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  • 壊乱Ⅳ:切り札の名はPrincess!

真贋バトルロワイヤル

壊乱Ⅳ:切り札の名はPrincess!

最終更新:2025年07月28日 15:49

匿名ユーザー

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だれでも歓迎! 編集
◆


戦士、という見立ては間違っていない。
ギアスの影響でルルーシュの配下となったNPCに、背を向け逃げ出す思考は存在しない。
攻撃へ躊躇を抱かず、迷いで己を縛り付けない者。
それが当て嵌まるのは二人の少女、キャルと沙耶香もまた同じ。

抜刀と同時に写シを発動、すかさず迅移により加速。
プレイヤーに選ばれた刀使の中で、最も体力的に劣るのが沙耶香だ。
速さを極めた長所を活かすには、呑気な様子見ではなく先手必勝。
急接近で懐に潜り込み、構えた刀が線を描く。
一度や二度で終わらせはしない、敵が反撃に移る暇は決して与えない。

即効で終わらるのが難しくとも、何らかのダメージにはなる。
刀身が敵の肉体を撫で、思い描いた光景はしかし。
現実にはならず、異様な手応えに表情が凍り付く。

「エナジーアイテム抜きでその速さか、面白い!」

頭上からの声に苦悶の色はまるで宿っておらず、今の攻撃が効果無しだと知らせて来た。
硬過ぎる、異形の肉体とはいえ既存の生物とはまるで違う。
ならばと八幡力を使い膂力を引き上げるが、相手もここで攻めに入る。
牙を二本組み合わせたような剣を振るい、その動作一つで大気が絶叫。
途端に沙耶香の脳が危険信号を鳴らす、コレとの打ち合いは絶対に避けろと。

僅かな硬直時間で到達する剣を阻むは、後方よりの援護魔法。
魔力を練り固めた弾が複数飛来、紅蓮の肉体に命中。
魔物の外皮を削り、脆い内部を焼き焦がすキャルの術。
此度は相手が悪いとしか言いようがなく、全く堪えた様子が見当たらない。
だが多少動きを阻害する役目は果たし、沙耶香が動ける猶予が生まれた。
上半身を逸らしながら後退、少々遅れて横薙ぎの剣が通過。
剛腕が叩いた空気の揺れだけで、剥き出しの頬に痛みが走る。

「三番隊前へ!二番隊撃て!」

凛とした声がインカム越しに届く。
戦いに挑むのは参加者のみならず、拠点防衛を命じられたルルーシュの軍隊もだ。
平城学館の刀使達が抜刀し突撃、更に別方向からは銃弾が飛ぶ。
日常的に銃火器を使用する、キヴォトス出身故にだろう。
正義実現委員会の生徒達が撃つ弾は、正確に標的を捉えた。

「ほう、ライドプレイヤーよりはマシな攻撃が出来るらしい」

背中に当たる銃弾へ、ほんのちょっぴりの感心を籠めた呟きが出る。
痛がる素振りは見せず、事実本人は痒いとさえ思えない。
陣を組み斬り掛かる刀使も、成程人間の子供らしからぬ乱れの無さ。
こういった者達が仮面ライダークロニクルのプレイヤーなら、一体どうなっただろうか。

「だがこの程度、まるで話にならん!」

ふと浮かんだどうでもいい考えを捨て、二振りの牙を豪快に振り回す。
バグスター態となったグラファイトの剛腕に掛かれば、一振りすら絶大な威力を発揮。
写シを剥がすどころか、再使用の暇も無しに両断。
悲鳴も上げられずに屍と化し、あえなく自らの役目を終えた。

「お前はどうだ、糸見沙耶香。今の斬撃のみで終わりではないだろう!」
「……っ!」

散らされた骸から、標的を参加者の刀使に変更。
アスファルトが弾け飛ぶ勢いで踏み込み、眼前へと距離を詰める。
叩きつけん勢いの双刃を、身を捩って回避。
直接触れていないにも関わらず、発生する暴風だけで宙へ舞い上がりそうだ。

(打ち合ったら確実に押し負ける……!)

