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  • その剣は誰が為に

真贋バトルロワイヤル

その剣は誰が為に

最終更新:2024年09月23日 20:56

匿名ユーザー

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だれでも歓迎! 編集
「うおおおおおおお!!」

 夜の闇に揺らめく炎の剣。
 それを豪快に振り回す屈強な男がいた。
 長いリーゼントが目立ち、凛々しい顔つきは人を惹きつけるだろう。
 剣を振るう男の名前はブラート。帝都に安寧を齎すべく戦う暗殺集団、ナイトレイドが一人。
 彼の強さはナイトレイドでもアカメと並んで主力となる実力を持っている一人ではあるのだが、
 その彼の攻撃を受けながら、それを意に介さず蹴りや拳を叩き込まんとする相手に苦戦を強いられる。

(喉に剣を突き刺したってのになぜ平然と動ける!?
 ただの剣ならまだしも火炎の剣だ。喉が焼き切れてもおかしくないはずだ……)

「どうした? この程度の傷で俺を倒せると思っているのかぁ~~~?」

 喉に穴が開いていたはずの相手は、傷がふさがっている。
 肩当や胸当てを自身の肌へと直接縫い込んだ異様な出で立ち。
 ブラートに負けず劣らずの鍛え抜かれた筋肉を惜しみなく露出しており、
 外見にたがわぬパワーを持つ攻撃を避けつつ警戒心を強めていく。

(いくら傷をつけても再生しやがる!
 レオーネのライオネルの奥の手を常時発動してるみてえだ!)

 得物の切れ味は十分だ。
 少なくとも無数の傷をつけているしこちらの剣は燃えている。
 斬ると焼くを同時に与えているというのに、出血はせずすぐに塞がっていく。
 小競り合いのような戦い方では消耗をしていくだけだ。

(一撃で首を持っていくかレジスターを破壊するしかねえ。
 だができるか? 弱点がわかってるから奴は俺の攻撃を防がず受けている。
 でなけりゃ、喉と言う急所に刃を突き刺すことがすんなりできるはずがねえ。)

 いや、よくないなとブラートは思った。
 やれるかどうかではない。やり遂げるだけだ。
 どんな任務もこなしてきた。今もそうするだけだ。
 距離をとりながら火炎の剣を構えなおし、全力で肉薄する。
 スタートダッシュから持てる最高速度で迫るブラートの動き。
 相手の男もその速度に目を張るものがあり、刃は首元を狙う。

(勝ったと思うな! そう思う時は大抵やれてねえ!)

 油断も警戒もしない疾風の一撃。
 攻撃は躱された。しかしその回避の方法は異常なものだ。
 首が後ろに伸びたのだ。人間の体の構造ではありえない首のずらし方で躱された。
 攻撃が失敗した時の立ち回りは無論考えてはいたが、この回避方法では続けての攻撃などできない。
 その一瞬の隙を突かれ、屈強な回し蹴りが脇腹へと叩き込まれた。

「ガッ、ッ……!!」

 見た目通りと言うべきか、丸太を叩きつけられたような一撃に苦悶の声をあげながら大地を転がっていく。
 警戒はしていた為咄嗟に距離をとって威力を抑えたが、それでも骨が数本折れるような音がミシミシと耳に届いた。

「波紋使いでもない人間に、このエシディシが倒せると思っていたのか?
 貴様ごとき人間に流法(モード)を使うまでもないッ! 異なる世界と聞いて、
 好敵手となりうるものがいるのかとちょいとばかり期待していたが、こんなものか。
 ナイトメアフレームやモビルスーツ、御刀と言った方に期待するべきだったか?
 いやしかし、名前だけでは皆目見当もつかん代物であることには……」

