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  • 真贋バトルロワイヤル
  • (中編)

真贋バトルロワイヤル

(中編)

最終更新:2025年04月15日 22:00

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「ふーっ、ふーっ」
「う……うーっ」

 口枷を嵌められているため鼻呼吸しかできず、上気する息を整えながら必死に肺の奥へと空気を取り込む。
 そうでもしないと、息を詰まらせそうだったから。

「感じてる~」
「気持ちよさそ~」

 周囲からは天使達が興味津々な様子で見てくる。
 しかし、それを気にしている余裕はなかった。

「どうかしら♪私流の刻印魔法――淫紋は。強烈な快楽でしょう?」

 屋上庭園の柱に括りつけられたイドラとマジアマゼンタは、下半身からムラムラと上がってくる快楽の波に必死に耐えていた。
 唯一外気に晒している顔の上半分からは珠のような汗が流れ落ち、湧き上がる情欲の強さを物語る。
 二人の下腹部には、女性の子宮を象るような紋章――淫紋がピンク色の光を放って浮かび上がっていた。

「うっ、くうううう……」
「ふむうううううっ!!」

 身体が自由であれば、今すぐにでも胸と股間を掻き毟りたかった。
 しかし、黒光りする闇檻の拘束具はそれを許さない。イドラもマジアマゼンタもギチギチに全身を固定され、今にも絶頂に至りそうなのに至れないもどかしさに悶え苦しむ。
 絶頂までの「あと一押し」を自分の手でできない切なさに支配されそうになる。

「いいわぁ。全身から体液が噴き出してる。勿論、ここからは特に……♡」
「ふううううっ!!」
「ひやあああっ!!」

 ノワルは舌なめずりしながら、両手でイドラとマジアマゼンタの股間に指を沿わせると、二人の叫び声と同時に愛液が外へと滲み出てきた。

「この淫紋は特別製でね。快楽と引き換えに体液と共に魔力を垂れ流すの。だからこうして――」

 そう言って、ノワルは闇檻 収監を発動すると、その魔力から発せられる強力な引力によってイドラとマジアマゼンタのそれぞれの肌に付着していた体液だけを吸い取り、闇檻の中へ閉じ込めていく。

「体液を集めるの。闇檻 収監はこんなことにも使えるのよ♪そしてそれを闇檻で凝縮」

 イドラとマジアマゼンタの体液を吸い取ったそれぞれの闇檻は徐々に収縮していき、最後には小さなブラックホールのような紫黒の珠が2つ出来上がる。

「これは二人の体液を閉じ込めて何倍にも圧縮したものよ。中にはその濃縮液が多分に含まれてるの」

 ノワルは一通り説明すると、イドラとマジアマゼンタから出たそれを口の中に入れて味わうように頬張る。
 その様子を、二人は苦虫を嚙み潰したような顔をして見つめることしかできない。
 言わば愛液玉ともいえるそれを飴玉を味わうように舌の上で転がすノワルへの嫌悪感が強まっていく。

「やっぱり味見とは比べ物にならない味ね♡おいしいわぁ~」

 極楽とも言える表情を見せながら、ノワルは魔力を味わった分だけ取り込んでいく。 

「何味でしたか~?」
「ピンク色の方がいちご味、黒い方がブラックベリー味ってところかしら」
「ノワル様~。私達も味見したいです~」
「ダメよ。私だってまだ満足してないんだから」

 ぱたぱたと羽を動かしながらせがんでくる天使達をノワルは退ける。

「だって~、あの子ほとんど魔力ないんです~」
「空っぽのペットボトルみたい~」

 天使達は、イドラやマジアマゼンタと対面する位置に置かれている者を見る。

「やめ……てぇ……はむっ……!?」

 そこでは、磔台に拘束された千佳が、天使に強引に唇を奪われていた。

「んちゅ……んむあぁ……」

 舌を口にねじ込められ、舌同士を絡みあわされた上に口内の唾液を吸い取られる。

「……ぷぁっ」

 しばらくして天使から口を解放されるも、その目の焦点は既に合っていなかった。
 その口からはだらしなく涎を垂らしており、どこかぐったりして息を荒げていた。
 千佳は既に、何体もの天使と口づけを強制されており、そのたびに体内にほとんど残っていない魔力を吸われていたのだ。

