスーツに落とし込んだなどと俄かには信じ難い話だ。
「まあ物は試しってやつか。とりあえず使って……誰だ!?」
並のコーディネイターをも遥かに上回る鋭敏な聴覚がペタ、ペタという微かな音を聞き取っていた。
察するに何者かの足音。恐らくは他の参加者だ。知らずルドラの起動キーを握る手が震える。
察するに何者かの足音。恐らくは他の参加者だ。知らずルドラの起動キーを握る手が震える。
暗がりの中からグリフィンの前に姿を見せたのは一人の少女だった。
茫洋とした雰囲気の金髪の少女を見た瞬間、グリフィンの目は限界まで見開かれ、鼓動は早まり、全身が震えだした。
少女もまたグリフィンの姿を認めた途端、茫洋とした雰囲気から一転して険しい表情を浮かべた。
茫洋とした雰囲気の金髪の少女を見た瞬間、グリフィンの目は限界まで見開かれ、鼓動は早まり、全身が震えだした。
少女もまたグリフィンの姿を認めた途端、茫洋とした雰囲気から一転して険しい表情を浮かべた。
「お前……シンをいじめる悪いやつ」
「あ……あ………!?」
一歩、また一歩とグリフィンが後退る。その姿は他者から見ればさぞ滑稽に映るに違いなかった。
何せ少女は何も身に着けていない。靴や靴下すらも履いていない、一糸纏わぬ素っ裸だった。
堂々と曝け出された美乳と呼んで差し支えない均整の取れた形の良い乳房、産毛すら無い股間の一本筋もグリフィンに男としての劣情を催させることはない。
シン・アスカの精神に潜んでいた少女の形をした怪物。悪夢から逃れたかと思えば悪夢の方が現実に舞い降り、グリフィンに追いすがってくる。
何せ少女は何も身に着けていない。靴や靴下すらも履いていない、一糸纏わぬ素っ裸だった。
堂々と曝け出された美乳と呼んで差し支えない均整の取れた形の良い乳房、産毛すら無い股間の一本筋もグリフィンに男としての劣情を催させることはない。
シン・アスカの精神に潜んでいた少女の形をした怪物。悪夢から逃れたかと思えば悪夢の方が現実に舞い降り、グリフィンに追いすがってくる。
「私の前から消えろ!」
金髪の少女、ステラ・ルーシェの両手には二本のモビルスーツ起動鍵が握られており、そのうち右手に持っていた方を起動させた。
無防備なステラの肢体を鋼の装甲が覆っていく。のみならず、それはステラの身長を大きく超えて展開され、四メートルもの巨体となりツインアイを光らせた。
本来参加者の体格に合わせて展開されるパワードスーツであるが、仮面ライダーの形態に巨大な姿があるように、何事にも例外がある。
無防備なステラの肢体を鋼の装甲が覆っていく。のみならず、それはステラの身長を大きく超えて展開され、四メートルもの巨体となりツインアイを光らせた。
本来参加者の体格に合わせて展開されるパワードスーツであるが、仮面ライダーの形態に巨大な姿があるように、何事にも例外がある。
GFAS-X1デストロイ。CE73に地球連合が開発した超巨大モビルスーツ。
通常のモビルスーツに倍するサイズのデストロイはパワードスーツとなって尚四メートルサイズを保っている。
ステラは最初にこの機体のパイロットに選ばれたエクステンデッドであり、淀みのない滑らかな挙動で生身のグリフィンに狙いをつける。
通常のモビルスーツに倍するサイズのデストロイはパワードスーツとなって尚四メートルサイズを保っている。
ステラは最初にこの機体のパイロットに選ばれたエクステンデッドであり、淀みのない滑らかな挙動で生身のグリフィンに狙いをつける。
「あ、ぁああああああ!!!?」
デストロイの両腕部から射出されたアームユニット、シュトゥルムファウストから放たれた十門のビームに焼かれる寸前、グリフィンは半狂乱になりながらも動いた。
ルドラを起動し、咄嗟にリュックも拾って全力機動。与えられた才能と日頃の鍛錬の賜物か、紙一重でビームを回避する。
如何にフェムテク装甲を備えるブラックナイツの機体と言えどもリュックを焼かれては物資を失う。
ルドラを起動し、咄嗟にリュックも拾って全力機動。与えられた才能と日頃の鍛錬の賜物か、紙一重でビームを回避する。
如何にフェムテク装甲を備えるブラックナイツの機体と言えどもリュックを焼かれては物資を失う。