「勝手に値踏みしてんじゃあねえ!!」

 そう言って立ち上がろうとするブラートだったが、
 腕を軽く踏みつけられて動きを止められる。
 先の威力を考えれば、完全に遊ばれてる威力の踏み付けだ。

「貴様の剣技、情人より遥かに優れていること自体は認めよう。
 だが! 俺を殺すにはちょいとばかし足りんなぁ~~~ッ!!」

 腕を踏まれ逃げることはできない。
 次の一撃でとどめを刺されてしまう。
 限りある時間の中必死に手段を巡らせていると、

「ハァッ!!」

 ブラートに負けず劣らずの速度で物陰から姿を見せる、一人の少女。
 長く黒い髪を束ね、黒い装束に身を包んだ少女はどこか仲間のアカメを思い出す風貌だ。
 緋色の剣を手にエシディシへと迫るものの、相手の得物はたかが剣だ。
 その程度ならば受ければいい。そんな風に思って左手で受け止めるが、

「な、なにいいいい───ッ!?」

 ビリビリと電気のようなものが走り、
 肉体が解けるような感覚には覚えがある。
 闇の一族が唯一とされる天敵、太陽の力と同等の力。

「こ、この音は波紋ッ!? ば、莫迦な!?」

 波紋は水や油など、液体に伝導することは長年生きたエシディシも知っている。
 しかし、今のはどう見ても剣であり、液体を塗られた風にはとても見えなかった。
 どんなに優れた波紋使いであったとしても、剣に液体もなしに波紋を伝達させることは不可能な芸当だ。
 それを彼女は突然現れて、やってのけたのだ。

(何だこの剣は……? 弱点を突けると書いてあったが、
 人間を切ったとは思えないような光が迸ったように見えたぞ。)

 もっとも、彼女こと恵羽千は波紋使いではなく、
 辺獄を駆け抜ける代行者の一人なのだが。
 あくまで波紋の効果を出せたのは彼女が持つ剣、緋想の剣によるものだ。
 『気質を見極める程度の能力』を宿した剣は、必ず相手の弱点を突くことができる。
 だからエシディシを斬った際は、波紋や太陽の力と同じ気質になって斬れたのだ。

(ま、まずい!)

 波紋の力を直接叩き込まれたレベルの威力だ。
 このままでは波紋が全身に伝わり、全身を溶かしかねない。
 その危機を察知したエシディシは、すぐに距離をとりながら右手で左手首を切断する。
 いきなり自分の手を切断するという行為に二人は戸惑うも、
 切断された左手が骨だけになっていくのを確認すると何となくだが察する。

「咄嗟に助けてしまったが、お前はこの殺し合いに乗ってるのか?」

「殺し屋で一度死んじまってる身だが、
 そこまで人間腐ってるつもりはないぜ?
 因みに俺の言葉を信じるなら、襲ってきたのは向こうだ。」

「殺し屋……正直な辺り、今は信じさせてもらう。あたしは恵羽千。」

 態々人に疑われるような職業を口にする。
 下手をすれば信用を失うかもしれない可能性がある殺し屋だ。
 千の父は実直な検事であり、それに伴って彼女は生真面目に育っている。
 だから殺し屋と言うワードについて気になる部分があるのは否めないものの、
 正直に答えた部分でひとまず信用することにする。
 積もる話は後にするとして、相手の様子を伺う。

「ブラートだ。ハンサムって呼んでくれても……ってそういうのは通じなさそうだな。
 だが気をつけろよ。あいつの身体はすぐに再生してくるはずだ。」

 そう言って様子を見るが、唸るエシディシの腕は一向に生えてこない。
 喉を突いても元に戻るだけの再生力を誇りながら、何も起きなかった。

「……何もないが?」

「おかしいな。あいつには少なくとも五十は傷をつけた。
 全部が回復してるし、急所の喉を突いても無事だったんだ。
 左手の一本ぐらい植物みたいに生えたって───」

「う~~~うううあんまりだ……」

「え?」

 二人して注意深く見ていると、
 エシディシの瞳からは涙が零れだす。

「HEEEEYYYY あァァァんまりだァァアァ!!」

 自分で切断したとはいえ、
 骨だけになった左手を見て泣きわめきだす。
 普通に怒ったり敵意を向けたりするのが当たり前なのに、
 大の大人がみっともなく泣きわめくという行為に二人は思わず戸惑ってしまう。

「すまないが、そっちの方が殺し合いに乗ってたのか?」

「AHYYY AHYYY AHY WHOOOOOOOHHHHHHHH!!」

「ひょっとして、腕試し程度の奴だったのかもしれねえ。だとしたら悪いことをしちまったな……」

「おおおおおおれェェェェェのォォォォォひだりてェェェェェがァァァァァ~~~~!!