「今度は私です~」
「やだぁ……いやぁ……」

 近づいてくる天使を確認して千佳はぷいっと顔を逸らし、弱弱しく抵抗するも、硬化した磔台の拘束をただの9歳児に解けるはずもない。

「逃げちゃダメですぅ~」
「うむぅ……」

 結局、天使からは逃げられず、顔を引き寄せられて再び唇を奪われてしまった。
 たとえ相手が子供だとしても、天使は無邪気に、そして残酷にその口を蹂躙する。

「貴女にも見えるでしょう?あの二人の無様な姿」

 ノワルは千佳が解放されるタイミングを見計らって彼女に近づき、目の前で快楽に悶えているイドラとマジアマゼンタを見せつける。

「やめて……」

 千佳は二人を見て、か細い声で言う。
 千佳にはそういった性知識は存在しないが、今も二人が苦しんでいることだけは分かる。

「立ち向かってきた割にはあっけなく拘束されちゃって、しかも貴女みたいな子供一人すら守れないなんて本当に滑稽よね」
「ひっ……」

 すると、ノワルの手が千佳の平坦な胸に、そしてスカートの中へと移動する。
 磔にされている千佳は、その手を受け入れることしか許されない。
 指を沿わされた下腹部を通して貫いてくるような悪寒に、千佳は顔を歪ませる。

「―――――ッッッ!!」
「~~~~~ッッッ!!」

 声にならない声を上げながら、イドラ、マジアマゼンタはもぞもぞと暴れながら千佳を助けに入ろうとするが、黒く染まった拘束具に縛られているどころか柱に縛り付けられているため、地面を這って移動することすらできない。
 それどころか、暴れることで身体の敏感な箇所が擦れることにより、さらに淫紋による快楽が増すばかりだった。
 こうも身体ごと固定されてしまっては、イドラが密かに刻んでいたもう一つの軽量化の刻印魔法も無意味だ。飛び掛かるための移動の自由すら、奪われているのだから。

「貴女もいずれああなるのよ。私に盾付いて敗けた者に相応しい姿」
「っ……」
「大丈夫、性教育は開発の過程でみっちりしてあげるわ。怖がらなくても気持ちいいことばかりだから大丈夫――」
「……てない」
「……ん?」

 耳元で囁いてくるノワルに、千佳は震えながらも言葉を絞り出す。
 それは、恐怖に屈した子供ではなく、不屈の魔法少女としての言葉だった。

「まだ……敗けてないから……!」

 目に涙を浮かべながら、キッとノワルを睨み返す。

「マジアマゼンタは自分を犠牲にあたしたちを庇ってくれた……イドラちゃんはあんなに縛られてても諦めてなかった……だからあたしも、諦めたくない!」
「面白いこと言うじゃない。ここには自由に動ける味方なんていない。貴女も、そこの二人も一歩も動けない。拘束も解けない。そんな貴女達に何ができるのかしら」
「魔法少女はね……どんなピンチになっても諦めないんだよ……!」
「魔法少女?貴女はただの人間の子供じゃない」
「あたしは魔法少女ラブリーチカだから!あたしの魔法をイドラちゃんが……みんなが褒めてくれた!」
「……」

「うぐうううううっ!!むがああああああっ!!」
「ぐむうううううっ!!ううぁぁぁぁぁぁっ!!」

 千佳の言葉を聞いて奮い立ったのか、イドラもマジアマゼンタも、髪を振り乱して、もぞもぞと芋虫のように拘束された身体を死力を尽くして暴れさせ、拘束具と解こうとする。
 ノワルは驚いたのか呆れたのか、それ以降言葉を続けることはなかった。