「だ、誰か!!母上、オルフェ、シュラ!誰でもいい、助けてくれえ!!」
「逃げるなあー!!!」
最早アコードとしての矜持も何もかもかなぐり捨てて生きることだけを願う。
万全のグリフィンなら決して有り得ぬ醜態。さもあらん、パワードスーツ化しているという状況の違いはあれど本来ルドラを使ってデストロイから逃げ惑う必要などない。
デストロイを操るのが後に搭乗したデストロイパイロットたちの誰よりも適性の高いステラだとしても、アコードとの能力差は歴然。
ブラックナイトスコードルドラにかかればデストロイなど雑魚以下と断言していいほどに性能も隔絶し、相性も圧倒的優位。
ステラがグリフィンを一方的に追い立てることが出来ているのは、偏にグリフィンが死への恐怖に囚われ、そしてステラという未知の存在への恐怖が重なり狂乱しているからに過ぎない。
万全のグリフィンなら決して有り得ぬ醜態。さもあらん、パワードスーツ化しているという状況の違いはあれど本来ルドラを使ってデストロイから逃げ惑う必要などない。
デストロイを操るのが後に搭乗したデストロイパイロットたちの誰よりも適性の高いステラだとしても、アコードとの能力差は歴然。
ブラックナイトスコードルドラにかかればデストロイなど雑魚以下と断言していいほどに性能も隔絶し、相性も圧倒的優位。
ステラがグリフィンを一方的に追い立てることが出来ているのは、偏にグリフィンが死への恐怖に囚われ、そしてステラという未知の存在への恐怖が重なり狂乱しているからに過ぎない。
怯え、竦んでいるグリフィンがモビルスーツの性能を生かせぬまま二度目の死を迎えるか。
冷静さを取り戻し、デストロイを撃滅し、現実に這い出てきた悪夢を退けるか。
あるいは第三者の介入が発生するか。未来はまだ誰にもわからない。
冷静さを取り戻し、デストロイを撃滅し、現実に這い出てきた悪夢を退けるか。
あるいは第三者の介入が発生するか。未来はまだ誰にもわからない。
【グリフィン・アルバレスト@劇場版機動戦士ガンダムSEED FREEDOM】
状態:恐怖心(極大)、パニック
服装:パイロットスーツ
装備:ブラックナイトスコードルドラ・エメラルド(使用中)@劇場版機動戦士ガンダムSEED FREEDOM
令呪:残り三画
道具:ランダムアイテム×1〜2、ホットライン
思考
基本:スタンス未定。少なくとも二度も死ぬのは御免。
00:誰か助けてくれ!!
01:なんなんだよあいつは!?
参戦時期:死亡後
備考
読心能力、精神操作(闇に落ちろ)に対する制限は特にありません。
状態:恐怖心(極大)、パニック
服装:パイロットスーツ
装備:ブラックナイトスコードルドラ・エメラルド(使用中)@劇場版機動戦士ガンダムSEED FREEDOM
令呪:残り三画
道具:ランダムアイテム×1〜2、ホットライン
思考
基本:スタンス未定。少なくとも二度も死ぬのは御免。
00:誰か助けてくれ!!
01:なんなんだよあいつは!?
参戦時期:死亡後
備考
読心能力、精神操作(闇に落ちろ)に対する制限は特にありません。
【ステラ・ルーシェ@劇場版機動戦士ガンダムSEED FREEDOM】
状態:怒り
服装:全裸
装備:デストロイガンダム(使用中)@機動戦士ガンダムSEED DESTINY、ガイアガンダムの起動鍵@機動戦士ガンダムSEED DESTINY
令呪:残り三画
道具:なし
思考
基本:シン、守る。悪いやつ、倒す。
00:逃げるな!!
参戦時期:グリフィンと同時期
備考
主催者からゲームに参加するための肉体ないしはアバターを与えられています。
バグスターウィルスの鎮静剤切れ以外での薬物切れ等による健康上の問題は発生しません。
少なくともグリフィンを「悪いやつ」として認識しています。
キラ、ルナマリア等シン以外のコンパス所属メンバーを個別に認識するかどうかは後の書き手さんにお任せします。
彼女の他の支給品は会場内に放置されています。
状態:怒り
服装:全裸
装備:デストロイガンダム(使用中)@機動戦士ガンダムSEED DESTINY、ガイアガンダムの起動鍵@機動戦士ガンダムSEED DESTINY
令呪:残り三画
道具:なし
思考
基本:シン、守る。悪いやつ、倒す。
00:逃げるな!!