膂力の点では間違いなく、八幡力を使ってもグラファイトには及ばない。
下手に鍔迫り合おうものなら、己の腕に負担を強いるだけ。
よってここは速さを武器に、打ち合いを避けつつ着実に攻撃を当てていく。

戦法を決めた以上は即実行あるのみ。
死角へ移動して御刀を突き出し、向こうが反応するより早くまた移動。
斬っては避け、突き刺しては避けを繰り返す。
写シは未だ剥がされず、常にこちらの攻撃が当たっている。
だというのにまるで効いた様子がない、そればかりか両腕に痺れが蓄積。
小針を延々と岩石に突き刺す、途方もない労力に出ている気がしてならない。

「オイオイ何だってんだよクソがよぉ!あの真っ赤野郎に全然効いてねぇぞ!?」
「キャルの姐御ォ!魔法の支援はどうなってんだよ!えぇ!?」
「っさいわね!もうとっくにやってるわよ!」

セーラー服にバツ印のマスクが特徴なスケバン生徒達が、軽機関銃を乱射。
小気味いい音を立て発射された弾は確かに、グラファイトへ当たってはいる。
しかし呻き声の一つも漏らさず、こちらの銃撃など気にも留めず沙耶香と戦闘を繰り広げてるではないか。
これでは何の為に撃ってるのか分からなくなった。

「嘘でしょ…アイツどんだけ馬鹿みたいに硬いのよ!?」

キャルが使う魔法は、単純に相手を攻撃するだけが能じゃない。
物理・魔力への耐性を下げダメージを通り易くする。
ランドソルにいた頃から度々使い、仲間達に有利な状況を作った術もその一つ。
発動が妨害された形跡はなく、確かに効果が表れてる筈だ。
なのにグラファイトから異変が感じられない、という事はつまり。
耐久性を低下させられて尚も、桁外れな頑強さを持つのに他ならない。

辿る筈だった未来において、レベル100の仮面ライダーブレイブとレベル50の仮面ライダースナイプを単独で相手取り。
殺し合いでは天与の暴君、伏黒甚爾をして面倒な硬さと言わしめた程。
小手先の技や装備で突破できると思うなら、紅蓮の龍戦士を甘く見過ぎである。

「全然……斬れない……!」

後方支援に徹するキャル達ですら、息を呑む厄介さだ。
間近で得物を振るう沙耶香が、感じる危険性は更に上。
グラファイトの双牙に切り裂かれるのは避けてるといっても、振るう度に起こる衝撃は確実に体力を削ぎ落とす。
加えて得物に火炎を纏わせるせいで、焼け付く熱さが集中力をも乱していく。

「五番隊出過ぎないように!八番隊構え!」

沙耶香に隙が生じそうになれば、間を縫うのはNPC達。
立て直しの時間を稼ぐべく、長船女学院の刀使が突撃。
ツナギを着た少女達、傭兵バイトの一団も各々銃を持ち援護。
双刃に薙ぎ払われ、離れた位置のNPCにはガシャコンバグヴァイザーから光弾を撃つ。
次々に力尽きる一方で、辛うじて無事な者もチラホラ。
後退し部隊を編成し直す間、少しでもグラファイトを止めようとキャルが魔力弾を連射。

(今のままじゃ、やっぱり厳しい……)

稼いでもらった猶予で息を整え、幾分冷えた思考を回す。
戦況を変えるのに何か一つ、使える手はないかと悩み。
ふと思い出したのは、未使用の支給品の存在。
説明書を読み効果は知った、自分との相性も多分悪くない。

