どうすれば良かったのだろう。
出口の無い迷路のように、同じ疑問が頭の中を駆け回っている。
どこで間違えてしまったのか。
何をどうするのが正しかったのか。
考えても考えても答えは出ず、誰も正解を教えてくれない。
ヒントも何も与えられない、逃れようの無い現実だけが小さな体を圧し潰す。
どこで間違えてしまったのか。
何をどうするのが正しかったのか。
考えても考えても答えは出ず、誰も正解を教えてくれない。
ヒントも何も与えられない、逃れようの無い現実だけが小さな体を圧し潰す。
美遊・エーデルフェルトという少女を世界は決して逃がさなかった。
朔月家から連れ出され、兄の手で平行世界に飛ばされ、新たな生活を得た。
友を作り、学校に通い、時には魔術絡みの騒動に身を投じる事も有れど、不幸ではない日々を送り、
そうして再び、鳥籠に幽閉された。
朔月家から連れ出され、兄の手で平行世界に飛ばされ、新たな生活を得た。
友を作り、学校に通い、時には魔術絡みの騒動に身を投じる事も有れど、不幸ではない日々を送り、
そうして再び、鳥籠に幽閉された。
広いばかりで冷たい牢獄に、美遊個人の幸福を願う者は誰もいない。
求めるのは世界を救う装置としての役割のみ。
美遊の意識が介入する余地は無い。
当然と言えば当然の話だ、人一人と世界のどちらが重いかなど分かり切っている。
求めるのは世界を救う装置としての役割のみ。
美遊の意識が介入する余地は無い。
当然と言えば当然の話だ、人一人と世界のどちらが重いかなど分かり切っている。
拉致され訳も分からぬ内に殺し合いを命じられたとて、選択の余地すら貰えなかった。
寒空の下、飾り気のないリュックサックと共に放り出された美遊を襲う暴力。
黒一色で身を固めたガスマスクの集団は、対話に興味無しとばかりに拳を振り上げた。
優れた運動神経を持つ美遊だが、人を超えた身体能力の者が10人以上で来ればひとたまりも無い。
まして彼女の手には相棒であるステッキも無く、実質無力に等しい。
寒空の下、飾り気のないリュックサックと共に放り出された美遊を襲う暴力。
黒一色で身を固めたガスマスクの集団は、対話に興味無しとばかりに拳を振り上げた。
優れた運動神経を持つ美遊だが、人を超えた身体能力の者が10人以上で来ればひとたまりも無い。
まして彼女の手には相棒であるステッキも無く、実質無力に等しい。
殴り飛ばされ、うつ伏せに倒れたところへ次々靴底が降り注ぐ。
幼い肢体を覆うのは薄手のドレス一枚、到底防御機能など期待出来ない。
絶えず感じる痛みをどこか他人事のように感じ、また同じ疑問が湧き出す。
幼い肢体を覆うのは薄手のドレス一枚、到底防御機能など期待出来ない。
絶えず感じる痛みをどこか他人事のように感じ、また同じ疑問が湧き出す。
どうすれば良かったのだろうか。
自分を助ける為に、イリヤ達は危険を冒してまでエインズワースの工房に乗り込んで来た。
自分が巻き込んでしまったせいで、生まれた世界から引き離されてしまった。
自分のせいで、イリヤもクロも傷付いている。
世界なんかよりもずっと軽い、自分を助けようとしたばっかりに。
自分を助ける為に、イリヤ達は危険を冒してまでエインズワースの工房に乗り込んで来た。
自分が巻き込んでしまったせいで、生まれた世界から引き離されてしまった。
自分のせいで、イリヤもクロも傷付いている。
世界なんかよりもずっと軽い、自分を助けようとしたばっかりに。
(私は……)
聖杯としての運命に逆らおうとしたこと自体が、間違いだったのか。
誰も答えてくれない。
その通りだとも、違うとも言ってはくれない。
寄り添う友は影も形も見えず、救済を掲げる魔術師達ですら現れない。
怒りも喜びも宿らぬ暴力だけが、酷く乾いた死を齎さんとし、
その通りだとも、違うとも言ってはくれない。
寄り添う友は影も形も見えず、救済を掲げる魔術師達ですら現れない。
怒りも喜びも宿らぬ暴力だけが、酷く乾いた死を齎さんとし、
風が吹いた。