「ノワル様~。もうこの子魔力ないし、的当てゲームしていいですか~」
「……ええ、いいわよ。せっかくだし死にたくなる痛めつけちゃって」
「やった~」

 その時、見計らうように出てきた天使の申し出に、ノワルは満面の笑みで答える。
 ノワルから許可をもらえた天使達は、喜びながら千佳の方へと近づいてくる。

「なっ、何するの!?」
「ここをこうして~」

 天使は千佳の服をめくり上げると、露になったそのお腹に赤い二重丸を落書きする。
 困惑しながら見守る千佳をよそにお腹に描かれた丸は、まるで的のようだった。

「的当てゲームって、まさか……」
「うん。ここにみんなでセイントアローを撃つんです~」
「誰が真ん中に当てられるか~」
「そ、そんなことしたらあたし……!」
「死んじゃうかもしれないけどもう魔力ないし~」
「せっかくだから楽しめるかなって~」

 いやいやと首を振る千佳。
 今すぐにでも逃げようと身体に力を込めるが、磔台は今も拘束を続けており、千佳はお腹の的を露出したまま一歩たりとも動くことはできない。
 天使達の背後では、イドラとマジアマゼンタが絶叫を上げながら天使達を阻止しようとしているが、千佳以上に厳重に拘束された身体では助けに来れないだろう。
 誰もそれを止めることはできず、天使達が魔力を集中させて光の矢を千佳のお腹に撃ち込もうとしていた、その瞬間のことだった。

「メナスロンド!!」

 まるで蔦のように伸びた鞭が、千佳とノワルの周囲を漂っていた天使の身体をことごとく貫いていく。
 そして、飛び退いたノワルへの包囲網を崩さずに、鞭が収縮するように飛翔する斬撃の雨をノワルに浴びせる。
 が、やはりこれも闇檻 収監ですべて無効化されてノワルにはノーダメージだった。
 鞭が襲い来た方角をノワルが見上げると、マジアベーゼが支配の鞭を片手に見下ろしてきていた。

「随分と早かったじゃない、マジアベーゼ」
「少しぶりですね、ノワル」
「そんなにこの子達が大事?」
「いえいえ、独り占めはよくないなって」
「しつこい女は嫌われるわよ?」
「あなたがそれを言いますか」

 挨拶代わりに、ノワルはマジアベーゼの元に闇檻の黒霧を発生させる。
 しかし、今度はマジアベーゼは避けることはなく、ただ闇檻に呑まれるのを待っているだけのように見えた。

「――カヴェアソンブル」
「ッ!?」

 この時、はじめてノワルの顔に動揺の2文字が浮かぶ。
 なんと、マジアベーゼが闇檻と似た色の煙を纏わせた鞭で闇檻を払うと、その黒霧が文字通り霧散してしまったのだ。

「私の闇檻を相殺した……!?」
「あなたの魔力の残滓を調べさせてもらいましたよ。やはり似た性癖だからか質も似ているようでして……私も即席ですが作ってみたんですよ。マジアベーゼ流の"闇檻"を」
「……………………………………」
「拘束と拘束の概念がぶつかり合うと互いに拘束し合い対消滅を起こす……やってみるものですね」
「うふふっ……あははっ……」

 何か滑稽なものでも見たのか、ノワルはおかしそうに笑いだす。
 まさか、この殺し合いにノワルが絶対的な自信を持つ固有魔法”闇檻”を相殺できる者が現れるなんて。
 しかしその目は全く笑っていなかった。

「ええ、わかったわ。今までは単なる邪魔者としか見ていなかったけど。敵として認めてあげる」

 ゴゴ……と屋上庭園が、ビルごと揺れて小さな地震が起きる。
 ノワルの周囲に漏れ出す魔力が、一段と強まりビルの構造を震えさせているのだ。

「あなたの敵は私一人ではありませんよ」

 マジアベーゼはそれに動じることなく、ノワルに告げる。
 マジアベーゼの言った通り、ノワルの視界外から彼女を狙う者がいたのだ。

「真……アル・フェニックス――――ッ!!」

 租界を照らすような煌々と輝く不死鳥の如き炎を纏いながら、アルカイザーはノワルに向けて突進する。

「馬鹿ね。何度やっても無駄――」

 ノワルはアルカイザーを嘲りながら、逆に闇檻で拘束してやろうと待ち構えるも、その途中で違和感に気づく。
 先ほど見た時とは違い、文字通り"火力"が違った。以前とは比べ物にならない輝きを見せる真アル・フェニックスで突っ込んでくるアルカイザー。
 その炎には、以前は見られなかったノワルの膨大な魔力にも比肩し得るとてつもない魔力が含まれているようにも思えた。