問題があるとすれば、自分じゃなく真人に支給された道具なことか。
強い嫌悪を抱く男の支給品を使うのに、一切抵抗がないと言えば嘘になる。
しかし個人的な理由で意地を張り、仲間達を危険に晒し続ける程。
自分勝手になった覚えもなく、頭を振って迷いを払い除ける。
グラファイトの視線がキャルを捉え、踏み込まんとするのが見えたなら悩む時間は終わりだ。

写シを維持したまま、御刀を鞘に納める。
代わりに別の得物を取り出し抜刀、すぐさまソードスキルを発動。
独自の呼吸音が音色を奏で、沙耶香が本来知り得ない技を繰り出す。

――霞の呼吸 肆ノ型 移流斬り

「ヌッ!?」

滑り込むように懐へ潜り込み、斜め上に刀を振るう。
速さが一段と上がっただけでなく、動き自体もこれまで見せたのと違う。
傷こそ付けられないが、グラファイトの意識を逸らすのには成功だ。

衛藤可奈美が冨岡義勇の愛刀を振るったように、沙耶香もまた日輪刀を手にした。
霞柱・時透無一郎の得物を手にし、全集中の呼吸を発動。
血液が瞬く間に沸騰、指の端まで力が漲る。
写シとの相乗効果で身体能力を大幅に強化、鬼狩りならぬバグスター狩りへ挑む。

「戦法を変えたか、成程な」
「卑怯って言いたいの?」
「まさか。CRの人間達が、ガシャットを使い分けるようなものだ。遠慮せずに掛かって来い」
「ガシャットってルルーシュが持ってた……ううん、今は…!」

気になる単語が出て来たが、考え込んでる場合じゃない。
詳細を聞くにしても、まずは勝たなければ。
意識が標的の打倒へと沈み込み、技を繰り出す構えを取る。

――霞の呼吸 弐ノ型 八重霞

小柄な体躯から放たれる、一呼吸の間に放つ無数の斬撃。
体幹に大きな捻りを加えた事で、手数に優れた連撃技へ繋げた。
振るう得物は一本なれど、襲い来る刃は複数に分裂したかのよう。
細切れの末路を引き寄せる脅威を前に、グラファイトも双刃を振るい対処。

「悪くない技だが、まだまだ足りんっ!!」

発した咆哮は強がりに非ず、己が力で打ち破れると確信を抱くが故。
沙耶香が放った斬撃と同じ数、同じ速さで双刃が唸りを上げる。
描いた一閃は全て打ち払われ、紅蓮の肉体に傷の一つも許さない。
膂力と耐久力だけが全てではないと、思い知らされた直後に次の手札を切る。

――霞の呼吸 参ノ型 霞散の飛沫

両手持ちの日輪刀が描くは、霞を消し飛ばす巨大な円。
大振りながらも隙を生じさせない、爆発的な加速。
威力と速度の両方に優れ、尚且つ広範囲をカバー可能。
衝撃波をグラファイトに叩き込み、強引にでも距離を稼ぐ気か。
間違った戦法とは言わない、だが効くかどうかは別の話。

「なに……!?」

双刃の一閃で押し返さんとし、動作に鈍りが発生。
何事かとの答えは、紅き肉体を痛め付ける雷の魔法。
高出力で迸る電撃が、拘束具の如くグラファイトを抵抗を封じる。
とはいえ以前の自分ならともかく、今はもう違う。
力任せに痺れを払い除き、あっという間に自由を取り戻した。

「まあ効かないって分かってたけど、いざ本当になるとムカつくわね……」

グラファイトに電撃を浴びせた当のキャルは、渋い顔で愚痴を呟く。
以前ルーセント学院で、ミソラが洗脳騒ぎを起こした際に使った魔法だ。
あの時は一般生徒を気絶させるに留めたが、グラファイト相手に威力の細かい調整は不要。
最大出力で放ったはいいものの、ほんの少し邪魔をするのが限界。
頑丈さには呆れと文句しか生まれずとも、無駄ではない。
どんなに僅かだろうと隙は隙、そこを見逃す沙耶香じゃない。

