「男爵もシュマロもいないか。
そもそもここは何処だ。殺し合いだなどとふざけたことを。」
そもそもここは何処だ。殺し合いだなどとふざけたことを。」
森林のようなゲームエリアを、ビスケット王子は額に青筋を浮かべ大股で歩いていく。
小さな王冠を乗せ、王族然とした仕立てのいい服に身を包んだ彼は、忌々しそうに顔を歪めている。
小さな王冠を乗せ、王族然とした仕立てのいい服に身を包んだ彼は、忌々しそうに顔を歪めている。
妹を探す最中突然殺し合いに巻き込まれたこと。王族である自分がただ一人でどことも知らない場所に放り出されたこと。
その全てに苛立ちを覚えている彼だが、目下気にするべきは彼の武器だ。
その右手には、ポテトチップスが連なったかのような曲剣が握られている。
目に見えてわかる武器が支給されている時点で、殺し合いにおいて優位に立っているともいえるはずだが。王子はこの武器――王子が知るのはもう少し先の話だが、ザクザクチップスラッシャーという名前である――にあまり納得していなかった。
悪い剣だとは思わなかった。長さのわりに非常に軽く扱いやすい。
だが、この剣を得る代わりに本来の武器が失われているのはリターンが見合っていないだろうと、運営への恨みを込めた目で胸ポケットに視線を落とした。
今は埃1つ残っていないすっからかんのポケットには、彼の武器...ビスケットが入っていたはずだ。
その全てに苛立ちを覚えている彼だが、目下気にするべきは彼の武器だ。
その右手には、ポテトチップスが連なったかのような曲剣が握られている。
目に見えてわかる武器が支給されている時点で、殺し合いにおいて優位に立っているともいえるはずだが。王子はこの武器――王子が知るのはもう少し先の話だが、ザクザクチップスラッシャーという名前である――にあまり納得していなかった。
悪い剣だとは思わなかった。長さのわりに非常に軽く扱いやすい。
だが、この剣を得る代わりに本来の武器が失われているのはリターンが見合っていないだろうと、運営への恨みを込めた目で胸ポケットに視線を落とした。
今は埃1つ残っていないすっからかんのポケットには、彼の武器...ビスケットが入っていたはずだ。
「羂索だか梔子だかの話では、ポケットに入る程度の雑貨以外は没収されるとのことだが...まさかビスケットまで没収されるとはな。」
それも仕方ないか。焦りと不安を抑え込むように彼は自分に言い聞かせる。
菓子能力者(カシマスター)である彼の能力は、対応するお菓子(ビスケット王子の場合はその名の通りビスケットである)を食べてこそ。
他の人間であれば、ポケットに収まるビスケット数枚程度、よほどの理由がなければ取られることはないだろうが、菓子能力者であればその菓子は強力な武器に等しい。
ビスケットの菓子能力者である彼にとって、普通のお菓子であろうと家族で食べた思い出の品であろうと武器。そういうものなのだろうなと強引に納得する。
菓子能力者(カシマスター)である彼の能力は、対応するお菓子(ビスケット王子の場合はその名の通りビスケットである)を食べてこそ。
他の人間であれば、ポケットに収まるビスケット数枚程度、よほどの理由がなければ取られることはないだろうが、菓子能力者であればその菓子は強力な武器に等しい。
ビスケットの菓子能力者である彼にとって、普通のお菓子であろうと家族で食べた思い出の品であろうと武器。そういうものなのだろうなと強引に納得する。
その事実に物悲しさを覚えながらも、王子の足は止まらない。
他の参加者――当然、殺し合いに非協力的な相手のことだ。――と合流し、一刻も早くこの場所から出たくて手出たくて仕方がないのだ。