「ッ!!」

 魔法使いとしての本能が警鐘を鳴らし、ノワルは咄嗟に回避を選択する。
 真アル・フェニックスがノワルを掠め、想定通り闇檻 収監は発動する。
 しかし――。

「熱っ……」

 ノワルの闇檻 収監はアルカイザーの纏う炎に打ち消され、火力は下がったもののノワルの元にその炎が届いていた。
 その証拠に、ノワルの髪と、その頬には若干の火傷が残っていた。

「どうやって……!?」
「さっきの戦いで分かった……お前相手に出し惜しみなんてできない!」
「――やってくれたわね。ええと……」
「アルカイザーだ!よく覚えておけ!」

 ノワルはアルカイザーの力の正体に気づく。
 アルカイザーの鎧越しに浮かんでいる令呪が一画消失していた。
 今、アルカイザーは制限を取り払って実力を発揮しているのだ。

(いや違う……あいつが本気を出しているからといって私の闇檻はそんな簡単に破れない……一体何が)

 そう、本来であればかの”炎獄”のように、核爆発を超える超高温による魔法で概念ごと蒸発でもさせるような、規格外の魔力による魔法でなければ、闇檻を打ち消すなど不可能なはずだ。
 本当ならその炎ごとアルカイザーは闇檻に囚われているだろう。
 なのにそうならない理由――。

(まさか……!)

 ノワルの脳裏にその可能性が浮かんだ直後、何かが破裂するような音が耳に届く。
 そして、その光景を見たノワルの顔がさらに驚愕に彩られる。

「ありがとうアルカイザー……!あなたのおかげでコレを解く方法が分かった……!だいぶリスクがあるし力技だけど……!」
「ハァハァ……やっと出られたよぉ……!」

 そこには、黒い拘束具でミノムシのように全身を包まれていたイドラとマジアマゼンタが、自力で拘束を脱していたのだ。
 全身に汗という汗を滲ませて服を濡らし、快楽の残滓が残っているからか煽情的な息遣いをしながらも、ノワルを睨んでいた。

「この令呪……それ自体が濃密な魔力の塊みたいなの。それを使って魔力を爆発させるように拘束具にぶつければいい……あれ自体、あんたの魔力の産物だからね。そうでしょノワル」
「ここまでずっと、アルカイザーや千佳ちゃん……それに、マジアベーゼに任せっきりだったけど……私だってまだ戦えるから!」