――霞の呼吸 伍ノ型 霞雲の海

標的から目を離さずに突撃、腕が掻き消えて見える程の速度で振るう。
動作を最小限に抑える事で、絶え間ない斬撃を実現。
参ノ型が霞を払うのなら、こちらは霞を生み出すが如き技。
大量の刃が群れを成し殺到、一撃一撃の威力は低くとも全て集まればどうなるか。
グラファイトへ叩き込まれた衝撃は、これまで沙耶香が放ったどれよりも上。
傷はないが問題無い、体勢がよろけ後退した今がチャンス。

「サヤカ!」
「うん!」

名前を呼ばれ、何の用だと聞き返しはしない。
魔力の収束で光を帯びたキャルを見れば、何をする気かは明白。
させじと動き出すグラファイトへ、次々命中するNPC達の銃弾。
倒せなくともほんの僅か、妨害さえ出来れば構わない。
巻き添えを食わない位置へ、沙耶香の退避を確認。
こちらも準備万端だ、梃子摺らされた分を籠めて思いっ切り叩き込む。

「アビスバースト!!」

広範囲の敵を巻き込む、特大の魔法が放たれる。
たった一体相手にかと思うなかれ、此度の敵には過剰な威力のがむしろ丁度良い。
大型の魔物だろうと仕留める、強力無比な必殺の術だ。
これが決まればと勝気な笑みを浮かべ、途端に凍り付いた。

魔法の直撃まで後僅か、だがグラファイトの戦意に欠片の揺らぎも生じない。
高火力で自分を打ち倒そうというなら望む所、相応の技で以て返さねば無礼だろう。
双刃に火炎が迸り、並外れた密度のエネルギーを収束。
小細工無用、真正面から打ち破ってこそ戦士の戦い也。

「ドドドド爆龍剣!!」

一刀両断の如く振り下ろし、放たれるは燃え盛る巨大な刃。
ドラゴナイトハンターZのプロトガシャット使用時に使っていた、黒龍剣という名の技。
レベル99すら超越した今なら、以前を凌駕する威力を叩き出す。
魔法を真っ二つに切り裂き、辺りを襲う爆熱と魔力の霧散。
離れた位置にいたキャル達にまで及び、そこかしこで悲鳴が起こる。

「きゃああああああああっ!?」
「うっ……ああっ!?」

よりにもよって自分の魔力で痛め付けられ、枯れ葉のように宙を舞う。
楽しくもない空中遊泳は、壁に激突し強制中断。
目から火花が散るとの比喩は、あながち間違ってもいない。
視界が一瞬スパークし、次いでじわじわと襲う鈍痛。
小さく呻きながら立ち上がると、すぐ隣で同じ動きに出る気配があった。

「…サヤカ!?あんた、大丈夫なの……?」
「どう、にか……。写シは、剥がれちゃったけど」

日輪刀を杖の代わりにし、肩で息をなしながら言う。
体力消耗による疲労だけではない、地面へ叩き付けられた際に負った傷が痛む。
死に至る程の重傷が無いのだけは幸いか。
視線を移せば息絶えたNPC達と、運良く被害を免れたのがチラホラ。
そして何よりも存在を無視できない、仁王立ちする紅蓮の龍戦士。
紅き肉体は何処にも傷が見当たらず、依然変わらぬ脅威としてそこにあった。

「良い一撃だった。以前までの俺なら危うかったかもしれん」
「前のあんたなんて、こっちは知らないわよ……!」

煽り抜きに称賛を向けたつもりだが、キャルからすれば嫌味にしか聞こえない。
手を抜いて放った覚えはなく、そもそも加減が通用する相手なものか。
グラファイトの強さを改めて思い知らされ、延々と悪態を吐き捨ててやりたい。

(使うしかない、わよね……)