彼は幽閉されている妹を探すために行動していた。殺し合いに巻き込まれたのは、その矢先の出来事だったのだ。
他の参加者――当然、殺し合いに非協力的な相手のことだ。――と合流し、一刻も早くこの場所から出たくて手出たくて仕方がないのだ。
彼は幽閉されている妹を探すために行動していた。殺し合いに巻き込まれたのは、その矢先の出来事だったのだ。
焦る王子の足が、がさがさと茂みが揺れ動く音を拾う。
足の震えを隠しながらチップスラッシャーを向けた先には、茶色の毛並みの猫がいた。
ビスケット王子の知る猫と異なる点は、その猫が服を着て、二足で歩き、目の前の王子を見て悲鳴をあげそうなほど真っ青な顔をしていたことか。
膨らんだ胸と露出の多い真っ白な服装から女性であると分かるが、獣人と会った経験などないビスケット王子にとって、猫頭の女は”怪物”でしかない。
カタカタと震える声でチップスラッシャーの切っ先を女に向け。合わせて女も悲鳴を上げた。
足の震えを隠しながらチップスラッシャーを向けた先には、茶色の毛並みの猫がいた。
ビスケット王子の知る猫と異なる点は、その猫が服を着て、二足で歩き、目の前の王子を見て悲鳴をあげそうなほど真っ青な顔をしていたことか。
膨らんだ胸と露出の多い真っ白な服装から女性であると分かるが、獣人と会った経験などないビスケット王子にとって、猫頭の女は”怪物”でしかない。
カタカタと震える声でチップスラッシャーの切っ先を女に向け。合わせて女も悲鳴を上げた。
「ば、化物!!」
「待ってください!違うんです!これはさっき食べたビスケットのせいで……」
「何!ビスケットだと!
貴様ビスケットを持っているのか!?」
「待ってください!違うんです!これはさっき食べたビスケットのせいで……」
「何!ビスケットだと!
貴様ビスケットを持っているのか!?」
茂みから飛び出した猫の顔をした女に対する怯えは、彼女の発言と共に吹き飛んだ。
女の口から出てきた、喉から手が出るほど欲しいビスケット(ぶき)のこと。
支給品にあった見たこともない武器より、ビスケット王子にとってよほど必要なアイテムを前に。剣を投げ捨て目の色を変えて掴みかかる。
当然、女もまたいきなり血相を変えて男につかみかかられて冷静ではいられない。自分の姿が原因とは言え、先ほどまで剣を向けられた相手であればなおさらだ。
女の口から出てきた、喉から手が出るほど欲しいビスケット(ぶき)のこと。
支給品にあった見たこともない武器より、ビスケット王子にとってよほど必要なアイテムを前に。剣を投げ捨て目の色を変えて掴みかかる。
当然、女もまたいきなり血相を変えて男につかみかかられて冷静ではいられない。自分の姿が原因とは言え、先ほどまで剣を向けられた相手であればなおさらだ。
「お、落ち着いてください!」
「これが落ち着いていられるか!!ボクにはそのビスケットが必要なんだ!!」
「これが落ち着いていられるか!!ボクにはそのビスケットが必要なんだ!!」
猫女とビスケット王子の喧しい叫びが、森の中でこだました。
◆◇◆◇◆
頭を冷やしたビスケット王子は、近くの洞窟に腰を下ろしていた。
向かいには先ほどの女が同じく疲弊した様子で、岩に腰掛けている。
既にその姿は猫頭ではなく、ビスケット王子より少し年上の温和な雰囲気をした美女であった。
ふわりと金色の髪をなびかせ、露出こそ多いが清廉とした印象を与える衣服に身を包む女。
先ほどまでの怪物じみた姿は、彼女に支給されたアイテムによるものだという。
向かいには先ほどの女が同じく疲弊した様子で、岩に腰掛けている。
既にその姿は猫頭ではなく、ビスケット王子より少し年上の温和な雰囲気をした美女であった。
ふわりと金色の髪をなびかせ、露出こそ多いが清廉とした印象を与える衣服に身を包む女。