 そう言って、イドラとマジアマゼンタも戦線に加わった。
 淫紋は既に拘束具を破壊した余波で消えており、まだ本調子は取り戻せないものの戦えるだけの力は残っていた。

「ふぉおおおお!!コレですよコレコレ!!魔法少女が拘束を解いて反撃に移る時がすごくいいんですよおおおおおっ!!」
「お前なぁ……」

 その様子を見て、マジアベーゼは目をときめかせていた。
 自分の時との差を思いながら、アルカイザーは呆れ顔でマジアベーゼを見る。

「本当に……退屈しなくて済みそうだわぁ」

 これまであしらって来た者達の想定外の奮闘。
 不機嫌からかそれすら楽しんでいるのか、ノワルは口角を吊り上げながら、笑っていた。

「けど、忘れてない?貴方達の中で、まだ拘束を解けてない子がいるでしょう?」
「っ、あたしのことは気にしないで!」

 ノワルから視線を向けられた、今も磔台に拘束されている千佳は、咄嗟に皆に呼びかける。

「負けないでイドラちゃん!!マジアマゼンタ!!アルカイザー!!それに……マジアベーゼぇぇっ!!」

 まるでかつてのショーの観客として参加した時のように、喉が張り裂けんばかりの声で声援を送った。

「うるさいです~」
「的は的らしくしてください~」

 しかしその時、マジアベーゼが打ち漏らしていた天使達が、千佳のお腹に向けて一斉に光の矢を射出する。

「ぇ……」

 呆けた顔で自分に向かってくる矢を見つめる千佳。
 イドラは魔法で、マジアマゼンタは槍で、アルカイザーはレイブレードで迫りくる矢を咄嗟に防ぐが、それでも千佳に向かう矢をすべて防ぎきれなかった。
 このまま千佳が矢に串刺しにされることを誰もが覚悟したが、結果としてはそうはならなかった。


「――真化《ラ・ヴェリタ》」


 そんな声が聞こえたかと同時に、千佳の姿は分厚い漆黒の蜘蛛糸のドームで覆い尽くされ、千佳の姿が見えなくなると共に光の矢が弾かれたのだ。

「何が起きたの……?」

 暗闇の中、千佳が不安げにそわそわとしていると、不意に磔台が崩れ落ち、代わりに何者かが千佳の小さな体躯を優しく抱きとめてくる。

「横山千佳、でしたね」

 千佳の耳元に、そっと囁いてくる声。
 それはマジアベーゼのものだった。

「マジアベーゼ……?」
「私は、魔法少女の敵です。その声援は、魔法少女やヒーローに向けるべきものですよ」
「でも……あなたは私や皆を助けてくれて……」
「悪役を応援してたらいい子になれませんよ?ですが……その「あこがれ」の気持ちは失くさないでくださいね」

 マジアベーゼがそう言い終わると、覆っていた蜘蛛糸が解けて周囲の光景が明らかになる。
 千佳が振り返ると、目を見開く。そこにはマジアベーゼがより凛々しく、そして過激な姿へと変身していたからだ。
 先ほど千佳を守った蜘蛛糸は、マジアベーゼの背中の装飾からマントのように垂れさがっていた。

「ちょっ、何よその格好!?」
「どうしたってんだ!?」
「真化……!」

 突如変身したマジアベーゼに困惑の声を上げるイドラ、アルカイザーだったが、マジアマゼンタだけはその正体を知っていた。
 真化《ラ・ヴェリタ》。強い想いがオーバーフローすることで会得できる強化形態。
 真化したマジアベーゼの名は、「マジアベーゼ 夜蜘蛛の帳」。

「なるほど……それが貴女の魔力を解放した姿というわけね」
「ええ、少し遅れたお披露目になってしまいましたが」

 役者は揃ったとばかりに、マジアベーゼは自由の身になった千佳を下げて、堂々とノワルの前に出る。
 それをきっかけに、再び戦場は動き出した。

「今よ!アルカイザー!」

 イドラが、光の矢を防がれて呆気に取られていた残りの天使達を、一体残らず魔法で氷漬けにする。

「了解だぜ!くらえ、シャイニングキック!!」

 そこを、アルカイザーが光を纏った蹴りで天使を氷ごと粉砕し、ノワルを取り巻いていた使い魔は全て粉々に砕け散った。

「あなたなら闇檻を相殺できるでしょうけど……あなた以外ならどうかしら?令呪を使い切ったら脱落な分、無駄遣いさせるのは避けたいでしょう?」

 するとノワルが、意地の悪い笑みを作りながらイドラ、マジアマゼンタ、アルカイザー、千佳の元にそれぞれ闇檻の黒霧を発生させようとする。

「ご心配なく。それも対策済みです」

 ノワルの思考を読み切ったマジアベーゼは、闇檻が発生する前にマントのような蜘蛛糸をはためかせる。
 すると、発生した黒霧はまるでシャボン玉のようにマジアベーゼの生成した糸に包まれてしまい、イドラ達に触れる前に糸により跳ね返される。
 物理的な蜘蛛糸で覆うことで、闇檻が触れることを防いだのだ。