参戦時期:グリフィンと同時期
備考
主催者からゲームに参加するための肉体ないしはアバターを与えられています。
バグスターウィルスの鎮静剤切れ以外での薬物切れ等による健康上の問題は発生しません。
少なくともグリフィンを「悪いやつ」として認識しています。
キラ、ルナマリア等シン以外のコンパス所属メンバーを個別に認識するかどうかは後の書き手さんにお任せします。
彼女の他の支給品は会場内に放置されています。
【支給品解説】
- ブラックナイスコードルドラ・エメラルドの起動鍵@劇場版機動戦士ガンダムSEED FREEDOM
ファウンデーション王国がザフト軍の技術を取り入れて開発したCE75時点での最新鋭MS群のうちの一機でグリフィンの搭乗機。
PS装甲の次世代型とされるフェムテク装甲を採用しており、ビーム射撃を無効化し、実体弾に対しても通常装甲以上の耐性を持つ。
パワーや機動性といった面でもCE73当時の超ハイエンド機の改修型であるデスティニーSpecⅡを凌駕している。
武装はビームライフル、対ビームシールド、対MS重斬刀の他に背部ユニットから展開される攻防一体のビームマントを有する。
PS装甲の次世代型とされるフェムテク装甲を採用しており、ビーム射撃を無効化し、実体弾に対しても通常装甲以上の耐性を持つ。
パワーや機動性といった面でもCE73当時の超ハイエンド機の改修型であるデスティニーSpecⅡを凌駕している。
武装はビームライフル、対ビームシールド、対MS重斬刀の他に背部ユニットから展開される攻防一体のビームマントを有する。
- デストロイガンダムの起動鍵@機動戦士ガンダムSEED DESTINY
地球連合のアドゥカーフ・メカノインダストリー社が開発した超巨大モビルスーツ。資料によってはモビルアーマーとも分類される。
単騎での拠点制圧能力の獲得を目標に開発された機体で、通常のモビルスーツに倍する巨体となっており、機体本体と背面のバックパック併せて60以上もの武装を持つ。
実弾・ビーム問わず無効化する陽電子リフレクターと(本ロワでは)VPS装甲を併せ持つが、接近戦用の兵装を一切持たないという弱点がある。
本ロワではパワードスーツ化されてなお四メートルもの巨体になっている。
エクステンデッドでなくても使用できるように調整されているが、それでも常人では十全な火器管制が難しいほどの高度な処理能力を要求される。
単騎での拠点制圧能力の獲得を目標に開発された機体で、通常のモビルスーツに倍する巨体となっており、機体本体と背面のバックパック併せて60以上もの武装を持つ。
実弾・ビーム問わず無効化する陽電子リフレクターと(本ロワでは)VPS装甲を併せ持つが、接近戦用の兵装を一切持たないという弱点がある。
本ロワではパワードスーツ化されてなお四メートルもの巨体になっている。
エクステンデッドでなくても使用できるように調整されているが、それでも常人では十全な火器管制が難しいほどの高度な処理能力を要求される。
- ガイアガンダムの起動鍵@機動戦士ガンダムSEED DESTINY
元々はザフト軍が開発したセカンドステージシリーズのモビルスーツ群のうちの一機だったがアーモリーワンでファントムペインに強奪された。
以後はステラ・ルーシェの搭乗機として各地でミネルバ隊と交戦したが、ロドニアのラボでインパルスとセイバーに鹵獲された後、クライン派に流出した。
四足歩行を可能とするモビルアーマー形態への変形機構を持つ陸戦を得意とする機体でだったが、原作では海上戦が多く強みを十分に活かせなかった。
武装はビームライフル、ビームサーベル、対ビームシールドにモビルアーマー形態で使用可能なビーム砲とビームブレイド。
以後はステラ・ルーシェの搭乗機として各地でミネルバ隊と交戦したが、ロドニアのラボでインパルスとセイバーに鹵獲された後、クライン派に流出した。
四足歩行を可能とするモビルアーマー形態への変形機構を持つ陸戦を得意とする機体でだったが、原作では海上戦が多く強みを十分に活かせなかった。
武装はビームライフル、ビームサーベル、対ビームシールドにモビルアーマー形態で使用可能なビーム砲とビームブレイド。