「777(ナナナ)みたいな愉快犯と言うことなのか?
 だとしたら手の溶解はやりすぎたかもしれない。とにかく様子を……」

 どうするべきか戸惑っていると、
 いつの間にか泣き崩れていたエシディシの声が消える。
 二人して静寂になった空気に警戒心を強めると、エシディシは振り返り、

「フー、スッとしたぜ。」

 何事もなかったかのような爽やかな顔になっていた。
 怒ったり。泣き喚いたり、ケロっとしたり、相手の行動が読めない。
 二人にはエシディシが何者なのかがわからなくなってくる。

「いや悪かったな。俺はチと荒っぽい性格でな~~~~~。
 激昂して トチ狂いそうになると、泣きわめいて頭を冷静にすることにしているのだ。
 何、波紋使いでもない人間に俺の手を消される羽目になるとは思わなくてなぁ。」

「……波紋使いとはなんだ?」

「やはり今の反応、そこの小娘……確か千と言ったな。貴様は波紋戦士ではないようだな。
 その剣か、或いは羂索の言ったソードスキルや魔法と言った類で付与された効果の副産物か。
 だが千よ! 貴様を賛美しよう。油断してたとはいえこの俺から腕を奪ったのが、波紋戦士でもない人間であるということを誇るがいい!」

 千にはエシディシの言ってることが理解できなかった。
 波紋戦士と言った固有名詞が何かとかではない。左手を失ったのは自分の刃が原因である。
 再生するとブラートは言っていたが再生もしていない。つまり欠損した手は元に戻らない。
 人体にとって手は大切な部位だ。それを人の手によって失って賛美する相手など普通はいない。
 異様、或いは異質。幽鬼や幽者のような異様な相手に思わず武器を構えてしまう。

「久しく好敵手と出会えたこと! 羂索に感謝するほかないな!」

「あのような外道に賛辞を贈るお前は。殺し合いに乗っているとみていいのか?」

「エイジャの赤石の情報も手に入ったことだったところを邪魔をされて、
 確かに思うところはあるが……まあ、殺し合いなぞ正直どうでもいいな。」

「なら───」

「だが! 人間と共存はできんなぁ~~~。
 俺は偉大な生き物だ! 人間なんぞに協力する理由もないッ!
 その存在と対等にあるにはどうしたらいいかわかるな?」

 協力してはもらえないだろうか。
 777のように話せばわかるタイプならば、
 味方にできる可能性があると思って千は提案しようとするも、
 言い切る前に一蹴されてしまう。

「なるほど、力を示せってことだろ?」

「そういうことだ。貴様らが俺を止めうるだけの力を示すならば、
 このエシディシ、組むのも考えてやらんこともないが……そうだな。
 俺の左腕か足を一本斬り落とせたら、貴様らの仲間になってやる。だが!
 どちらかがこの戦いで死ぬようなことになれば、その時は好きにさせてもらうぞ。」

 相手は脅威の再生力を持った存在だ。
 味方にできるのであれば心強くあったが、
 そうはならないのであれば仕方ないとあきらめる。

「このおっさんには俺のこの火炎の剣じゃ通じねえ。
 となると警戒するのは千。お前のその剣だけになるはずだ。」

「この剣で斬れば波紋とやらの力になるのか……剣には心得がある。援護を頼めるかブラートさん。」

「ああ、わかったぜ!」

 得物を構えると、互いに肉薄。
 先陣を切るのは千で、エシディシも同時に迫る。
 横薙ぎの一閃をジャンプする形で躱し、その背を回し蹴りで蹴り飛ばそうとするが、
 エシディシに合わせて同じくジャンプしていたブラートの刃がレジスターへと迫っており、対応はそちらを優先。
 手の失った左手を突き出し、触手となる血管針が突き出してブラートを狙う。
 当たるわけにはいかないと迫った触手を火炎の剣すべて斬り落とす。