先ほどまでの怪物じみた姿は、彼女に支給されたアイテムによるものだという。
少し冷静になった両者(主にビスケット王子)は、互いに戦闘の意思がなく、殺し合いにも非協力的だと分かり。自己紹介を兼ねた情報交換を行っていた。
「ジオ・テオゴニアのプリンセス・ライラエル……」
「オアズーケ王国のビスケット王子。ですか……」
「オアズーケ王国のビスケット王子。ですか……」
互いに自分たちの情報をすり合わせながら、王子は違和感を抱く。
自分の世界では既に常識になりつつある(王子の属するオアズーケ王国が行っているので、『させつつある』のほうが適切だが、心象が悪くなる可能性を考えぼかして説明した)お菓子禁止令どころか、オアズーケ王国も菓子能力者(カシマスター)も知らないという。
逆に王子もライラエルの説明にピンとくる用語は1つもなく。彼女がジオ・テオゴニアという世界を収める存在であることと、その世界には人間以外にも多数の種族が住んでいることを理解するので精いっぱいだ。
よくよく見ると白い翼を背に生やした彼女の姿には、美貌も相まって物語に出てくる天使をビスケット王子は連想したが。曰く彼女は人ではなく、天使族と呼ばれる種族なのだという。
自分の世界では既に常識になりつつある(王子の属するオアズーケ王国が行っているので、『させつつある』のほうが適切だが、心象が悪くなる可能性を考えぼかして説明した)お菓子禁止令どころか、オアズーケ王国も菓子能力者(カシマスター)も知らないという。
逆に王子もライラエルの説明にピンとくる用語は1つもなく。彼女がジオ・テオゴニアという世界を収める存在であることと、その世界には人間以外にも多数の種族が住んでいることを理解するので精いっぱいだ。
よくよく見ると白い翼を背に生やした彼女の姿には、美貌も相まって物語に出てくる天使をビスケット王子は連想したが。曰く彼女は人ではなく、天使族と呼ばれる種族なのだという。
「しかしどういうことだ。ボクのことを知らないくらいは覚悟していたがここまで情報が食い違うとは。
天使が治める竜人や妖精が暮らす世界なんて、まるで何かのゲームのようじゃないか。」
「私も驚いています。お菓子を食べることが許されない世界なんて……。私でしたら耐えられません。」
天使が治める竜人や妖精が暮らす世界なんて、まるで何かのゲームのようじゃないか。」
「私も驚いています。お菓子を食べることが許されない世界なんて……。私でしたら耐えられません。」
ビスケット王子はファンタジー世界のようなライラエルの話に頭を抱え、甘党のライラエルはお菓子禁止令の存在を嘆いている。
互いに相手の品格ある立ち振る舞いから語られた内容は事実だと、ビスケット王子もライラエルも確信していた。
だが、相手の話が下手な冗談ではないのならば、なぜこうも情報が食い違うのか。
そこだけが腑に落ちず悩む王子に、「推測なのですが。」とライラエルが切り出した。
互いに相手の品格ある立ち振る舞いから語られた内容は事実だと、ビスケット王子もライラエルも確信していた。
だが、相手の話が下手な冗談ではないのならば、なぜこうも情報が食い違うのか。
そこだけが腑に落ちず悩む王子に、「推測なのですが。」とライラエルが切り出した。
「貴方と私……いいえ、この殺し合いに参加させられているのは、別の世界の方なのではないでしょうか。」
「別の世界?そんなものあるわけが...」
「別の世界?そんなものあるわけが...」
思わぬ発言に否定的な返答を返すが、ライラエルは王子の発言に首を横に振る。
「私は元居た世界で、別の世界の人間と出会い友誼を結んだことがあります。