美遊の視界の端を黒が横切り、次の瞬間には自身を取り囲む気配が消失。
油の切れた機械のように顔を上げ、ふと鼻孔を刺激臭が突く。
鉄と、形容し難いナニカが混じり合った悪臭だ。
臭いの出所はそこかしこに染みを作る泡。
今の今まで自分を殺そうとしたガスマスク集団の成れの果てとは露知らず、意識は眼前に立つ存在へ向かう。
美遊の視界の端を黒が横切り、次の瞬間には自身を取り囲む気配が消失。
油の切れた機械のように顔を上げ、ふと鼻孔を刺激臭が突く。
鉄と、形容し難いナニカが混じり合った悪臭だ。
臭いの出所はそこかしこに染みを作る泡。
今の今まで自分を殺そうとしたガスマスク集団の成れの果てとは露知らず、意識は眼前に立つ存在へ向かう。
黒があった。
虫の息の己とは違う、群れを成して襲った連中とも違う。
鮮烈な存在感を放つ黒に見下ろされる中、徐々に意識が落ちる。
身体的・精神的、両方での負担へ蝕まれながらも黒からは目を逸らさない。
虫の息の己とは違う、群れを成して襲った連中とも違う。
鮮烈な存在感を放つ黒に見下ろされる中、徐々に意識が落ちる。
身体的・精神的、両方での負担へ蝕まれながらも黒からは目を逸らさない。
自分を憐れんだ死神か。
自分を弄ぶ悪魔か。
自分を弄ぶ悪魔か。
それとも、今以上の地獄へ引き摺り落とす魔王、なのだろうか。
◆
どうしたものかと独り言ちる。
少女の皮を被った異形、平行世界の者達を集めての殺し合い、自分がここにいる意味。
全てが想定外だった。
全てが想定外だった。
他者を殺すのに今更躊躇は抱かない。
妹の為に優しい世界を創る、その為だけに魔導へと堕ちた。
未来に自分の居場所が無いのも、自身の幸福が代償だとしても後悔は無い。
魔王となった選択をやり直すつもりは無い。
妹の為に優しい世界を創る、その為だけに魔導へと堕ちた。
未来に自分の居場所が無いのも、自身の幸福が代償だとしても後悔は無い。
魔王となった選択をやり直すつもりは無い。
尤も、今と昔では己の力を行使する理由も大きく異なるが。
魔女との契約を履行し、今度は自分が彼女の跡を継ぐ事となった。
その矢先にどういう訳か、見知らぬ地へ強制招集させられたのである。
殺し合いに乗るのも、自身の使命を考えれば悪い話ではない。
闘争と死、混沌が活性化してこそ世界は停滞を免れる。
だが一方で疑問に思う。
羂索なる者の駒となり殺戮を広げた所で、本当に魔王の使命に繋がるのだろうか。
己が生まれ落ちた世界かどうかも定かではない、狭苦しい箱庭で意味などあるのか。
その矢先にどういう訳か、見知らぬ地へ強制招集させられたのである。
殺し合いに乗るのも、自身の使命を考えれば悪い話ではない。
闘争と死、混沌が活性化してこそ世界は停滞を免れる。
だが一方で疑問に思う。
羂索なる者の駒となり殺戮を広げた所で、本当に魔王の使命に繋がるのだろうか。
己が生まれ落ちた世界かどうかも定かではない、狭苦しい箱庭で意味などあるのか。
生じた猜疑心が殺戮を撒き散らす選択へ待ったを掛け、方針を決めあぐねていると少女が襲われる場面へ遭遇。
軽く蹴散らし泡と化した集団には目もくれず、見下ろす先には気を失ったちっぽけな命が一つ。
殺すのは簡単だ、軽く腕を振るうだけでひき肉に変えられる。
が、前述の通り自身はまだ殺し合いに乗るか否かを明確に決められていない。
軽く蹴散らし泡と化した集団には目もくれず、見下ろす先には気を失ったちっぽけな命が一つ。
殺すのは簡単だ、軽く腕を振るうだけでひき肉に変えられる。
が、前述の通り自身はまだ殺し合いに乗るか否かを明確に決められていない。
「話を聞いてからでも遅くはない、か」
特別深い理由は無い、強いて言うなら何となくで助けた相手。
しかし拾った命なのに変わりは無く、言葉を交わしてみるくらいは行うべきか。
二時間後に開示されるホットラインの情報と合わせ、方針を決めても遅くはない筈。
しかし拾った命なのに変わりは無く、言葉を交わしてみるくらいは行うべきか。
二時間後に開示されるホットラインの情報と合わせ、方針を決めても遅くはない筈。