「滅殺!」

 緋想の剣ではなく、代行者としての力で生み出した剣で十字の斬撃を飛ばす千。
 緋想の剣では十字斬衝と言った魔力で出来た攻撃を扱うことはできないからだ。
 それを背中で受け止め、出血こそ成功させるが切断には程遠い結果に終わってしまう。

「!?」

 同時に周囲にすさまじい熱気。
 血液が掠るだけで焼けるような痛みに、
 他に飛沫する血液をよけると、大地で湯気を上げながら乾いていく。

「言ってなかったが俺の血液は最大で500℃にまで上昇させられる。
 それは紙や木が燃える温度! もし貴様らが俺の血管を一本でも刺されば、
 それだけで血液がグツグツのシチューにされるってことを忘れないことだなぁ~~~!!」

(まずい! 下手に切断をすれば返り血で軽傷じゃすまねえ。
 それに今の発言、単なる自慢じゃあねえ。攻撃を躊躇させる為のものだ。
 自分の能力を過信していたさっきとは違う。能力を利用した駆け引きをしていやがる。
 というかやべえぞ。背中に傷ができたってことは……)

「さっきは流法を使うまでもないと言ったが訂正しよう。
 貴様らには使う資格がある! 食らってくたばれ、怪焔王大車獄の流法!」

 背中の傷口から多数の血管がうねる様に飛び出し、触手を伸ばしていく。
 ブラート、千の双方に向かう触手は当たるだけで即死の一途をたどる必殺の一撃。
 故に回避以外に選択肢はなく、互いに連携をとることができないほどに距離を離されていく。

「隙だらけだぜブラートォ!」

 触手ばかりの回避に専念し続けた結果、
 先に着地したエシディシの蹴り上げに対応しきれない。
 蹴り上げはブラートの左手をへし折るどころかちぎり飛ばす勢いだ。

「グアアアアアッ!!」

「ブラートさんッ!!」

 近づこうにも血管針が邪魔してくる。
 緋想の剣でも斬れば斬るほど沸騰血が飛び散り近づくことが叶わない。
 宙を舞うブラートの左手をキャッチすると、それをエシディシは自分の腕にくっつける。

「結構いい腕をしているじゃあないか。そのうちすぐに一体化して元の太さになれるぞ。」

「人の腕を、勝手にものにしてんじゃねえ!!」

 腕をちぎられたというのに闘志は砕けない。
 迫る触手を細切れにしつつも、血液を無駄のない動きで回避。
 そのままレジスターへの攻撃を狙い続けるが、ダメージはやはり無視できない。
 キレのない動きではサンタナ並に異常な骨格の動かし方ができるエシディシに刃は届かなかった。

「せめて相打ちを、か。戦士としてはやるようだが、
 残念だが俺はワムウと違ってその程度では尊敬に値せんなぁ~~~ッ!!」

 背中の触手がブラートの腕へと数本突き刺さる。
 沸騰血が送り込まれた瞬間、湯気と共にぼこぼこと煮立っていく。
 内側から焼けるような、感じたこともない感覚がブラートを襲う。
 いやでも分からされる。今から火柱のように炎上するのだと。

「俺の熱血を送り込んだ! 貴様は時期にキャンプファイヤーの如く燃えるだろうさ!」

「……だったらなんだってんだよ?」

「何?」

「この身体に流れる熱い血はよ……他人の熱で埋められるモンじゃあねえんだよ!!」

 理論もへったくれもないただの根性論。
 しかし、その根性論だけで肉体を内側から焼かれながらもエシディシを倒さんとしていた。
 ボッ、と自身の身体に火が付き全身を外からも内からも焼かれ始めているというのに、
 寧ろ今までよりも動きのキレがよくなっている風にすら二人には見えるほどの剣技だ。

(この男ッ! 線香のように次第に燃え尽きるはずなのにッ!!
 それでもなお俺を倒そうと躍起になっている!!)