それにあの羂索という者の発言。彼女の言葉の節々からは、別の世界があることを仄めかされていたように思うのです。」
「ふむ...」
それにあの羂索という者の発言。彼女の言葉の節々からは、別の世界があることを仄めかされていたように思うのです。」
「ふむ...」
ビスケット王子が思い出すのは、羂索が全参加者に名乗った時の発言だ。
――『私と同じ世界の出身者、或いは呪術を知る者には呪胎九相図を造り出した加茂憲倫と同一人物だと言えば伝わるかな?』
(確かに、ライラエルの言う通り自分とは違う世界がなければ、”同じ世界の出身者”と言った言い回しはしないだろう。
『仮面ライダー』に『魔戒騎士』に『聖杯戦争』といった言葉に、あの人を操る力を持つ青年に動物になるビスケット……随分と不思議なものも、別世界のものであるとすれば納得もできるか。)
――『私と同じ世界の出身者、或いは呪術を知る者には呪胎九相図を造り出した加茂憲倫と同一人物だと言えば伝わるかな?』
(確かに、ライラエルの言う通り自分とは違う世界がなければ、”同じ世界の出身者”と言った言い回しはしないだろう。
『仮面ライダー』に『魔戒騎士』に『聖杯戦争』といった言葉に、あの人を操る力を持つ青年に動物になるビスケット……随分と不思議なものも、別世界のものであるとすれば納得もできるか。)
別世界との交流経験があるライラエルだからこその推察だが、ビスケット王子にしてみてもそう考えれば腑に落ちる。
彼の15年生きた常識から外れた考えだが、そもそもグッド・テイス島に居たはずの自分がどことも知らない場所に拉致されていること自体が、自分の常識から全く異なっているのだ。
疑念や不安が無いとは言わないが、頭ごなしにその説を否定する要因もなければ理由もなかった。
彼の15年生きた常識から外れた考えだが、そもそもグッド・テイス島に居たはずの自分がどことも知らない場所に拉致されていること自体が、自分の常識から全く異なっているのだ。
疑念や不安が無いとは言わないが、頭ごなしにその説を否定する要因もなければ理由もなかった。
「ライラエルさんの推測は恐らく正しい。というか、そう考えるのが今は最善だろう。
……普段のボクなら、荒唐無稽と断じただろうが。今は状況が状況だ。
一刻も早く元の場所に戻るためなら、どんな夢物語だろうと受け入れるさ。」
……普段のボクなら、荒唐無稽と断じただろうが。今は状況が状況だ。
一刻も早く元の場所に戻るためなら、どんな夢物語だろうと受け入れるさ。」
拳をわなわなと震わせるビスケット王子に、ライラエルは不安そうに顔を向けた。
軽く情報交換をしただけの相手だ。相手のすべてを知っているわけではなく、互いに伝えていないこともあるだろう。
だが、彼がなぜビスケットを求めるのか。そして焦りさえ感じるほどに一刻も早く戻りたがっているのか。その理由についてはすでに聞いていた。
軽く情報交換をしただけの相手だ。相手のすべてを知っているわけではなく、互いに伝えていないこともあるだろう。
だが、彼がなぜビスケットを求めるのか。そして焦りさえ感じるほどに一刻も早く戻りたがっているのか。その理由についてはすでに聞いていた。
「ビスケット王子。貴方の妹さんが、元居た島に幽閉されているのでしたね。」
「正直な話。普段のボクならあの羂索だか梔子だかいう女の甘言に乗っていたかもしれない。
だが、今は違う。ボクを元の場所に戻し、クッキーを救うことが出来るのなら。理想を叶える権利などどうだっていい!」
「正直な話。普段のボクならあの羂索だか梔子だかいう女の甘言に乗っていたかもしれない。
だが、今は違う。ボクを元の場所に戻し、クッキーを救うことが出来るのなら。理想を叶える権利などどうだっていい!」