「場合によっては……」
最初の場で羂索に食って掛かった青年。
大胆不敵ながらも情報を引き出し、反逆の意思を見せた白い皇帝。
平行世界の自分とは相容れぬ道を往くかもしれない。
大胆不敵ながらも情報を引き出し、反逆の意思を見せた白い皇帝。
平行世界の自分とは相容れぬ道を往くかもしれない。
少女を抱きかかえ、泡で汚れた場所へ背を向ける。
取り敢えずは適当な屋内に運び、腰を落ち着け話を聞くか。
言葉には出さずに決め、
取り敢えずは適当な屋内に運び、腰を落ち着け話を聞くか。
言葉には出さずに決め、
「お…兄ちゃん……」
「……」
「……」
腕の中から聞こえたか細い呟きに、ほんの一瞬硬直。
数秒と経たず、何事も無かったかのように疾走。
マントを靡かせ駆ける中、仮面の下でどんな顔かは自分でも分からなかった。
数秒と経たず、何事も無かったかのように疾走。
マントを靡かせ駆ける中、仮面の下でどんな顔かは自分でも分からなかった。
【美遊・エーデルフェルト@Fate/Kaleid Liner プリズマ☆イリヤ】
状態:疲労(中)、精神的疲労(大)、体中に殴打痕、気絶中、運ばれてる
服装:黒いドレス
装備:
令呪:残り三画
道具:ランダムアイテム×1~3、SA・ホットライン
思考
基本:?????
00:…
01:私は……
参戦時期:3rei!!19話、イリヤの選択を聞く前。
備考
状態:疲労(中)、精神的疲労(大)、体中に殴打痕、気絶中、運ばれてる
服装:黒いドレス
装備:
令呪:残り三画
道具:ランダムアイテム×1~3、SA・ホットライン
思考
基本:?????
00:…
01:私は……
参戦時期:3rei!!19話、イリヤの選択を聞く前。
備考
【ゼロ@コードギアス ナイトメア・オブ・ナナリー】
状態:健康、運んでる
服装:いつもの(仮面、マント、装甲服等々)
装備:
令呪:残り三画
道具:ランダムアイテム×1~3、SA・ホットライン
思考
基本:どうするべきか…
01:少女を屋内へ運び、話を聞いてみる
02:殺し合いに乗るかは保留。場合によっては向こうの世界の私と敵対するかもしれん。
参戦時期:LAST CODEでナナリーに別れを告げる前。
備考
※制限によりザ・ゼロでバグスターウイルスを消滅させるのは不可能になっています。
その他に能力が制限されているかは採用された場合、後続の書き手に任せます。
状態:健康、運んでる
服装:いつもの(仮面、マント、装甲服等々)
装備:
令呪:残り三画
道具:ランダムアイテム×1~3、SA・ホットライン
思考
基本:どうするべきか…
01:少女を屋内へ運び、話を聞いてみる
02:殺し合いに乗るかは保留。場合によっては向こうの世界の私と敵対するかもしれん。
参戦時期:LAST CODEでナナリーに別れを告げる前。
備考
※制限によりザ・ゼロでバグスターウイルスを消滅させるのは不可能になっています。
その他に能力が制限されているかは採用された場合、後続の書き手に任せます。
『NPC紹介』
【ショッカー戦闘員@仮面ライダー THE FIRST】
ショッカーの最下層に位置し、集団での戦闘で威力を発揮する、動植物の能力を与えられず、人間能力のアップのみが図られた量産性を重視した改造人間。
常人の3倍の運動能力を持つ。
胸部に肋骨をイメージした骨模様があしらわれた黒ずくめのスーツに顔が防毒マスクのようなプロテクターで覆われている。
大きなダメージを受けると全身が泡となって消滅する。
【ショッカー戦闘員@仮面ライダー THE FIRST】
ショッカーの最下層に位置し、集団での戦闘で威力を発揮する、動植物の能力を与えられず、人間能力のアップのみが図られた量産性を重視した改造人間。
常人の3倍の運動能力を持つ。
胸部に肋骨をイメージした骨模様があしらわれた黒ずくめのスーツに顔が防毒マスクのようなプロテクターで覆われている。
大きなダメージを受けると全身が泡となって消滅する。