 次第に燃え広がる身体でもなお動こうと、倒さんとするその強い意志。
 冷静さを取り戻したエシディシと言えども気圧されるほどの気迫を見せる。

「ソクラテスッ!!」

 彼はもう助からないのだろう。
 だとしてもエシディシを倒さなければ。
 侍のような鎧をまとい、赤黒い刃を握りしめた異形と共に、
 やけどを覚悟で血管針を切り裂きながら肉薄する。

「チィ!」

 先は左手を捨てたことでダメージを抑えたが、
 緋想の剣で背中を切られてしまえば対処は困難を極める。
 即座に回避を優先し、ソクラテスの斬撃も一撃一撃が凄まじいものだと察し、回避に専念。
 事実上の三対一だというのに、柱の男特有の骨格をバラバラにできる特異な体質と卓越した戦闘技術により、
 仕留めることはおろか、勝利条件となる腕や足の一本を奪うことすら困難を極めていた。
 いや、柱の男が人間に対して逃げに徹しさせていることそのものについては、
 波紋戦士から見れば称賛されるべきレベルの行為だとも思えるが。

(グッ……限界、か……!!)

 しかしいくらブラートが強い意志を持っていたとしても身体がついていけるわけではない。
 切断された手からの大量出血、エシディシから沸騰血を送り込まれたダメージも限界だった。
 そも、人間は体表面の30%以上の熱傷は生命に危機を及ぼすレベルのものとされている。


「千、すまねえ……!!」

 今までブラートが洗練された攻撃でエシディシを追い詰めていたことの方が奇跡に等しかった。
 攻撃を何度も避ければ次第に勢いは落ちていき、彼が倒れてしまえば最早警戒するのは千だけになる。
 ソクラテスを呼び続けるのも限界を迎え、消失。数の利は完全に失ってしまう。

「ブラートさ───ガッ……!」

 剣で直撃を防いだ鋭い蹴りを受けて大地を転がる。
 すぐに立ち上がろうとするがエシディシに踏みつけられ動きを封じられてしまう。
 緋想の剣も振るおうとしたがその前に先に取り上げられてしまい、絶体絶命となる。
 魔力を使えばすぐに剣を生成し飛ばす、或いは令呪を使えばソクラテスは出せるだろうが、
 出した瞬間腹に風穴を空けられる。そう確信するだけの力が相手にはあった。

「ふ~~~む。一見すると高価な剣にしか見えんな……」

 試し切りとして地面に向けてを放つと、
 傷跡こそ綺麗に残るが波紋のようなものはでなかった。
 波紋が出せる剣と言うわけではないのを理解すると、それを近くへ放り投げる。

「何故、とどめを刺さない……?」

 緋想の剣を奪った後放り投げたことに疑問を持つ千。
 あれは天敵となりうる武器のはずだ。奪うに越したことはないだろう。
 だというのに、それをしまうことなくただ放り投げるのは奇妙な行動だった。
 それに殺さないことにも奇妙だ。殺そうと思えばすぐに殺せるだろう。
 ブラートと違ってこちらは鍛えてると言っても華奢な身体だ。
 先の踏み付けでとどめを刺すことだってできたはずである。

「何、俺は人間であるお前『達』に敬意を表しているつもりだ。
 波紋戦士でもなければ俺に傷などつけられなかったが傷をつけてきた。
 俺の熱血を送り込まれてあそこまで戦えたのもブラートだけだろう。
 ゆえに! ブラートの根性と千の与えた傷に免じて、今は殺さないでおいてやる。
 今の剣も奪うつもりはない。あの剣がなくては貴様は俺とまともに戦えんだろうからな。
 再びあの剣を持って、この殺し合いの中で俺にかかってくるといい。」

「……認めたくないが、今のあたしではお前に勝てない。」

 ブラートと二人で挑んで勝てなかった。
 そして50時間と言う短時間では、
 強くなるだけの時間など残されていない。

「そうだろうな。だが! 逃がすこともせんぞ?」

 懐から取り出した指輪を千の喉へと押し当てると、
 指が肌をすり抜けるように体内へと入っていき、指輪を埋め込まれる。

「今、何をした……ッ!?」

 今指が喉を貫通したはず。
 なのに喉に手を当てても穴はない。
 柱の男の独自の力だが、当然彼女には知る由もないことだ。

「名付けて死の結婚指輪(ウェディングリング)!
 今貴様の体内の喉へと埋め込んだ。リングは三十日後に外殻が溶け始め、
 中にある毒によって死ぬ。当然、手術で無理に外そうとしても毒が流れる。
 解毒剤は俺の鼻のピアスの中に入っている。つまり! 俺を倒さなければ、
 たとえこの殺し合いを生き残ったとしてもお前は死ぬというわけだ!
 体調を整えるでも人数でも、いかような手段を以ってしてもこのエシディシを倒し、生き延びて見せろ!
 それがッ! 数万年以上生きた中で波紋戦士でもない人間が、
 俺の左手を奪ったことへ対する、最大の賛辞と思え!
 因みに俺は地下か室内のどこかに必ずいる。準備が整い次第、その辺を探すことだな!」