岩壁を荒々しく叩き、ビスケット王子は息を切らせる。
その姿を前にライラエルは優しく微笑み、自分のリュックから金属製のケースを取り出した。
ポコンとケースを開く音が洞窟に響き、中にある無数のビスケットが露になる。
様々な種類の動物の姿で美味しそうに焼き上げられたそれは、22世紀の秘密道具の1つ。
先ほどはライラエルとビスケット王子を大きくふためかせたアイテム、動物になるビスケットであった。
その姿を前にライラエルは優しく微笑み、自分のリュックから金属製のケースを取り出した。
ポコンとケースを開く音が洞窟に響き、中にある無数のビスケットが露になる。
様々な種類の動物の姿で美味しそうに焼き上げられたそれは、22世紀の秘密道具の1つ。
先ほどはライラエルとビスケット王子を大きくふためかせたアイテム、動物になるビスケットであった。
「ライラエルさん。これは...」
「菓子能力者(カシマスター)とおっしゃいましたね。
あなたはビスケットを食べることで、菓子に準じた能力が使えるようになると。
であるのなら、このビスケットは私より貴方が持っておくべき物ではないですか?」
「菓子能力者(カシマスター)とおっしゃいましたね。
あなたはビスケットを食べることで、菓子に準じた能力が使えるようになると。
であるのなら、このビスケットは私より貴方が持っておくべき物ではないですか?」
ライラエルの言葉に、灯に引き寄せられる虫のようにビスケット王子の手が伸びる。
そのビスケットは、ビスケット王子にとっては喉から手が出るほど欲しいものだ。
自分の能力を使えるだけにとどまらない。さっきライラエルが変身したのは猫だったが、肉食の動物になればそれだけで攻撃力も増大する。
ごくりと喉を鳴らす王子だったが、その手はケースを受け取る直前で止まった。
そのビスケットは、ビスケット王子にとっては喉から手が出るほど欲しいものだ。
自分の能力を使えるだけにとどまらない。さっきライラエルが変身したのは猫だったが、肉食の動物になればそれだけで攻撃力も増大する。
ごくりと喉を鳴らす王子だったが、その手はケースを受け取る直前で止まった。
「いいのか?ボクは仮にもあなたに武器を向けたんだ。
それに見たところ、そのビスケットには鰐や熊など変身するには危険な動物も混ざっている。そんな動物にボクが変身すれば、貴方を抑え込むのは難しくないだろう。
これまでの話は全て貴女の信頼を得るためのウソで、ビスケットを手に入れた瞬間ボクが襲ってくるとは考えないのか?」
「王子がそのような人物なら、ここで話し合いなどせず初めに猫の姿で出会った時に斬りつけていたのでは?」
「んっ……それはそうかもしれないが。」
「それに、私は確かに王子のことをほとんど知りません。何か秘密を抱えているであろうことは想像がつきます。
そんな私にも、王子が妹さんを救いたいという思いははっきりと伝わってきましたよ。」
それに見たところ、そのビスケットには鰐や熊など変身するには危険な動物も混ざっている。そんな動物にボクが変身すれば、貴方を抑え込むのは難しくないだろう。
これまでの話は全て貴女の信頼を得るためのウソで、ビスケットを手に入れた瞬間ボクが襲ってくるとは考えないのか?」
「王子がそのような人物なら、ここで話し合いなどせず初めに猫の姿で出会った時に斬りつけていたのでは?」
「んっ……それはそうかもしれないが。」
「それに、私は確かに王子のことをほとんど知りません。何か秘密を抱えているであろうことは想像がつきます。
そんな私にも、王子が妹さんを救いたいという思いははっきりと伝わってきましたよ。」
――貴様のようなクズでも妹には愛情があることが分かった。だからオレは協力したいのだ!