「腹立たしいまでに優秀ね。まさかこの短時間でここまでの対策を考えてくれるなんてね」
「あはは、あなたほどの人への対策なんていくらあっても足りないくらいですよぉ」

 マジアベーゼは蜘蛛糸を幾層にも重ねてノワルを穿とうとするも、これも闇檻 収監に防がれる。
 カウンターにより蜘蛛糸が闇檻に呑み込まれていくが、その前に糸を分離していたためにマジアベーゼが拘束されることはなかった。

「みんな!私の魔法を受け取ってぇ!」

 マジアマゼンタが戦いの最中に魔力を送ると、イドラとアルカイザーの負っていた傷がみるみるうちに回復していく。
 令呪を使用したことにより制限のない回復だからか、その回復スピードは非常に早い。

「すごい……私でも、ぅんっ、ここまで素早く回復するのは、あんっ、無理かも……」
「なんか結構効くな、コレ……」
「ご、ごめん……解放されたばかりだから制御が効かなくって……!」

 マジアマゼンタの回復魔法は、傷の治りも早いが同時に気持ちいいのだ。
 アルカイザーはともかく、先ほどまで淫紋をつけられて快楽責めされていたイドラはまだ敏感になっているからか、嬌声を抑えられないようだった。

「おや……私も回復してくれるのですか。エノルミータの総帥である私に」

 そして、マジアマゼンタが回復したのはマジアベーゼも例外ではなかった。

「確かに今でもあなたは魔法少女の敵かもしれないよ。でも、私達を助けてくれた事実は変わらない」
「……」
「私個人としてはね、多分同じ巻き込まれた立場なわけだし……もしよければ、一緒に協力できないかなって、思ってるよ……?」

 マジアベーゼに思いを語るマジアマゼンタ。その屈託のない眼にマジアベーゼは心を奪われそうになる。

「……」
「あれ、なんで二ヤついているの?」
「へ!?いや全然ニヤついてないですよ!?こんなことくらいで全然嬉しくないですからね!!」

 自分でも絵に書いたようなツンデレ悪役になりつつあることを危惧しながらも、マジアベーゼは残された敵、ノワルと向かい合う。

「……そうね。ここまでよくやった、と言ってあげるわ」

 ノワルは上空に飛翔し、自分と相対している5人を見下ろす。

「もうちょっと真面目に行ってあげる」

 そして、ノワルは闇檻――ではなく、それを発展させた別の固有魔法を発動させる。

「固有魔法”闇檻 監獄教会”」

 ビルの屋上庭園を闇の波動が駆け巡ると共に、その空には巨大な鐘が鎮座するようになる。

「なんだあれ……?」
「鐘……だよね?」
「そのわりに何もして来ないよぉ……?」

 それはまるで、この世の終焉を告げるような鐘に見えて、ひどく不気味だった。

「マジアベーゼ……あれは」
「イドラさんですよね。ええ、嫌な予感がします」

 呆気に取られながらも警戒するアルカイザー、千佳、マジアマゼンタの横で、イドラとマジアベーゼは汗を浮かべながら頭を回転させる。
 闇檻の名を冠するからには、何かしらの拘束を施してくる魔法に違いない。

「ここ一帯にノワルの魔力が広がった感覚がしたわ。何かの結界を展開したみたいな……」
「ノワルのことです。きっとより理不尽な拘束魔法を使ってきますよ。私であればこれまで受けた対策の更なる対策を――」

 マジアベーゼがそう言いかけた瞬間、目を丸くしてイドラと互いの顔を見合わせる。
 ”闇檻 監獄教会”の性質を、ほぼ確信に近い形で推測できたからだ。

「みんなッ!今すぐ逃げて!この結界から逃げないと……!」

 イドラは3人の方へと大慌てで声を荒げながら駆け出す。

「カヴェアソンブル――!!」 

 マジアベーゼは再びノワルの闇檻を再現した魔法で闇檻を打ち消そうと試みる。

「だぁめ♡」

 しかし、そこにノワルが迫り来て、その魔力を闇檻で打ち消される。

「魔力が……!?」
「あなたに私の闇檻が相殺できるなら、私にだってあなたのカヴェアソンブルを相殺できるわよ」
「……やってくれますね」
「だって、似たもの同士だものね……♪」

 イドラとマジアベーゼは気づいた時には、全てが遅かった。
 無慈悲にも、上空に佇む鐘は揺れ、その音を轟かせる。

――ガチッ!!