 言いたいことを言い終えると、エシディシは千から離れどこかへと走り去っていく。
 残されたのは千と緋想の剣、そしてブラートの遺体と火炎の剣だけだ。
 人が焦げる異臭に眉をひそめながら、千は彼の死を悼む。

「すまない……ブラートさん。」

 恐らくだが本当に殺し屋ではあったのだろう。
 零や自分よりも洗練された太刀筋は並の人間ができるものではない。
 無論、剣道を嗜んでいた千も軽く凌駕していたので間違いないと確信は持っていた。
 少なからず殺し屋と言う字面の悪印象は拭えてないし、まともな会話だってできなかった相手だ。
 好みの音楽も知らない相手ではあったが、少なくとも味方だと思えるような真っ直ぐな人だった。

「あの怪物を止めないと……」

 エシディシは危険だ。
 体調は万全ではし人数もそろえていない。
 だからと言って放っておけば殺戮が広がる相手だ。
 それだけは避けなければと、エシディシの走った方角へと走り出す。
 緋想の剣と、形見となる火炎の剣を手に己の正義に殉じる。

【ブラート@アカメが斬る! 死亡】


【エシディシ@ジョジョの奇妙な冒険 戦闘潮流】
状態:健康(左手は時期になじむ)
服装:いつもの
装備:なし
令呪:残り三画
道具:ランダムアイテム×0~3、ホットライン
思考
基本:生存優先。優勝でも脱出でもどちらでもよい。
00:カーズやワムウがいるのであれば合流。
01:興味深い奴がいれば面白いんだがな。
02:千に興味あり。俺を倒せるか?
参戦時期:ジョセフと戦う前
備考
※肉体に触れる形での捕食は瀕死の相手のみ捕食できます
※死の結婚指輪が支給品枠かどうかは採用された場合にお任せします



【恵羽千@CRYSTAR ―クライスタ-】
状態:屈辱、ダメージ(中)、ブラートへの罪悪感
服装:辺獄での服装
装備:死の結婚指輪、火炎の剣@ゼルダの伝説ブレスオブザワイルド、緋想の剣@東方緋想天
令呪:残り三画
道具:ランダムアイテム×0~2、ホットライン
思考
基本:自分の正義を貫く。
00:エシディシを倒す方法を考える。指輪のためでもあるが、何よりあたしの正義のために。
01:仲間を集めるべきか、支給品を集めて一人で挑むべきか……
参戦時期:一週目、少なくとも777が加入している
備考
※死の結婚指輪を埋め込まれました。
 そのままだと三十日後に死亡しますが、
 何らかの手段で解毒、或いは進行するかもしれません。

※ブラートの支給品は燃えて消滅しました

  • 火炎の剣@ゼルダの伝説ブレスオブザワイルド
ブラートに支給。デスマウンテンの溶岩で鍛えたという魔法の剣。
刀身が赤い輝きに満たされているとき、振るった軌跡に灼熱の炎を吹き出す。

  • 緋想の剣@東方緋想天
恵羽千に支給。比那名居天子が使用する本来は天人専用の武器。
気質を見極める程度の能力を持ち、必ず相手の弱点を突くことができるとされる。
また、この剣は相手の気質を霧に変え、霧は最終的に天候へと変える力もあるが、本ロワでは通常では使用不可能。
この剣で周囲の気質を極限まで萃め、ビームのように放つのが全人類の緋想天もあるが、同じく通常では扱えない。
なお東方憑依華では振るうときだけ刃が出るような描写があるが、本ロワでは普通には渡りが長い剣として扱う。

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