(どいつもこいつも。似たようなことを……)
(どいつもこいつも。似たようなことを……)
グッド・テイス島であの憎らしい鐘木チョコにも同じようなことを言われたことを、ビスケット王子は思い出す。
よくよく考えれば、あの島では憎らしいレジスタンスと休戦することもできたのだ。今更見知らぬ姫と手を組むことなど、妹のためなら難しくもなんともない。
伸ばしていた手で差し出されたビスケットのケースを掴み。数枚取り出しポケットにしまう。
おやつを隠しただけのように見える動きだが。菓子能力者(カシマスター)であるビスケット王子にとっては戦闘に対する備えなのだ。
よくよく考えれば、あの島では憎らしいレジスタンスと休戦することもできたのだ。今更見知らぬ姫と手を組むことなど、妹のためなら難しくもなんともない。
伸ばしていた手で差し出されたビスケットのケースを掴み。数枚取り出しポケットにしまう。
おやつを隠しただけのように見える動きだが。菓子能力者(カシマスター)であるビスケット王子にとっては戦闘に対する備えなのだ。
「分かった。このビスケットはありがたくいただこう。
だが貴女は見たところ丸腰だ。何か武器は持っていないのか?ないのなら例と言っては何だがボクに支給された武器を1つ渡せるが。」
「そのスナック菓子のような剣でしょうか。生憎、そういった武器には不慣れでして……。
それに、私にはもともと使用していた”王家の装備”が支給されています。足手まといにはならないかと。」
だが貴女は見たところ丸腰だ。何か武器は持っていないのか?ないのなら例と言っては何だがボクに支給された武器を1つ渡せるが。」
「そのスナック菓子のような剣でしょうか。生憎、そういった武器には不慣れでして……。
それに、私にはもともと使用していた”王家の装備”が支給されています。足手まといにはならないかと。」
そう言ったライラエルの背後には、虹色に発光する三日月状の武装がふわふわと浮いている。
てっきりそういう装飾品だと思っていたビスケット王子だったが、ライラエルによると広範囲に雷撃を撃つことできるきわめて強力な装備だという。
もはや魔法のアイテムだなと、改めて目の前の女が違う世界の住人だと実感する。
てっきりそういう装飾品だと思っていたビスケット王子だったが、ライラエルによると広範囲に雷撃を撃つことできるきわめて強力な装備だという。
もはや魔法のアイテムだなと、改めて目の前の女が違う世界の住人だと実感する。
「そういうことなら。この剣は変わらずボクが使おう。
ボクのビスケットのように、使い慣れた武器があるのならばそれが一番だからな。」
ボクのビスケットのように、使い慣れた武器があるのならばそれが一番だからな。」
袋から飛び出たポテトチップスを思わせる、波打つ刃を王子は掴む。
ポテトチップスが武器とは改めて思うと因果なものだなと、一番信頼を置くポテトチップスの菓子能力者を思い出す。
だが、今ビスケット王子の隣にいるのは付け鼻をした男でも、マシュマロを扱う少女でもないのだ。
ポテトチップスが武器とは改めて思うと因果なものだなと、一番信頼を置くポテトチップスの菓子能力者を思い出す。
だが、今ビスケット王子の隣にいるのは付け鼻をした男でも、マシュマロを扱う少女でもないのだ。
お菓子の国の姫と同盟を結んだ、お菓子を奪う国の王子。
少なくとも今この場においては、信頼のおける相手であることに間違いはなかった。
少なくとも今この場においては、信頼のおける相手であることに間違いはなかった。
「ではプリンセス・ライラエル。暫くの間よろしく頼む。」
「王子は妹さんのために、私は私を待つジオ・テオゴニアの皆のために。お互いに生きて帰りましょう。」
「王子は妹さんのために、私は私を待つジオ・テオゴニアの皆のために。お互いに生きて帰りましょう。」
こうして、ゲームエリアの片隅でまた1つ同盟が成立した。
おかしな同盟の行く末は。果たして。
おかしな同盟の行く末は。果たして。
【ビスケット王子@KASHI BATTLE】
状態:健康
服装:ポケットが無数につけられている王族服
装備:動物変身ビスケット@ドラえもん ザクザクチップスラッシャー@仮面ライダーガヴ
令呪:残り三画
道具:動物変身ビスケット@ドラえもん ランダムアイテム×0~2、ホットライン
思考
基本:元の世界に帰り、妹を助ける
01:ライラエルと協力 可能であればより複数の仲間を集めたい
02:別の世界があるとは。信じられないが信じるしかないな