言っては何だがNPCでは足止めが限界であり、残った面々に過度な期待は無理。
テレビ局に残ったメンバーで最も接近戦に優れたタギツヒメは、未だこっちへ戻って来る気配無し。
現状打破の手段と言えば、自分が使える切り札。
チラと片手に視線を落とし、三画健在のソレを見やる。

使うべきだと言うだけなら容易いが、躊躇が無いとも言えない。
一画消費毎にゲームオーバーへ近付き、使い切った時が最後。
見せしめにされた二人のようになるのか、別の形で消え去るのか。
どちらだろうと死には相違なく、意識せずとも震えが走り――

「キャル、危ないからもうちょっと下がって……」

頬に汗を垂らしながら、自身を庇い前へ出た小さな背中に。
自分よりもチビの癖して、果敢に得物を構え戦おうとする姿へ。
ギルドハウスで待っているだろう、エルフの少女が重なって。
抱いた迷いなど、あっという間に消し飛んでいった。

「……あーもう、やだやだ。ほんっとムカつく!」
「えっ?えっと…ごめんなさい、私怒らせるようなことを……」
「違う違う、あんたは何にも悪くないわよ。ただ、うじうじやってた自分に苛ついただけ」

不安気に尋ねる沙耶香へ笑いを一つ返し、フッと息を吐く。
ウザったく自分の中で渦巻いた、恐れだの何だのを払い除ける。
グラファイトと同じ事を言うようで、ちと気に入らないが。
以前までならともかく、今の自分はもう違う。
『美食殿』のキャルだと、胸を張って言える自分だから。

「チェンジ!プリンセスフォーム!」

令呪一画の消費と引き換えに、紡いだ絆の奇跡を見せてやる。
素肌を大胆に晒すのも一瞬、新たに纏うは豪奢な純白。
少女の憧れ、花嫁衣裳にも似た姿の名はプリンセスフォーム。
諦めきれなかった想いと共に、過去の呪縛を振り切った証。

「成程……それがお前の本気という訳か。面白い!全力で俺に強さを見せてみろ!」
「言われなくてもやってやるわよ!」

諦めを淘汰し足掻き続ける、戦士への歓喜へ啖呵を切り。
翳した手から魔力を放射、紅蓮の肉体を焼き潰す。
真正面より叩き込まれる力に対し、グラファイトに後退の二文字はない。
獲物を食い千切る龍の如く、双刃が捻じ伏せ霧散。

「っ!傷が治ってる……?」

防がれたが構わない、本命は攻撃じゃなく仲間への支援。
全快とまではいかないが、沙耶香の傷を癒す。
更にはケミーライザーへカードをセットし、トリガーを引く。
アッパレブシドーの力を限定的に開放、沙耶香の機動力を上げる。

「体が軽い…これなら……!」
「ええ!さっさとこいつをぶっ潰して、テレビ局守ってルルーシュに借り作ってやるわ!」

威勢の良さは見せかけに非ず、魔力を操作し光線に変え発射。
数十本を一斉に放ち、尚且つ的確にグラファイトを狙う。
棒立ちの的にはならずと、双刃を回転し防御。
打ち消しながら突き進むも、僅かに押され足が止まった。

光線一本一本の威力が、先程までの魔法を大きく超えている。
火力と手数倍増を実現させた新形態。
レベル50のスナイプを思い出しつつ、これしきが何だと力を漲らせた。

「甘いっての!」

この程度で簡単に上回れるとは、キャルも思っていない。
バラバラに放った光線を収束、一点集中で威力増加。
グラファイトの進撃に歯止めを掛け、徐々に後退させていく。

「甘い、か。それは俺の言う台詞だ!」

なれど、流石は龍戦士グラファイトと言うべきか。
咆哮一閃、火炎を纏った斬撃が光線を叩っ斬る。
飛散した魔力が完全に消えるまでの僅かな間で、キャル目掛け急接近。

――霞の呼吸 弐ノ型 八重霞

忘れるなかれ、此度の闘争に臨むのはキャル一人じゃない。
全集中の呼吸とケミーの助力、二つが沙耶香の剣速を引き上げる。
繰り出す連撃は仲間の盾にもなり、グラファイトを寄せ付けない。
双刃と日輪刀が鎬を削り、持ち前のパワーを活かし前者が捻じ伏せんとし、