 再び、あの拘束する音があちこちから響いてきた。

「!!!むっ……ぐっ……」
(また……!)

 イドラは再び口枷に口を覆われていた。

「ふぇええええっ!?」
「やだっ、いつの間に!?」

 マジアマゼンタと千佳は、両手を後ろ手に手枷で拘束され、胴体には胸の上下にベルトを巻き付けられていた。

「クソッ、足が……!」

 アルカイザーは、下半身を両足で頑丈な黒いワイヤーに覆われ、移動を封じられている。

「本当なら男以外は私の闇檻 無限監獄で永遠に拘束して辱めてあげたいところだけど。制限で使えないのよねえ」
「……」
「だからといって私に拘束できないものが出てくると言われるとそんなことはないのよね。分かった?マジアベーゼ」
(してやられましたね……!)

 マジアベーゼもまた、首輪を嵌められ、両手を胸の前に束ねた状態で首輪と連結した手枷を嵌められていた。
 ノワルは気分をよくしながらマジアベーゼの胸を揉みながら解説する。

「これが"闇檻 監獄教会"。この結界の中すべてが闇檻の範囲内。私以外のすべてが呑み込まれる監獄。どんなにすばしっこくてもどんなに小細工を弄しても拘束から逃れる術はない」
「……」
「あの鐘が鳴る度に少しずつ拘束されていくのよ?一気に拘束するのもいいけどこういうのも良いわよね。マジアベーゼ、貴女ならこの良さが分かるでしょう?」
「ええ……それは分かります。もしよければそれを楽しむ側に回りたかったのですが……」
「ダメよ。私の邪魔をしてくれたからにはちゃんと罰を受けなきゃ♪このまま全員絡めとってあげる♪」
「そうは行くかよ!」

 そこに、アルカイザーが声を上げる。
 脚に巻き付いていたワイヤーの拘束は、いつの間にか解けていた。
 まだ令呪の持続時間は続いており、その魔力によって拘束具を打ち消していたのだ。

「話してる時間はないわ!早く退避しないと!」
「でも、マジアベーゼはどうするの!?」

 その背後では、イドラとマジアマゼンタも拘束を解いており、イドラの両手には令呪を使用していない千佳が拘束されたまま抱えられていた。

「あら、逃げるつもり?ならやってみなさいな。できるものならね」

 すると、上空の鐘が再び音を鳴らす。

――ガチッ!

「ま、また!?」
「ぐっ……」

 そんな音が鳴ると、令呪を使った者達の身体には再び先ほどと同じ拘束が施されていたのだ。

「そんな、足まで……!」

 千佳に至っては、さらに厳重な拘束が為され、両足までもがベルトに巻かれて完全に四肢を封じられていた。
 それはマジアベーゼも同様で、この鐘の音によりマジアベーゼの口はラバー状の物質で覆われてしまい、両足には短い鎖で繋がれた足枷が嵌められていた。

「解きたいのなら好きなだけ解きなさいな。あの鐘が鳴ったらまた拘束されるけどね」

 そうして、鐘が鳴る度にイドラ達は拘束具を打ち消しては拘束され、打ち消しては拘束されを繰り返す。
 どうにか結界の外へは向かっているのだが、鐘の音の合間が数秒しか空かないため、イタチごっこの様相を呈していた。

008:夢中になれるモノが── 投下順 009:魔法少女ラブリーチカの災難 ―闇檻の胎動―(後編)
時系列順
候補作186:innocent starter イドラ・アーヴォルン
花菱はるか
レッド
横山千佳
柊うてな
ノワル

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