03:ビスケットが手に入ったはいいが...動物になるビスケットか。食べても大丈夫なんだろうなこれ。
参戦時期:グッド・テイス島にて鐘木チョコと遭遇(新49話)~クッキー姫との再会(新60話)までの間
備考 もともと持っていたビスケット@KASHI BATTLEは『武器』と判断され没収されています
他のKASHI BATTLE出典キャラにこの法則が適用されるかどうかは不明です
状態:健康
服装:ポケットが無数につけられている王族服
装備:動物変身ビスケット@ドラえもん ザクザクチップスラッシャー@仮面ライダーガヴ
令呪:残り三画
道具:動物変身ビスケット@ドラえもん ランダムアイテム×0~2、ホットライン
思考
基本:元の世界に帰り、妹を助ける
01:ライラエルと協力 可能であればより複数の仲間を集めたい
02:別の世界があるとは。信じられないが信じるしかないな
03:ビスケットが手に入ったはいいが...動物になるビスケットか。食べても大丈夫なんだろうなこれ。
参戦時期:グッド・テイス島にて鐘木チョコと遭遇(新49話)~クッキー姫との再会(新60話)までの間
備考 もともと持っていたビスケット@KASHI BATTLEは『武器』と判断され没収されています
他のKASHI BATTLE出典キャラにこの法則が適用されるかどうかは不明です
【ライラエル@プリンセスコネクト!Re:Dive】
状態:健康
服装:いつもの服装
装備:傲慢の王家の装備@プリンセスコネクト!Re:Dive
令呪:残り三画
道具:傲慢の王家の装備@プリンセスコネクト!Re:Dive ランダムアイテム×0~1、ホットライン
思考
基本:元の世界に帰る。
01:ビスケット王子と協力 可能であればより多くの仲間を集めたい
02:お菓子禁止令に菓子能力者...私の知る別世界とはまた随分違うのですね。
参戦時期:第三部4章終了後
備考
状態:健康
服装:いつもの服装
装備:傲慢の王家の装備@プリンセスコネクト!Re:Dive
令呪:残り三画
道具:傲慢の王家の装備@プリンセスコネクト!Re:Dive ランダムアイテム×0~1、ホットライン
思考
基本:元の世界に帰る。
01:ビスケット王子と協力 可能であればより多くの仲間を集めたい
02:お菓子禁止令に菓子能力者...私の知る別世界とはまた随分違うのですね。
参戦時期:第三部4章終了後
備考
【支給品解説】
ザクザクチップスラッシャー@仮面ライダーガヴ
・ビスケット王子に支給 仮面ライダーガヴザクザクチップスフォームが使用する長剣
袋から飛び出たポテトチップスのような形状をしている
ザクザクチップスラッシャー@仮面ライダーガヴ
・ビスケット王子に支給 仮面ライダーガヴザクザクチップスフォームが使用する長剣
袋から飛び出たポテトチップスのような形状をしている
動物変身ビスケット@ドラえもん
・ライラエルに支給→ビスケット王子に譲渡 食べると一定時間経過した後ビスケットと同じ形をした動物と同じ姿になる。本人に変身した自覚はない。
習性・能力もその動物と同じになり、鳴き声を上げるようにもなる。効果は約5分 一度食べると効果を止める方法はない。
ビスケットであるためビスケットの菓子能力者の能力を発動させることが出来る
・ライラエルに支給→ビスケット王子に譲渡 食べると一定時間経過した後ビスケットと同じ形をした動物と同じ姿になる。本人に変身した自覚はない。
習性・能力もその動物と同じになり、鳴き声を上げるようにもなる。効果は約5分 一度食べると効果を止める方法はない。
ビスケットであるためビスケットの菓子能力者の能力を発動させることが出来る
傲慢の王家の装備@プリンセスコネクト!Re:Dive
・ライラエルに支給 巨大な三日月のような形状をした武装
装備者の背後に浮遊しており、周囲の敵に雷光を放つ能力を持つ。
通常は紫に発光しているが、使用時には橙色に発光し使用者の人格を傲慢なものに変化させる
本ゲームにおいては装備すれば誰であろうと使用することが可能であり。令呪使用時などを除いて威力は通常より低下している
・ライラエルに支給 巨大な三日月のような形状をした武装
装備者の背後に浮遊しており、周囲の敵に雷光を放つ能力を持つ。
通常は紫に発光しているが、使用時には橙色に発光し使用者の人格を傲慢なものに変化させる
本ゲームにおいては装備すれば誰であろうと使用することが可能であり。令呪使用時などを除いて威力は通常より低下している