「カラミティサンダー!」

頭上からの落とされた雷撃が、容赦なく直撃。
鬱陶しい痺れを振り払うも、キャルの攻撃はまだ続く。
空中飛行のアドバンテージを活かし、宙より魔力弾を連射。
貫通性を高め、且つ狙いも疎かにならない。
煌びやかな弾幕を打ち払いつつ、放つ本人を直接叩くべく跳躍。
天駆ける龍のように、一跳びで標的の元へと得物を届かせる。

――霞の呼吸 壱ノ型 垂天遠霞

そうさせない為にいるのが、鬼狩りの剣を振るいし刀使だ。
天を突き刺すかのように、両手持ちで日輪刀を突く。
両足をバネにした一撃が双刃に命中。
武器の破壊には至らなくとも、衝撃で狙いを逸らせれば上出来。

「目に物見せてやるわ!精々ビビって吠えてなさい!」

地面に降り立つや術を行使、自身の魔法の威力を更に底上げ。
大技の下準備は終わった、後は放つだけだと魔力を集中。
キャルの全身を迸る光を目にし、グラファイトも理解する。
ついさっき打ち破った術を遥かに超えた、強烈無比な一撃が放たれようとしていると。

なればどう出るのが正しい。
発射を妨害し、撃たれる前に仕留めるか。
いいや違う、それは余りに無粋の極み。
本気を出し己を倒さんと挑んだ戦士への、無礼に他ならない。

「良いだろう!お前の全力に俺も応えよう!」

構えを取り、こちらも力を集中。
全身より放出された炎を双刃に纏わせ、必殺の威力にまで昇華。
羂索達のゲーム打倒を誓った戦士に立ち塞がる、敵キャラクターとして。
己という壁を打ち破ってみせろと、龍が叫び。
上等だと少女が不敵に微笑み、激突の時が訪れた。

「アビスエンド――バースト!!!」
「ドドドドドドドドドドド紅蓮爆龍剣!!!」

放つは極大の光、振るうは爆熱の紅蓮龍。
輝きが薙ぎ払うか、火炎が飲み込むか。
互いに一歩も譲らず、前へ前へと突き進む。
見据えるのは眼前の敵のみ。
徐々に押され出したのはキャルの方、歯を食い縛ってこれ以上は退がるまいと耐え、

「キャル…!私も……!!」
『ホッパ!ホッパー!!』

片手に添えられた白い手と、勝手に実体化し必死に背を押すバッタ。
呆れるくらいにお人好しで、心強い仲間に笑みが零れる。
グラファイトの勢いをほんの僅かでも落とすべく、残ったNPC達も攻撃。
これ程に支えられてしまっては、何が何でも勝つしかないじゃあないか。

「ぶっ飛べぇぇーーーーっ!!!」
「まだだ…!これしきでぇええええええっ!!!」

絶対に勝ってやる。
そう簡単に負けてはやらない。
相反する感情を声に乗せ、魂の底まで揺さぶる。
どちらか一方が倒れるまで、決して終わらない闘争の行方は――





<クロスセイバー!>

<執行!ジャスティスオーダー!>





天空から降り注いだ十本の聖剣により、誰にとっても望まぬ展開へ捻じ曲げられた。


099:壊乱Ⅲ:chAngE 投下順 099:壊乱Ⅴ:アウトサイダーズ -Alteration-
時系列順
タギツヒメ
糸見沙耶香
キャル
グラファイト
ジンガ
仮面ライダーゼイン
小宮果穂
桜井侑斗(シビト)
凶星病理のコルファウスメット
ELS一護

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